クォーツ、機械式、自動巻きの違いとは?知っておきたい時計の種類

2019.05.14

機械式時計はゼンマイを巻くことで動く仕組みですが、『自動巻き式時計』は、ゼンマイを自動で巻き上げてくれる機能を持つ便利な時計です。この方式の時計が持つ特徴や取り扱い方法、手動式時計の違いなどをまとめました。

知っておきたい時計の2つの種類

時計は、駆動方式によって2つの種類があります。違いについて、詳しく解説していきましょう。

クオーツと機械式

時計の駆動方式は、『クオーツ式』と『機械式』の2種類に分けられます。このうち、クオーツ式は『電池』が動力源となっており、水晶振動子へ電圧を送り込むことにより時計が動く仕組みです。

このようなクオーツ式時計のムーブメントは大量生産が可能で、安価な水晶振動子でも精度が高いので、多く普及しています。

機械式の特徴は電池が必要ないこと

電池で動くクオーツ式に対し、機械式時計は『ゼンマイ』が動力源です。電池を必要としないので、当然電池切れの心配がありません。

機械式時計は、手動でゼンマイを巻く『手巻き式時計』、そして自動的にゼンマイを巻き上げられる『自動巻き式時計』のように、ゼンマイを巻く方法により種類が分かれます。

それぞれの機械式時計について、以下で詳しく紹介します。

自動巻き式時計の特徴

機械式時計は、上記のようにゼンマイを巻き忘れると止まってしまうため、そのたびにゼンマイを巻いて時計の時刻調整も行う手間が発生することがあります。

自動でゼンマイが巻き上がる自動巻き式時計なら、このようなわずらわしさが減り、『快適に使用』できるでしょう。

自動巻き式とは

『オートマティック式』または『セルフワインディング式』と呼ばれることもある自動巻き式時計は、その名称通り自動的にゼンマイを巻き上げる仕組みを搭載しています。

手巻き式時計に自動巻き式機構を組み込んでいるため、ゼンマイを手で巻く必要がなく動く時計です。

自動巻き式の構造

自動巻き式は、ムーブメントに重りの役割を持つローターが内蔵されているのが特徴です。

ローターは重力によって上から下ヘ動くので、時計を装着した『腕の動きによって回転』します。その動力が歯車に伝わって、ゼンマイを巻き上げるという仕組みです。

腕を少し動かしたり、腕の向きを変えたりするだけでもローターが回るので、普段の生活で時計を装着しているだけで、ゼンマイを巻き上げられるというわけです。

手巻き式との違い

手動でゼンマイを巻く手巻き式時計、そして自動的にゼンマイを巻き上げられる自動巻き式時計のいずれも機械式時計なので、『動力がゼンマイ』という共通点があります。

しかし、これら2種類は『ゼンマイを巻く方式が異なります』。自動巻き式は前述のとおりですが、手巻き式は時計ケース側部に付いているリューズを手動で巻き上げることで発生する動力を元とし、時計が動きます。

当然、ゼンマイを巻かないでいると動力源がなくなり、機械式時計は止まってしまいます。

特に手巻き式の場合はゼンマイの巻きが減ってくると、内部にある時計の精度を保つためのパーツ『テンプ』の動きにも影響してきます。だんだんと狂いが生じ時刻にもズレが生じることがあるため、一定期間でゼンマイを巻く必要があるでしょう。

常に正確な時刻を指すようにするには、一般的に1日1回はゼンマイを巻いた方がいいと言われています。

自動巻き式のメリット・デメリット

ゼンマイを巻く面倒がない自動巻き式時計は、手巻き式よりもメリットしかないように思われがちです。ここでは自動巻き式のメリットとデメリット両面をみていきましょう。

自動巻き式のメリット

何といっても『自分でゼンマイを巻く必要がない』のが、自動巻き式の最大のメリットです。ゼンマイの巻き忘れによって時計が止まる心配がなく、テンプの狂いが生じにくいので、時刻の狂いも出にくいのもポイントです。

また、最近の機械式時計は手巻き式よりも『自動巻き式の方が主流』となっています。比較的リーズナブルなメーカーから超高級ブランドまで自動巻き式時計を取り扱っているので、商品の選択肢が広いのも魅力です。

自動巻き式のデメリット

自動巻き式時計は、腕の動きにより動力を得ると紹介しました。逆に考えると、腕に装着していなければ動力を得られないということになります。

自動巻き式時計を安定して動かすための装着時間の目安は、『1日あたり約10時間』です。身につけない時間が長い場合、ゼンマイを巻くための動力が不足し、時計が止まることも考えられます。

頻繁に身につけない自動巻き式時計の時刻を常に正確に保つために、時計を回転させるための『ワインディングマシーン』に保管しておく方法もあります。

手巻き式は比較的構造がシンプルですが、自動巻き式は時計のサイズが厚く、大きくなりがちです。薄型の時計が欲しい人にとっては適さないサイズも増えてくるでしょう。

そして、構造が複雑な自動巻き式は、その分『メンテナンス費用も高くなる』ことが多い点も、デメリットです。

自動巻き式がおすすめな人は?

上記のメリット・デメリットからも、時計を着用する時間が多い、ゼンマイを手動で巻く面倒を避けたい人には、自動巻き式の時計がおすすめです。

好みのブランドのモデルが欲しい、多彩なラインナップから時計を選びたい人にも、選択肢の多い自動巻き式の方が適していると言えるでしょう。

自動巻き式時計の正しい取り扱い方法

自動巻き式時計は、使用環境や使い方によっては動きが悪くなったり、故障したりすることがあります。以下のポイントをチェックし、時計の正しい取り扱い方法を守りましょう。

運動時には時計を外す

時計を装着したまま運動や体を動かす人も多いでしょう。自動巻き式時計は腕を動かす必要があるため、運動中に着用しておいた方がいいと考えがちです。

しかし、自動巻き式時計の場合は運動中につけっぱなしの状態を続けると、ゼンマイを巻けるどころか不具合を起こすことが考えられます。

自動巻き式は、普段の腕の動き程度の振動までが許容範囲で、基本的に『強い衝撃や振動に弱い』ものです。

そのため通常受ける振動よりも強い振動や衝撃が加わると、搭載されているローターが回りすぎてしまい、歯車の狂いやパーツの故障につながってしまいます。

ですから、体を動かすことが多い場合や激しいスポーツをする際は、自動巻き式時計は必ず外すようにしましょう。

強い磁気を帯びた物に近づけない

基本的に、時計は磁気に弱いものです。時計内部のムーブメントは金属製であるため、強い磁気を浴びると『磁化』してしまいます。すると、内部の動きに影響が及び、テンプが正常に動作しなくなるので、時計の精度が狂ったり止まったりします。強い磁気を帯びた物に近づけないようにしましょう。

たとえば、スマートフォンや携帯電話の『スピーカーは、磁気が強い部分』です。また、バッグや財布の留め具としてマグネットが使用されていることも多く、身の回りのものには、意外に磁気が強いものがあります。

パソコンやテレビも磁気が強いので、できるだけ時計を近づけないように気をつけましょう。

モデルによる巻き方を確認する

自動巻き式時計のゼンマイの巻き上げ方法は、右巻き・左巻きに加え、左右どちらにも巻ける両巻きがあり、モデルによって異なります。

普段着用して巻き上げるときはあまり気にすることはないかもしれませんが、先述のワインディングマシーンを使用するときは、モデルごとの巻き方が関わってきます。

ワインディングマシーンにも、時計と同様に右または左、両巻き対応のように巻き方向が設定されています。

時計、ワインディングマシーンともに両巻きなら問題がありませんが、どちらか片方にしか回せないモデルでは、逆方向のワインディングマシーンの利用はまったく意味がありません。

特にワインディングマシーンを使うときは、『手持ちの時計の巻き方を事前に確認しておく』といいでしょう。

自動巻き式時計のトラブル対処方法

自動巻き時計を使っていて、不具合やトラブルが発生することがあります。突然起こる、次のような事態はどのように対処すればいいか。その方法をまとめました。

時計が止まる場合はぜんまいを十分に巻く

身につけている時間が長いにもかかわらず、時計がすぐに止まってしまうことがあります。そんなときは、着用時の動作を振り返ってみましょう。

デスクワークなど、着用していても『動きが極端に少ない』ことはないでしょうか。腕の動きが少なすぎるとゼンマイを巻くための動力が不足するため、十分にゼンマイを巻き上げられません。

このような事態を防ぐには、時計をはずしているときにワインディングマシーンを使用する、もしくは着用する前に手動で巻いておく方法があります。

十分に体を動かしている、または手動で巻いていたのにすぐに時計が止まる場合は、ゼンマイ切れや歯車などのパーツ破損も考えられるでしょう。

潤滑油の蒸発や劣化で動かない可能性も

機械で動く時計の内部パーツには、摩擦軽減とスムーズな動きのために『潤滑油』が使用されています。時間の経過により潤滑油が劣化したり蒸発したりすると、歯車などがスムーズに動かなくなり、針の動きが悪くなったり時計が止まったりします。

潤滑油が原因の不具合は、注油することで解消できることがあります。注油は素人では困難なので、時計店などで分解・清掃を行い組み立てる『オーバーホール』を依頼すれば、行ってもらえます。

定期的にオーバーホールを行っていれば、不具合が発生する前に潤滑油を注油し、『未然にトラブルを防ぐ』ことも可能です。

修理店でオーバーホールを実施

前の項目でも触れたオーバーホールでは、時計内部の細かなパーツ一つ一つをチェックし、必要であればパーツ交換などを行います。

精密機械である機械式時計は、できれば定期的にオーバーホールを実施することが推奨されています。長く時計を使うためにも、オーバーホールは最低でも『5年に1度』、できれば3年に1度は行ってほしいところです。

オーバーホールは、時計メーカーに依頼をする方法もありますが、ブランドによっては5万円ほどかかる場合もあります。時計店や時計修理店の方が費用を抑えられるでしょう。

自動巻き式時計を使ってみよう

ゼンマイを巻く必要がない自動巻き式時計は、普段から着用している人にとっては手間を省ける便利なアイテムです。正しく使えば長く使えるものなので、この記事で紹介した使い方やメンテナンスを確認しておくことをおすすめします。

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