ジャズといえばサックス。サックスが主役のジャズが聴きたい

2019.05.08

ジャズの花形楽器のひとつといえば、「サックス」ですね。色気のあるハスキーなサウンドの中にも演奏者の情熱を描いて見せるサックスの音色は、ジャズを聴く上でも特に注目したいポイントです。そんな、ジャズにおけるサックスの魅力に迫っていきましょう。

ジャズに欠かせないかっこいいサックス

サックスの誕生は1840年代と比較的新しく、楽器名のもとにもなった職人アドルフ・サックスによって開発されました。楽器としての正式名称は「サクソフォン」です。

よく知られている種類としてはソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4つがありますが、他にも様々な種類のサックスがあります。また、見た目のイメージで金管楽器だと思われがちですが、構造的には木管楽器になり、華やかさと温かさを併せ持った音色が特徴となっています。

サックスがよく使われるジャンルはジャズだけでなく、ポップスやロック、歌謡曲、吹奏楽など、非情に幅広いものになっています。プレイヤー人口も多く、世界的に見ても特に人気の高い楽器です。

ジャズの中でも主旋律を担当することが多く、まさに「主役」と呼べる活躍をしてきました。

よく使われるサックスは4種類

前述したように、サックスでよく使われるのは「ソプラノ」「アルト」「テナー」「バリトン」の4種類です。それぞれ音域の違いがあり、使われる場面も異なります。

サックスの基本的な種類と特徴を押さえるのは、サックスを知る上で欠かせない勉強です。その特徴を、一つずつ見ていきましょう。

ソプラノサックス

よく使われるサックスの中では最も音域の高いタイプです。

甘くきらびやかなサウンドが大きな魅力で、サクソフォン四重奏などでも特に聴き手の注目を集めるパートとなってきました。そのため、他タイプのサックス奏者を引っ張る、リーダーポジションの演奏者が持つサックスとしても知られています。

一般的なイメージのサックスとは違う、直線的なフォルムも特徴のひとつです。

アルトサックス

全サックスの中でも最もポピュラーなタイプのものです。ネックが曲がりながら折り返すような構造が特徴で、「サックスと言えばくねっと曲がったデザイン」という一般的なイメージはこのアルトサックスから来ています。

サックスの定番として独奏曲などでも使用され、バンドでも主旋律を奏でる楽器として使用されてきました。

テナーサックス

アルトサックスと並んでポピュラーなサックスです。主旋律を担当する音域を持ちながらもやや低めで渋いサウンドが特徴で、豪快な華やかさと、メイン楽器としてのキャッチーさを持ち合わせています。

ジャズやポップスでもひんぱんに使われていて、ソロなどを務めることも多くなっています。

バリトンサックス

よく使われるサックスの中では一番音域の低いタイプになります。

アンサンブルの中では低音楽器として使用されることが多く、一般的にはあまりソロなどで使われることはありません。

一方で、近年は楽器としての人気が高まっていて、ソロ楽器として使用されることも多くなっています。空間に響きわたるような、重厚なソロ演奏のサウンドが大きな魅力です。

サックスが主役のおすすめジャズ

色気のあるサウンドで、ジャズの中でもひときわ存在感を放ってきたサックス。実際に、サックスが主役になっているジャズの名曲を聴いていきましょう。

ジャズの名曲。テイク・ファイヴ

サックスに焦点をあてたジャズスタンダードとして欠かせないのが、伝説的なサックス奏者ポール・デズモンドの代表曲「テイク・ファイヴ(Take Five)」です。

アルトサックスのサウンドが印象的なメインテーマは映画やドラマのBGM、CMソングとしても使用されてきたので、誰もが一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。

また、日本ではドラマ「TAKE FIVE〜俺たちは愛を盗めるか〜」のタイトルの元にもなり、作中でJUJUによるカバーが流れたことでも話題になりました。

サックスソロなら枯葉

シャンソン楽曲として作曲され、ジャズのスタンダードナンバーとしても世界的に人気を集めるようになった名曲です。

曲中で艶やかなサックスソロがあるのが注目ポイントで、ジャズサックスの魅力を体感するのにぴったりの一曲となっています。

数多くのジャズミュージシャンに演奏されている楽曲ですが、中でもモダンジャズを代表するサックス奏者キャノンボール・アダレイのアルバム「サムシン・エルス」に収録されたものが特に名演として知られています。

みんな大好きルパン三世のテーマ

日本人なら誰もが聴いたことのあるアニメソング「ルパン三世のテーマ」は、サックスが印象的なジャズナンバーとしても人気の高い名曲です。

一度聴いただけで記憶に残るサックスの主旋律は、「ルパン三世」のスリリングでハードボイルドな雰囲気ともマッチしながら、大人の色気が漂う本格的なジャズとしてもしっかり聴かせてくれます。

身近なところからジャズサックスの魅力を知るには、これ以上ないほどぴったりな一曲と言えるでしょう。

有名なジャズサックス奏者は?

有名なプレイヤーからサックスの名演を聴いていくのも、サックスの魅力を知る方法としておすすめです。ジャズの世界で広く知られるサックス奏者に注目していきましょう。

天才プレイヤー、チャーリー・パーカー

1940年代に活躍したチャーリー・パーカーは、現代のジャズシーンにつながる「モダンジャズ」というカテゴリーの生みの親の一人です。そのため、「モダンジャズの父」という異名でも呼ばれています。

より即興演奏を重視したプレイング、王道のスリリングな演奏は、今のジャズサックスの基礎を築きました。1955年に34歳という若さで早逝してからも、多くのサックス奏者に影響を与えてきた伝説的なプレイヤーとして現在まで支持を集め続けています。

また、1988年にはクリント・イーストウッド監督の伝記映画「バード」でその生涯が鮮明に描かれました。

ジャズサックスを語る上で、まず注目するべき存在です。

テナーサックスといえばジョン・コルトレーン

ジョン・コルトレーンは、1950年代から1960年代というモダンジャズの発展期に活躍したサックス奏者です。主テナーサックスを使用していたことで知られています。

生涯で200枚を超えるアルバムに参加していて、その中でも「モダンジャズの帝王」と呼ばれるマイルス・デイヴィスの作品に多数参加しています。当初は無名だったところからじわじわと知名度を高めていった、地道な実力派として有名です。

また、活動の後期には当時まだ賛否両論を呼んでいた「フリージャズ」に傾倒し、より自由で挑戦的な、新しい分野のジャズを開拓していきました。

多くの名演を残しただけでなく、現代のジャズやロックなどにつながるアドリブ方法論を確立した功績でも知られています。サックス奏者という枠を超えて、音楽界に広く大きな影響を与えた存在です。

ウェイン・ショーターは今も現役

現在も活躍しているサックス奏者で注目したいのが、ウェイン・ショーターです。

1959年ごろからプロとして本格的に活動を開始したショーターは、メイナード・ファーガソンやアート・ブレイキー、マイルス・デイヴィスなどの伝説的なジャズミュージシャンのバンドで活躍しています。

また、1970年からは従来のジャズの常識から大きく発展したバンド「ウェザー・リポート」を結成し、ジャズの派生ジャンルであるフュージョンなどの世界観を確立させていきました。

21世紀に入ってからも王道のジャズから実験的なジャンルまで幅広いスタイルに挑戦し、80歳を超えた現在でも現役のプレイヤーとして精力的な活動を続けています。

まさにジャズ界の「生ける伝説」として、注目したいサックス奏者です。

ジャズサックスは文句なしにかっこいい

艶やかで色気たっぷりのサウンドと、プレイヤーの感情がダイレクトに表れたエモーショナルな響きで、世界中のジャズファンに感動を与えてきたサックス。ジャズのサウンドの中心を成す楽器として、ジャズを聴くならまず注目していきたい存在です。

その魅力に触れれば触れるほど、より多くのサックスの名演を知りたくなるのは間違いないでしょう。是非サックスが主役のジャズ音楽を聴いて、その奥深さを体感してみてください。

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