カフェと喫茶店の違いは?イメージや特徴、定義の違いなど

2019.05.12

コーヒーなどのドリンク、食事を提供するカフェと喫茶店は、名称だけが違うと思われがちです。しかし、この両者には名称以外にも異なる点が多くあります。そこで、カフェと喫茶店、それぞれの違いについて掘り下げていきます。

カフェや喫茶店が流行するまで

現在、日本中には多数のカフェや喫茶店があります。街を歩いている途中に気軽に立ち寄ったり、友人と一緒にコーヒー片手にくつろぎの時間を過ごしたりできるなど、『生活に根付いた存在』となっています。

そんなカフェや喫茶店はいつどこで生まれ、流行していったのでしょうか。まずは、カフェと喫茶店の歴史から紐解いていきましょう。

日本の発祥は明治時代から

日本で初めてのカフェは、ニューヨークに留学した経験を持つ外交官の鄭永慶(てい・えいほう)氏が、1888年に東京・上野にオープンした『可否茶館』です。

可否茶館の店舗は2階建ての洋館で、1階がビリヤード場、2階部分に喫茶室という構成で、鄭永慶が西洋で見たカフェを元に西洋の雑貨などを並べた、当時としてはとてもモダンなスポットでした。

可否茶館はただコーヒーを楽しむための場所ではなく、トランプなどの娯楽や国内外の新聞なども取り揃えており、コーヒーを飲みながら知識を吸収し、『文化交流をするための場』だったと言われています。

残念ながら、日本初のカフェ・可否茶館はわずか5年で閉店します。

しかし、その後、銀座に『カフェ・プランタン』や『カフェパウリスタ』などのそれぞれ個性あるカフェがオープンし、日本に徐々にカフェ文化が広まっていきました。

その後さまざまなジャンルの喫茶が誕生

カフェ文化が広まった日本では、ドリンクや食事を提供するだけの場にとどまらない、さまざまなジャンルのカフェが登場しています。

戦後は音楽を楽しめる喫茶店として、『ジャズ喫茶』や『シャンソン喫茶』などが出てきました。このように気軽に特定のジャンルの音楽を聴ける場としてのカフェは、高い人気を得ていきます。

音楽を聴くだけではなく、客全員で歌を歌える『歌声喫茶』も、戦後に流行したカフェのタイプの一つです。また、独自の喫茶店文化がある名古屋市では、1970年代頃に漫画本や雑誌を店内で読める『漫画喫茶』も生まれています。

これらのバラエティ豊かな種類の喫茶店は、現在も続いており、音楽や漫画を楽しめる場所として喫茶店が親しまれている理由の一つになっていると言えるでしょう。

4月13日は喫茶店の日に

毎年4月13日は、『喫茶店の日』とされています。この日は、先述の日本初の喫茶店である可否茶館がオープンした日で、これを記念して喫茶店の日が制定されています。

カフェと喫茶店の特徴

コーヒーを飲める店には、カフェと喫茶店の2種類があります。これらにはどのような違いや特徴があるのかをまとめました。

カフェはフランス語のコーヒーが由来

『カフェ』という名称は、元をたどるとフランス語でコーヒーを意味する単語です。

当初カフェは飲み物の名前を意味する単語でしたが、それが転じてコーヒーなどのドリンクやフードを提供する場所という意味を持つようになりました。

カフェは明るくておしゃれなイメージ

カフェというと、おしゃれで明るいイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。実際、カフェの方が店内の雰囲気や照明が明るく、設置する家具などのインテリアにもこだわった、おしゃれな空間となっています。

喫茶店はレトロで落ち着いたイメージ

カフェに対して、喫茶店はどちらかというと照明を落としがちで、落ち着いた雰囲気が特徴です。

また、喫茶店はレトロで昭和の趣が残る、ノスタルジックな雰囲気が魅力でしょう。

カフェと喫茶店は、中に入ったときの印象がかなり違うものですが、この2種類の形態にはさらに大きな違いがあります。

カフェと喫茶店の定義の違い

上の項目でも見たように、一般的にカフェと喫茶店は店内の雰囲気が異なります。しかし、違いはそれだけではありません。以下のように、カフェと喫茶店は営業形態そのものが異なっています。

営業区分の許可が違っている

飲食店を出店する際は、必ず保健所で営業許可の取得が必要です。カフェや喫茶店も、営業を行うときにこの営業許可を取得しています。

飲食店を営業するために必要な『食品営業許可』には、いくつかの区分があります。

カフェは『飲食店営業許可』を取得しているのに対し、喫茶店は『喫茶店営業許可』を取得しているという区分の違いが、そのままカフェと喫茶店の違いになっていると言えます。

飲食店営業と喫茶店営業の違い

カフェが取得している飲食店営業許可と喫茶店が取得している喫茶店営業許可は、できることに違いがあります。

飲食店営業許可は、カフェに限らず食堂やレストラン、バーなどの幅広い種類の飲食店が受けるもので、調理を行って『食事を提供したり、アルコール類の提供』をしたりできます。

しかし、喫茶店営業許可ではアルコール類の提供はできません。

また、調理は簡単な『加熱調理のみ』が許可されているため、手の込んだ料理を提供することも不可能です。その代わり、飲食店営業許可よりも取得しやすいメリットがあります。

スタバや珈琲店との違いはある?

カフェや喫茶店以外にも、全国には人気のコーヒーチェーン店または『珈琲店』と呼ばれる形態の店舗があります。

これらとカフェや喫茶店には違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。

営業形態と名前は関係なし

喫茶店と名乗っているのに、調理を行った食事を提供しているケースは珍しくありません。これはどういったことなのでしょうか?

喫茶店営業許可では、加熱調理のみ許可されているため、調理が必要なメニューは提供できません。しかし、必ずしも営業許可の種類は営業形態に直結しません。

つまり、カフェとして飲食店営業許可を取っていたとしても、『喫茶店』を名乗っても構わないというわけです。もちろん逆も然りで、喫茶店として営業許可を取っていたとしてもカフェを名乗ることもできます。しかし、この場合は食事の提供はできません。

食事提供をするお店は飲食店の営業許可

上記のような理由から、食事を提供したり、アルコール類を提供したりする喫茶店が多くあります。このような店舗では、喫茶店営業許可ではなく飲食店営業許可を取っていることになります。

では、日本中に店舗を展開している『スターバックス』のようなチェーン店はカフェと喫茶店どちらに当てはまるのかと疑問に感じる人もいるでしょう。

基本的に、チェーンのコーヒーショップはおしゃれで明るい雰囲気の内装で統一されていることがあるため、『カフェ』と呼ぶ方が多いようです。

しかし、本格的な調理が必要なメニューを提供するところが少ないため、営業形態としては喫茶店に近いと言えます。

全国展開するチェーン店には、『珈琲店』という業態のところもあります。珈琲店には明確な定義がありませんが、目安としてメニューの半分程度がコーヒーと考えておいていいでしょう。

珈琲店でも、調理を伴うメニューを提供しているところもあるため、このような店舗では飲食店営業許可を取っているということになります。

カフェと喫茶店には多くの違いがある

カフェと喫茶店は、名称だけではなく提供するメニューも大きく異なります。そもそもの営業許可の区別が、そうしたメニューの違いに繋がっています。

しかし、喫茶店の場合はカフェと同様、飲食店としての許可を取得して営業しているところも多くあります。それぞれの店舗でメニューの違いを見つけるのも、カフェや喫茶店巡りの楽しさの一つではないでしょうか。

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