おすすめのジャズシンガー10選。世界的シンガーから現代ジャズまで

2019.05.26

「ジャズ」と聞くと、楽器の演奏のみの音楽をイメージする方も多いのではないでしょうか。ですが、ボーカルのあるジャズ曲にも大きな魅力があります。さまざまなシンガーが個性を見せるボーカルありの曲を聴いて、新たなジャズの魅力を体感していきましょう。

世界的に有名なジャズシンガー4選

まず注目したいのが、ジャズの歴史に残る、世界的に有名なジャズシンガーたちです。その歌声から「ジャズにおけるボーカル」の真髄・魅力を知っていきましょう。

エラ・フィッツジェラルド

エラ・フィッツジェラルドは、20世紀トップと言える人気を集めた女性ジャズシンガーです。

13回のグラミー賞を獲得し、大統領自由勲章を授与されるなど、伝説的な功績を残したシンガーとして知られています。

子ども時代は孤児として過酷な生活を送り、17歳のときにアポロ・シアターでアマチュアとして歌を披露したことで一気に注目されるように。翌年から歌手として活動を開始し、世界的に支持を集めました。

「Ella in Berlin: Mack the Knife」や「Ella at the Opera House」などが代表的な名盤として知られていて、あたたかくふくよかな歌声と軽快で華やかな歌唱スタイルで、現在まで多くのジャズファンを魅了しています。

サラ・ヴォーン

エラ・フィッツジェラルドと並んで、20世紀に絶大な人気を誇ったジャズシンガーです。

オペラ歌手に並ぶほどの広い声域とビブラートのかかったハスキーな歌声、そこからくり出される色気のある歌唱が最大の魅力で、大胆なテクニックも駆使した情熱的なシンガーとして高い評価を集めてきました

当時まだ新しかったモダン・ジャズのビバップスタイルを歌唱に取り入れたり、ポップスなど他ジャンルにも積極的に参加したりと、挑戦的な活動をくり広げたことでも知られています。

代表的なアルバムには「Sarah Vaughan with Clifford Brown」や「No Count Sarah」などがあり、またポップス方面でもビートルズのカバー「Songs of the Beatles」などで話題を集めました。

ちなみに、このサラ・ヴォーンとエラ・フィッツジェラルドに同じくジャズシンガーのビリー・ホリデイを加えて「女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家」と称されることもあります。

フランク・シナトラ

フランク・シナトラは、20世紀の男性ジャズシンガーを代表する存在です。

1930年代からシンガーとして活動し、渋くダンディな歌声で女性を中心に多くのファンを獲得。ジャズだけでなくポップスなどのジャンルでも活躍を見せていきました。

また、1940年代からは映画俳優としても広く活動し、「地上より永遠に」でアカデミー賞助演男優賞を受賞するなどこちらでも高く評価されました。他の代表作には「オーシャンズ11」シリーズの原作となった「オーシャンと十一人の仲間」などがあります。

ジョン・F・ケネディと親交を持つなど政治面でも存在感を発揮し、ジャズシンガー・エンターテイナーの枠を超えてアメリカ社会で影響力を持ち続けた重要人物です。

ルイ・アームストロング

ルイ・アームストロングは、「ジャズ」というジャンルそのものの確立に大きく貢献したミュージシャンの一人です。トランペット奏者としての活躍が有名ですが、ジャズシンガーとしても大きな人気を集めました。

ハスキーな力強さの中にも優しさが感じられる歌声が最大の特徴で、リズム重視の音(「ダバダバ」「ドゥビドゥビ」など)を即興でメロディに乗せる「スキャット」という歌唱法を広めたことでも知られています。

最大の代表曲は「この素晴らしき世界 (What a Wonderful World)」で、日本でも映画音楽やCMソングなどに使用されてきたことで有名です。

日本の有名なジャズシンガー4選

日本にも、国内外で注目を集めてきたジャズシンガーが多くいます。代表的な日本のシンガーのプロフィールや魅力を見ていきましょう。

ペギー葉山

ペギー葉山は、ジャズシーンのみならず、20世紀の日本歌謡界を代表する有名シンガーです。

戦後にアメリカ進駐軍のキャンプで歌う活動からスタートし、1952年にキングレコードからレコードデビュー。NHK紅白歌合戦にも出演するなど、日本のポップミュージックを引っ張る活躍を見せてきました。

自ら訳詞を描いた「ドレミの歌」や出世作「南国土佐を後にして」、1960年代のヒット曲「学生時代」など多くの代表曲を持ち、タレントや講演活動などでも活躍しています。

親しみやすいニュアンスと華やかさを併せ持った歌声が魅力で、日本的な要素を持ったジャズシンガーとして必見です。

TOKU

TOKU(トク)は、現代日本ジャズシーン・ポップスシーンで広く活躍するシンガーです。

これまでにクラムボンやDOUBLE、平井堅、今井美樹などさまざまなジャンルのアーティストと共演し、自身も2000年からメジャーアーティストとして作品をリリース。一方で「Jazzy Shanghai Festival」など世界各地のジャズイベントに出演し、ジャズシンガーとして実績を残してきました。

低くあたたかく、色気のある歌声には、本場のジャズのエッセンスが込められています。

また、フリューゲルホルン奏者としても知られていて、歌唱と合わせて披露されることもあります。

鈴木重子

鈴木重子は、日本出身の女性ジャズシンガーとして、世界的な知名度を誇っています。

1995年にBMGビクターからメジャーデビューして以降、ジャズシーンの第一線で活躍を続けてきました。

ジャズボーカルの王道を行く繊細さとパワフルさをあわせ持った歌声で、世界中のジャズファンを魅了。日本人ボーカリストとして初めてジャズライブの名門ブルーノート・ニューヨークに出演するなど、実績を残しています。

デビューアルバムの「Premiere」や2000年リリースの代表作「Just Beside You」をはじめとしてこれまでに10枚以上のアルバムを発表しており、どれも邦楽ジャズの神髄ともいえる名盤です。

和田明

和田明は、2010年代に入って注目を集めている新進気鋭の男性ジャズシンガーです。

2015年ごろから東京で活動をスタートし、ちぐさレコードが主催する新人ジャズミュージシャンの登竜門「ちぐさ賞」で最高賞を受賞するなど、確かな実力で今話題を集めています。

その歌声は「50年に一人の逸材」と評されていて、2017年にリリースしたアルバム「ESSENCE」は各メディアでも絶賛されてスマッシュヒットを記録。独特な個性で、新時代の日本ジャズシーンをけん引しています。

これからの邦楽ジャズを知る上で、欠かせない存在です。

現代ジャズのおすすめジャズシンガー3選

これまでのジャズの歴史を築いてきたシンガーだけでなく、現在進行形で活躍するシンガーにも注目していきましょう。世界のジャズの「今」を作り上げている、おすすめジャズシンガーを紹介します。

トニー ベネット

1950年にプロとしてデビューし、それ以降現代まで、90歳を超えても活躍し続けているジャズシンガーです。先に紹介したフランク・シナトラから「音楽業界最高の歌手」と呼ばれたり、グラミー賞で常連になったりと、圧倒的な実力で支持を集めてきました。

元々はジャズやポップス歌手として知られてきましたが、ロックなど幅広いジャンルに挑戦して若い層の支持も取り込み続け、世代を問わず人気を博しています。

2006年にリリースされたアルバム「Duets; an American classic」はポール・マッカートニーやセリーヌ・ディオン、スティービー・ワンダーなど豪華なアーティストとのコラボ作品になっていて、さまざまなジャズスタンダードが聴ける入門作としてもおすすめです。

バリー マニロウ

バリー・マニロウも、1960年代から現代まで現役で活躍しているベテランシンガーです。

CMソングの歌唱などからキャリアをスタートし、1970年代からソロシンガーとして本格的にブレイク。それ以降、ほぼ毎年1~2作のペースでアルバムを発表しています。

耳にスッと届きながらも感情をくすぐる美声、ノリのいい曲から甘いバラードまで巧みに歌い上げる繊細な歌唱が最大の魅力で、ジャズのみならず、CMソングやポップソングなど、広くポピュラーミュージックの世界で人気を集めてきました。

その実力を体感するには、「The Very Best Of Barry Manilow」などのベストアルバムがおすすめです。

マイケル ファインスタイン

マイケル・ファインスタインは、1986年にプロデビューして以来、第一線で活動を続けているジャズシンガー・ポピュラーシンガーです。

甘いマスクからくり出されるダンディで色気のある歌声が特徴で、軽快で心地のいい世界観を見せる、親しみやすいシンガーとして知られてきました。

広く知られる有名曲を王道の中にも個性のある歌声で魅せ、多くのアーティストとコラボして聴きごたえのある名盤を生み出してきた、「歌」に関しては随一の存在感を誇る重要人物です。

お気に入りのジャズシンガーを見つけよう

20世紀半ばのモダンジャズ時代を築き上げた偉大な巨匠から、現代のジャズシーンを支え続けるベテランまで、それぞれが確かな実力と個性をもって名演をくり広げてきたジャズシンガーたち。

より幅広いタイプのジャズを知る上で、こうしたジャズシンガーの名演・名盤は欠かせない存在です。

ぜひ様々なジャズシンガーの歌唱を聴いて、自分のお気に入りのシンガーと出会っていきましょう。

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