バイクのチェーン調整で快適な走行を。張り具合の確認と調整方法

2019.06.09

エンジンの力をリアタイヤに伝える大事な役割を果たしているチェーンは、乗っているうちに張り具合が変化してきます。最適な状態に調整することにより、快適な走行ができます。そこでここでは、バイクチェーンの調整についての知識と方法を紹介します。

チェーンの張り具合には要注意

バイクに乗っていると、チェーンの状態は日々変わっていきます。特に、チェーンの張り具合は安全にも関わる部分なので、必ずチェックしておくことが大事です。

チェーンの緩みすぎは事故の元

バイクのチェーンは、走行しているうちにだんだんと伸びてたるみが生じてきます。この原因は、チェーンのパーツの摩耗です。パーツが摩耗するとパーツ同士に隙間ができ、チェーンが伸びたようなたるみができ、緩んでしまうのです。

さらに、バイクで走行を続けていると、チェーンに砂やゴミ、ホコリなどが付着していきます。これらの異物によっても、ローラーは摩耗します。

また、エンジンの力をチェーンに伝えるスプロケットとチェーン同士が摩耗することも、チェーンの緩みの原因の1つに数えられます。

チェーンが伸び、たるんだ状態で走行を続けると、アクセルの反応が悪くなったり加減速がうまくいかず、バイクの操作性と乗り心地が悪化します。

リアタイヤがロックされることがあるどころか、チェーンの劣化により抵抗が増えて燃費が悪くなったり、チェーンが発する騒音が大きくなったりする場合もあります。

最悪の場合、たるんだチェーンが外れてしまい、大事故につながる可能性もあるため、走行性能や安全性を考えても、チェーンの伸び・たるみは必ず調整が必要と言えます。

チェーンの張りすぎにも注意が必要

上記のように、チェーンの伸びやたるみは走行性能が落ちるだけではなく、事故につながることもあります。しかし、反対にチェーンを張りすぎた場合も、バイクへ悪影響を及ぼすことがあります。

張りすぎた状態のチェーンは、遊びがないためチェーンが引っ張られやすくなります。すると、チェーンへの負担が増えて伸びやすく、摩耗しやすくなってしまいます。

このようなチェーンの張りすぎは正常な操作ができず、抵抗を増やすだけなので燃費が悪くなったり、チェーンが切れやすくなったりすることが考えられます。

チェーンはたるみすぎず張りすぎず、適度に調整を行うのが大事です。

チェーン調整を行う目安の距離

ある程度走行したらチェーンの状態をチェックするべきと言えますが、ではどの程度の走行距離でチェーン調整をしたらいいのでしょうか。これは、走行距離に加えて前回の調整からの期間で判断します。

一般的には、1000km走行ごとにチェーンの調整を行うことが推奨されています。走行距離が1000kmに満たない場合でも、走行性と安全性を考えて1カ月ごとにチェーンを調整しておくことをおすすめします。

チェーンのたるみを確認するポイント

いざチェーンを調整しようと思っても、どの程度のたるみがあってはいけないのか、判断に迷うこともあるでしょう。チェーンを最適な状態に調整するために、確認するべきポイントをまとめました。

車種によってたるみ具合は異なる

チェーンのたるみすぎはバイクにとって悪いものですが、先述のように張りすぎも決して良いことではないため、適度なたるみが必要です。

一般的なたるみの適正量は20~25mmとされていますが、チェーンのたるみ具合は、バイクの車種によって適正量が異なります。また、オンロード・オフロードバイクの違いによっても異なるでしょう。

チェーンの遊びの適正値を確認

単純に一般的なたるみの適正量に合わせてしまうと、チェーンが張りすぎる可能性もあります。バイクのマニュアルには、たるみの適正量が記載されているはずなので、チェーンを調整する前に、自分のバイクのマニュアルで適正量を確認しておきましょう。

チェーン調整に必要なアイテム

バイクのチェーン調整には、いくつかのアイテムが必要となります。調整を行う前に、以下のアイテムを準備しておくと、スムーズに調整を行えます。

ナット用 コンビネーションレンチ

ナット用コンビネーションレンチは、チェーンの張りを調整するために締める必要があるチェーンアジャスターとアクスルシャフトに使用します。

チェーンアジャスターとアクスルシャフトのナットのサイズは車両により異なるので、こちらも事前にナットのサイズの確認が必要です。

張り具合の確認用 定規

定規は、張り具合を確認するために用います。これは、バイク専用のものではなく、一般的な定規でも構いません。

チェーンにはある程度のたるみが必要ですが、その適正量は数センチレベルなので、目視のみで張り具合を確認するのはおすすめできません。正しく適正量を計測するために、定規を使って正確に張り具合を調整しましょう。

サイドスタンドは別途メンテスタンドが必要

サイドスタンドでバイクを立てた状態でチェーンの調整を行おうと考えている人もいるかもしれません。

しかし、チェーン調整はバイクを垂直に立てた状態で行う方が、たるみ調整なども正確にできるため、基本的にチェーン調整はリアタイヤを上げて行います。

サイドスタンドではリアタイヤを浮かせることはできないため、バイクを垂直に立ててタイヤを浮かすことができるメンテナンススタンドの利用をおすすめします。

チェーン調整のやり方

ここまで、バイクのチェーン調整について知っておきたい基本的な知識をまとめました。では次に、実際のチェーン調整はどのように行うのか、詳しい手順を紹介します。

車体のジャッキアップ

バイクのチェーン調整は、リアタイヤを浮かせた状態で行うので、まずはジャッキアップをしましょう。

まず、ジャッキがある場合は、車両下にある出っ張り部分をジャッキアップします。メンテナンススタンドを使う場合は、リアスタンドでタイヤを浮かせましょう。

ジャッキやメンテスタンドを使用するときは、不安定な場所で行うとバイクごと転倒する危険があります。ジャッキアップは、できるだけ舗装された平らな地面で使用しましょう。

カブなどチェーンケースがある場合は外す

カブのようなバイクでは、チェーンを覆うための『チェーンケース』が付いていることがあります。

チェーンケースを付けたままでもメンテナンスは可能ですが、外した方が調整しやすく、ケース内に付着した汚れも落とせるので、できるだけチェーンケースは外した方がいいでしょう。

チェーンケースは、表面に付いているボルトを外すだけで、取り外すことができます。

アスクルナットを緩める

次に、リアタイヤの車軸部分にあるアクスルナットを緩めます。このときのポイントは、アクスルナットを完全に外さない、緩めすぎないことです。

特に、アクスルナットを必要以上に緩めすぎることがあります。

調整が終わって再びナットを締めるときに、アクスルシャフトまで動いてしまい、せっかく調整したチェーンの長さが変わってしまうことがあるので、あまりアクスルナットを緩めないように気をつけましょう。

アクスルナットを緩めたら、チェーンアジャスターが動くようになります。その後、リアタイヤ左右のチェーンアジャスターを緩めます。

アジャスターのナットを締めて調整

チェーンアジャスターを緩めたら、いよいよチェーンの調整に取り掛かります。チェーンアジャスターのナットを締めながら、チェーンの張りを調整します。

手で直接チェーンのたるみをチェックしながらナットを締めていき、適正値内のたるみかどうかを確認します。張り終わったら、定規を使います。

スプロケット付近のチェーンを指で押し上げて、チェーンが最も張った摩耗が少ない部分を探しましょう。

この部分に定規を当て、たるみが適正値内かを確認します。もし適正値より張っている場合はアジャスターを緩めた後、後ろからタイヤを蹴って前へ押し込んで再調整をします。

最後に、チェーンアジャスターの左右の位置を合わせます。アジャスターの目盛りが左右同じ場所にあるかどうかを確認したら、チェーンアジャスターナットとアクスルナットをしっかりと締めてチェーン調整が完了です。

プロに依頼した場合の工賃は?

バイク初心者は特に、自分でバイクの調整を行うのは難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。最初のうちは、自分で行うよりもプロにチェーン調整を依頼した方が安全・確実かもしれません。

自信がなければショップに持ち込むのもアリ

ここまで紹介した方法は、自分自身でチェーン調整を行う場合の方法です。

チェーン調整に必要なアイテムを持っていないという場合は買い揃える必要も出てくるため、個人で行うのはハードルが高い、と感じる人もいるのではないでしょうか。

チェーン調整は1カ月に一度は行っておきたいと言われるほど、バイクに乗っていれば比較的マメに行う必要がある作業であるため、できれば自分でメンテナンスができるのが理想です。

しかし、まだ自分でチェーン調整をする自信がない人は、有料にはなるもののプロに依頼するのも1つの手段です。この際に、プロにチェーン調整のコツなどを聞いておくのもいいでしょう。

平均的な料金

依頼する店舗などによってチェーン調整にかかる料金は異なりますが、平均的な料金は1000円~となります。この料金はチェーン調整だけのもので、さらにチェーン清掃や注油をプラスすると、トータルで3200円~の料金です。

作業内容により所要時間も異なりますが、チェーン調整だけであれば15分ほどで完了するでしょう。

定期的なチェーン調整で快適な走行を

チェーンの状態の良し悪しは、バイクの走行性能や快適性に関わります。安全に乗るためには、定期的に調整が必要です。

快適に走行するためには、一定の走行距離に達した後、または前回の調整からある程度の期間が経過した後は、必ずチェーンの調整を行い、長く安全にバイクを楽しみましょう。

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