時計のパーツにはどんなものがある?トラブル時やDIYなどに役立つ知識

2019.05.31

時計はたくさんのパーツによって構成されています。パーツ名を知ると、複雑だと思っていた時計の仕組みや構造がシンプルにわかるようになり、DIYにもチャレンジできるようになるでしょう。ここでは、主なパーツ名称と役割を覚えましょう。

時計パーツの名前を知るメリット

時計パーツには、それぞれの名前と役割があります。パーツ名と役割がわかると、時計をより上手に使いこなせると同時に、以下のような場面で役立ちます。

トラブルや修理時に役に立つ

時計はたくさんのパーツから構成された精密機械です。故障時に時計専門店に預けると、お店の人が原因を事細かに説明してくれますが、「説明の意味が理解できない」という人は少なくありません。

話の意味がわかりにくいと感じるのは、各パーツの名称や仕組みを知らないためです。

基本的なパーツ名を覚えておくと、トラブルがあったときに話がスムーズに進みます。さらに、名称だけでなく各パーツの役割や形も理解しておけば、どこをどう直すのかのイメージが湧くでしょう。

DIYするときに必要なものがわかる

最近は掛け時計が自作できるDIYキットなどが販売されています。自分で時計を作りたいとき、または修理したい場合に、時計のパーツ名と構成を把握しておくことは基本中の基本と言えるでしょう。

DIYでよく出てくるのが、時計の心臓部分にあたる『ムーブメント』です。ムーブメントの仕組みがわからないと針も購入できないので、最低限の名称と仕組みは覚えておきたいものです。

時計の基本的なパーツ構成

ほとんどの腕時計に共通する『基本的なパーツ構成』を把握しましょう。基本的な知識があれば修理時にお店の人の話が理解できるようになるはずです。手持ちの時計と照らし合わせながら確認してみましょう。

時計の個性を決める ダイヤル

『ダイヤル』は『文字盤(文字板)』とも呼ばれ、時計の個性を決める『顔』のような位置づけと言えます。

文字盤には時間を示す目盛りが刻印されており、色・デザイン・大きさは千差万別です。

物にもよりますが、ダイヤルが大きめの『ビッグフェイス』は視認性が高く、堂々とした印象を与えるでしょう。小さめのダイヤルは女性用腕時計に多く、華奢でアクセサリー性が高めです。

ダイヤル部分はガラスやアクリルの風防で覆われていますが、隙間から湿気が入り込むと劣化しやすくなります。

光の角度で輝きが変わるシルバーダイヤルやシャンパンダイヤルは長年使っていると『焼け』や『変色』が起こるので、視認性が落ちる前に交換するのが理想でしょう。

時計の本体 ケース、ムーブメント

文字盤や各部品を納めた時計の外郭または本体を『ケース』と呼びます。

ステンレススチール・プラチナ・金・チタン・カーボン・メッキ・セラミックなどの素材が用いられ、簡単には開かないようなつくりになっています。

形は、定番のラウンドやスクエアの他に、オーバル・クッション・トノー・レクタンギュラーなどがあり、文字盤同様、時計の印象を決める重要な部分です。

ケースの中には、時計の心臓部である『ムーブメント』が内蔵されています。時計を動かす原動力となるもので、『機械式(手巻き、自動巻き)』と『クォーツ』式に大別できます。

  • 手巻き:リューズを巻くとゼンマイが巻き上げられ、ゼンマイがほどける力で針が進む
  • 自動巻き:手巻きと原理は同じだが、ローターにより自動で巻き上げられる
  • クォーツ:ゼンマイは遣わず、原動力に水晶振動子を用いる

ガラスの外縁部 ベゼル

時計のガラスの縁にリング状に取り付けられるパーツまたは外縁部が『ベゼル』です。

『Bezel』という単語は英語で『枠』や『縁』を意味します。スマートフォンの場合は『スリムベゼル(狭額縁設計)』や『ベゼルレス(額縁なし)』と表現されるのを知っている人もいるでしょう。

時計のベゼルには、水やホコリが入り込まないようにガラスを固定する役割がありますが、中には目盛りがついており、クルクル動く『回転ペゼル』もあります。

『回転ペゼル』は経過時間の計測をする際に役立ち、ダイバーズウォッチなどに多く用いられます。その他に、ペゼルを回して他国の時刻を表示できるタイプは海外旅行時に重宝するでしょう。

時刻などを合わせる リューズ

『リューズ(竜頭)』は時計についた小さなつまみで、時計の時刻およびカレンダーを修正する役目があります。

時間を調整する場合はリューズを一段階ひき、カレンダーを調節する場合は、二段階引いて回すのが一般的です。

なお、『手巻き式時計』の場合は、リューズを直接巻き上げることでゼンマイが巻き上がる仕組みです。

多くの時計には『引き出し式』のリューズが使用されていますが、ロレックスや一部のダイバーズウォッチには気密性の高い『ねじ込み式』が採用されています。

ベルトとの接続部 ラグ

『ラグ』は、腕時計本体とベルトを接続する部分で、ケースの上下に溶接されているのが一般的です。

スポーツウォッチは、太めのラグとケースが一体化した『一体型タイプ』が多く、溶接型よりも強度が高く作られています。

すべての腕時計にラグがあるわけではなく、中には、直接ベルトをケースに装着し、フィット感やデザイン性を高めた『ラグなしタイプ』もあります。

クロノグラフで使用される主なパーツ

『クロノグラフ』はストップウォッチ機能を持った腕時計を指し、そのパーツは一般的な腕時計よりも繊細で、かつ多岐にわたります。

現在時刻以外の表示に インダイヤル

『インダイヤル』とは、文字盤の中に配された小さな文字盤のことで、サブダイヤル・スモールダイヤル・レジスター・カウンターなどとも呼ばれます。

クロノグラフは、インダイヤルに、時間の経過がわかる『30分積算計』や『12時間積算計』を搭載しているのが通常です。それ以外に、日付・曜日・月表示・秒(スモールセコンド)などが表示されるタイプもあります。

ストップウォッチ動作に プッシュボタン

クロノグラフはストップウォッチの機能を備えているので、リューズの上下にストップウォッチ動作のための『プッシュボタン』が2個ついています。

一般的なものは、上が『スタート』および『ストップ』で、下が『リセット』です。スタートを押すと秒針が動き、1分が経過すると30分積算計の目盛りが1つ進み、1時間が経過すると12時間積算計の目盛りが進みます。

その他のパーツ

ベゼルにメーターがついているタイプは一般的な時計でも多いですが、クロノグラフの場合はその種類も多種多様です。

  • タキメーター:速さを計測
  • テレメーター:距離を計測
  • パルスメーター:脈拍数を計測
  • アズモメーター:呼吸数を計測
  • デジマルメーター:10進法の時間を表示

また、高い防水性を備えたクロノグラフのダイバーズウォッチの場合は、『ヘリウムエスケープバルブ(時計内のヘリウムを外に逃がす仕組み)』を備えています。

深海に潜水する際、人は、「飽和潜水」という特殊な潜水方法を行いますが、その際に用いるヘリウムガスが時計内に浸透します。

すると海面などに浮上したとき、減圧に伴って時計内部でヘリウムガスが膨張し、時計の破損につながります。エスケープバルブはその「ヘリウムガスを逃がすための弁」の役割をしており、破損を防ぐ機能なのです。

時計ベルトのパーツの名前

ベルトのパーツは時計本体に比べて覚えやすく、仕組みもわかりやすいです。パーツの名前を覚えておくと、ベルト交換時などに役立つでしょう。

金属ベルトの場合

金属ベルトは、主に以下のパーツで構成されています。なお、金属の時計の場合、ベルト部分を『ブレスレット』と呼ぶことがあります。ブレスレットは6時側と12時側に各1本ずつついています。

  • バネ棒:ブレスレットを本体に取り付ける棒状の部品
  • エンドピース(先かん):ブレスレットをケースとつなぐ端末の部品
  • 固定駒:ブレスレットの本体で基本的には取り外し不可
  • 足し駒:増減してブレスレットの長さを調節する
  • 中留め:2本のブレスレットを連結する板の部分
  • バックル:装着時に留める部分

革ベルトの場合

『革ベルト』は金属ベルトよりも部品数が少なく、使い方もシンプルです。金属ベルト同様、革ベルトは6時側と12時側に各1本ずつついています。

  • バネ棒:ベルトを本体に取り付ける棒状の部品
  • かん穴:バネ棒の入る穴
  • 定革:革の輪の部分
  • 遊革:可動できる革の輪で、長さを調節する時に使用
  • 尾錠(美錠):ベルトを留める金具
  • つく棒:尾錠に付いた棒状の留め具で、ベルトの子穴に差し込む
  • ベルトの子穴:ベルト状の小さな穴で腕のサイズを調節する

時計はハンドメイドできる?

時計は緻密な精密機械ですが、パーツ名と役割を理解できると「自分でも修理できそう」「作れそう」という気持ちになるのではないでしょうか?

壁掛け時計なら比較的簡単にできる

腕時計のハンドメイドは難しいですが、『壁掛け時計』なら比較的簡単にできます。壁掛け時計を構成する主なパーツは、枠(表と裏)・ガラス・文字盤・針・ムーブメントです。

各パーツを繋ぐ主な金具は、文字盤固定ナット・ゴムパッキン・掛け金具などがあればよいでしょう。

材料の中で唯一手作りできないのが時計の心臓部分にあたる『ムーブメント』です。ムーブメントは時刻のズレが少ないものを選びましょう。

また、材料があれば、腕時計や置時計のDIYも可能です。

DIYはまずパーツの販売場所探しから

時計のパーツは、一般的なホームセンターではあまり取り扱いがありません。店舗数は少ないですが、さまざまなパーツを扱う『時計材料店』で購入するのがおすすめです。

また、規格は限られていますが、ネット通販やすべての材料が揃っている『時計のDIYキット』を購入するのもよいでしょう。

各時計の名称を覚えよう

時計のパーツ名を覚えておくと、修理のときに役に立つだけでなく、『時計は複雑』というイメージが一層され、自分でDIYを楽しむこともできるでしょう。

通常の腕時計とクロノグラフのパーツには若干の違いがあります。手持ちの時計を比べてみるのも楽しいかもしれません。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME