チュイールってどんなお菓子?基本情報やレシピをご紹介

2019.06.04

チュイールをご存知ですか?独特の丸いカーブが特徴的なフランスのお菓子です。名前は知らなくとも、口にしたことのある人は多いかもしれません。単体でも、別のお菓子に添えても美味しく味わえます。今回はそんなチュイールについて、詳しく見ていきましょう。

チュイールとは

チュイールとは、日本でも古くから親しまれてきたバターやアーモンドスライスの風味が香ばしい、薄くサクサクしたクッキー風のお菓子です。その名前に馴染みがない人も多いかもしれませんが、ギフトなどにもよく使われる一般的なお菓子のため、食べたことのある人も多いでしょう。

フランス語で瓦の意味

チュイールは、フランス語で『瓦』や『タイル』を意味します。フランス瓦は円筒を縦に2つに割ったような形をしており、チュイールはその見た目にそっくりのカーブが特徴的なお菓子です。

フランス風せんべいとも呼ばれ、薄く生地を伸ばして焼くため、サクサク、カリカリとした軽い食感が楽しめます。

材料もよく似たラング・ド・シャというクッキーがありますが、瓦の形をつけることやアーモンドスライスなどでアレンジするのが、チュイールの特徴です。

独特のカーブは、専用の道具が必要というわけではなく、ワインボトルやめん棒など家庭にあるものでつけることができます。

日本での歴史も古く、鎖国中の江戸時代にフランスから伝わったと言われています。

チュイールに使われている材料

チュイールの生地は、卵白・薄力粉・グラニュー糖・バターを基本として、そこに風味づけでアーモンドスライスとバニラエッセンスを加えたものが基本です。

材料の内容はクッキーとも似ていますが、全卵ではなく卵白のみしか使わない点などは異なる特徴と言えるでしょう。

卵白のみを使うことで、焼きあがった時にパリッとした食感を出すことができます。逆に全卵を使ってしまうと、焼きあがった時に崩れてしまいやすくなるのです。

チュイールの魅力

チュイールはそのまま食べるだけでなく、他のデザートの付け合わせとしてもその魅力を発揮します。どのように親しまれているのでしょうか。

軽い口当たりと香ばしさ

チュイールは、卵白だけを使うことによるカリカリした軽い食感と、バターとアーモンドのこうばしい香りが魅力です。

ふんわりと香るバターが紅茶や日本茶にも合いますし、プリンやパンナコッタなど他のデザートの付け合わせにも良いでしょう。

薄くて割れやすいため、販売されているチュイールはカーブがあまり大きく付けられていないものもあります。

飾りとしても使用できる

チュイールは主役のお菓子としてはもちろんですが、プロのパティシエたちによってデザートの飾りとして使われることも多くあります。

チュイールの形を筒状にして、その中にフルーツやクリームなどを詰めたり、アイスクリームやムースに差して飾ったりしています。

フルーツに添えてもお洒落で、箸休めのような役割も果たしてくれるので、使い勝手の良いお菓子です。

初心者でも作りやすい

お菓子作りはあまりしたことがないという人でも、『材料を混ぜて焼く』だけなので、チャレンジしやすいお菓子と言えるでしょう。材料を揃えやすく、混ぜて焼くという工程だけでできるのもチュイールの魅力です。

特別な材料もなく、クッキーやケーキのように専用の型も不要なので、家であるもので代用して作ってみましょう。ボウル1個とオーブンがあれば作れてしまいます。

基本の作り方に慣れたら、自分流にアレンジして、ドリンクや他のデザートと組み合わせてみるのもおすすめです。

チュイールを作る下準備

チュイールは『混ぜて焼く』という簡単な工程でできますが、下準備をしておくともっと作業が楽になります。

アーモンドスライスを焼く

チュイールの定番中の定番、アーモンドスライスはあらかじめ焼いておきます。オーブンの天板に広げ、150度で20分程度焼きましょう。

ただし、焦げないように注意して、焼き加減を調節してください。香ばしい香りがしてきたら焦げやすくなるので、時々オーブンの中を確認しましょう。焼けたら冷ましておきます。

材料を混ぜる

卵白はグラニュー糖を少しずつ加えながら混ぜます。泡立て器を使って、まんべんなく混ぜましょう。

薄力粉はあらかじめふるっておきます。道具をゴムベラに持ち替え、グラニュー糖がすべて混ざった卵白に薄力粉を加えてざっくりと切るように混ぜます。ボールの底から持ち上げるようにしてゴムベラで『1』を書くようにしながら、練らずに混ぜるのがコツです。粘りが出ないように気をつけましょう。

そこへ先ほど焼いたアーモンドスライスと溶かしバター、バニラエッセンス少々を加え、練らないように底の方からざっくりと混ぜます。バターはあらかじめ電子レンジにかけて溶かしておきましょう。

生地をしばらく寝かせる

すべての材料をざっくりと混ぜたら、そのままラップをして冷蔵庫で寝かせます。よく混ぜてしまうと、粘りが出てしまい、硬くなってサックリとした食感が失われてしまいます。

生地を寝かせる訳は、混ぜただけでは水分が全体になじまないので、しばらく置くことでしっとりさせるためです。寝かせる時間は、2時間以上が目安です。

また、生地を寝かせることで味がよくなじみ、その後の成形もしやすくなるのです。

特に初心者の場合は、しっかり寝かせることで生地が扱いやすく、焼き上がりもきれいになります。

チュイールを焼く

下準備が終わったら、いよいよチュイールを焼いていきます。チュイールにカーブを付けるために、きれいな軍手も準備しておきましょう。

オーブンシートに形を作る

天板にオーブンシートを敷き、生地をスプーン1杯分すくい、間隔をあけながら落とします。生地はスプーンの背や水で濡らしたフォークで伸ばしましょう。直径5㎝程度が目安です。

この時、アーモンドスライスがなるべく重ならないようにしましょう。

1度にすべての生地を広げられないのであれば、焼いている間に次の生地をオーブンシートに広げる作業をすると効率よく焼くことができます。

1度にたくさん焼こうと、間隔をあまりあけずに生地を置いてしまうと、焼き上がってオーブンシートから剥がす時に剥がしにくくなってしまうため注意が必要です。

170度のオーブンで焼く

オーブンは170度に余熱しておき、約20分焼きます。オーブンによって熱の入り方にもばらつきがありますので、様子を見ながらチュイールの周囲に焼き色が付いてきたら注意しましょう。

全体がこんがりと色づいたらすぐにオーブンシートから剥がし、めん棒やワインボトルなどに押しつけてカーブを付けます。

この時、焼きたてで非常に熱いため、軍手をはめて行いましょう。カーブがしっかりと付いて固まったことを確認し、めん棒からそっと外します。

冷まして保存する

カーブを付けたチュイールはまだ温かいのでバットなどに広げ、自然に冷まします。

熱が取れたら、密閉できる容器に入れて保存します。薄いチュイールはサクサクの食感が魅力なので、乾燥剤を一緒に入れておくことで湿気を吸うことなく保存することができます。

材料にもよりますが、比較的日持ちするのも魅力です。乾燥剤を入れてる場合は1週間程度で食べきりましょう。

チュイールを作るポイント

チュイールは手軽に作れるお菓子ですが、上手に作るにはいくつかポイントがあります。ポイントを押さえて、チュイール上級者になりましょう。

寝かせることで味が均一に

混ぜ合わせた生地を寝かせることの意味は、生地を落ち着かせて均一に伸ばしやすくするためです。薄力粉はよく混ぜてしまうと『グルテン』という粘り成分が強くなってしまうため、焼き上がった時硬くなってしまいます。

グルテンの働きを抑えるためにも長く混ぜるのではなく、生地をよく寝かせましょう。生地を寝かせる時間はできるだけ2時間以上とってください。それだけで焼き上がりのツヤにも差が出ます。

レシピによっては、寝かす時間が30分、1時間などとばらつきがありますが、寝かせる時間は長くなっても問題はありません。

サクサクの食感で、味にムラのないチュイールを作るためにも、生地はよく寝かせましょう。その日に寝かせる時間がない場合は、前日に生地を混ぜて寝かせておき、翌日焼いても大丈夫です。

薄く伸ばす

チュイールの生地はできるだけ薄く伸ばしましょう。熱が均一に入るように、中央をより薄くするのがコツです。

また、チュイールの特徴でもあるカーブを付ける際は、熱いうちに行うのがポイントです。軍手をはめてめん棒などに押しつけますが、その時は軍手でそのまま押さえつけず、オーブンペーパーを被せて抑えると、表面がきれいに保てます。

カーブを付けたら、粗熱が取れてからめん棒から外しましょう。

チュイールは瓦という意味ですから、カーブがあってこそのチュイールとも言えますが、道具がない場合などは平らのまま冷ましても問題ありません。

強力粉を使うと違った食感に

チュイールは家庭にある薄力粉で作れますが、薄力粉を強力粉に変えることで、少し歯ごたえのある食感になります。

強力粉は小麦粉に比べてタンパク質の量が多いことが特徴です。つまり、強力粉を使うとグルテンができやすく、チュイールが硬くなりやすくなってしまいます。

強力粉を使った時は、ゴムベラかスキッパーでボールに『1』を書くように切り混ぜる点と、混ぜた後の生地を寝かせる時間を大切にしてください。グルテンは温度が下がると粘り気が弱まるため、サクサクのチュイールになります。

強力粉に変えても分量は薄力粉と同じですので、アレンジする際や、食感を変えてみたい時に試してみてください。

アレンジのアイデア

基本的なチュイールの作り方やコツがわかったところで、アレンジをしてみましょう。ラッピングしてお呼ばれの手土産にしても喜ばれます。

ココナッツを入れてみる

上記でご紹介したレシピにココナッツを加えて焼きます。30枚分ならココナッツファインを90gほど準備しましょう。ココナツファインとは、粗挽きにした状態のココナッツの果肉のことです。

アーモンドスライスの代わりにココナッツを使っても問題ありません。

アレンジとしては、ココナッツをたっぷり使い、バターを控えめにするとカロリー控えめのヘルシーなお菓子にもなります。

ココナッツの香りが紅茶にも合いますし、アーモンドとはまた違った食感も味わえます。ココナッツは香りがいいだけでなく、美容成分が多いことでも知られているので、女性のおやつとしても喜ばれます。

ゴマの香りを楽しむ

ゴマをお菓子に使うことはよくありますが、チュイールにもよく合います。基本のチュイールにゴマ80gを加えて焼くだけですが、ゴマの香りや食感がいつもと違うチュイールにアレンジしてくれます。

黒ゴマ、白ゴマの療法を用いたアレンジのほか、材料を半分に分け、半分はアーモンドスライス、半分はゴマを混ぜて焼いても、一度に多くのチュイールが味わえて楽しめるでしょう。

ポイントは、生地を焼く前にゴマができるだけ均一になるよう生地を広げることです。火が通りやすいので、基本のチュイールより焼き時間は短めで調整してみてください。

きな粉で和風にアレンジ

和菓子のイメージが強いきな粉ですが、チュイールとの相性は抜群です。基本の生地にきな粉を適宜混ぜて焼くだけで、簡単にアレンジができます。

大豆をすり潰したものがきな粉なので、タンパク質やイソフラボンといった栄養価も高く、女性や子供にもおすすめのアレンジです。

注意点としては、きな粉を混ぜる時に混ぜすぎないことです。ゴムベラで切り混ぜして、生地をよく寝かせてください。

きな粉は焼くというイメージがあまりありませんが、日本茶ともよく合うおやつになります。

フルーツピューレ

フルーツピューレとはペースト状にしたフルーツのことです。フルーツピューレを使用する場合は、卵白を使わないため少し違った食感になります。

作る際にはフルーツピューレにグラニュー糖を少しずつ加えて溶かし、薄力粉を入れてサックリ混ぜたら、アーモンドを入れて、溶かしバターを入れて混ぜます。

生地は冷蔵庫で4時間ほど寝かせましょう。一般的なチュイールに比べ、少し長めに寝かせるのがポイントです。薄く伸ばして焼くと、フルーツの香りが食欲をそそる、カリカリのチュイールになります。

おすすめのフルーツは、ベリー系やオレンジ系です。お好みでさまざまなフルーツピューレを試してみましょう。

さらに薄いチュイールダンテル

チュイールも薄くて軽いお菓子ですが、さらに薄いチュイールダンテルとは何でしょうか。レシピや作り方も併せてご紹介します。

チュイールダンテルとは

ダンテルとは、フランス語で『レース』の意味があります。レースという名前の通り、薄くて繊細なお菓子です。焼き上がりの表面が網目状のレースのようで、向こうが透けて見えるためこの名前が付きました。

カリッとした歯ごたえでキャラメルのような味わいになり、通常はオレンジ風味に味付けされますが、通常のチュイールと同様にさまざまなアレンジがあります。

チュイール同様、そのまま食べることも他のデザートの飾り付けに使うことも可能で、コーヒーにもよく合います。

簡単にできるため、おもてなしや、ちょっとした差し入れにもお洒落で喜んでもらえます。

チュイールダンテルのレシピ

チュイールダンテルの材料とレシピを紹介します。チュイールダンテルの場合は、通常カーブは付けません。

  • 薄力粉 10g
  • グラニュー糖 50g
  • バター 25g
  • オレンジ果汁 25g
  • オレンジピール 1/2個分
  • アーモンドスライス 50g

作り方は以下の通りですが、まずは下準備として薄力粉はふるっておき、バターは常温に戻しましょう。アーモンドスライスは手で握るようにして細かく砕いておきます。

  1. クリーム状になったバターに砂糖の半量を加えて混ぜる
  2. オレンジ果汁を少しずつ加えながら混ぜ、残りの砂糖も加えて混ぜる
  3. 薄力粉とオレンジピールを加えて泡立て器で混ぜる
  4. ゴムベラに持ち替えてアーモンドスライスを加えて混ぜる
  5. ラップをかけて冷蔵庫で12時間程度寝かせる
  6. 生地を20等分してオーブンシートの上に間隔を空けながらのせ、濡らしたフォークで直径4㎝程度に薄く広げる
  7. 180度に余熱しておいたオーブンで8〜12分焼く

焼き時間についてはあくまで目安となりますので、焼き色を見ながら時間を加減してください。焼けたらオーブンから取り出し、3分ほど置いて生地が落ち着いたら1枚ずつ剥がします。繊細で割れやすいので注意しましょう。

簡単に作れるチュイールを楽しもう

フランス生まれのチュイールは、日本でも古くから親しまれているお菓子です。少ない材料で手軽に作れるので初心者でも失敗が少なく、アレンジもしやすいのが人気のある秘密です。

卵白が余った時や、来客の際など、作ってみてはいかがでしょうか。

コーヒーや紅茶と一緒にチュイールを楽しむのも、アイスクリームやプリンなど、他のお菓子の添え物としても相性抜群です。

さまざなな種類のチュイールを作成し、バターやアーモンドの香ばしい香りを楽しんでみましょう。

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