メガネのツルの基礎知識。掛け心地にこだわりを持とう

2019.05.15

メガネの『ツル』部分は、掛け心地を左右するといっても過言ではありません。デザインも重要ですが、長く気持ちよく使用するためには、ツルについてある程度知識あった方がよいでしょう。ツルの基礎知識や素材、フィッティングについて解説します。

メガネのツルとは

メガネの主役はレンズ部分ですが、ツルも機能面において重要な役割を担うため、フィッティングでは繊細な調整がなされます。また、デザイン面においても主役級の存在感を放つこともあるでしょう。

レンズに次いでメガネの中で多くの部分を占めるツルについて、基本的な知識を紹介します。

メガネを支える部分

『ツル』とはメガネの横にある、耳に引っ掛けてメガネを支える部分のことです。別名『テンプル』や『ウデ』とも呼ばれます。

ツルは、耳に『吊り下げる』ことからそういわれるようになり、テンプルは英語のtemple(こめかみ)で、まさにツルがこめかみ部分に当たるためそう呼ばれるようになりました。

ウデは、そのまま日本語の腕のことで、アームと呼ばれることもあります。メガネを見てみると、たたんだり伸ばしたり支えたり、ツルが腕のように見えるでしょう。

ツルの先はモダンや先セルと呼ばれる

ツルの先、耳に当たる部分のことを『モダン』や『先セル』といいます。

『先セル』と呼ばれるのは、かつてメガネのツル先端がセルロイドでできていたためだそうです。

『モダン』とは、英語のmodern(近代的な)のことですが、この先セルが近代的だといわれたことからだという説もあります。

現代のモダンはプラスチックでできているものが多いですが、スポーツなどで使用する場合は、ずれにくいラバー素材がよいでしょう。

モダンは耳に接するため汚れやすい部分です。気になる人は交換可能なメガネも検討してみましょう。

ツルの扱い方

メガネを掛けるときは、必ずツルを両手で持って十分に開き、こめかみに沿ってゆっくりと掛けましょう。

片手で振るようにして開いたり、片手のまま掛けたりすることを繰り返していると、フレームが曲がってしまう場合もあります。

たたむときは、メガネを掛けるときの向きで持ったときに左側にあるツルからたたみましょう。ツルは左側からたたんだときにフラットになるように設計されているためです。

右側からたたんだ場合、微妙にツルが浮いてしまってケースに収まらないこともあります。

ツルの素材

ツルの素材は、メガネの掛け心地に大きな影響を与えます。軽さ・弾力性・丈夫さなど、機能性を向上させるためにさまざまな素材が用いられているのです。

自分に合ったツルを見つけるには、どんな素材のツルがあるか知る必要があります。それぞれの素材の特徴について見ていきましょう。

プラスチック

メガネのツルに使用するプラスチック素材は『樹脂』『セルロイド』『アセテート』の三つに大きくわけられます。

樹脂にもいくつか種類がありますが、総じて軽く弾力性があるのが特徴で、温度や経年による影響の少ない素材です。

セルロイドは加工が難しい合成樹脂で、その硬さが大きな特徴といえます。透明感やツヤ感があり、フレームの質感にこだわる人に好まれるでしょう。

アセテートはやや柔らかくて燃えにくいため加工しやすく、現代のメガネにおいて主流のプラスチック素材です。透明感があり鮮やかに発色するため、豊富なカラーバリエーションが楽しめます。

金属

金属はフォーマルな印象を与えるため、ビジネスシーンで使用するメガネに合う素材といえるでしょう。線が細く主張しすぎないため、顔になじみやすいのも特徴です。

金属で主流の素材は『チタン』『合金』『ステンレス』の三つでしょう。チタンは塩分に反応しにくい性質を持ち、金属アレルギーの人でも肌荒れを気にせず掛けられます。

合金は弾力性に富み、加工しやすいのが特徴です。形状記憶処理を施すことによって、フレームをうっかり曲げてしまったとしても破損せずに元にもどるようなツルが作れます。

ステンレスは耐食性に優れ、食器などにも広く利用されている素材です。stain(ステイン)less(レス)の名のとおり、錆びにくい性質があります。

べっ甲

べっ甲は有機質でできているため、見た目に温かみが感じられる素材です。タイマイというウミガメの甲羅が原料で、ひんやりと無機質な素材に比べて、肌に触れたときのなじみ方に違いが感じられるでしょう。

べっ甲は透明度があり、模様が少ないほど高級であるとされています。腹側の甲羅を重ね合わせて作られた『白甲』は最高級ランクのべっ甲で、透明感のある金色が特徴です。

べっ甲を使ったメガネには、フレーム全てがべっ甲でできたものから、金属素材などと組み合わせて作られたフレームのものがあります。

天然の木

すこし珍しい素材として『天然の木』を使ったツルもあります。欅(ケヤキ)や柘植(ツゲ)、竹などさまざまな木が使われ、どれも木目の優しい色と風合いが魅力で、個性を重視したい人におすすめの素材です。

冬には木の温かみが感じられ、夏にはサラリとした独特の肌触りで快適にメガネを掛けられるでしょう。また、軽量で負担がかかりにくく、すべりにくい点も特徴の一つです。

木の素材は折れやすいイメージがあるかもしれませんが、使い込むほどに人の脂が木肌に染み込み、強度が増していきます。

ツルで掛け心地が決まる

ツルがうまくフィットしていないメガネは掛けていて不快感があるでしょう。長く掛けていると耳が痛くなることもあるかもしれません。

ツルをチェックするときに見るべきポイントについて解説します。

ツルの長さの見方

メガネのフレームをチェックしたことはあるでしょうか。実は、テンプル部分には、多くは内側にメガネのサイズが記載されています。おそらく『52□16-138』のような数字が見つけられるでしょう。

この例でいくと、52とは『レンズ幅』で、16は『ブリッジ幅』そして138は『ツルの長さ』を示しています。

顔の大きさはさまざまで、目元から耳までの距離も人によって異なるのです。ツルの長さが合っていないと、メガネがずれやすくなるなどの不都合が生じることもあるでしょう。

角度も重要

長さだけではなく、ツルの『角度』も確認してみましょう。ちょうど耳に掛ける部分が、自分に合う角度で曲がっているかどうかが、メガネの掛け心地に大きく関わってきます。

あまり曲がっていない状態では、下を向いたときなどにメガネがずれやすく、逆に角度がつきすぎているとメガネが鼻に押し付けられ、跡がついてしまうこともあるでしょう。

自分でチェックしてみよう

自分でメガネのフィッティングをチェックしてみましょう。まずはメガネを手に持ち、レンズが自分側、ツルが反対側に伸びている状態で上からツルの開き具合を確認してください。

ツルが平行、もしくは反対側へいくにしたがって少し広がっているくらいであれば、ツルの状態はよいといえます。

もし、逆に先へいくほどツルの幅が狭くなるようだったり、片側のみが大きく広がっていたりする場合は、フレームが変形しているのかもしれません。

メガネを掛けると頬や耳が痛い場合

メガネを掛けていて、頬や耳に痛みを感じるときは、メガネのフィッティングがよくないか、フレームになんらかの問題がある可能性があります。こうした場合の対処方法について見ていきましょう。

お店に調整をお願いする

掛け心地がよくないことに気づいても、仕事や学業に忙しくてなかなかお店に出向く時間が取れないこともあるでしょう。メガネは自分で調整できなくはありません。

例えば、セルフレームやメタルフレームのメガネであれば、熱を加え工具を使用して曲がった部分を修理することもできるでしょう。

ただし、自己調整には失敗が付き物であることは心に留めておく必要があります。メガネを長く大切に使いたいのであれば、お店で熟練のスタッフに調整をお願いした方が賢明です。

お店であれば、専用のツールもあり、フィッティングを確認しながら掛け心地のよい状態へ調整してもらえます。

ツルやモダンにカバーをする

頬や耳に当たる部分が気になるときには、ツルやモダンにカバーを付けることもできます。シリコン製のチューブをツルに巻き付けると、メガネが滑りにくくなりズレを防止できるでしょう。

カバーには、透明タイプとカラータイプがあります。ツルのもとのデザインを活かしたい場合には、透明タイプがおすすめです。

付け方は簡単で、まずカバーにツルを通した後、温風機などを使用して熱を加えます。この際、ツルにモダンがついているのであれば取り外しておきましょう。

カバーが熱により収縮したら、瞬間接着剤でカバーの両端を埋めてカバー内へ水や汚れが侵入するのを防ぎます。最後に、瞬間接着剤が白く変色するのを防ぐスプレーをかけて出来上がりです。

こんなときは修理相談をしよう

メガネは毎日使うものです。大切に使っていても、ツル部分が傷むこともあるでしょう。

ツルが外れてしまったとき

修理に持ち込まれるメガネの損傷の多くは、ツルや鼻当て部分が取れてしまったものです。

たいていは部品を留めるネジ部分がゆるみ、外れてしまったことが原因でしょう。この場合は店頭でネジを閉め直すだけで簡単に直せます。

しかし、接着部が外れてしまった場合は修理に日数がかかることがあるかもしれません。修理できない損傷である可能性もあります。

ツルが折れたとき

うっかり踏みつけてしまうなどして、ツル部分が折れてしまうこともあり得ます。とくに異素材を組み合わせてできているツルは、接合部分がほかの部分よりも折れやすいといえます。

替え部品のあるようなメガネならよいですが、付け替えできないものは折れたツルを溶接しなければいけません。

溶接した部分は変色したり、元の強度に戻らなかったりすることもあるため、一度店頭で相談してみることをおすすめします。

フィット感を大切にするお店選びを

素材やデザインにこだわってよいメガネを選んでも、フィッティングが適当だと掛け心地が悪く、長く使えないこともあります。

よいお店はメガネがちゃんとフィットしているかどうかスタッフが確認してくれるはずです。修理などのアフターフォローにも対応してくれる店選びを心がけましょう。

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