コーヒー豆の鮮度を保ち、最後までおいしく飲むためには、密封性の高いキャニスターが欠かせません。お気に入りのキャニスターがあれば、毎日のコーヒータイムがさらに楽しくなるでしょう。コーヒーキャニスターの選び方と、おすすめ商品を紹介します。
キャニスターの基礎知識
最初にキャニスターの特徴と、コーヒーの保存にキャニスターが適している理由についてみていきましょう。
キャニスターとはなにか
キャニスターとは、『フタ付きの保存容器』のことです。ほとんどの場合、フタにパッキンが付いているので密封性が高く、中に入れた食品が湿気たり、酸化したりするのを防ぎます。
主にコーヒー豆や茶葉、海苔、パスタ、調味料などの乾燥食品を常温で保存するときに使われます。
素材や大きさ、機能別にさまざまなタイプがあり、デザインもバラエティに富んでいます。インテリアのアクセントとしても使える、おしゃれなアイテムが多いのも特徴です。
コーヒーは痛みやすい
コーヒー豆は、焙煎直後からどんどん劣化が始まります。保存状態が悪いと劣化のスピードが早まり、コーヒーの味も落ちてしまいます。
しかし見た目だけで、新鮮かどうかを見分けるのは容易ではありません。コーヒー豆を購入するときは店頭で焙煎したてのものを選び、数日で飲み切るようにしましょう。
また、キャニスターやジッパーバッグなどに移し替え、できるだけ劣化を遅らせる方法で保存しておくことも大切です。
コーヒーの保存方法を知ろう
わざわざおいしいと評判の店まで、コーヒー豆を買いに行っても、すぐに劣化してしまっては意味がありません。
コーヒーの劣化の原因と、劣化を防ぐ正しい保存方法についてみていきましょう。
コーヒーを劣化させる原因とは?
コーヒー豆を劣化させる原因は主に『湿度・温度・酸素・紫外線』の四つと言われています。このうち、もっとも気を付けたいのが酸素です。
温度や湿度、紫外線は冷暗所や冷蔵庫に保管することである程度防げますが、酸素を遮断するのは容易ではありません。
しかしキャニスターのような、密封性の高い容器に入れておけば、酸化を多少は遅くできます。また、光を通さない素材のものなら、紫外線も防げます。
フタを閉めておけるので、ホコリや虫が入らないのもポイントです。袋のまま保存するよりも、鮮度を長く保てるでしょう。
ちなみにコーヒー豆にはニオイを吸収する性質があるため、袋のまま冷蔵庫に入れるとほかの食品のニオイが移ってしまうことがあります。この場合も、ニオイ移りの心配のないキャニスターに移し替えるのがおすすめです。
劣化すると酸っぱくなる
焙煎後のコーヒー豆の表面には、うっすらと油がにじんでいます。これは豆の油分が焙煎によりにじみ出てきたもので、この油分が空気に触れることで酸化が進みます。
酸化が進むほど、コーヒー豆が持つ本来の酸味や甘さは失われ、ただ酸っぱいだけの残念な味になってしまいます。
おいしさを保つためにも、できるだけ『空気に触れさせない方法』で保存することが重要なのです。
インスタントコーヒーの保存方法
粉末状のインスタントコーヒーは、空気に触れる面積が多いためとても酸化しやすく、保存に注意が必要です。また、湿気を吸収しやすいので、梅雨の時期などはとくに気をつかいます。
ただしインスタントコーヒーは、ほとんどの場合ガラス瓶に入っているので、少し工夫するだけで、わざわざキャニスターに移し替えなくても上手に保存できます。
その工夫とは、『瓶の口に貼ってある銀色の紙の、縁の部分を残しておくこと』です。こうしておくことで、フタを閉めたときに瓶とフタがより密着し、空気の侵入を防いでくれます。
紙は全部剥がしてしまうのではなく、縁だけを残したり、少しだけめくったりした状態で使うのがおすすめです。
レギュラーコーヒーの保存方法
レギュラーコーヒーの保存も、インスタントコーヒー同様できるだけ空気に触れさせないのが基本です。
缶や瓶に入っているなら、フタをしっかりと閉めておきましょう。袋入りの場合は、口を閉じるときに空気を抜いて、クリップやテープなどを使って開かないように留めておきます。
ジッパーバッグやキャニスターに移し替えるのも有効です。いずれにしても、日の当たらない涼しい場所に保管し、できるだけ早めに飲み終えるようにしましょう。
キャニスターの選び方とポイント
続いて、コーヒーの保存に適したキャニスターの選び方を紹介します。キャニスターにもいろいろな種類があり、中にはコーヒーの保存に向いていないものもあります。
大きさや機能を絞っていくことが、効率よく選ぶポイントです。
飲む量とサイズを確認
いくら高機能のキャニスターでも、コーヒー豆の劣化を遅らせるだけで、完全に防げるわけではありません。
大量のコーヒー豆を買って、大きなキャニスターで保存しても、最後のほうは劣化が進んでしまいます。
豆を買うときは、『1日に飲む量と回数を把握して、2週間程度で飲み切れる分だけを購入』するようにしましょう。キャニスターのサイズも、1回の購入量に合わせて選ぶのが基本です。
たとえば1日1杯につき15gのコーヒー豆を使うとすると、2週間で210gですから、容量が200~300gのもので充分ということになります。
遮光性やUVカットを重視しよう
『直射日光』が当たることも、コーヒー豆の劣化原因の一つです。日光が当たるとコーヒー豆の温度が上がるうえに、紫外線によってさらに劣化が加速してしまいます。
冷暗所に置くならそれほど気にする必要はありませんが、日当たりのよいリビングやキッチンに出しっぱなしにする場合は注意が必要です。
透明なガラスやプラスチック製のものより、遮光性の高い金属やホーロー、陶器製のキャニスターを選ぶとよいでしょう。
外気に触れないよう密閉できるもの
キャニスター選びでもっとも重視したいのが、外気を遮断できる密封性能です。コーヒー豆は空気に触れることで酸化が進むため、開閉時以外は空気が入らないようにしておく必要があります。
フタをしっかり閉じられる『パッキン付き』のものや、空気を抜いて真空状態にできるものがおすすめです。
キャニスターに用いられる素材
キャニスターにはガラスや金属など、さまざまな素材が使われています。どの素材も密封性は同じですが、遮光性や重量などが変わるため、コーヒー豆を保存する場所や容量、デザインの好みなどによって選ぶとよいでしょう。
キャニスターに使われる素材の種類と、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
中身が確認できるガラス製
『ガラス製のキャニスター』は、中に入っているものがわかりやすく、残量も一目で確認できるのがメリットです。
シンプルなデザインのものが多く、どんなインテリアにも馴染みます。また、価格が手ごろで買いやすいのも魅力です。
このため、同じキャニスターを数個そろえて、コーヒーや紅茶などを入れ、おしゃれにディスプレイしたいときなどに適しています。
ただし遮光性がないので、できるだけ日の当たらない場所に置く必要があります。
機能的な陶器製やホーロー
『陶器製のキャニスター』は、光を遮るためコーヒー豆の保存に最適です。色や柄のバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみもあります。
ただし重くて割れやすいため、高い場所に置いたり、持ち歩いたりしたい場合は他の素材のほうがおすすめです。
ホーローは、金属をガラスでコーティングしたもので、丈夫で錆びにくいというメリットがあります。
陶器と同じく、遮光性やデザイン性が高いのも魅力です。価格は高めですが、長く愛用できる素材といえるでしょう。
サビに強いステンレス製
遮光性があり、軽いキャニスターをお探しの方には金属製品がおすすめです。とくにサビに強い『ステンレス製』なら、安心して長く使えます。
薄く、場所を取らないので引き出しや食器棚に入れても邪魔になりませんし、カウンターなどのちょっとしたスペースにも気軽に置けます。
ただし、金属のニオイがコーヒー豆に移ってしまうこともあるので、気になる場合は豆を袋ごと入れるなどの工夫が必要です。
人気なメーカーを確認
コーヒー用キャニスターは、ガラス製品のメーカーからアウトドア用品で有名なメーカーまで、さまざまな分野の企業が製造・販売しています。
人気メーカーの特徴を把握しておくと、選ぶときの参考になるでしょう。コーヒー用キャニスターで人気のメーカーを、3社ピックアップして紹介します。
ハリオ
『ハリオ(HARIO)』は耐熱ガラス製品で有名な日本のメーカーです。もともとはフラスコやシャーレなど、化学用のガラス製品を作っていましたが、そこで培ったノウハウを活かして、コーヒー用サイフォンの製造に着手します。
その後、耐熱ガラス製のカップや急須など、コーヒー・お茶関連の製品で人気を博し、現在はグラタン皿などのキッチンウェア、ペット用品、工業用ガラス製品など、幅広い分野に進出しています。
また、同社のガラス製品はすべて、国内唯一の耐熱ガラス工場で作られています。社名の由来がガラスの王様を意味する『玻璃王(はりおう)』というだけあって、とても品質がよく、安心して使える商品ばかりです。
ガラス製のキャニスターを探すなら、最初にチェックしておきたいメーカーと言えるでしょう。
ZERO JAPAN
『ZERO JAPAN(ゼロ ジャパン)』は、1992年に日本で誕生したメーカーです。アメリカ向けに開発した、陶器製のコーヒーキャニスターが評判となり、今ではアジアやヨーロッパの国々にも市場を拡大しています。
美濃焼の技術を使い、陶器特有の温かみを残しながらも、機能性やデザイン性に優れた製品を多く生み出しているのが特徴です。
メイド・イン・ジャパンにこだわり、本体はもちろんステンレスの金具やシリコンパッキンも、すべて国産のものを使っています。
自社工場で、一つ一つ厳しくチェックしてから出荷しているので、非常に質が高く、安心して購入できるでしょう。
ZERO JAPAN INC. – Made in JAPAN
ナルゲン
『ナルゲン(Nalgene)』は、アメリカのニューヨークに拠点を置くプラスチック製品メーカーです。丈夫で軽く、気密性・耐熱性に優れた高品質なプラスチックボトルを製造しています。
スポーツやアウトドアに役立つ『ナルゲンボトル』が有名ですが、コーヒー用キャニスターも人気があります。
ボトル同様、とても気密性が高いので、キャンプや旅行にこだわりのコーヒー豆を持って行けます。バッグの中でもキッチンでもサマになる、おしゃれなデザインも魅力です。
おすすめキャニスターを紹介
続いて、紹介した3つのメーカーから発売されているおすすめ商品と、コストパフォーマンスの高いニトリのキャニスターを紹介します。
ハリオ 珈琲キャニスター
ハリオの珈琲キャニスターは、豆の残量が一目でわかるガラス製のキャニスターです。薄い耐熱ガラスを使用しているためとても軽く、食洗機や乾燥機も使えます。
この商品の大きな特徴は、『フタに付いたツマミ』です。中身を入れたあと、ツマミを下げるだけで中の空気が押し出され、軽い真空状態になります。
空気が少ない状態で保存できるため、豆の酸化を防ぎ鮮度を保てます。ツマミを押し上げると空気が入って、簡単にフタを開けられるのもポイントです。
大きさは2種類あり、Mサイズなら200~250g、Lサイズは300~350gほどのコーヒー豆が入ります。
また、フタの色は、ブラック、レッド、ホワイトの3色から選べます。豆の種類別に、フタの色を変えてそろえるのもおすすめです。
- 商品名:ハリオ 珈琲キャニスターM
- 価格:689円(税込)
- 商品ページ
ZEROJAPAN コーヒーキャニスター200
ZEROJAPANのコーヒーキャニスター200は、コーヒー豆が200g入る『陶器製』のキャニスターです。
遮光性の高い陶器の本体に、密封性の高いシリコンパッキンのフタが付いていて、コーヒー豆をおいしく保存できます。また、間口が広いので洗いやすく、粉のコーヒーもこぼさず一気に詰め替えられます。
ナチュラルな色合いの陶器に、ステンレス金具がアクセントになり、とてもスタイリッシュです。6色あるので、いろいろな種類の豆を常備しておきたい方にもおすすめできます。
- 商品名:ZEROJAPAN コーヒーキャニスター200
- 価格:2,376円(税込)
- 商品ページ
ナルゲン コーヒービーンズキャニスター
ナルゲンのコーヒービーンズキャニスターは、携帯性に優れたプラスチック製のボトル型キャニスターです。『20g刻みの目盛り』がついているので、外出先でも計量の必要がなく、残量も一目でわかります。
パッキンは付いていませんが、キャップがしっかり閉まるので、リュックやバッグの中で逆さまになってもこぼれる心配がありません。
容量は150gと、キャンプや旅行にはちょうどよい大きさで、1人暮らしの方やキッチンが狭い方、会社に常備しておきたい方にもおすすめです。
- 商品名:ナルゲン コーヒービーンズキャニスター
- 価格:1,930円(税込)
- 商品ページ
ニトリ ガラスキャニスター
ニトリのガラスキャニスターは、ガラスの本体を薄いスチールで覆ったおしゃれなデザインが特徴です。
容量は350mlと600ml、色はブラックとホワイトの2種類から選べます。ちなみに600mlで、200g弱の豆を保存できます。
両方そろえて、小さいほうにはコーヒーシュガーやミルクを入れておくのもおすすめです。
遮光性があるうえに、窓が付いていて中身の確認もしやすい、ハイブリッドなキャニスターです。
- 商品名:ニトリ ガラスキャニスター600ml
- 価格:399円(税込)
- 商品ページ
真空キャニスターの紹介
最後に、内部を真空状態にできる高機能なキャニスターを紹介します。真空状態にすることで、ほとんど空気に触れさせずに済むため、より長期間おいしい状態をキープできます。
コーヒー豆をまとめ買いしたときなどは、数日分だけを小さめのキャニスターに入れ、残りは真空キャニスターに保存しておくとよいでしょう。
アピデ 真空保存容器
アピデの真空保存容器は『電池式』で、空気が入ると自動ポンプ機能で真空状態にしてくれる手軽なキャニスターです。単2電池と単3電池のどちらでも使えます。
容量は0.8l、1l、1.8lの3種類ですが、1.8lは縦長で、コーヒー豆よりもパスタの保存に適しています。コーヒー豆を入れるなら、500gほど入る1lタイプがおすすめです。
- 商品名:アピデ 真空保存容器1l
- 価格:3,540円(税込)
- 商品ページ
グッドスマイルインターナショナル 真空キャニスター
たくさんのコーヒー豆を長く保存したい方には、グッドスマイルインターナショナルの真空キャニスターがおすすめです。容量は2l、3.5l、5lの3種類から選べます。
ただし一番小さい2lでもコーヒー豆が1㎏入るので、大きさは慎重に選びましょう。こちらも電池式で、フタのボタンを押すだけで自動的に真空状態になります。
- 商品名:グッドスマイルインターナショナル 真空キャニスター3.5l
- 価格:3,956円(税込)
- 商品ページ
コーヒー用キャニスターを活用してみよう
コーヒー豆は、鮮度が命です。保存方法が悪ければすぐに劣化し、コーヒー本来の風味や香りを最後まで味わえなくなってしまいます。
キャニスターに入れて保存しておくことで、豆の鮮度が保たれ、毎日おいしいコーヒーを楽しめるでしょう。
この記事を参考に、お気に入りのコーヒー用キャニスターを探してみてはいかがでしょうか。