コーヒーに含まれるカフェインには、眠気を取り集中力を高める作用があります。しかしカフェインをたくさん摂取すると健康を害することもあるため、飲み過ぎには注意が必要です。1日の適量や飲み方など、コーヒーとカフェインの関係について解説します。
カフェインの特徴を知ろう
コーヒーを飲むと眠気がとれてすっきりするのは、カフェインの覚醒作用によるものです。ほかにも人体にさまざまな作用をもたらすことがわかっているカフェインですが、いつどのように発見され、使われるようになったのでしょうか。
まずはカフェインの由来や特徴について、詳しくみていきましょう。
そもそもカフェインとは?
カフェインは、コーヒー豆や茶葉に含まれる『アルカロイド』という有機化合物の一種です。植物が昆虫などから身を守るために、自ら作り出した成分であると考えられています。
19世紀前半に、ドイツの化学者が初めてコーヒー豆からこの成分を分離することに成功し、コーヒー(coffee)にちなんでカフェイン(caffeine)と呼ばれるようになりました。
天然カフェインが含まれる食品には、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、チョコレートなどがあります。また、ガムやエネルギードリンクなど、人工的にカフェインを加えた食品も多く販売されています。
医薬品にも含まれる
カフェインには覚醒作用や解熱鎮痛作用もあるとされていることから、風邪薬や痛み止め、鼻炎薬などの医薬品にもよく使われています。
多くの場合、カフェインから水分子を取り除いた『無水カフェイン』として配合されています。
たとえば総合感冒薬の『新コンタックかぜ総合』には、成人の1日量である4錠のなかに、無水カフェインが75mg入っています。
1日の許容量を知ろう
仕事が忙しいときなどは、カフェインの覚醒作用を求めて、ついコーヒーを飲み過ぎてしまうこともあるのではないでしょうか。
しかしカフェインは医薬品に使われるほど、人体に強い作用をもたらす成分です。過剰に摂取すると、副作用や中毒症状が起こることもあります。
もちろん適量なら毎日飲んでも問題ありません。大切なのは、1日の許容量を知り、それを守ることです。
欧州食品安全機関(EFSA)では、身体に影響がないとされる1日当たりのカフェイン摂取量を、成人なら400mgと設定しています。
ドリップコーヒー1杯(150ml)のカフェイン含有量は90mg前後なので、1日4~5杯が最大許容量と考えておくとよいでしょう。
カフェイン入りの薬やエネルギードリンクなどを飲んだ日は、その分コーヒーの量を減らすとよいでしょう。
コーヒーの種類による含有量
コーヒーは、ほかの飲料に比べてもカフェイン含有量の多い飲み物です。また、同じコーヒーでも淹れ方によって、カフェイン含有量が変わります。
コーヒーのカフェイン含有量について、ほかの飲料との比較も交えながら紹介します。
コーヒーのカフェイン量
コーヒー1杯当たりのカフェイン量を、お茶などのカフェイン含有飲料と比べると、玉露(ぎょくろ)に次いで多いことがわかります。
ただし玉露にはカフェインの働きを抑制し、リラックス効果の高いタンニンが多く含まれます。このため玉露は、コーヒーよりもカフェインの影響が出にくいとされています。
玉露と同じく、茶葉が原料の紅茶や煎茶も、カフェインの作用は穏やかです。眠気覚ましが目的であれば、お茶よりコーヒーやエネルギードリンクのほうが適していると言えるでしょう。
それぞれの具体的なカフェイン含有量は下表のとおりです。
飲料名 | カフェイン含有量(mg) | 1杯当たりの量(ml) |
玉露 | 144 | 90 |
ドリップコーヒー | 90 | 150 |
エナジードリンク(レッドブル) | 80 | 250 |
紅茶 | 45 | 150 |
コーラ(コカ・コーラ) | 34 | 355 |
煎茶 | 24 | 120 |
コーヒーはドリップタイプが最も多い
コーヒーのカフェイン含有量は、豆の挽き方やお湯の温度によって変わります。豆を細かく挽いて、熱いお湯で淹れるほど、カフェインが多いコーヒーになります。
下表はコーヒーの淹れ方別に、1杯当たりのカフェイン含有量をまとめたものです。ドリップタイプのコーヒーは、細く挽いた豆を熱いお湯で淹れるため、最もカフェイン含有量が多くなっています。
ちなみにエスプレッソは、1杯当たりの量が30mlと少ないので、カフェイン量も少なくなっています。しかし150mlに換算すると300mgにもなり、2杯(60ml)でドリップコーヒー1杯のカフェイン量を軽く超えてしまいます。
エスプレッソが好きな方は、飲む量に注意しましょう。
淹れ方 | カフェイン含有量(mg) | 1杯の量(ml) |
ドリップ | 90 | 150 |
インスタント | 86 | 150 |
水出し | 65 | 150 |
パーコレーター | 60 | 150 |
エスプレッソ | 60 | 30 |
焙煎時間での差は?
コーヒー豆には、焙煎時間によって深煎りと浅煎りの2種類があります。焙煎時間が長い深煎りほど、カフェインが揮発するため1粒当たりのカフェイン量は少なくなります。
しかし、深煎りすると水分も飛んで軽くなるので、コーヒーを1杯淹れるのに、浅煎りよりも多くの豆が必要です。
このため、コーヒー1杯当たりのカフェイン含有量でみると、浅煎りと深煎りの差はほとんどないと言えるでしょう。
カフェインが含まれる飲料
カフェインには覚醒作用や利尿作用があるといわれているため、寝る前にコーヒーやお茶を飲むのを控えているという方も多いのではないでしょうか。
しかしカフェインは、ほかにもさまざまな飲料に含まれているので油断は禁物です。カフェインを含む飲料と、許容量についてみていきましょう。
カフェインは様々なものに含まれる
コーヒー、お茶、エネルギードリンク以外にカフェインが含まれる飲料として、コーラやココアが挙げられます。
ココアと同じく、カカオ豆から作られるチョコレートにも、もちろんカフェインが入っています。コーヒーのお供にチョコレートを食べたり、暑い日にコーラをたくさん飲んだりすると、カフェインを過剰に摂取してしまう可能性があります。
また、ペットボトルのお茶や缶コーヒーも、意外にカフェイン量が多いので注意が必要です。
コーヒーは紅茶の2倍
コーヒーに次いでカフェインが多いイメージのある紅茶ですが、実は1杯当たりのカフェイン含有量は、150mlで45mgと、コーヒーの半分しかありません。
紅茶には、緑茶と同じくタンニンが豊富に含まれるため、カフェインの作用も穏やかです。
許容量換算の杯数
コーヒー以外のカフェイン飲料もよく飲むという方は、1日に飲める杯数を計算しておくと、カフェインの過剰摂取を予防できます。
たとえば紅茶のカフェイン量はコーヒーの半分なので、2杯でコーヒー1杯分と覚えておくとよいでしょう。
また、エネルギードリンクや、500mlのペットボトルに入ったお茶には、ドリップコーヒー1杯相当のカフェインが含まれます。1日に何本も飲むと、あっという間に許容量を超えてしまうので注意しましょう。
とくに暑い夏には喉が渇いて、コーラやペットボトルのお茶を飲む機会が増えます。その分コーヒーを控えたり、カフェインの入っていないドリンクに置き換えたりするのがおすすめです。
デカフェについて知ろう
もともとカフェインを含んでいる飲食物からカフェインを除くことを、『デカフェ』と言います。
近年、健康上の理由などで、カフェインを控えたいという方が増えていることから、さまざまなデカフェ製品が開発されています。
カフェインレスコーヒーは、代表的なデカフェ製品の一つです。デカフェの特徴と、おすすめのカフェインレスコーヒーを紹介します。
カフェインレスとは
カフェインレスはカフェインを取り除くことですが、あくまでも減らすだけで、カフェインがまったく含まれていないわけではありません。
これに対して、まったくカフェインが入っていないものは、『カフェインフリー』や『カフェインゼロ』と呼ばれます。
カフェインレスコーヒーにも、ごくわずかですがカフェインは含まれています。しかし身体に作用するほどの量ではないので、就寝前に飲んでも眠れなくなることはないでしょう。利尿作用も強くないため、水分補給にも使えます。
最近はコーヒーだけでなく、紅茶やコーラにもデカフェ製品が増えており、カフェイン摂取を控えたい方に人気があります。ただしデカフェ製品は売っている店が限定されるので、ネット通販などでまとめ買いするのがおすすめです。
ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス
ネスカフェのゴールドブレンド カフェインレスは、カフェインを97%カットしたインスタントコーヒーです。
カフェインレスコーヒーは、カフェインを除去する過程でほかの成分も失われるので、どうしても味や香りが犠牲になってしまいます。
しかしゴールドブレンド カフェインレスは、ネスカフェ独自の『挽き豆包み製法』で、淹れたてのような香りとコクを楽しめます。
コーヒー好きの方でも、充分満足のできる商品です。
- 商品名:ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス
- 価格:968円(税込)
- 商品ページ
ネスカフェ ゴールドブレンド ボトルコーヒー カフェインレス
ネスカフェでは、カフェインレスのボトルコーヒーも販売しています。ゴールドブレンド ボトルコーヒーなら、面倒な抽出作業も洗い物もなく、いつでも美味しいカフェインレスのアイスコーヒーを楽しめます。
そのまま飲んでも美味しいですが、牛乳を入れてアイスカフェオレにするのもおすすめです。無糖なのでダイエット中でも安心ですし、ガムシロップを入れれば甘さを自由に調整できます。
- 商品名:ネスカフェ ゴールドブレンド ボトルコーヒー カフェインレス(900ml・12本)
- 価格:2030円
- 商品ページ
コーヒーのカフェインと上手に付き合おう
コーヒーを飲んでリラックスするひとときは、忙しい毎日の中で欠かせない、かけがえのない時間です。気になるカフェインも、飲む時間や量に気をつけることで、身体への悪影響を抑えられます。
この記事を参考に、コーヒーやカフェインに対する理解を深め、上手に付き合ってみてはいかがでしょうか。