狂言の歴史って奥が深い?きっと見つかる狂言の楽しみ方

2019.05.18

「歌舞伎」に比べ「狂言」と聞くと少し小難しく感じる人も多いのではないでしょうか。歴史のある日本の伝統芸能は複数ありますが、その実情を知らない人も多いので、世間話で「狂言」を耳にする機会は少ないですよね。本記事ではそんな狂言の奥深い魅力についてご紹介していきます。

そもそも狂言って何?

狂言は、ユネスコの無形文化遺産に登録されており、今でいう吉本新喜劇やコントのようなお笑い要素溢れる「喜劇」です。

その他に「歌舞伎」や「能」といった、同じ時代背景を通じて世の中に広まった伝統芸能も多く存在します。現代でもコアなファンも多く、趣味として楽しんでいる人も少なくありません。そんな伝統芸能には「知ればわかる楽しみ方」がたくさんあるのです。

狂言と切り離せないのが能!そして能楽

狂言は「能楽」の演目の一種です。能楽は「能」と「狂言」を合わせたものの総称となります。この2つは全く異なる性質の演劇で、もともと同じ芸能から発祥したものであるため、同じ日に交互に上映されることが一般的とされており、その二つを合わせて「能楽」と呼ばれています。

狂言と能の違いは?

狂言は面をつけず、素顔で演じるコメディ性の強いコミカルな演劇となっており、主に一般庶民の暮らしの中にある滑稽なお笑い要素を劇化した「喜劇」となっています。一方、能は面をつけ、歴史上の人物や神話などを題材にしたミュージカル色の強い繊細な「象徴劇」が主流となっています。

狂言の歴史を知ろう

芸能などの歴史は古く、様々な伝統は平安時代あたりからが栄えてきました。

狂言を含む「能楽は」中国から伝わった「伎楽」や「散学」が、日本古来の伝統と結びつき芸として発展した「猿楽」が起源とされています。猿楽はサーカスに似た曲芸やモノマネなどを取り入れた芸能として、平安時代ごろから世の中に広まっていきました。その猿楽から派生し、室町時代に発祥した「能楽」の中の演目のひとつとして、狂言は確立されていきました。

狂言は能の余興だった?

室町時代に、能は「観阿弥・世阿弥」親子によって洗練され、武士を中心に楽しまれるものとなり大成されていく中で、その緊張感を緩和するものとして、狂言は能の間を繋ぐ余興的に演じられていたのです。後に「笑いの芸術」と呼ばれた狂言はこのように発祥しました。

なぜ狂言が庶民から愛されたのか

狂言は、役割の性質上「笑い」が中心となっており、民衆に親しめるようなオリジナリティが高い笑劇であったため、16世紀中頃までは決まった曲名の演目などはありませんでしたが、現代でも同じように人々の暮らしの発展や、豊かな生活に「笑い」はとても重要な要素であるように、当時の庶民をモデルとした喜劇は、等身大の「笑い」の象徴として一般庶民に深く愛されてきました。

狂言の楽しみ方

これまでに紹介したように狂言は「喜劇」です。喜劇なので「笑い」が前提であるため、内容も簡単で見やすいことから気軽に楽しめるものとなっています。どの伝統芸能にも、その歴史から様々なルールや設定があり、鑑賞するに当たってのポイントや演目の種類を押さえていれば、尚更楽しめること間違いナシです。さらに一度観た演目でも、また違った観点で鑑賞すると何度も楽しめるため、まずは下調べをしポイントを押さえておくことをオススメします。

狂言を観るに当たって

はじめて狂言を観る人は、どういうポイントをさえておけば、より楽しく鑑賞できるか気になりますよね。狂言を鑑賞する上で知っておきたいポイントは以下の通りです。

狂言には、「謡い(うたい)」、「舞(まい)」、「語り(かたり)」があります。その意味の通り歌って踊ってセリフがあるという解釈ではありますが、立ち振る舞いやしぐさや擬音などの表現ひとつひとつは「型(かた」と言われ、様式化されているため、場面によって絶妙な緩急と迫力があり観ている人を虜にします。日本古来の一般庶民の日常の笑いを描くものとなっておりますが、まさに「笑いの芸術」として洗練された喜劇とされています。

狂言ってどうやって観ることができるの?

主に全国各地にある「能楽堂」と呼ばれる専用の舞台での公演が一般的とされています。能楽堂では見所(観客席)が「正面」、「脇正面席」、「中正面」と大きく3種類に別れており、見え方や料金なども異なります。その他では「薪能」や「寺社能舞台」という屋外公演もあり、雰囲気は良いものの天候に左右される、アクセスが悪いなどのデメリットから、はじめて観る人は「能楽堂」をオススメします。

一般的なアーティストやアイドルなどのコンサートのように、TVやCMなどで上演告知をされているものではありませんので、各能楽堂の受付窓口や専用ホームページで上演情報を仕入れ、電話予約やインターネットの申し込みなどによりチケットを購入する必要があります。鑑賞マナーとしても一般的な音楽のコンサートなどと同じ感じなので、興味さえあれば、誰でも気軽に観に行くことができます。

笑いの芸術「狂言」を鑑賞してみよう

狂言の歴史や時代背景を通じて、狂言という伝統芸能が多くの庶民に愛されてきた理由がおわかりいただけたでしょうか。私たち人間は「知らなかった世界の仕組み」を知ることで、自身の世界観を広げ、幅広い趣味思考を養うことでき、新しい価値観が生まれてくるものです。

現代でも「お笑い」が我々の娯楽として欠かせないコンテンツとなっているのと同じく、古くから人々の豊かな生活には「笑い」が必要不可欠であり、歴史を重ね「笑いの芸術」とまで呼ばれた狂言という喜劇を、この機会に肌で感じてみてはいかがでしょうか。

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