能楽堂ってどんなところ?能楽堂に行くときのマナーなどをご紹介

2019.05.22

珠玉の舞台芸術『能楽(のうがく)』。その美しさは今や世界的に認められ、能楽を見るために来日する観光客がいるほどです。日本国内においても自国の伝統芸能を見直す動きが目立ってきています。本記事では能楽の舞台『能楽堂(のうがくどう)』の知識や行くときのマナーなどについてご紹介していきます。

能楽堂とは

能楽堂は日本古来の伝統芸能である「能」と「狂言」を観ることができる施設です。その舞台は世界的に見ても特徴的な作りをしており、能楽堂でしかできない演出も多くあります。

せっかく能楽を間近で観るのであれば、是非とも能楽堂に足を運んで観るべきです。しかし能楽堂はその特殊な作りから施設の数が少なく、日本中どこにでもあるわけではありません。そこでここからはどのような能楽堂があるのかを紹介していきます。

身近な観能場所の能楽堂

能楽堂は「あまり見かけない」「近くにない」と思われがちですが、近年では都内の商業施設内などに大規模な能楽堂が建てられるなど、時代を追うごとに一般的な公の場に溶け込んできています。

チケットを購入すれば誰でも能楽を観ることができるため、若年層の方でもミュージシャンのライブなどと同じ感覚で、気軽に日本の伝統芸能と触れ合うことができるのです。

能と近しい存在である神楽舞は神社などで行われ、種類によっては一般人には公開されない神事となっており、それに比べれば能楽堂は十分に身近な場所であるといえます。

能楽堂以外の能舞台

能楽は能楽堂以外でも催されます。もとより能楽堂は野外に建てられ、客は立ち見が基本でした。しかし近年では屋内に建てられた能楽堂の他にも演芸ホールやアリーナ、公民館などの公共施設での興行も行われており、近くに能楽堂がなくても、能楽を観ることができるようになっています。

薪能

能楽堂の他に能楽が催される形として有名なのが薪能(たきぎのう)です。薪能は能楽堂がない寺社仏閣において仮設の舞台を建て、その上で舞う能です。その名前の通り夜間に薪を焚いて行われる能であり、普段能楽堂では観ることができない幻想的な雰囲気の中で能楽を観ることができます。

現代においては夜間以外でも野外で行われる能楽の総称としても認知され、大型ショッピングモールなでの人が集まりやすい施設などでも催されることがあるため、「薪能で初めて能楽を観た」という方も多いようです。

能楽堂でのマナー

能楽は日本古来のもの 。そのため能楽堂に出向く際には他の種類の舞台とは違ったマナーがあります。しかし初めて能楽堂に足を運ぶ際にマナーばかりを気にしていると、メインである能楽の舞台に集中することができないでしょう。ここからは能楽初心者の方にむけて最低限気を付けておきたい注意点などを紹介していきます。

能楽堂に行くときの服装

能楽堂に足を運ぶ際に、その厳格な雰囲気ゆえに気になってしまう服装のマナー。「ドレスコードのようなものがあるのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし実際はそこまで観客の服装について厳しく明記している能楽堂は少なく、劇場内ではカジュアルからフォーマルまで様々な服装が見受けられます。

しかしいくら自由といってもサンダルや短パン、過激な服装(パンクファッションや露出が多い服装)はNGとはっきり明記されている能楽堂もあるため、注意しておきましょう。

演能中の注意

服装以上に気を使ってしまう演能中のマナー。同じく日本の伝統芸能である歌舞伎の公演では、威勢の良い掛け声(大向こう)などが飛び交います。慣れている方は激しい能の舞などで、思わず掛け声をかけたくなってしまうかもしれません。

しかし能楽の鑑賞においては、こうした大向こうの文化はありません。演能中は静かに鑑賞し、演者が退場したあとで控えめな拍手に止めるのが通常ですので、注意しましょう。

都内にある主な能楽堂

ここまでは能楽堂の概要や実際に足を運ぶ際に注意事項をご紹介してきました。せっかく鑑賞の仕方がわかったなら、一度は能楽堂に出向いてみたいと思う人もいるはず。そんな方のために、都内にある主な能楽堂について、特徴を交えて紹介します。

千駄ヶ谷の国立能楽堂

渋谷区千駄ヶ谷にある国立能楽堂は、『能楽堂の聖地』と呼ばれる場所です。能楽堂としては唯一の国立施設となっており、その規模は最大級です。年間で約60回の自主公演の他に、映像資料などを観ることができる図書閲覧室に加えて、日本で唯一の『能楽師の育成事業』を行なっています。

この育成事業は世襲制が基本の能楽界に一般人が入るほとんど唯一の門であり、能楽者を目指す研修生の養成機関となっています。アクセスはJR千駄ヶ谷駅から徒歩5分程度のため、気軽に能楽を観に行くことができるでしょう。

公式サイト

銀座の観世能楽堂

観世能楽堂は、中央区銀座にある複合商業施設『GINZA SIX』の地下3階にある能楽堂です。上階のGINZA SIXは2017年にオープンしたばかりの商業施設で、銀座の新たな観光スポットとして人気が高まってきているので、観光と合わせて楽しむこともできます。

観世とは室町時代に能楽を成立された『観世観阿弥、観世世阿弥』を祖先とする能楽界の最大流派の名前であり、その名のとおりこの能楽堂は観世流の活動拠点となっています。

人気のGINZA SIXの中にあるということで、人の出入りが激しいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外にも地下3階という立地のためか能楽堂らしく落ち着いた雰囲気に包まれています。アクセスは東京メトロ銀座駅から徒歩10分程度です。

公式サイト

渋谷のセルリアンタワー能楽堂

セルリアンタワー能楽堂は、渋谷のランドマークタワー『セルリアンタワー』の地下2階にある能楽堂です。若者の街にあるランドマークタワーという好立地を生かし、若年層や外国人観光客向けに、能楽以外にもバンド演奏や落語などの文化を発信する公演を行なっています。アクセスはJR渋谷駅から徒歩5分となっており、セルリアンタワーが目印のため、迷う危険性もありません。

公式サイト

能楽堂で気軽に能を楽しもう

敷居が高いイメージがある能楽ですが、実はちょっとしたマナーに気をつければ、誰でも気軽に鑑賞できる伝統芸能です。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、お近くの能楽堂で能楽を楽しんでみてください。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME