相撲協会を知れば相撲の世界がみえてくる!仕組みと歴史を学ぼう

2019.06.02

日本伝統の国技であり神事でもある「相撲」。古い文献にもイラスト付きで残っているほど歴史がある行事です。本記事では、そんな相撲の興行を運営し、力士を統括する日本相撲協会からなる近代相撲の歴史を紐解いていきます。

日本相撲協会とは

老若男女問わず国内外に多くのファンをもち、日本の観光産業の一翼を担っている相撲。力士が個々に客を呼ぶようでは、興行は成り立ちません。力士や相撲部屋を取りまとめて興行を運営する役割を担っているのが、相撲経験者や有識者からなる日本相撲協会です。そんな日本相撲協会について詳しく解説します。

大相撲を興行する公益財団法人

日本相撲協会は公益財団法人です。しかしその形態は特殊であり、世間一般的に公益(社会的利益)を目的とする法人でもあるにも関わらず、日本相撲協会は莫大な収益を伴う興行を営利目的で運営しています。これは一般的な企業の形態と同様であり、所属する力士は会社員のように職業として相撲をとっていることになります。なお、日本の公益財団法人の中でこのような形態をとっているのは日本相撲協会のみです。

相撲協会の構成員

相撲協会の構成員はそのほとんどが元力士で構成されています。役職は理事長、理事、副理事、役員待遇委員、委員、主任委員待遇年寄、年寄、参与、評議員、外部役員の10個に分けられます。役職ごとに職務が決まっているわけではなく個々に複数の職務が振り分けられています。構成員の中には相撲協会の職務だけではなく、相撲部屋を持っている方も多いため、多忙を極めています。

相撲協会と各部屋との関係

力士が日々切磋琢磨しながら稽古を行う相撲部屋。相撲部屋は、相撲協会からは独立した存在ではありますが、相撲協会からは力士の人数や力士の番付によって部屋の運営に関わる補助金が支給されています。

この補助金によって、各部屋は力士の食事や身の回りの品などをふくめた「部屋の維持」をしていくことになります。その意味で、相撲協会と相撲部屋は密接な関係にあると言えます。

日本相撲協会の歴史

相撲には長きに渡る歴史がありますが、相撲協会の歴史は相撲の歴史に比べると短く、発足は1900年代に遡ります。ここからは相撲・相撲協会の歴史の変遷をご紹介していきます。

前史:江戸期の流行と明治期の復興

現代同様に興行としての相撲が行われていた江戸時代。その目的は主に神事として寺社仏閣の建立前に行うことで資金を調達する、神聖なものでありながらも営利的な側面をもつものでした。災害や時代の変遷において力士はその職を失いかけますが、当時の権力者達が力士を集めて興行を再開し、徐々に人気を取り戻し神事から娯楽へとその姿を変えていきました。

明治時代になると政府から裸体禁止令が発令され、改めて相撲の存続が危ぶまれる事態に陥りますが、明治天皇が相撲好きであったため、側近や政治家に命じて自らの前で相撲を取らせるなどして社会性を確立させていきました。

相撲協会の誕生、東京・大阪の合併

こうした背景のもと、19世紀末ごろから相撲は各地で興行を行うようになっていきました。興行を行うには、それをとりまとめる組織が必要になってきます。この要請を受ける形で、当時もっとも興行が盛んであった東京と大阪それぞれで相撲協会が発足し、1926年までは2つの相撲協会が存在している状態でした。

東京では両国国技館が落成され、当時の皇太子(昭和天皇)が相撲を観覧した際に現在でいう天皇杯が作られるなど相撲人気が加速する一方で、大阪相撲協会は苦戦を強いられます。こうした状況もあり、1927年に東京大阪それぞれの相撲協会が解散合併し、現協会の前身となる大日本相撲協会が設立されました。

横綱審議委員会が発足

大日本相撲協会設立以降は、ラジオ放送の開始などで全国的にポピュラーなイメージがついた相撲でしたが、太平洋戦争の煽りを受けて会場や相撲部屋の消失などが相次ぎ、ふたたび危機を迎えます。

しかし戦後には、戦争で傷ついた人々を鼓舞するものとして徐々に人気を取り戻し、興行の規模も急速に回復していきました。その過程で、横綱を相撲協会が決定するのではなく、相撲の有識者が横綱を決定する「横綱審議委員会」が発足し、公平性を担保した実力重視の横綱選考が行われるようになっていったのです。

ビデオ判定の導入

近年大きな課題となってきたのが、行司による差し違え(誤審)。プロである行司であっても、時には一瞬で決することもある相撲の勝敗を完璧に見極めることは非常に難しいのです。この問題の解決のために、相撲協会は1969年の5月場所を境にビデオ判定の導入に踏み切り、公正な判定ができるように改革が進められていったのです。

相撲協会を知れば相撲の世界がみえてくる

いかがだったでしょうか?相撲協会は相撲の興行をとりおこなう団体であり、相撲協会なくして大相撲は成り立ちません。そんな相撲協会の歴史をしれば、相撲の歴史や成り立ちがより深くわかるようになります。

ぜひこの記事を参考に、より深い相撲の世界へと足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

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