時計のムーブメントを交換したい。作業時のポイントは?

2019.05.17

「自宅にある時計の調子がおかしい」と感じたなら、ムーブメントの確認をしましょう。時計の心臓部にあたる機械を丸ごと交換すれば、お気に入りの時計を使い続けられます。作業の手順やポイントを紹介するので、ムーブメント交換をしてみましょう。

時計のムーブメント交換の特徴

『ムーブメント交換』とはどのような作業なのでしょうか?作業の特徴や、オーバーホールとの違いを解説します。手入れ方法について知り、時計のメンテナンスにいかしましょう。

時計のムーブメント交換とは?

『ムーブメント』は時計の機械のことです。針を動かし、時間を刻んでいる、時計の『心臓部』にあたります。

ムーブメント交換では、この部分を丸ごとすべて交換します。そのため、作業後の時計は『中身が新品』になるのです。

時計の見た目は変わりませんが、中身は新品なので、「時間が遅れやすい」といったトラブルがあった場合にもスムーズに動くようになるでしょう。

また、機械を丸ごと交換するため、作業がシンプルで効率がよいのも特徴です。少ない工程で交換可能なので、手順を知れば自分でもできます。

オーバーホールとの違い

ムーブメント交換と同じように、時計の不具合を解消するための方法として『オーバーホール』があります。

機械部分を扱う点では共通している二つの方法ですが、新品に取り替えるムーブメント交換と、今ある部品を使えるように手入れするオーバーホールでは、作業内容に違いがあるのです。

オーバーホールでは、まず、機械を部品ごとに分解します。それぞれの部品は、適した方法で汚れを取り除き、破損があれば交換します。そして、最後にすべての部品を組み立てて元通りにするのです。

手間と技術力の必要な作業のため、『プロ』でないとうまくできません。そのため、ムーブメント交換と比べて『費用が高い』のも特徴です。ブランドでない場合でも1万円以上は予算を見ておきましょう。

自分で行うとお店での交換より安くできる

プロの技術が必要なオーバーホールと違い、ムーブメント交換は自分でもできます。しかも、依頼するよりずっと安い価格でできるのです。

専門の業者に依頼すると、ムーブメント交換は6000円以上というケースが多くなっています。時計のタイプや使用するムーブメントの種類によっても変わりますが、決して『格安』というわけではないのです。

一方、「自分で作業すると費用は1500円ほど」です。ムーブメントの価格のみで時計の修理ができるので、依頼するより安く済みます。

ムーブメント交換で必要なもの

自分でムーブメント交換をするには、どのような道具や材料を揃える必要があるのでしょうか?あらかじめ必要なものを揃え、スムーズに交換できるようにしましょう。

交換用ムーブメント

まず必要なのは交換用の『ムーブメント』です。時計のムーブメントのサイズを測り、同じサイズを用意するとよいでしょう。

また、時計の種類によってムーブメントの種類も変わります。そのため、修理したい時計に合ったものを選ぶことも大切です。時計にぴったりのムーブメントを選んで交換しましょう。

ピンセット、ドライバーなど

交換するための道具も用意しましょう。

針を外すときには、『ピンセット』があると便利です。また、文字盤とムーブメントを固定しているビスを外すための『ドライバー』も用意します。

交換用のムーブメントに専用工具が付属していることもあるので、その場合は利用するとよいでしょう。

交換用ムーブメント選びのポイント

ムーブメントは時計を動かす心臓部です。そのため、ムーブメント選びによって、交換後の時計の動きに違いが出てきます。ムーブメントはどのように選ぶのがよいでしょうか?ポイントを紹介します。

連続秒針か音が出るタイプか

時計の秒針は、動き方によって2種類に分けられます。なめらかに連続して動く『スウィープ式』とカチカチ音が出る『ステップ式』です。

好みの動き方を選び、ムーブメントを購入しましょう。特に好き嫌いがないなら、交換前と同じ動きをするものを選ぶと違和感がないでしょう。

突起部分の幅と高さに注意

ムーブメントは文字盤の穴に突起部分を入れて針をつけます。そのため、「突起部分の幅や高さが文字盤と合っていなければいけない」のです。

文字盤の穴の幅よりも突起部分の『幅が大きい』と、開いている穴にムーブメントを固定できません。入れるためには、穴を大きく広げなければいけなくなってしまいます。

また、突起部分の『高さ』も重要です。低すぎると、文字盤の表まで突起部分が出ず、固定できません。逆に高すぎると時計のカバーにぶつかってしまいます。

できるだけ交換前のムーブメントと同じサイズを選びましょう。

針の穴が入るか確認

時計の針は、突起部分に差し込んで固定します。そのため、「突起のサイズと針にあいている穴のサイズが合致しなければいけない」のです。大きさが合わない場合、針を差し込めないので、使えません。

また、そもそも針が取り外せない時計だったというケースもあります。カバーと文字盤がボンドでしっかり固定されているような場合、無理に外そうとすると破損してしまうこともあるでしょう。

事前に、針が外せる構造になっていて、かつ、ムーブメントの突起とサイズの合うものであることを確認することが大切です。

ムーブメントの交換方法

シンプルな手順で交換可能なムーブメントですが、手順を知らなければうまくできません。ここでは、交換のやり方を紹介します。作業の参考にしましょう。

時計の針を外す

ムーブメント交換では、まず時計の針を外します。フレームがある場合には、外してから作業しましょう。

まず外すのは1番上にかぶさっている『秒針』です。硬いことも多いので、グッと力を込めて抜きましょう。そして、短針・長針を外します。

このとき、ピンセットを使って押し上げるようにすると、余計な力が入らず、破損を予防できてよいでしょう。

ムーブメントを交換する

次に行うのは、ムーブメントの交換です。ムーブメントは、文字盤の穴の部分に、ビスで留まっています。そのため、ドライバーを使ってビスを外しましょう。

交換用ムーブメントの中に専用工具が入っていることもあるので、そちらを使っても構いません。

ビスが取り外せたら、次は新しいものを取り付けます。先ほどとは逆に、文字盤の裏からムーブメントを当て、ビスで固定するのです。

最後に針やカバーをつければ完成です。

電波、目覚まし、振り子時計も基本は同じ

時計にはいろいろな種類があります。例えば『電波時計』『目覚まし時計』『振り子時計』などです。これらの時計も、基本は壁掛け時計と同じ方法でムーブメント交換ができます。

ただし、それぞれ専用のムーブメントを選んでください。

また、目覚まし時計は針を戻すときにポイントがあります。針を戻す順番はアラーム針→短針→長針→秒針です。

アラーム針と短針をはめ、時刻調整用つまみで「カチン」と音がするまで短針を回します。そして、アラーム針に重なるよう短針を指先で回すのです。

次に、時刻調整用つまみで短針を12時の場所にして、重なるよう長針をはめます。最後に秒針をつけて完成です。

ポイントを押さえてムーブメント交換

時計の修理で行われるムーブメント交換は、選び方のポイントや手順さえ知っていれば、難しい作業ではありません。

紹介した内容を参考にすれば、動かなくなった時計を蘇らせることが可能です。また、電波時計のムーブメントに取り替えて、より便利に使うこともできます。

愛着ある時計をより長く使いたいなら、ムーブメント交換にチャレンジしてもよいでしょう。

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