コーヒーのサイフォン式の楽しみ方。原理や入れ方の魅力を知ろう!

2020.08.21

サイフォン式で楽しむコーヒーは、豊かな香りと豆本来の風味を活かした味わいで人気があります。サイフォン式の原理や淹れ方、美味しく淹れるポイントを覚えれば初心者でも手軽に本格コーヒーが楽しめるでしょう。

サイフォン式とは

喫茶店などで見かけることもあるサイフォン式コーヒーとはどのようなものなのでしょうか。まずは、ハンドドリップとの違いや原理、特徴をチェックしてみましょう。

ハンドドリップとの違いは浸漬法

サイフォン式は『浸漬法(しんしほう)』と呼ばれる、浸透圧を利用してお湯に粉を混ぜて抽出する点が最大の特徴と言えるでしょう。浸漬法とは簡単に言うと、コーヒー粉とお湯を混ぜ、浸透圧によってコーヒー成分を抽出する方法のことを言います。

浸透圧が止まったタイミングでお湯と粉を分離することが、雑味のないコーヒーにするコツです。そのため、サイフォンなど浸漬法を使うコーヒーは、時間を気にしながら抽出します。

一方、ハンドドリップは透過法(とうかほう)と呼ばれる方法で、1回目にお湯を注いだ蒸らしのときに、高濃度のコーヒーを粉の内部にある空洞に作り、2回目のお湯で浸透圧をかけて抽出します。

このように、ハンドドリップとサイフォンでは、浸透圧のかけ方による方法の違いがあります。この違いは、コーヒーの味わいにも大きく関係してくるので好みが分かれる部分でしょう。

サイフォン式の原理を知ろう

サイフォンは、ギリシャ語でチューブという意味を持つ言葉です。液体を最初の地点から上方の高い目的地まで導く『サイフォンの原理』を用いることから名前がつけられています。

最もポピュラーな方式の、ガラス風船式と呼ばれるサイフォンドリッパーを例に具体的な仕組みをみてみましょう。

まず、フラスコ部分に水と漏斗にコーヒー粉をセットしてサイフォンが使えるように準備します。その後、フラスコをアルコールランプなどの熱源で加熱し、フラスコ内の気圧を熱によって高めていくのです。

気圧は高いところから低いところに流れる原理を持ち、温められたフラスコ内部の気圧よりも、コーヒー粉がセットされた漏斗がある、上部の気圧が低いため水が気圧の移動と一緒に流れます。

流れたお湯はコーヒー粉と混ざり合いフィルターを通して抽出されます。熱源を外してフラスコ内部の気圧を元通りにすれば、混ざり合って抽出されたコーヒーがフラスコに戻り、抽出されたコーヒー液だけを取り出せるのです。

味わいの特徴

サイフォンで淹れたコーヒーは、コーヒー豆本来が持つ風味をストレートに抽出できるため『クリアな味わい』が特徴です。サイフォンにおすすめされている豆は、酸味や香りの高い豆で、その独特な味わいと香りはサイフォンでしか楽しめないと言えるでしょう。

また、豆の種類を変えなくても挽き方で味わいが変わります。一般的に売られている細中挽きよりも、中挽きと呼ばれる少し大きめの粒のほうがサイフォンに適しており、より芳醇な香りと酸味が楽しめるのでおすすめです。

サイフォン式のメリット

サイフォン式でコーヒーを味わうメリットはどのようなものがあるのでしょうか。チェックしておきたい三つのポイントを紹介します。

風味や旨味を引き出せる

サイフォン式の最大の魅力と言えるのが『風味や旨味を引き出せる』点です。サイフォン独特の抽出方法によって、コーヒー粉とお湯が長く混ざり合うことで豊かな味わいと香りが引き立ちます。豆本来の味わいや香りをより際立たせるので、ハンドドリップにはない深い味わいを感じてみましょう。

安定した味を楽しめる

サイフォン式での抽出方法を覚えてしまえば『常に一定の温度と方法で抽出』できます。ハンドドリップはお湯を注ぐ工程で浸透圧の違いが出てしまい、毎回味が変わりやすいですが、サイフォン式は初心者でも安定した味わいが楽しめるのです。

いつも同じ方法でドリップできるということは、同じ豆でも挽き方による味わいの違いを楽しめるということです。コーヒーミルを用意して豆の挽き方にもこだわってみるのもよいでしょう。

インテリアとしても映える

サイフォンの独特な見た目は、インテリアとしても人気があります。変わった形をしたものや、シンプルでシックに決められるものまでさまざまなので、デザインで選ぶというのも楽しさがあるでしょう。

また、アルコールランプなどの熱源によって柔らかな明るさを周りに与えるので、どこか懐かしさが感じられる『ノスタルジックな雰囲気』が楽しめるのも利点です。

熱源の種類を知ろう

サイフォンのフラスコを温める熱源は、以前までアルコールランプが主流でした。今では、アルコールランプ以外にも熱源があるので、好みや使い勝手で選べます。代表的な三つの熱源を紹介するのでチェックしてみてください。

ガストーチタイプ

ガストーチタイプは『ガスを使った熱源』でトーチタイプとテーブルタイプの2種類があります。

トーチタイプは、カセットコンロ用のガスボンベなどを使えば着火できる手軽なタイプで、約1時間程度の燃焼が可能です。自動着火装置の取り付けも行われているほか、火力調整もできるので使っているサイフォンや好みに合わせて調節できるでしょう。

ガステーブルタイプは、家庭用には不向きな複数口が使える大きなタイプです。直接都市ガスなどと接続する必要があるほか、置き場所にも十分なスペースが必要とされます。一般家庭で使うなら他の熱源の方がよいでしょう。

ハロゲンタイプ

ハロゲンタイプの熱源は『ビームヒーター』とも呼ばれ、光の熱でフラスコを温める原理のものです。火力調節が簡単でコーヒーを保温する機能も備え付けられているタイプが多く、使い勝手がよいのがメリットですが、利便性は高くてもコスパはやや悪い傾向があります。

予算が許すのであれば、安全性も高くおすすめな熱源と言えるでしょう。

電気式熱源

電気式熱源は、コンセントから電気を供給し、『ヒーターのようにセットしたフラスコを温めていく原理』のタイプです。最も手軽で消耗品などを気にしなくてもよいタイプなので、火を使うのが苦手な人におすすめできます。

ただし、専用のサイフォンでなければセットが難しく、汎用性はないため注意が必要です。

必要な道具と準備

サイフォン式コーヒーを楽しむために必要な道具と準備の方法を紹介します。一度用意してしまえば、消耗品も少ないため維持も簡単にできる点は初心者にも嬉しい点です。

まずは道具を用意しよう

サイフォンに必要な用品は以下の通りです。

  • 漏斗とフラスコのセット
  • 熱源
  • 竹ベラ
  • サイフォン用の布フィルター
  • 濾過器(布フィルターに取り付ける)
  • メジャースプーン
  • タイマー(1分間が正確に計れるもの)
  • コーヒーカップ
  • お湯を注ぐためのケトル

竹ベラは、サイフォンでコーヒーを抽出する手順の中にある撹拌(かくはん)と呼ばれる混ぜ合わせるための工程で使います。他のものでも代用できますが、竹ベラが最も使いやすいと言われており、可能であれば揃えましょう。

コーヒーカップやお湯を注ぐためのケトルは、好きなものを準備しましょう。

フィルターを準備する

早速、用意した道具を抽出に使うためにセットしていきましょう。フィルターの準備の手順は以下の通りです。

  1. 布フィルターを流水でよく洗い固く絞る
  2. 布フィルターの毛が立っている面を下にして濾過器にセットする
  3. 布フィルターについているタコ糸を引っ張り、しっかりと張る
  4. 糸を張ったら蝶々結びで固定する
  5. 結び目を布フィルター内部にしっかりと入れ込んで完成

『布フィルターの面を間違えないように確認』しながら、しっかりと張って結びましょう。慣れないうちはヨレてしまうこともあるので、綺麗に張ることを意識して行ってみてください。

布フィルターの用意ができたら、次は器具のセットをして実際に抽出する用意を始めます。

器具をセットしてお湯を沸かす

フラスコや濾過器、フィルターをセットしたら次はお湯を沸かしていきましょう。コーヒー粉が注いだお湯の2割程度を吸ってしまうため、お湯を沸かす量は『抽出量の2割増しがおすすめ』です。

器具のセット手順はサイフォンによって違いますが、基本的なサイフォンのセット方法も掲載しておくので参考にしてみてください。

  1. 濾過器から垂れているチェーンを下にして漏斗に取り付ける
  2. チェーンの先のフックを漏斗の先端にひっかけて固定する
  3. 竹ベラなどで濾過器をロート中心にくるよう確認・調節する
  4. フラスコを熱源にセットしておく
  5. 漏斗の中にコーヒーの粉を入れて準備完了

サイフォンのタイプによりますが、漏斗はセットしておくのではなく、フラスコに注いだお湯の沸騰を確認してから取り付けます。コーヒーの粉は約10gがコーヒー1杯の基準とすると、サイフォンの場合は約12gがよいでしょう。

抽出してみよう

サイフォンの用意ができてお湯の沸騰を確認したら、早速抽出してみましょう。熱源を使い、フラスコ内部のお湯が沸騰したら『漏斗をフラスコにセット』します。漏斗をセットすると徐々にお湯が移動してくるため、竹ベラを用意して撹拌の準備をしておくのが基本です。

ヘラで1回目の撹拌

抽出を開始すると、お湯が徐々にコーヒーの粉を押し上げて上がってきます。自然にお湯とコーヒーの粉が混ざり合うのを待っていると上手く抽出できないため、混ざり合うように1回目の撹拌を行いましょう。

1回目の撹拌では、竹ベラで粉を湿らせるように沈めていきます。沈めたらタイマーのスイッチを入れておきましょう。スイッチを入れたらまた撹拌に戻り、竹ベラを上下に動かして混ぜ合わせて完了です。

上手に撹拌できていると、手を止めたときに泡・粉・液体の3層ができあがります。激しくかき混ぜるのではなく、お湯に粉を馴染ませて抽出を手助けしてあげる意識を持つとよいでしょう。

火を消してから2回目の撹拌

タイマーが鳴り、1分が経過したら2回目の撹拌を行います。

タイマーが鳴るころには、泡の層が白っぽくなり『ガスが出ている』のが見えてきます。このガスは抽出が終わってきた証拠なので確認してみるとよいでしょう。ここから2回目の撹拌を行います。

撹拌は、タイマーを付けるタイミングと鳴ったタイミングで行うというように覚えておくのがおすすめです。

コーヒーが落ちきるのを待つ

撹拌が終われば、コーヒーが落ちきるのを待ち漏斗を取り外します。目安は、コーヒー液がフラスコに落ちきって濾過器の表面に泡が残った状態です。2回目の撹拌から50秒以内前後でコーヒーがフラスコに落ちていくのが理想的と言われているので意識してみましょう。

漏斗を取り外したら、フラスコのコーヒーをカップに注いで完成です。より香りや風味を楽しみたいなら、カップを温めてから注ぐのがよいでしょう。

淹れる際のポイント

サイフォン式でコーヒーを淹れるときに、最も大切なのが撹拌です。撹拌の良し悪しだけでも、コーヒーの風味や味が変わります。撹拌のポイントをそれぞれ紹介するので参考にしてみてください。

1回目の撹拌のポイント

1回目の撹拌のポイントは、お湯とコーヒーの粉をゆっくりと混ぜ合わせることです。軽く押すようにしてお湯と混ざり合っていない粉を、徐々に馴染ませてあげましょう。少しずつ混ぜ合わせたら均一になるよう『軽く上下に混ぜる』とより混ざり合った粉とお湯が落ち着きます。

ただし、ここで混ぜすぎてしまうとコーヒー粉の抽出が予想以上に進み、雑味まで出てしまいます。あくまでも1回目の撹拌は自然に馴染む手伝いをする意識を忘れないようにしてみてください。

2回目の撹拌の動かし方

2回目の撹拌では『渦を起こすように混ぜる』のが基本です。そのまま抽出されたコーヒー液がフラスコに戻るのを待つと、時間がかかりすぎて雑味が混ざってしまいます。渦を起こすように優しく混ぜることで、抽出を手助けしてあげるのがよいでしょう。

約50秒でフラスコにコーヒー液が落ちきる程度の渦の起こし方がベストです。何度も繰り返して力加減や渦の強さを調節してみてください。

フィルターの保管方法

布フィルターは正しく洗って保管すれば、ある程度の期間は使い続けられるものです。取り外して洗うときには、洗剤を使わず流水で流すようにしましょう。洗い終われば、水に浸して冷暗所で保管するだけで問題ありません。

布が傷んできたときや、コーヒーの豆が目詰まりして布全体が黒ずんできたら交換しましょう。

おすすめ商品を紹介

最後におすすめのサイフォンを三つ紹介します。初心者でも使いやすいタイプが多いので、初めての人でも参考にしてみてください。

TWINBIRD サイフォン式コーヒーメーカー

TWINBIRDが取り扱うサイフォン式コーヒーメーカーは、熱源に電気式を採用したサイフォンです。サーバーを本体にセットすると自動的にスイッチが入り、抽出を開始するため面倒な操作を減らして手軽さを向上しています。サーバーを外せばスイッチは自動でオフになるので無駄な電気の使用もなく安心です。

計量スプーン兼用のヘラが付属しているため、撹拌のための竹ベラの用意が必要ありません。初心者が揃えたいサイフォン式のセットが揃っている点も優秀な点です。

  • 商品名:TWINBIRD サイフォン式コーヒーメーカー ダークブラウン CM-D854BR
  • 価格:7530円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ハリオ コーヒーサイフォン

ハリオが販売しているコーヒーサイフォンは、業務用のガスバーナーやアルコールランプでも使えるスタンドデザインを採用したメーカーです。『本格的なサイフォンでありながらも、使い勝手を追求』しており、万が一故障してもパーツが揃っているため長く愛用できるでしょう。

サイフォン式本体、アルコールランプ、計量スプーン兼用ヘラが同梱されています。布フィルターが苦手な人のために、ハリオが販売しているペーパーフィルターが使えるタイプなのもポイントです。

  • 商品名:HARIO (ハリオ) コーヒーサイフォン モカ 3人用 MCA-3
  • 価格:5,118円(税込)
  • Amazon:商品ページ

BONMAC サイフォン ゴールド

『最大約3人分を抽出できるコンパクトなコーヒーサイフォン』が、BONMACから販売されているサイフォンゴールドです。アルコールランプ式を採用し、コーヒーを入れながら高いデザイン性のサイフォンが醸し出す雰囲気を楽しめます。

アルコールランプは付属していませんが、スタンド式を採用しているためハロゲン式やガス式にも対応できます。撹拌用の竹ベラは付属してくるため、熱源を有効活用して新しいサイフォンを購入したい人におすすめできるでしょう。

  • 商品名:BONMAC サイフォン ゴールド 【3人用】 TCA-3GD-BM #889057
  • 価格:10,227円(税込)
  • Amazon:商品ページ

サイフォン式の魅力を楽しもう

サイフォン式の魅力は高いデザイン性でおしゃれな雰囲気を楽しみながら、『香り立つコーヒー』が味わえる点です。初心者でもサイフォンに合わせた淹れ方を覚えれば、安定した味わいを楽しめるでしょう。

慣れてきたら豆を変えてみたり、挽き方にこだわるというちがった楽しみ方も試してみてはいかがでしょうか。

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