バイク用のメンテナンススタンドは整備や長期保管に有効なアイテムです。メンテナンススタンドにはいくつか種類があり、特徴をおさえた活用がポイントでしょう。そこで、メンテナンススタンドの種類や選び方、おすすめ商品を解説します。
メンテナンススタンドのメリット
はじめに、メンテナンススタンドのメリットを2つ解説します。
日常のメンテナンスに便利
バイクのメンテナンスで手間がかかる部分は、タイヤなどの足回りです。洗車のときもタイヤを1周させる必要があり、大変な思いをしたことはないでしょうか。
メンテナンススタンドを使わず、力任せにタイヤを浮かすのは慣れが必要です。慣れないと何かの拍子にバイクを転倒させてしまう可能性があります。
洗車や点検、さまざまな整備のときにメンテナンススタンドがあれば非常に便利です。大型バイクでも簡単にセッティングができるので、力任せの作業をする必要がなくなるでしょう。
バイクの長期保管にも必須
冬季など、長期的にバイクを乗らないときもメンテナンススタンドは重宝します。バイクを保管するときにタイヤを地面から浮かせないと変形や空気圧の低下が起こりやすいためです。
空気圧が低下したままで保管すると、車体へのダメージも出てきます。そのため、バイク博物館などで展示されている車体にはメンテナンススタンドが使われているのです。
メンテナンススタンドの種類
メンテナンススタンドにはいくつか種類があります。ここでは、3つのメンテナンススタンドについて解説します。
単独で使用可能リアスタンド
リアスタンドはリアタイヤを浮かせたいときに使うものです。最もオーソドックスなタイプで、スタンド自体も軽量になります。
使用場面はドライブチェーンの洗浄やグリスアップ、リアホイールの着脱などです。ただし、メインスタンドのあるバイクであれば、リアスタンドは必要ありません。
注意点としては、車体重量が重くなる場合です。200kgくらいまでならば耐えられるものが多いですが、それ以上であれば転倒することがあります。
フロント・リア兼用スタンド
リアとフロント両方に使用できるメンテナンススタンドです。フロントスタンドとはフロントにかけるメンテナンススタンドのことです。
フロント・リア兼用スタンドは、片側だけの車輪を浮かせてメンテナンスするならば重宝するタイプです。
ただし、フロントスタンドとして利用する場合はリアスタンドも必要になります。注意してください。
バイクを持ち上げるジャッキアップタイプ
エンジンやフレームの下にあてて車体を持ち上げるのがジャッキアップタイプです。万能に使えるタイプで、メンテナンススタンドが使えない車種でも問題なく利用できます。
商品によっては500kgまで耐えられるものもあり、大型バイクを持ち上げるのも可能です。フロントもリアにも使えますが、注意点はジャッキ自体が重いことです。
中には14〜15kgの商品もあり、ジャッキを使うのも一苦労になることが考えられます。また、ジャッキだけでは不安定なときもあるので、スタンドをもう1つ追加するといいでしょう。
メンテナンススタンド選びのポイント
ここまでメンテナンススタンドの利便性や種類をまとめてきました。ここからは選び方のポイントを見ていきましょう。
車種や日常の用途で検討しよう
メンテナンススタンドを選ぶときは用途に合わせて考えるのがポイントです。車種の構造も考慮して選ぶ必要があります。
リアスタンドとの接続に必要な『受け』にもいくつか種類があり、L受けやV受けなどがあります。スポーツバイクでも特徴が異なってくるので、車種に合わせたメンテナンススタンドが必要です。
また、メンテナンスで使うのか長期保管で利用するのかでも必要なスタンドは異なるでしょう。
メンテナンスならば作業箇所周辺の必要に応じて選んだり、長期保存ならば両輪を浮かせるタイプを選んだりします。用途に応じて適切なものを選びましょう。
フロントスタンドは単体ではNG
メンテナンススタンド選びで注意したいのは、先述したように、フロントスタンド単独では作業などに使えないことです。必ずリアスタンドと併用しましょう。
また、フロントスタンドとリアスタンドを使う場合は、必ずリアスタンドから使います。
その理由はフロント部分にはハンドル(車輪)があり、フロントスタンドからかけてしまうと車輪が左右に動いて車体を倒す可能性があるからです。
リアスタンドをかけて、車体を安定させてからフロントスタンドをかけましょう。
1人でできるメンテナンススタンドの使い方
さまざまなメンテナンススタンドの特徴を踏まえ、購入したら実際にスタンドを1人でかけてみましょう。手順は次の2つになります。
ブロックをサイドスタンドに敷き垂直に
メンテナンススタンドをかけるときは、木製などでもいいので、ブロックも用意しましょう。
まずは、そのブロックをサイドスタンドの下に敷き、車体を水平にします。車体を水平にすることで、バイクの転倒を防ぎ、作業がしやすくなります。
ブロックを敷いたら、スタンドをかけましょう。
ただし、リアスタンドからかけるときは、フロントのブレーキを作動させるのもポイントです。ブレーキバーとハンドルを輪ゴムで固定してフロントのブレーキを作動させます。このとき、輪ゴムを2重がけすると固定が強固になるでしょう。
フロントのブレーキを作動させたら、ハンドルを左に切ります。こうすることで、リアスタンドをかけたときに、ハンドルが動いてしまうことによる車体の転倒を防ぎます。
メンテナンススタンドを持ち上げる
フロントのブレーキをかけたら、次は、リアスタンドをかけます。まずはリアスタンドのフックに仮がけをしましょう。
仮がけが終わったら車体の左側に立ち、リアスタンドを踏みながら車体を地面から垂直に起こしていきます。車体を起こすときには、目視でフックにリアスタンドがかかっているかも確認しましょう。
フックにうまくリアスタンドがかかっているならば、右足でリアスタンドの端を真下に踏み込み、車体を持ち上げて終了です。
うまく車体が持ち上がらないときは、強度のある部分を見つけ、手で上に力を加えながらリアスタンドを踏んでみましょう。高さが足りない場合は、スタンドの長さを延長して対応します。
おすすめのメンテナンススタンド
メンテナンススタンドをはじめて買うとなれば、どのような商品がよいか迷うでしょう。その中でも、おすすめ商品を2つ紹介します。参考にしてください。
アストロプロダクツ モーターサイクルリアスタンド
リアスタンド選びに迷っているならば、アストロプロダクツ(AP)のモーターサイクルリアスタンドがおすすめです。
強度にも問題がなく、アタッチメント部分の回転や幅調整が可能で機能性もあります。耐荷重は250kgまでのため、大型車種以外であれば十分に活用可能です。
- 商品名:AP モーターサイクルリアスタンド ビッグ レッド
- 価格:9180円(税込)
- 商品ページ
バイクスタンド メンテナンススタンド 前後兼用
ウェイモール(WEIMALL)のフロントとリアの兼用メンテナンススタンドは、耐荷重450kgに設定されています。そのため、強度には問題ないでしょう。値段も比較的安価で、はじめてメンテナンススタンドを購入する人にも適しています。
フロントの調整用スペーサーパーツが豊富で、さまざまな車種に対応可能です。保護ラバーもついているので、車体の傷が防止できます。
- 商品名:バイクスタンド メンテナンススタンド フロント・リア兼用 耐荷重 450kg キャスター付
- 価格:5080円
- 商品ページ
便利なメンテナンススタンドを使ってみよう
メンテナンススタンドはバイクの日常整備や長期保管に使います。種類がいくつかあるので、用途に応じて使い分けてください。
メンテナンススタンドを使うときは、ブロックがあると車体のバランスがよくなり、転倒防止にもなります。
ここで紹介したメンテナンススタンドの種類やかけ方を参考に、ぜひ活用してみましょう。