着物の種類を男女別に解説。和服に関する知識を深めよう

2018.07.31

年齢が上がるにつれ着物を着る機会も増えていきます。着物には様々な柄や仕立てがあり、TPOに応じたものを着用する必要があります。大切なイベントで着物を着る時のために、最低限の知識を身につけておきましょう。

知っておきたい着物の基礎知識

現代は洋服が主流なので、着物の種類や着付け方を知らない人が増えています。そもそも『着物』といったら具体的に何を指すのでしょうか?ここでは着物全般についての基礎知識を解説します。

着物とは?

着物とは、日本の伝統的な服装の総称で、具体的には小袖、振袖などを指しています。『和服=着物』と考えてよいでしょう。

ちなみに、『和服』という言葉は、外国から『洋服』が入ることによって生まれた言葉です。着物は文字通り『着る物』を意味し、昔は衣類全般を指していました。

仕立てと柄のルール

着物は仕立て方や柄にルールがあります。気温や季節の変化に合わせるのが基本で、どんな環境下でも心地よく、季節の色合いも楽しめるように工夫されているのです。

『仕立ての種類』と『柄』がどのように分けられているのかを解説します。

季節により仕立てが違い、柄も区別する

着物の仕立て方には3種類あり、季節ごとに異なります。

  • 袷(あわせ):10月~翌年5月頃
  • 単衣(ひとえ):6月・9月の季節の変わり目
  • 絽(ろ)や紗(しゃ):7月・8月の盛夏

『袷』は裏地が付いている着物で、夏の暑い時期以外はほぼ1年中着用できます。蒸し暑くなりはじめる6月や、残暑が厳しい9月は、裏地なしの『単衣』が活躍します。

夏本番になると、『絽や紗』を着用します。『からみ織』という隙間を多くあける手法で織っているため、透け感があり、風通しがよいのが特徴です。絽と紗は、生地の織り方が異なり、透け感が違います。

また、着物の『柄』は季節によって変えるのが基本です。春は桜、夏は紫陽花、秋は紅葉、冬は松などのように、植物の柄は季節に応じたものにします。動物の柄など、季節に左右されない柄もあります。

織と染により格が違う

着物には『織の着物』と『染の着物』があります。『織の着物』は、色の付いた糸を使って織りあげる手法(先染め)で、織る過程で模様を作っていきます。一方『染の着物』織り布にした後に色や絵付けをするのが特徴です。

絣(つむぎ)・紬(かすり)・黄八丈(きはちじょう)などに代表される織の着物は、カジュアル向きです。

一方、染の着物は、カジュアルだけでなくフォーマルシーンでも着用されます。染の中でも、留袖や訪問着は特に格が高く、特別な場面で用いられます。一方、小紋や色無地などはカジュアルな染です。

男性用の着物の種類

男性用の着物は『黒羽二重五つ紋付』や『色紋付』などがあり、女性の場合と同じように格式によって使い分けます。それぞれの着物の特徴や、着用するシチュエーションなどを解説します。

黒羽二重五つ紋付の第一礼装

『第一礼装』とは、最も格式の高い礼装のことで、公式の式典や受勲など、最も高い格式の場でも着用できます。

男性の和服の第一礼装は、年齢に関係なく『黒羽二重五つ紋付』の羽織・袴が基本です。背中・両袖の後ろ・両胸元の5カ所に紋が付いているのが特徴です。

色紋付やお召一つ紋付の略礼装

『色紋付』や『お召一つ紋付』は、第一礼装よりも少し格式が下がる『略礼装・準礼装』として着用します。結婚式や法事、祝賀会などで使用できます。

『色紋付』は生地の地色が黒以外(白・グレー・茶・紺など)の着物を指します。紋章は五つ紋、三つ紋、一つ紋などがあり、五つ紋をつければ新郎の装いとして着用できます。

『お召一つ紋付』は、『御召縮緬(おめしちりめん)』と呼ばれる生地に三つ紋、一つ紋を付けたものです。『色紋付』よりも格が下がりますが、略礼装として使用できます。結婚式の招待客などに適しています。

紬やウール、上布などの普段着

素材が『紬(つむぎ)』や『ウール』『上布』などの場合は、普段着として着用するカジュアルな着物です。

『紬』は絹製の織物ですが、光沢のない生地です。紬でできた着物は、礼装ではないので、紋付である必要はありません。羽織、袴を付けない『着流し』という着こなしをするとカジュアルになります。

『ウール』の着物は冬や秋などの寒い季節に最適です。『上布』は麻でできた織物で、通気性にすぐれているので、上布製の着物は夏の普段着に最適です。

男性用着物の種類や着方、知っておきたい知識については、こちらの記事でも徹底解説されています。

着物初心者の男性は必見。種類から着方までわかりやすく解説

女性用の着物の種類

続いて女性用の着物の種類や特徴を見てみましょう。

結婚式の打掛や黒留袖などの第一礼装

女性の第一礼装は『打掛(うちかけ)』や『黒留袖(くろとめそで)』です。『打掛』は白無垢や色打ち掛けなどがあり、結婚式に花嫁が着用します。

『黒留袖』は五つ紋付の黒無地の着物です。白の『比翼』という仕立て方になっています。『比翼』とは、衿や袖口に下着の布を縫って、二枚重ねで着ているように見せる仕立て方です。一般的に既婚女性が着用します。

訪問着や振袖などの略礼装

女性の略礼装・準礼装は、『訪問着』や『振袖』です。

『訪問着』は仕立ててから染めるので、柄が縫い目にまたがって繋がっていることが特徴です。柄によって格式が異なり、紋があれば略礼装として使用できます。

『振袖』は長い袖などが特徴で、未婚女性限定の略礼装です。

付け下げや小紋などの外出着

『外出着』は、お稽古事やカジュアルなパーティー、友人との外食などフォーマルではない状況に適した服装です。女性の和服の外出着には『付け下げ』や『小紋』を着用します。

『付け下げ』は、訪問着よりも柄が控えめなのが特徴です。訪問着とは違って、反物の状態で染めてから仕立てるので、ほとんどの場合、縫い目にまたがった柄はついていません。

『小紋』は着物全体に同じ模様が繰り返されているものを指します。

絣や紬、浴衣などの普段着

街への買い物や、ちょっとした外出に重宝するカジュアルな和服は、『紬(つむぎ)』や『絣(かすり)』でできた着物や、浴衣です。

『絣』は、かすったような細かい模様をちりばめた生地で、素朴で温かみがあるのが特徴です。

着物を着る際に揃えたい小物の種類は?

着物を着たときは、小物類もそれに合わせるのが基本です。男性の着物は女性に比べてシンプルです。必要最低限のものは揃えておきましょう。

着物用の下着は持っていたい

丸首のTシャツが着物の襟元から見えるのは格好がよいものではありません。着物用の下着は、大きく分けて『長襦袢』や『肌襦袢』があります。

着物を着たときは、男女共に着物用の下着『肌襦袢(はだじゅばん)』を着用するのが理想です。汗や皮脂で着物が汚れるのを防いだり、型崩れを防いだりする役目があります。

『長襦袢』は着物と同じ丈で、着物のすぐ下に着用します。肌襦袢は外から見えませんが、長襦袢は着物の袖口からチラッとのぞくので、柄にこだわる人もいます。

和装用のバッグもおしゃれ

女性と違い、男性は普段はバッグを持たないことも珍しくありません。しかし、着物のときは、和装用の小さめのバッグを合わせましょう。

ハンカチや携帯電話、財布が入るくらいの大きさで、巾着型(信玄袋)や、ショルダー型などがおすすめです。

和柄や無地など、着物に合うシンプルなデザインのものを選びましょう。

用途に合った着物を着てみよう

着物というと、かしこまった席や特別な場面で着用するものと思われがちです。しかし、お食事、デートなどの日常でも気軽に着用できます。用途に合った着物を着こなしてみましょう。

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