コーヒーを美味しくドリップしよう。道具の選び方から淹れ方まで

2019.05.24

コーヒーを美味しく淹れるためには、抽出方法の違いによる香りや味の特徴を知る必要があります。方法別に必要な道具から選び方、美味しい淹れ方を覚えれば奥深い豆の味わいが楽しめるでしょう。コーヒーの抽出方法について、基本情報を紹介します。

コーヒーの抽出法を知ろう

コーヒーの抽出方法にはいくつか種類があります。代表的な四つの方法からチェックしていきましょう。

定番のハンドドリップ

最も一般的な抽出方法が、ドリッパーやドリップパックを活用した『ハンドドリップ』です。ドリッパーやドリップパックにお湯を注いでコーヒーを抽出するだけのシンプルなドリップ方法ですが、湯量のコントロールやドリッパーに施された工夫によって、さまざまな味わいが楽しめます。

湯量のコントロールが苦手な人でも、ドリップパックは必要なお湯の量を注ぐだけで淹れられるので、手軽に楽しめます。ドリッパーの中にも湯量のコントロールをしなくてもよいタイプがあるので、初心者を含め、多くの人が楽しめる方法と言えるでしょう。

見た目も楽しいサイフォン式

『サイフォン式』は、理科の実験のようにフラスコと濾過器を使ってコーヒーを抽出するタイプです。フラスコをアルコールランプなどの熱源で温め、気圧の変化によってお湯を上下させることで、コーヒー粉とお湯を混ぜ合わせて抽出します。

インテリアとしても高いデザイン性を持ち、見た目とその独特な抽出中の雰囲気を楽しめるのもメリットと言えるでしょう。

サイフォン式は、ハンドドリップでは味わえない、コクと味わいを引き立てる抽出方法です。一見難しそうに見えますが、方法を覚えれば初心者でも毎日安定した味のコーヒーが楽しめるのも、サイフォン式の特徴と言えます。

手軽においしいプレス式

手軽にコーヒー豆本来の味わいを引き立てて味わえるのが『プレス式(フレンチプレス)』です。使い方はとても簡単で、プレス式の容器にコーヒー粉と熱湯を入れてプレスし、タイマーで時間を測るだけで完成します。

お湯を2回に分けて入れることで、香りと風味をより引き立てて抽出できます。プレス式で抽出されたコーヒーはコーヒーオイルと呼ばれる油分まで抽出できるため、フルーティな豆本来の香りを楽しめるでしょう。

アイスにピッタリのウォータードリップ

『ウォータードリップ』は、水でコーヒーを抽出する方法の一つで、コールドブリューやダッチコーヒーとも呼ばれています。お湯で抽出しないため、苦味やエグみが出にくくマイルドな味わいが手軽に楽しめる方法と言えるでしょう。

アイスコーヒーを作るときに面倒な『冷ます手順』が必要ないほか、さっぱりとした味わいで飲みやすく淹れられます。約8時間という長い時間はかかりますが、寝る前に準備しておけば次の日の朝には飲める利便さも人気の秘密です。

ハンドドリップに必要な道具

ここからは、最もポピュラーな抽出方法である『ハンドドリップ』について詳しく紹介します。まずは、ハンドドリップに使われる代表的な道具をチェックしましょう。

豆を挽くためのコーヒーミル

コーヒーミルは、豆の状態のコーヒーを粉状に挽くための道具です。必要な分だけ豆の状態で購入し、ドリップする量だけ挽けば、新鮮な豆の香りが楽しめます。

お気に入りのコーヒーミルで音を立てながら、丁寧に豆を挽く時間は、『コーヒー豆からあふれる香りを、じっくり感じられるひととき』として人気があります。電動タイプと手動タイプの2種類があり、好みに合わせて選んでみましょう。

コーヒードリッパーとフィルター

コーヒードリッパーは、『コーヒー粉をセットして、ろ過するための道具』のことです。通常、ドリッパーにはフィルターをセットして使います。

ドリッパーの形状や穴の数にはさまざまな種類があり、それによっても味わいは変化します。台形型のものはコクのある深い味わいに、円錐型のものはスッキリとした味わいになると言われており、自分の好みに近いドリッパーを選びましょう。

また、フィルターによっても味わいは変化します。主に、布(ネル)・ペーパー・金属の3種類があり、ペーパーはスッキリとした味わいに、金属は深みのある味わいに、ネルはまろやかな味わいが楽しめます。

コーヒーサーバー

コーヒーサーバーは、ドリッパーで抽出されたコーヒーを入れておくものです。まとめてドリップするときに便利で、何度もドリップする手間が省けます。サーバーに使われる素材も多種多様ですが、最も一般的なのが『耐熱ガラス』のものです。

また、サーバーの種類によっては電子レンジやウォーマー、直火で温め直しができるものもあり、手軽に温かいコーヒーが楽しめるのは利点と言えるでしょう。

道具の選び方を紹介

ハンドドリップはコーヒードリッパーの形状や、ドリップ時のお湯の注ぎ方などによって味わいが細かく変化します。使用する道具の選択が味わいの変化にもたらす影響が大きいので、特徴を把握して、自分好みのものを選択しましょう。

以下では、ドリッパーとポットに着目して、それぞれのポイントを紹介します。

コーヒードリッパーの選び方

コーヒードリッパーの選び方で注目したいのが『形状・穴の数・リブ(内側に施された溝のこと)』の三つです。

先ほど軽く説明した通り、形状には台形と円錐タイプがあり、台形は抽出速度が遅く豆とお湯の混ざり合う時間が長いことから、コク深い味が特徴です。反対に円錐タイプは抽出速度が早く、混ざり合う時間が短いため、スッキリとした味わいに仕上がります。

次に、穴の数は一つタイプと三つタイプがあります。一つタイプは抽出速度が遅く、三つタイプは抽出速度が早くなるのが通常です。また、穴の大きさでも速度が変わるため、チェックしておきましょう。

リブは、内側の溝のことで施されている形状によって速度や混ざり方が変わります。各メーカーがこだわりのリブを内側に施しているため、詳しい味わいへの効果はメーカーのサイトからチェックするのがよいでしょう。

コーヒーポットの選び方

コーヒーポットは『注ぎ口とネックの形状』によって湯量のコントロールのしやすさが変わります。自分の技量や、好みのコーヒーの味に仕上げやすいポットを選ぶのがおすすめです。

例えば、初心者はネックの細さが一定で細口のタイプを選ぶと、一定の湯量で注ぎやすいので扱いが楽でしょう。ゆっくりとお湯が注げるため、ムラなく安定したコーヒーが淹れられるのがメリットです。

一方、ネックの根元が太い鶴口タイプは、注ぎ方によって湯量のコントロールができます。中級者から上級者におすすめのタイプで、注ぎ方による味わいの違いを楽しみたい人にピッタリでしょう。

また、コーヒーポットの容量は大きすぎると扱いづらくなるため、必要な容量を確保できる、適度な大きさがおすすめです。また、直火にかけて沸かしたいのであれば、IHやガスなど、使う熱源に対応したものを選ぶようにします。

コーヒーの各抽出法の手順

コーヒーを抽出する手順は、方法によって大きく異なります。それぞれの手順を簡単に説明するので、好みのタイプを見つける参考にしてみてください。

ハンドドリップの手順

ハンドドリップを始める前に、ドリッパーにペーパーフィルターを取り付け、コーヒー粉を入れて準備しておきます。サーバーやマグカップにドリッパーをセットしたら、適正温度のお湯を注いでいきましょう。ハンドドリップの手順は以下の通りです。

  1. お湯を『の』の字を描きながら注ぐ
  2. コーヒー粉が少し盛り上がるほど入れたら注ぐのをやめる
  3. 盛り上がりが収まったらひと呼吸おいて、また『の』の字を描きながら注ぐ
  4. 注ぐお湯の量と、落ちるコーヒーの量が同程度になるように、湯量をコントロールしながら注ぐ
  5. ドリップが終われば完成

お湯はドリッパーの中央から回しながら注ぐのが美味しく淹れるコツです。また、お湯を注ぎすぎると薄くなってしまうため注意しましょう。

また、お湯を注ぎ終わった後は、全て抽出されるのを待つのではなく、若干ドリッパーにお湯が残っている状態で取り外すのもコツです。そうすることで、雑味が混ざる前の美味しいコーヒーが淹れられます。

サイフォン式の手順

サイフォン式は、フラスコにお湯を用意してセットし、濾過器にフィルターを取り付けるなどの準備を行います。フラスコを温め、お湯が沸騰してきたら、コーヒー粉をセットした濾過器を取り付けましょう。サイフォン式の手順は以下の通りです。

  1. フラスコからお湯が上昇して粉と混ざるのを待つ
  2. 少ししたら粉とお湯が混ざりあうように撹拌(混ぜ合わせること)をする
  3. 撹拌と同時にタイマーをスタートする
  4. タイマーが鳴ったら、熱源を切る
  5. すぐに撹拌を、再度行う
  6. 抽出できれば完成

タイマーが鳴って約50秒程度でフラスコにコーヒー液が戻るように、撹拌で調節してあげるのが美味しく淹れるコツです。フラスコにコーヒー液が戻りきったら抽出は完了できているので、豊かな香りを楽しみながら、いただきましょう。

プレス式の手順

プレス式は、まずプレス容器にコーヒー粉を入れます。プレス式の手順は以下の通りです。

  1. お湯を注ぎ始めると同時に、タイマーを4分セットし計測開始
  2. 半分くらいまでお湯を注いだら、注ぎを止める
  3. タイマーが30秒経過したら残りのお湯を注いで蓋をする
  4. タイマーが鳴ったらプランジャーを押し上げる
  5. カップに注いで完成

粉とお湯が混ざりあうように半分まで注いだら、少し待つのが美味しく淹れるコツです。この手順だけでも味わいが変わってくるので、守るようにしましょう。

押し下げるタイミングは、好みによっても変化するので、何回か試して微調整しましょう。プランジャーを早く押し下げすぎると、抽出が上手くいかないので注意してください。

ハンドドリップの淹れ方のポイント

手順を守ってドリップしても美味しさが感じられないときには、お湯の温度や注ぎ方、蒸らし方に問題があるかもしれません。ポイントを紹介するのでチェックしてみてください。

お湯の温度に注意しよう

ハンドドリップで注ぐお湯が沸騰してすぐだと、豆の風味が飛んでしまうだけではなく、雑味まで抽出されていまいます。ハンドドリップでおすすめのお湯の温度は『約90度』と言われており、一度沸騰させてから少し冷ましたお湯が最適です。

お湯の温度に気をつけるだけで、抽出されるコーヒー液の雑味の量は大きく改善します。沸騰したてや温度の低いお湯でドリップしていた人は、温度計付きの便利なコーヒーポットなどで温度の調節を試してみましょう。

注ぎと蒸らしが肝心

次に気にすべきコツは、注ぎのタイミングと蒸らしです。お湯を注ぐタイミングは2回に分け、その間に蒸らしの工程を入れましょう。

1回目に注ぐお湯は、豆全体にお湯が行き渡る程度で止めます。ドリッパー内のコーヒーが空気を十分に含んで持ち上がり、膨らみが止まったらひと呼吸おいて2回目のお湯を注ぎます。

『注ぎのタイミングと、蒸らしのタイミングで味わいが大きく変わる』ので、最適なタイミングを見つけられるまで調節してみましょう。

こだわる人向けネルドリップ

ネルドリップとは、『布製のフィルター』を使ってコーヒーを淹れる方法です。こだわりの味を追求したい人におすすめのドリップ方法と言われていますが、どのようにドリップするのでしょうか?基本情報を紹介します。

ネルドリップとは?

ネルとはフランネルの略で、柔らかく軽い毛織物のことです。ネルと呼ばれる布製のフィルターを用いてドリップすることで、滑らかな口当たりと満足感のある飲みごたえが特徴のコーヒーが淹れられます。

風味の特徴と魅力

ネルドリップでは、コーヒーオイルを適度に抽出しながら、雑味やエグみを除去できるため『滑らかな舌触りと甘味のある味わい』が楽しめます。

ペーパードリップでは油分までろ過してしまうため、豆本来の香りであるコーヒーオイルの楽しみが減ってしまいますが、ネルドリップではコーヒーオイルを抽出できるのです。

手間暇かけて抽出するネルドリップは、コーヒー豆の魅力を最大限に引き出せるとして注目されています。

ネルの扱い方

ネルドリップには、『ネル』と呼ばれる布製のフィルターと、『ハンドル』と呼ばれる、ネルを装着できる取っ手を合わせて使用します。ドリップサーバーもネルドリップ専用のサーバーが用意できれば、より美味しいコーヒーをドリップできますが、用意できなければペーパードリップのサーバーで代用しましょう。

ただし、代用するときにはネルとハンドルを立てるスタンドが必要です。

新品のネルを使うときには、ぬるま湯でしっかりと糊気を落とします。次に、布が浸かるくらいの水を張った鍋にネルとコーヒー粉を約5g入れ沸騰させましょう。沸騰したら弱火にし、沸かない程度に15〜20分間煮て、新品のネルにコーヒーの成分を馴染ませます。完了したら、ネルを取り出して綺麗に流水で洗います。

新品でないときもここからは同じ手順です。ネルを流水で洗い流し、十分に固く絞ってから、ハンドルにネルを取り付けます。

あとは、ハンドドリップを行うだけです。よりネルドリップを詳しくしりたいときには下記のサイトが参考になるのでチェックしてみてください。

ネルドリップとは?正しいいれ方やお手入れ方法は? | キーコーヒー株式会社

今すぐコーヒーを楽しめるおすすめセット

最後に、今すぐコーヒーを楽しむことができる、セットを紹介します。初心者でも使いやすいタイプを厳選しているので選ぶときの参考にしてみてください。

カリタ ドリップセット 102

2〜4人用の陶器製ドリッパーセットがカリタから販売されているドリップセット102です。ドリッパーと、ペーパーフィルター、サーバー、メジャーカップなど、ハンドドリップを始めるのに最適なセット内容でありながら『コスパのよさ』で人気があります。

初めてドリップコーヒーに挑戦する人にピッタリと言えるでしょう。

  • 商品名:カリタ ドリップセット 102-ロトセットN(2~4人用) #35163
  • 価格:1886円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ハリオ コーヒーサイフォン

ハリオのコーヒーサイフォンは、カップとソーサーもセットになった製品です。サイフォンに必要な用品と一緒に、カップが揃うのでサイフォン式を始めたい人におすすめできます。ハリオは、パーツの取り扱いにも長けているため、『消耗品の交換だけで長く愛用できる』のも利点です。

  • 商品名:【セット買い】 HARIO (ハリオ) コーヒーサイフォン テクニカ 2杯用 + V60 セラミックカップ&ソーサー 2客 セット
  • 価格:8306円(税込)
  • Amazon:商品ページ

パール金属 コーヒー プレス

パール金属が販売しているコーヒープレスは、おしゃれなデザイン性と実用性に優れた使い勝手のよさで人気があります。一見するとランタンのような見た目を持つ、インテリア性の高いコーヒープレスですが、本格的なコーヒーを2杯分抽出できます。

金属製メッシュフィルターを採用して、コーヒーオイルまで抽出できるため、『豆本来の風味と香りが楽しみたい人』におすすめです。

  • 商品名:パール金属 コーヒー プレス 350ml フレンチプレス ブレイクタイム DX HB-3019
  • 価格:1950円(税込)
  • Amazon:商品ページ

iwaki ウォータードリッパー

iwakiが販売しているウォータードリッパーは、『電子レンジに対応』し、アイスとホットのどちらのコーヒーが楽しめる水出しドリッパーです。水とコーヒー粉をセットするだけの簡単作業でコーヒーの味わいを引き出します。

水タンクの蓋は取り外せばポットの蓋として使え利便性を兼ね備えているほか、十分な量をまとめて抽出できる点から人気があります。

  • 商品名:iwaki ウォータードリッパー 耐熱ガラス ウォータードリップコーヒーサーバー 440ml K8644-CL1
  • 価格:2798円(税込)
  • Amazon:商品ページ

好みの抽出法にこだわって

好みの抽出法でコーヒーを淹れたら、豆による味わいの違いにも気づきやすく、よりコーヒーライフが楽しめます。豆の挽き方や、種類を変えてみるのも、違った風味と香りを感じられるのでおすすめです。

自分好みのコーヒーを追求するために、抽出法をいろいろと試してみるのはいかがでしょうか。

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