マス(升)を使った日本酒の飲み方。正しい作法と酒升の種類とは?

2019.05.06

日本人になじみのある日本酒。愛飲している人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな日本酒の飲み方でもある「マス酒」についてご紹介します。酒升の種類や正しい作法まで載せていますので、興味のある方はぜひ、ご覧ください。

マス(升)酒とは?

日本酒の飲み方には様々な方法がありますが、マス酒とはどのような飲み方なのか皆さんはご存知でしょうか?そもそもマスとは、お祝い事に良く使われるものです、木を用いて作られたものや漆で加工されたものがあり、正しい飲み方もあります。マス酒の飲み方を知ることで、日本由来の奥深い味を楽しむこともできます。

グラスと升で飲む「もっきり」

居酒屋さんなどで日本酒を飲む場合、マスにグラス一杯の日本酒を注いで提供してくれる時がありますが、これは、「もっきり」という日本酒のスタイル。グラス一杯に日本酒が入れられているのは嬉しいサービスの様に感じますが、若干飲みずらいというのも本音ではないでしょか。また、こぼしてしまうのも申し訳ないという気持ちにもなります。気心の知れた相手であれば、机の上に置いたまま、口をグラスに持っていき、ある程度その状態で日本酒をすすれば飲みやすくなりますが、目上の人との場合はそうもいきません。そんな時は、ゆっくりとマスを持ちあげて、音を立てないようにゆっくりと飲む方が、見た目的にもきれいですし、作法もなっているように感じます。

升酒と塩の関係とは?

もっきりのもう一つのおすすめの飲み方は、マスの角に塩を持って、塩をなめながら日本酒を飲むというスタイルです。この飲み方は江戸時代から始まり、「日本酒の粋な飲み方」として現代に受け継がれてきました。なぜ日本酒に塩なのかというと、日本酒は「甘味」「酸味」「苦み」「旨み」の4つで構成されています。人が美味しさを感じるには五味のバランスが大切だと言われていることから、日本酒にはない5つ目の「塩味」を塩で補おうというわけ。この五感すべてが揃って「美味しさ」となるのです。また塩には味を引き立たせるという効果もあるため、日本酒の味を最大限に味わえる秘訣でもあるのです。

マス(升)酒の正しい飲み方

マスの飲み方とはどのような方法なのでしょうか?マスの飲み方には、「正しい飲み方」というものが存在します。知らずに飲んで恥をかかないよう、また、大人としての作法を身に着けるためにも、ここでご紹介しますのでぜひ、覚えておいてください。方法は2通りあります。

升に直接注いで飲む場合

まずは、マスに直接日本酒を注いで飲む飲み方です。マスは、四角いため、グラスの様に飲みやすくはないと感じる人も多いと思いますが、コツはあります。そのコツとは、角からではなく、縁から飲むこと。一見角から飲んだ方が飲みやすいのでは、と思いますが、縁から飲むというのがマスの正しい飲み方であり、大切なマナーなのです。また、マスの持ち方ですが、鷲掴みに持ってしまうのはマナーとしても良くありません。マスを持つ場合は、4本の指で下部分を支えつつ、親指を縁部分に置いて口に運ぶ。これがマス酒を美しく飲むスタイルです。

「もっきり」で飲む場合

では、直接マスに注がれる日本酒ではなく、マスにグラスの入ったもっきりではどうでしょうか。もっきりで飲む場合、上記でもご紹介しましたが、まずはグラスの中の日本酒がこぼれないようにゆっくりと持ち上げて口をつけ、一口二口飲みます。同じ要領で少しづつ飲み進め、グラスの中の日本酒がなくなったら、マスに入っている日本酒をグラスに移して飲みます。

酒升の種類とお手入れ方法

マス酒に使用するマスは2種類あると上記でご紹介しました。それは、「木升」と「漆升」。それぞれにはどのような特徴があるのでしょか。また、酒升の正しいお手入れ方法についてもここでご紹介しますので、ぜひ、チェックしてみてください。

木升

「木升」とはその名の通り、木で作られたマスのことです。使われる素材は、ヒノキや杉、モミが定番で、主に縁起の良い木が使われているそうです。木の良い香りがして風情も感じます。マスがなぜ、お祝い事などに利用されているかというと、マスは木を組んで作られています。この作り方から「複数の人が気(木)を合わせる」という意味で縁起の良い器として受け継がれてきており、その由来を基に、お祝い事などで利用されるようになったそうです。こうしたことから、日本古来の伝統を引き継いだ素敵な器ということは間違いありません。

塗升

もう一つは「漆升」と呼ばれるものです。漆升は、マスの周りを漆で塗り固めて作られるもの。素材は主にプラスチックだそうです。漆升は、外側は黒く、内側は赤く塗るのが一般的で、木升に比べると軽く、見た目の美しさも特徴だと言われています。

サイズの種類

では、サイズの種類はどのようなものがあるのしょうか。

マスの容量には「尺貫法(しゃっかんほう)」という方法が用いられています。尺貫法の「尺」は長さを表す単位、「貫」は質量の単位とするものです。この尺貫法を用いると、勺は合の10分の1、升の100分の1となります。一般的に販売されているマスのサイズは、「二勺マス」「五勺マス」「八勺マス」「一合マス」「五合マス」「一升マス」の6種類。二勺マスの容量は50mlで、お猪口一杯ほどの小さなサイズです。五勺マスの容量は90ml。二勺マスより一回り大きなサイズです。八勺マスの容量は140ml。五勺マスより一回り大きなサイズです。一合マスの容量は180ml。このサイズは居酒屋さんなどで見かける一番スタンダードなサイズです。五合マスの容量は900ml。身近なものに例えるとちょうど牛乳パックぐらいの容量です。一升マスの容量は1800ml。2リットルペットボトルくらいの容量です。

マスは日本酒だけでなくお米の容量を測るときにも利用できます。特に一合マスは「米一合」と同じですので、一つ持っておくだけでもとても重宝します。また、木升で用いられるヒノキヒノキは防虫効果もあるため、米櫃に一つ入れておけば虫の侵入を防いでくれるため、大切なお米を虫に食べられることもなくなります。

正しいお手入れ方法

では、マスはどのようにお手入れをすれば、長い期間きれいなままで利用することができるのでしょう。マスのお手入れ方法はとても簡単ですので、この機会にぜひ、覚えておきましょう。

マスのお手入れは、良く絞ったきれいな雑巾で拭いたり、水洗いをして水気を拭き取る方法があります。きれいにお手入れした後は、自然乾燥させて水気が完璧に取れればお手入れ終了。しっかりと乾燥をさせることでカビを防ぐことにもつながります。

ここで注意してほしいのは、水につけたままにしないこと、食器洗い機や食器洗剤を使用しないこと、熱湯で殺菌消毒を行わないことです。きれいにしたいという気持ちは分かりますが、マスを長期間使うためにはやってはいけないことです。このような行為を行ってしまうと、マスに歪みが起こってしまう可能性も。せっかく美しい形をしているのですから、お手入れは水だけを利用して、簡単に行うことがおすすめです。

また、食器棚に入れっぱなしにしておくのも、カビ臭くなってしまう恐れがあるためおすすめできません。頻繁にとは言いませんが、ある程度利用してあげるのも、マスを美しく保つ秘訣でもあります。

升酒で日本の伝統を楽しむ

升酒は日本の昔ながらの飲み方であり、飲酒だけではない意味や由来が込められています。木の香りを楽しみながら日本の伝統に触れてみるのもおすすめ。正しい作法と知識を身につけて、自宅や出先でも堂々と升酒を楽しんでほしいです。

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