日本酒の銘柄を極める。日本酒の基礎知識や選び方のポイント

2018.07.31

世界中の人に愛されている日本酒は、四季に合わせて楽しむ事ができるのが魅力です。花見酒・夏越しの酒・月見酒・雪見酒…ただ酔うだけではなく、日本の風情をまるごと味わえる日本酒についてわかりやすく解説します。

日本酒の基礎知識

日本酒は今や日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカといった海外にも進出を果たし、世界中で楽しまれているお酒です。

しかし、正式に日本酒として認められるには、酒税法に基づいたさまざまな条件をクリアしたものでなければなりません。

どのようなものを日本酒と呼ぶのか、基礎的な部分からしっかり学んでおきましょう。

分類と定義

酒は『醸造酒』・『蒸留酒』・『混成酒』の3つに分けられます。

日本酒は、ワインやビールと同じ『醸造酒』に分類されます。醸造酒とは穀物や果物を、酵母を使ってアルコール発酵させて作られる酒類のことです。

また、日本酒の『定義』は次のように定められています。

  • 定められた原料(米・米麹・水)を発酵させてこしたもの
  • 米・米麹・水および酒粕その他法令で定められた品物を発酵させてこしたもの
  • 清酒(※)に酒かすを加えてこしたもの

日本酒における『こす』とは『もろみを原酒と酒粕に分けること』です。

『こす』工程の後で、原酒に残っている細かい固形物を取り除き、またさらに残っている粒子や雑味成分など、品質劣化につながる物質などを取り除く工程を『濾過』と言います。

(※清酒とは、アルコール度22%未満のもの)

日本酒の種類と銘柄の数

日本国内には1500もの酒蔵があり、銘柄数は2万種類以上にもなると言われています。

そんな日本酒は、『吟醸酒』・『純米酒』・『本醸造酒』の3つに分けられ、これを総称して『特定名称酒』と呼びます。

この特定名称酒は、使用原料や精米歩合の違い、香味・色沢などの諸条件の違いから、さらに下記8種に分けることができます。

  • 吟醸酒
  • 大吟醸酒
  • 純米酒
  • 純米吟醸酒
  • 純米大吟醸酒
  • 特別純米酒
  • 本醸造酒
  • 特別本醸造酒

知っておきたいポイント

日本酒を美味しく楽しむためには、自分好みの味を見つけることが大切です。その為には、日本酒を『ベストな状態で飲む』のが1番です。

おいしく飲める時期、ラベルに表示されている数値の意味を知っておく事が大切です。

日本酒の賞味期限

ラベルに書かれている製造年月を賞味期限と勘違いする人も多いようですが、日本酒には基本的に賞味期限はありません。

「日本酒は何年経っても腐らない」と言われていますが、保存の状態や保管場所の環境によっては劣化して味が落ち、おいしい状態では飲めなくなる場合もあります。

また、『おいしく飲める期間』には限界があります。未開栓の状態で光の当たらない涼しい場所に保管しておいた場合、通常の日本酒(加熱処理済)で『おいしく』飲めるのは約1年程度です。

加熱処理していない生酒や生貯蔵酒では、開栓前のものを冷蔵庫に保管しておいた場合で約1年、開栓してきちんと密封したもので3カ月から半年とさらに短くなります。

数字が示す日本酒の味

次に、日本酒の味を知る目安となる『日本酒度』・『精米歩合』・『酸度』の数値は下記のようになります。

  • 日本酒度:プラスになるほど辛口、マイナスになるほど甘口に。
 大辛口  辛口 やや辛口  普通 やや甘口  甘口  大甘口
+6.0以上 +3.5~+5.9 +1.5~+3.4 -1.4~+1.4 -1.5~-3.4 -3.5~-5.9 -6.0以上
  • 精米歩合:米の削り具合。中心に近づくほど雑味がなくなり香り高くなる。
特定名称 精米歩合
普通酒
純米酒 70%以下
本醸造酒 70%以下
特別本醸造酒 60%以下
特別純米酒 60%以下
吟醸酒、純米吟醸酒 60%以下
大吟醸酒、純米大吟醸酒 50%以下
  • 酸度:乳酸やコハク酸をはじめとする酸の割合。1.4が平均とされ、1.8を超えると濃厚な味、逆に酸度が低いと淡麗な味わいに。

味や風味の感じ方には個人差がありますから、実際に飲んで好みの数値を覚えておきましょう。

ラベルの見方

日本酒には『顔』である『表ラベル』、タスキを掛けたような『肩ラベル』、裏面には『裏ラベル』が貼られています。

そんなラベルには、その日本酒が持つ情報がたっぷりと詰まっています。ラベルの見方もチェックしておきましょう。

表ラベル

日本酒の顔である表ラベルには、次のような項目が記載されており、表示が義務付けられている項目がほとんどで『適正表示』とも呼ばれています。

  • 銘柄名:日本酒の商品名
  • 酒類の品目:『清酒』など
  • 特定名称:『純米酒』や『吟醸酒』など
  • 製造元:酒蔵の住所と名前
  • 原材料名:米、米麹など
  • アルコール度数:15~18度が平均的
  • 日付:出荷年月

このほかにも『お酒は20歳になってから』という未成年飲酒防止事項や、内容量も記載されています。

肩ラベルと裏ラベル

顔である表ラベルよりも上の位置に貼ってあることが多いのが、『肩ラベル』です。肩貼りとも呼ばれていて、お酒の特徴が短く書かれています。

すべての日本酒に貼られているわけではなく、季節品や限定品、特殊製法で作られたものなどに、表ラベルには書ききれなかった情報をアピールする役割として貼られているのです。

シールとして貼られているものばかりでなく、瓶の首にぶら下げられる札のタイプもあります。

『裏ラベル』は瓶の裏面に貼ってあるもので、表ラベルにある容量や原材料にプラスして精米歩合や日本酒度、酸度、使用酵母などの成分などが詳細に書かれています。

『杜氏(とうじ)』と呼ばれる、酒造りの責任者の名前や、出身地が書かれているものも多くあります。

日本酒選びのポイント

日本酒にはさまざまな香りや味があり、その好みや飲み方はみなさん違います。自分にとって『美味しい』と感じる日本酒に出会うためには、いくつかポイントがあるのです。

飲み方

冷やして飲んだり、熱燗で飲んだり、もちろん常温でもOKと、その『飲み方』のスタイルを自由に選べるのが日本酒の魅力です。

キレのあるシャープな味がお好みなら、辛口の日本酒を冷やして飲むのがおすすめです。ほんわりとした香りを楽しみたいなら、甘口で濃厚な日本酒を温めて飲むとよいでしょう。

同じ日本酒でも飲み方によって味も香りも変わります。燗酒一つ取っても、その温度は5℃から55℃と実に幅広いのです。

季節や合わせる料理によって飲み方を変えることができれば、日本酒の世界はさらに広がっていきます。

味わい

日本酒の味わいには、大きく分けて4つあります。

  • 薫酒(くんしゅ):薫り高く華やか。吟醸・大吟醸・純米大吟醸など。
  • 爽酒(そうしゅ):軽快でなめらか。本醸造・純米・吟醸・吟醸純米など。
  • 醇酒(じゅんしゅ):コクがある。純米・吟醸・特別純米など。
  • 熟酒(じゅくしゅ):熟成されている。吟醸・純米・特別純米・特別本醸造・普通酒

薰酒や爽酒は比較的『若い』印象の軽やかでシンプルな味わい、熟成や醇酒は旨味が深まっているので複雑な味わいとなっています。

銘柄一覧から好みの条件で検索

日本酒に対する知識があったとしても、自分の力だけで銘酒に出会うのはなかなか難しいものです。

そこでおすすめなのが『全国日本酒ランキング』などの銘柄一覧を参考にすることです。その年の新しい情報が提供されているので、今世の中で1番人気のある日本酒の名前や味について知ることができます。

実際に飲んだ人のレビューもたくさん掲載されているので、なんとなく耳にしたり目にしたり、日本酒が気になったときには検索してみると詳細を知ることができます。

木箱やラベルに感謝など字入れができる品も

日本酒を好んでたしなむお父さんや恩師などに、『感謝を伝える贈り物』としてプレミアム感のある日本酒ギフトはいかがでしょうか。

直接手渡しでもネット経由でも、品があって高級感や重厚感もあるパッケージで贈るのがとても喜ばれます。

数年ぶりに日本酒界を盛り上げている人気銘柄『獺祭』(だっさい)』を『感謝』の文字が描かれた木箱に入れたものや、震災を乗り越えて頑張る酔仙酒造の『大吟醸・感謝ラベル』が得におすすめです。

有名銘柄のランキングからおすすめ

日本酒の銘柄一覧をチェックしたら、今度はランキングも見ていきましょう。なかには入手困難であったり、プレミアがついて高価格になっていたりするものもあります。

日本酒好きの集うサイト『SAKE TIME』で、口コミなどの情報から作成された『全国の日本酒ランキング2018』にもランクインしている、有名で人気のある日本酒の銘柄を3つピックアップしました。

十四代

すっかりメジャーになり、日本酒ファンでなくとも知っている人も多い『十四代』は全国の日本酒ランキングで堂々の第1位に輝く、400年以上の歴史を持つ酒蔵『高木酒造』のお酒です。

十四代だけをとっても27種類もあり、最高級プレミアム日本酒や幻の銘酒として入手困難なものが多いため、高値で取引されている日本酒としても有名です。

その価格帯は2万円から50万円近いものまで…。まずは十四代の中で流通量が多いスタンダードである『本丸』を飲めるお店を探して、1杯から試してみませんか?

  • 銘柄:十四代 本丸 秘伝玉返し 1.8L
  • 価格:35,990円(税込)
  • Amazon:商品ページ

而今

而今(じこん)は、三重県の老舗酒造メーカー木屋正酒造の6代目蔵元が、2005年に立ち上げた比較的新しいブランドです。

ランキングの第2位という素晴らしい人気を誇る『而今』は、大吟醸、純米吟醸山田錦、純米吟醸雄町、特別純米の4種類で展開されています。

而今とは『過去に囚われず、未来にも囚われ、今をただ精いっぱい生きる』という意味があります。

伊賀産の山田錦を中心に、酒造好適米である愛山、酒未来、千本錦、八反錦、五百万石など毎月違う種類の米を使用した商品を出荷しています。

  • 銘柄:而今 純米吟醸 山田錦 火入れ 1.8L
  • 価格:14,500円
  • Amazon:商品ページ

川中島 幻舞

女性杜氏、千野麻里子さんが手掛ける珠玉の一本です。長野県日本酒ランキングでは堂々の第1位を誇り、昔ながらの丁寧な技法を守り続けています。

幻舞は7種類ある中、『純米吟醸酒』は雑味のないクリアなのど越しが心地よく、フルーティでさわやかな甘みの奥に、ちょっぴり感じられる苦さのある味わいが高評価です。

  • 銘柄:川中島 幻舞 純米吟醸 無濾過生原酒 720ml
  • Amazon:商品ページ

大人の嗜みとして日本酒を知る

世界中にたくさんのお酒があるものの、日本酒ほどその味や風味、温度によって、いろいろな表情をみせてくれる『奥の深い』お酒は、なかなかありません。

日本人に生まれて、「日本酒が自分の体にしっくりくる」という人なら、飲んで楽しむだけではなく、大人の嗜みの1つとして日本酒とじっくり向き合ってみるのもまた乙なものなのではないでしょうか。

大人のお酒の嗜み方。
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