能の流派の違いとは?能をもっと深く観賞できるポイントを紹介

2019.05.18

世界最古の舞台劇といわれている能は、日本の重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産に指定されています。世界中の人が東京オリンピックをきっかけに日本に注目しはじめている今こそ、歴史ある日本の古典芸能を楽しんでみてはいかがでしょうか。本記事では、能の流派と鑑賞のポイントをご紹介します。

能の流派は、シテ方で5つある

能は、主役を演じる「シテ方」、ワキ役を演じる「ワキ方」、演奏をする「囃子方」など、役割が別れていて、それぞれに流派があります。このうち、シテ方には5つの流派があり、観世(かんぜ)流、金春(こんぱる)流、宝生(ほうしょう)流、金剛(こんごう)流、喜多(きた)流が、シテ方五流派と呼ばれます。そのうち最大流派と最古の流派をご紹介します

最大流派の観世流

観世流は、室町時代に、足利将軍の庇護のもと発展しました。優美、繊細な表現が特徴で、江戸時代にも筆頭の位置を示し、江戸幕府の庇護も受けています。現在、京都には能楽観世会館があり、東京では2017年GINZA SIXに観世能楽堂を新たに移転させたのも話題を呼びました。能楽協会の約半数を占める流派で、梅若家、片山家といくつかの家元があるのも特徴です。

明治〜大正時代に苦労した梅若家

観世流派が明治維新の際に将軍家とともに静岡に下ったときに、梅若家が東京に残って能楽復興を支えました。そのため、大正時代には、観世流から離れて梅若流を名乗りましたが、いまは観世流に戻っています。

最古の流派 金春流

五流派の中でも、いちばんルーツが古く鎌倉時代までさかのぼることができます。型や謡も古来のものを重視したところが見どころです。東京の他に、奈良、熊本などを地盤にしています。

同じ演目でも、型や謡などが違う

主役のシテ方は、必ず面をつけ、この世のないものでない亡霊や生き霊、鬼や天狗などの偉業のものや神様を演じます。これはどの流派も同じですが、型や舞、謡の言葉や節回しなどが違います。まずは自分の興味ある演目から見始めて、表現の違いを楽しむのもいいでしょう。また、京都や佐渡など地域に密着した能が残っている土地もあり、旅先で能舞台を楽しむ方法もあります。

流派の違いは演目紹介でチェック

演目を紹介されているパンフレットやHPに、流派も一緒に紹介されています。あらすじを調べたり、主役が誰なのかを調べれば、ストーリーもわかりやすくなります。同じ演目でも、流派によって装束(衣裳)、型や謡(節のついたセリフ)、舞なども違い、その違いを見つけるのも通の楽しみ方です。

能の観劇は、日英語のサポートを使おう

古語の多い能は、日本語でもわかりにくいことがあります。最近では日本語だけでなく英語のサポートがついた演目も増えてきました。サポートツールを使いながら、光の加減で変わる面の表情や、吹き抜けのせり出した舞台、囃子方の生演奏などを、能ならではの楽しさを堪能してみてください。

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