自分の趣味や好きなことをテーマとしたカフェを開いてみたい、と思い描いたことはありませんか。また、サイドビジネスとしてカフェ経営を計画している人もいるかもしれません。この記事では、カフェを始めてみたい人に向けて、カフェの内装についてを説明します。
カフェの内装は重要な要素
カフェの内装は、コーヒーが飲める空間を作り上げるだけではなく『よりこだわりが求められる時代』になりました。カフェの内装を重視する上でチェックしておきたい二つのポイントを紹介します。
まずは客層を考えよう
内装を決めるために大切なのは、どのような客層がカフェを利用しているのか知ることです。
カフェを利用するシチュエーションは、『人』や『カフェの立地条件』によっても変わります。例えば、仕事の合間に立ち寄ったり、勉強などで長時間利用するなどさまざまなのです。
そんなとき、カフェ自体が騒がしく落ち着きがなければ、「また訪れたい」という気持ちになりません。そのため、空間やインテリアなど細かい部分にこだわり『何度も利用したくなる内装作り』が大切なのです。
また、手軽においしいコーヒーが飲めるだけでは物足りなさを与えてしまいます。新規顧客の獲得のためには、飲食の提供以外にも付加価値として、店舗が与える印象が重要視され始めているのです。
特に、近年ではカフェ巡りをする若年層も増えており、SNSなどを利用し写真の共有などを新たな楽しみにしている人もいます。
年齢層に合わせたニーズに応えられる雰囲気と、視覚的に印象に残る内装が新規顧客の獲得の点でも重要と言えるでしょう。
コンセプト設計をしっかり
しかし、自分が思い描くようなインテリアや商品を、ただ設置するだけでは顧客に満足してもらえません。提供する飲食・空間などはそれぞれカフェによって異なり、差別化を図るためにも『独自のコンセプト設定』を定めていく必要があります。
コンセプトに悩んだときには以下の4点から考えてみましょう。
- 何が得意でどんなことを提供できるか
- お客様に対してどのような価値を提供したいか
- 店はどこにあるのか
- どこのような利用をしてもらいたいのか
立地条件や価格帯、自分の持っている引き出しを考え、どのような価値をどのような場所で共有したいのかを考えていくと、コンセプトが見えてくるでしょう。
カフェの内装に必要な要素
では、カフェの内装を考える上でどのような要素が必要なのでしょうか。内装に興味を持ってもらうためにこだわりたい四つのポイントを紹介します。
壁紙は印象を大きく左右
『壁や壁紙』は最も目を引くポイントです。店に入ったときの印象を大きく左右する場所とも言えるため、選び方を覚えておく必要があります。
例えば、壁・壁紙の色を明るくすれば、照明の照度を落としても、店内はある程度の明るさを確保できます。シックな色合いに変更すれば、重厚感を演出できるでしょう。
壁や壁紙は簡単に取り替えられず、交換をするには費用と手間がかかります。印象などで簡単に決めるのではなく、カフェのイメージやインテリアと合わせてゆっくりと決めるようにしてみてください。
照明のデザインや用い方
壁紙との相性も考えなければならないのが、照明のデザインや用い方です。カフェの雰囲気を決める要素でもあり、内装やインテリアのよさを引き立てる照明の色・用い方を工夫するのがよいでしょう。
例えば、明るく落ち着きのある雰囲気を持っている空間を作り上げても、照明が暗い印象を与えてしまえば台無しです。落ち着きのある大人の空間を作り上げたのに、明るすぎるのもよくありません。
判断がつかないときには『インテリアデザイナーなどのプロの意見』がとても参考になります。しっかりと耳を傾け、意見を交換しながら検討するのがおすすめです。
カウンターやテーブル、ソファなどの家具
カウンターやテーブル、ソファなどの家具はカフェのデザインコンセプトを伝える役割を持っています。ナチュラル系・隠れ家系・ミニマル系・レトロ系など、コンセプトに合わせた家具を揃えて行く必要があるのです。
また、テーブルではカフェのメニューを置くために十分なスペースを確保できるという点にも注目します。安定し丈夫なものであれば、作業をする人にとっても快適な空間を提供できるでしょう。
テーブルが決まれば、椅子やソファを考えていきます。飲食などに適した座り心地・広さのためにいくつか用意するのもよいでしょう。
こうした家具は、来客が直接見て触れる場所なので、『居心地のよさ・過ごしやすさ・使い勝手』に注目してみてください。
植物やインテリア
カフェの観葉植物は、店内の空気を綺麗にしてくれる効果やワンポイントアクセントにぴったりです。観葉植物を置く位置によっては、客席同士や通路との目隠しとしてアレンジもできます。
観葉植物はお手入れが簡単で枯れにくいものを選ぶと、維持も簡単で無理がないでしょう。
インテリアや雑貨などのアイテムを置きたいときは、カフェに訪れる客層にも注目して用意していきます。ビジネスマンが多ければ新聞・経済誌など、コンセプトから外れないように調節してみてください。
手作りのものやどうしても置きたいインテリアがあるときにはコンセプトに外れないように注意して、雰囲気に合わないときは、思い切って見合わせる決断も必要です。
内装のカテゴリの種類とは
内装を決めるときにはある程度のカテゴリからコンセプトに合わせて絞り込んでいきます。代表的な内装の種類を三つ紹介するのでチェックしてみてください。
ナチュラル系
カフェの内装で最も人気を集めているカテゴリが、ナチュラル系です。明るくシンプルにまとめながら、木目調の家具などを使用すれば温かみのある自然な雰囲気を演出できます。
壁紙は、ベージュ系にすることで落ち着きのある空間にまとめられるでしょう。
ナチュラル系の利点は『性別・年齢問わず多くの人から愛されている点』です。明るい雰囲気のカフェを目指すならば、まず検討しておきたいカテゴリと言えます。
スケルトン・シンプル系
スケルトン・シンプル系のカテゴリは、コンクリートがむき出しになった壁や床、天井をそのままデザインとして捉え、スケルトン状態を活かしたものです。
『材料費の節約』にもぴったりで、かっこいい雰囲気になりますが、天井などに施された配管や設備機器が露出してしまうため、ある程度、見せ方の工夫は必要でしょう。
シンプルにまとめられる反面、天井がないことによって空調の効率が悪くなる、清潔感を出すためには色合いを考えなければならないデメリットもあります。ランニングコストと相談しながら、空間を決めていきましょう。
おしゃれな隠れ家系
隠れ家系は、『どこか懐かしい感じや落ち着き』与えます。古民家風の内装や小さなログハウスをイメージしたものが隠れ家系に当てはまるでしょう。隠れ家系の特徴を最大限に活かすのであれば、規模が小さめのカフェがおすすめです。
個性が強くこだわりを持った客層が多く訪れる隠れ家系カフェは、気に入って貰えれば根強い常連となってもらえます。コンセプトと調和したインテリアや独自の空間は、大きなカフェにも負けない魅力を持っていると言えるでしょう。
内装の考え方を知ろう
いろいろな内装の基本やイメージを掴んでも、決めきれなかったり、決め方がわからず途方に暮れるケースは多くあります。カフェの内装を考えるときのコツを二つ紹介するので、落ち着いて考えてみましょう。
人気のあるカフェを参考にする
コンセプトやカフェの目的を明らかにするためにも、人気のあるカフェを巡ってみることはおすすめの方法です。どのような雰囲気がどういった印象を与えるのか、『自分の目で見て回る』よい機会と言えるでしょう。
ショールームを見るように巡れば、改めて自分の好きな雰囲気を確認したり、それを伝えるにはどうしたらよいのかを、じっくりと考えることができます。
自分の知らない世界を見ると、選択肢の幅も増えます。後々、しっかりとコンセプトが定まり、具体的な内装を決めるときにも、必ず巡ったときの経験が役に立つので試してみてはいかがでしょうか。
5W1Hで考える
『5W1H』と呼ばれる考え方はコンセプトや内装のイメージを決めるときに重宝します。
- Why・・・なぜ
- Who・・・誰に
- What・・・何を
- Where・・・どこで
- When・・・いつ
- How・・・どのように
上記が5W1Hです。上から順番に答えを見つけていき、わからない場所は飛ばしてある程度のコンセプトを決めてみましょう。
Whyにはカフェを開こうとした理由。Whoには客層、Whatは何を提供するのか、Whereは場所、Whenには大体の時期を、Howにはお店のイメージを当てはめるとコンセプトが明確になります。
それができなければ、よい内装にもつながらないため、しっかりと根深く考えていきましょう。
デザインの流れ
最後に、カフェのデザインを決めるときの流れを紹介します。内装へこだわるためにはどのような設計会社や施工会社を選ぶのかも重要なポイントです。
設計会社を選ぶ
設計会社を選ぶときに重要なのが『自分が立てたコンセプトを実現できるか』という点です。設計会社を選ぶときは、自分が好きなデザインをした会社や友人知人の紹介を受けることもあるでしょう。
しかし、それだけではコンセプトを実現できる力を持っているとは言えません。そこで便利なのが、マッチングサービスです。コンセプトを実現する力を持ちながら、意見の合う設計会社との機会を得られるチャンスなのでチェックしてみてください。
設計会社が決まれば、コンセプトを伝える・共有する・レギュレーションを明らかにするなど細かく決めていきます。プレゼンができるとより相手にイメージが伝わるので、コスト面も含めて行ってみるとよいでしょう。
施工会社を選ぶ
施工会社を選ぶときには設計会社からの紹介が多いものです。しかし、予め決まっているならお願いする形にしましょう。
工期は約1ヵ月前後が目安です。内装工事中は色の選定などの細かい打ち合わせが必要なので、都度現場に足を運ぶとイメージもつかみやすいでしょう。
費用の見積もりは複数の会社を
工事には必ず費用がかかります。価格の適正化のために『複数の会社で見積もりをもらう方法』がおすすめです。
内装工事費が想定コスト以内で収まり、手抜きが一切なくコンセプトが伝わる作業をしてくれるところを見つけられるよう、ぎりぎりまで粘ってみましょう。
カフェの内装にこだわってみよう
カフェの内装へのこだわりは、コンセプトを伝え客層を呼び込むためにも重要なポイントです。インテリア一つだけでも大きく印象を変えてしまうので、慎重に選んでゆったりとしたプランで進めればよい案が思いつきやすいでしょう。
内装選びでの焦りは、思わぬトラブルにもつながりかねません。商品を作り上げるのと同じで、ゆっくりと丁寧に決めてみてはいかがでしょうか。