映画の歴代興行収入からわかること。日本人がよく観ている映画とは

2019.05.28

映画の興行収入は、その映画がどれだけ見られ、社会に影響を与えたかを測る一つの基準です。もちろん興行収入が多ければ名作というわけではありませんが、歴代興行収入を見れば、日本人の多くが観ている人気の映画の傾向を知ることができます。ぜひ、チェックして映画の世界を楽しんでみましょう。

日本の歴代興行収入ランキング

日本の歴代興行収入ランキングトップ10を書き出してみました。(※興行通信社が運営する、CINEMAランキング通信より引用しています。()内は興行収入額を表します)

  1. 千と千尋の神隠し(308億円)
  2. タイタニック(262億円)
  3. アナと雪の女王(255億円)
  4. 君の名は。(250億円)
  5. ハリー・ポッターと賢者の石(203億円)
  6. ハウルの動く城(196億円)
  7. もののけ姫(193億円)
  8. 踊る大捜査線 THE MOVIE 2(174億円)
  9. ハリーポッターと秘密の部屋(173億円)
  10. アバター(156億円)

(出典:興行収入歴代ランキング – CINEMAランキング通信)

ここからは、そんな歴代興行収入ランキングからわかる、日本人が好きな映画の傾向をひも解いていきましょう。

日本人はやっぱりアニメ好き?

ランキングの顔ぶれを見てみると、トップ5のうち3作品がアニメ作品ということがわかります。さすがアニメ文化の発祥の地ともいえる日本ですね。

宮崎駿作品が20位以内に5本も

歴代興行収入ランキングを見てみると、なんといっても「ジブリ作品」が大きな存在感を放っていることがわかります。とくに、宮崎駿さんが監督を務めた作品に関しては、10位以内に3本、20位以内に5本もランクインしています。

アニメ映画というくくりにとどまらず、映画界全体でみても圧倒的なその作品の人気の高さがうかがえますね。

3位『アナと雪の女王』、4位『君の名は。』

3位にランクインした『アナと雪の女王』は、日本のみならず世界中でブームを巻き起こしたディズニー映画です。ディズニー単独制作の映画としては、世界規模で見ても歴代最高の興行収入を叩き出した作品でもあります。

4位にランクインした『君の名は。』は、社会現象ともいえるほどの大人気を博した作品。2016年の公開なので、まだ記憶に新しいでしょう。監督は新海誠さんで、その繊細な映像美と不思議な青春の物語が大変な話題を呼びました。

これら2つはそれぞれ2014年公開、2016年公開と比較的新しいものです。ジブリ映画の人気は依然高いですが、近年では他のアニメ映画の人気も高まってきており、新勢力が台頭しつつあるともいえるでしょう。これからもアニメ映画界の動向からは目が離せません。

複数ランクインの海外シリーズもの

もちろん、日本で人気なのはアニメ映画だけではありません。上位で気になるのが、2作品がランクインしている『ハリー・ポッター』シリーズ。こちらからはどのような傾向が読み取れるでしょうか?

『ハリー・ポッター』シリーズは不動の人気

J・K・ローリングの小説を原作とする『ハリー・ポッター』シリーズは、2001年公開の『ハリー・ポッターと賢者の石』以来、公開されるたびに大きな話題を呼んできました。

全8作品中6作品が上位50位以内にランクインしているなど、その人気はもはや不動のもの。シリーズは完結していますが、いまだに何度も地上波で放送されるほどの人気シリーズです。

壮大スケールのハリウッド映画シリーズも人気

上位の面々を見ると、他の人気シリーズも高い人気を誇っていることがわかります。たとえば、『スターウォーズ』シリーズが上位50位以内に4作品、『ジュラシックパーク』シリーズも3作品、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズが2作品と、いわゆる「ザ・ハリウッド映画」なシリーズが多数ランクイン。

ハリウッドらしい壮大なスケールで描くシリーズものの人気も非常に高いことがわかります。

日本の実写映画はランクインが少ない?

それでは、日本の実写映画はどうでしょう?ここからは、日本の実写映画という切り口から見ていきましょう。

唯一トップテンに入り『踊る大捜査線』

日本の実写映画から唯一トップテン入りした『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』。公開は2003年で、有名なセリフである「レインボーブリッジ封鎖できません」は、ちょっとした流行語にもなりました。

ちなみに日本の実写映画に限って言えば、同一シリーズで50位以内にランクインした作品は『踊る大捜査線』のみ。ちなみにシリーズ第一作の興行収入は101億円で、31位となっています。

動物ものが人気?『南極物語』『子猫物語』

日本の実写映画の中でもっとも古いランクイン作品『南極物語』。1983年に公開された映画で、南極の昭和基地におけるカラフト犬と隊員たちの絆をめぐる感動の物語です。実話をもとにしているということもあり、当時大きな感動の渦を巻き起こしました。興行収入は110億円、順位は23位となっています。

『子猫物語』は、1986年公開とこちらもかなり昔の映画。「ムツゴロウさん」の愛称で知られる畑正憲氏が監督・脚本を務め、主人公である子猫が冒険を通じて成長していく姿を描いた物語です。興行収入は98億円、順位は33位。

どちらも動物をテーマにした物語であり、実写映画の中では特に動物ものの映画の人気が高いということがわかります。

近年唯一のランクイン?『劇場版コード・ブルー』

2018年に公開された『劇場版コード・ブルー  ードクターヘリ緊急救命ー』は、ここ15年で公開された日本の実写映画のなかでは唯一トップ50入りしている作品です(興行収入93億円、43位)。ドラマシリーズの人気を受ける形で映画化されたこの作品は、緊急救命の現場をまざまざと描く名作となっています。

こうしてみてみると、日本の実写映画がトップ50以内に食い込むことは少ないことがわかります(※上記5作品に、1990年公開の『天と地と』を加えた6作品のみ)。とくに近年はアニメ映画や海外映画の人気に少々押され気味のようですが、名作も数多く、これからの巻き返しに期待です。

日本人がよく観る映画の傾向とは

様々な角度から、歴代興行収入ランキングを分析してみました。日本映画界に燦然と輝くジブリ作品を中心とするアニメ映画の人気は、依然衰えを知りませんが、それに負けず劣らず海外の実写シリーズの人気も非常に高いといえます。一方日本の実写映画は、興行収入という面ではやや遅れをとっていますが、『コードブルー』の成功に見られるように人気の高い作品も数多く存在しています。

興行収入はあくまで一つの指標にすぎず、高ければいいというわけではありませんが、どれくらい人気を博したかを測る物差しにはなってくれます。このような視点から映画をみてみるのも面白いかもしれませんよ。

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