知っておきたい日本刀の歴史。時代の変遷や名刀もあわせて紹介

2019.06.05

日本の歴史を語るのに欠かせないのが、侍が持っていたとされている日本刀です。日本刀は数多くの鍛冶職人によって作られてきており、中には名刀と呼ばれる日本刀も存在します。日本刀とはそもそもどういったものになるのでしょうか?今回はそんな日本刀の歴史に焦点を当てて、解説していきます。

日本刀の歴史とは?時代による変遷

日本刀は今となっては展示用の美術品として扱われていることがほとんどですが、もともとは日本特有の武器として使われていました。特に戦国時代ごろまでは武具としての刀剣という意味合いが強く、戦場などで実際に使用されていました。

江戸時代になると、日本刀の位置づけが徐々に変わってきます。大きな戦乱もない「天下泰平の時代」ともいえる江戸時代には、日本刀は武士の身分を示すための一種のアイコンや装飾具としての側面が強くなりました。もちろん実際に使用されることもありましたが、特に江戸時代中後期ごろには日本刀の装飾化が進んだといわれています。

その後明治維新を迎え、身分制度が崩壊すると、日本刀は『廃刀令』のもと日常的な帯刀が許可されなくなります。さらに、文明開化のあおりを受けて軍備の西洋化が加速すると、刀剣も日本刀から西洋式へと変更されていったり、戦闘の主役が刀から鉄砲へと移り変わっていったこともあり、日本刀は武具としてよりもむしろ美術品としての価値を高めていきました。

昭和20年(1945年)に起こった第二次世界大戦は、さらなる転機となりました。大戦終結後の日本では、GHQの決定のもとで武器の所有を無くすよう指示があり、あらゆる刀剣類は没収の対象となり、多くの日本刀が廃棄処分を受けるなどして失われました。これ以降、日本刀は「戦うための武器」としてではなく名実ともに「美術品」として扱われるようになり、決定的な転換点と言えるでしょう。

日本刀の時代ごとの特徴

日本刀の特徴は、直刀ではなく少し反りが入った『湾刀』という区分にあたることです。湾刀に変化したと言われているのが平安中期と考えられていますが、それより前の刀は上古刀と呼ばれており、大陸の島から直刀として日本に渡来してきたのです。

ここから日本刀は、大きく3つの時代に分かれて作られるようになります。それが「古刀期」「新刀期」「新々刀期」です。それぞれの時代において作り方や特徴が変化していき、日本刀の概念も変化してきたのです。

古刀期

古刀期とは、平安時代~文禄4年(~1595年)までのことを表しています。慶長元年以前に作られた刀のことを古刀と言い、最初に作られた日本刀の製法を用いているのです。

古刀は長期間にわたる日本刀の総称であり、ひとくくりに論じることは難しいといえます。一般的には、いかにも日本刀という印象の反りの深い形状をしていることが多いです。また、この時代には装飾具としてよりも実用性が重視されたため、新刀期・新々刀期とくらべると茎(なかご。刀身のうち、柄に覆われている部分)の装飾性があまりなく、化粧やすりなどの技術が用いられていないことも挙げられます。

新刀期

新刀期とは、慶長元年~宝暦13年(1596~1763年)のことを表しています。古刀期に比べると反りは浅めで、このころからやや装飾のある作品も出現してきます。刃文は直線的な直刃で、日本刀のイメージに近い波打ったような刃文ではないことが多いです。

新々刀期

新々刀期とは、明和元年~明治9年(1764年~1876年)のことを表しています。この時代の刀は、新しい製法で作られたものとはいえ、古刀期に作られていたとされる上位作の作風を写すような作風が多くみられることが特徴です。

また新刀期にはあまり見られない短刀を多く作っているのも、新々刀期ならではと言っていいでしょう。

名前を聞いたことがある有名な日本刀2選

日本刀は数多くの鍛冶屋によって作られましたが、中には有名な名前を持った名刀と呼べる日本刀も数多く作られています。ここではその中でも有名な日本刀を2つ紹介していきます。

名刀 正宗

『正宗』とは特定の一本の刀のことではなく、鎌倉時代の名工・正宗が打った一連の刀の総称を指します。鎌倉時代に作られた古刀ですが、「その後正宗を超える刀は作られなかった」と言われるほど、古来名刀の代名詞として知られています。

現存する刀の多くは国宝や重要文化財に指定されています。特に有名なのが、国宝『城和泉正宗(じょういずみまさむね)』でしょう。身幅はやや細身で、正宗の特徴でもある古刀としてはやや浅い反り、そして独特の刃文がなんともいえない美しさを醸し出しています。正宗の中でも逸品とされる、天下に名高い日本刀です。

現在は東京国立博物館に所蔵されており、一般公開されることもあります。

名刀 三日月宗近

平安時代に作られたとされる刀で、日本の中でも指折りの名刀中の名刀になります。その美しい形状は、『天下五剣』と称される名刀のなかで最も美しいと評されるほど。

また、この刀をとりまくエピソードで何より有名なのが、かの豊臣秀吉から正室である「ねね」に譲渡された刀だということです。豊臣秀吉はねねのことを溺愛していたと言われているので、それだけ重要な刀であったということが分かります。

一風変わった名前の由来は、刃縁に沿って続いていく模様がまるで三日月のように見えたことから付けられたということです。

奥が深い日本刀の世界

日本刀は戦いの歴史がある武器であるとともに、職人が丹精込めて作った芸術作品でもあります。また日本刀はその種類によって特徴が様々です。色々な日本刀について触れて、奥が深い日本刀の世界に飛び込んでみましょう。

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