哲学本でおすすめはどれ?入門書や哲学の本質を知る人気の本9選

2020.04.08

哲学は難しいというイメージがつきものですが、哲学本には専門書からわかりやすい解説付きの入門書、小説感覚で読めるものや漫画版まで、さまざまなスタイルの本が出版されています。おすすめの本からベストセラーの哲学本まで、解説付きで紹介します。

哲学とは何か?

哲学とは、『物事の本質を探究すること・考えること』です。そしてその探求は、まず疑問を持つことからはじまります。

その対象は抽象的な概念、例えば『神』『人類』『宇宙』『存在』などから、もっと具体的で個人的な『人生論』『思想』までさまざまです。そうした疑問に対し自分なりの論理的な答えを見つける、その行動すべてが哲学です。

哲学と聞くと、なにか難しいもののように思われがちです。しかし『考えること自体がすでに哲学』と考えると、実は多くの人が日常的にしていることなのです。

また哲学は、社会生活や人間関係の問題など、いろいろな場面で実践的に役立つものです。哲学本を読んだり、自ら哲学したりする癖をつけると、自分自身の悩みを解決するきっかけとなることもあります。

哲学を知る意味とは

哲学は難しい学問として扱われることが多く、「私たちの実生活や人生に活かすことはできない」と考えている方も多いようです。

しかし、私たちが生きる現代は、とても実用的で便利にできている半面、生き方や働き方などへの常識が変わりゆく時代でもあります。これはある意味で『確信が崩れはじめた時代』だといえるでしょう。

そんな時代だからこそ、常識をそのまま受け入れることのない『哲学』を学ぶことの価値は、今まで以上に高まっているといえます。いままでは『常識だ』と考えていたことに対しても疑問を持ち、徹底的に自分の頭で考え抜くことが、これからの時代に必要とされることかもしれません。

また、哲学者たちが残した名言をヒントに、周りの流れに左右されない独自の人生観・価値観を持つこともできるでしょう。

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古代ギリシアから生まれた哲学

西洋哲学の歴史は、古代ギリシア哲学からはじまります。そもそも哲学が誕生する以前は、宇宙の誕生や成り立ちは神を人間化させた『神話』という形で説かれていました。

しかし、紀元前6世紀ごろ、現在のギリシア周辺で、神というイメージではなく言葉で説明しようとする運動がはじまります。それが哲学、古代ギリシア哲学のはじまりです。

西洋哲学の基盤となった古代ギリシア哲学はその後、テーマが自然から人間へと移り、さらに理論的に展開していきました。

【関連記事】西洋哲学2500年の歴史を概観。時代の焦点から哲学の流れをわかりやすく解説

哲学好きなら押さえておきたいおすすめ本

古代ギリシアで生まれた西洋哲学は、その後イスラム諸国やヨーロッパ各国に受け継がれ、発展を遂げてゆきます。また一方で、西洋哲学の流れとはまた異なる文脈で、中国を中心とする東洋でもまた哲学的思想が生まれてゆきます。

先人たちが紡いだ知の結晶の片鱗にふれるのにおすすめな4つの本をご紹介します。

古代ギリシア哲学の入門書『哲学の饗宴 ソクラテス・プラトン・アリストテレス』

古代ギリシア哲学を代表する哲学者といえば、ソクラテス・プラトン・アリストテレスが挙げられます。

ソクラテスは『哲学の祖』と呼ばれ、彼から哲学の歴史は始まったといって過言ではありません。その弟子であるプラトンは、ソクラテスの態度をさらに推し進め、哲学の基礎を作ったといわれています。さらにその弟子であるアリストテレスは哲学の方法論をさらに推し進めることで、現在の学問という地平の礎を築いた人物として、『万学の祖』と呼ばれることもあります。

そんな彼らの思想をまとめて解説した『哲学の饗宴 ソクラテス・プラトン・アリストテレス』は、入門本にピッタリの1冊です。

それぞれの生き方や時代背景とともに、わかりやすく解説されています。哲学という営みがそもそもどんなもので、いかにして生まれたのか、そしてそれらが私たちの生きる世界に与えた影響とは何だったのか。哲学の始祖の思想を追ってみることで、そのヒントが得られるかもしれません。

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近代哲学はこの書から始まった『方法序説』デカルト

近代哲学の祖として知られているフランスの哲学者・デカルトが、1637年に発表した書物です。真理を見いだすための方法として、彼は「すべてを疑い、最後に残った疑いきれないものこそが真実である」と考えました。

哲学初心者にも読みやすく、何度でも熟読できる1冊です。名言『我思う、故に我在り』も、この著書に記されています。

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【関連記事】近代哲学の祖『デカルト』を5分で解説。彼の思想とその後の展開とは

ドイツ観念論をまとめて解説『カントからヘーゲルへ』

18世紀ごろより、西洋哲学思想上に重要な流れが生まれます。それが「ドイツ観念論」です。ドイツ観念論とは、簡単に言えば「ドイツを中心に発展した、人間の認識や世界の成り立ちを観念的・演繹的なアプローチによってとらえようとする哲学」の総称であり、この代表的な人物がカントやフィヒテ、シェリング、ヘーゲルなどです(カントを含むかについては諸説あり)。

カントに始まりヘーゲルに至って完成するこの一大潮流をわかりやすく解説したのが、国内のカント研究の第一人者である岩崎武雄氏が著した『カントからヘーゲルへ』です。とはいえ専門書ではなくあくまで一般向けの哲学本となっているため、哲学に心得のない人でもとっつきやすく、スムーズに読むことができるでしょう。

現代にまで続く哲学上の重要な問いも多くがこの時代に生まれており、西洋哲学史がどのような変遷をたどってきたのかが現代の読者にとっても手触り感をもって読むことができるでしょう。

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【関連記事】『カント』の哲学を1500字でまとめてみた。人に教えたくなる哲学の話

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『孫子』

西洋哲学とは別の文脈で花開いたのが、孔子などに代表される「中国思想」です。特に春秋戦国時代(紀元前770~紀元前221ごろ)には、政情不安と中華統一への要請から、「為政」や「統治」「軍事」を目的とした様々な思想が生まれ、そうした思想の提唱者たちを総称して『諸子百家』といわれるほど数多くの哲学者たちが生まれます。この時代に生まれた孔子や孟子の思想を基盤に発展した「儒学」、老子や荘子の思想をもとに発展した「老荘思想」「道教」などは、のちに中国を中心とする東アジア世界に多大な政治的・文化的影響を与えました。

そんななかでもこちらでおすすめしたいのは、軍事思想家・孫武が著した兵法書『孫子』です。この書物では主に戦略・戦術などが扱われており、数々の名言が残されています。また、『孫子』の影響は中国のみならず、ナポレオンもフランス語に翻訳されたものを愛読していたといわれています。

その研究・考察は戦争のみならず、人間関係にも適応できるものであり、まさに戦国時代とも例えられる現代社会・ビジネス社会に役立つ書物として注目されています。哲学があまりに浮世離れした感じがしてとっつきづらいという人は、まずこの本から始めてみるのがよいかもしれません。

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面白い、人気の哲学入門書

次は、現代人におすすめの哲学入門書を紹介します。哲学をもっと身近に感じたい方、実践したい方におすすめです。

『武器になる哲学ー人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト』

経営コンサルタントが執筆した、ビジネスマンのための哲学本です。50個の哲学コンセプトが紹介されており、様々なシチュエーションでどのように活かせばよいのかがわかります。

全ての情報に対して、批判的な思考で分析する『クリティカルシンキング』という、ビジネスで求められる力を養うのにも役立つ1冊です。

ビジネスでトラブルになったときや行き詰まったとき、あるいは新米ビジネスマンには特におすすめです。

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『史上最強の哲学入門』

哲学本には珍しい砕けた口調で、とにかくわかりやすく説かれた哲学入門書です。ソクラテス・デカルト・ニーチェをはじめとする、西洋哲学を代表する計32名の哲学思想が、歴史の流れとともに紹介されています。

難しい部分はイラスト入で解説され、そのカジュアルな文体は中・高校生から大人まで楽しめる本です。

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『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』

現代人が抱える悩みや疑問の根本は、古代ギリシア時代にも存在したというスタンスから生まれた本です。哲学者の思想は難しいけれど、実際問題と照らし合わせると、実は身近でわかりやすいことに気が付くことでしょう。

哲学的な人生相談と一緒に、それぞれの哲学者の思想が解読できます。仕事・人間関係・恋愛などについて悩み事がある、あるいは新しい発想のヒントが欲しい方におすすめです。

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大人にこそ読んでほしい、子供向け哲学本

最後に紹介するのは、大人向けに書かれた哲学本ではないにもかかわらず、幅広い年齢層の大人から支持されている人気の哲学本です。

中学生、高校生限定ではない人生の教科書

哲学本の中には、中・高校生向けに書かれたものもたくさんあります。内容もわかりやすく、哲学を身近に感じてもらうための工夫が随所に見られます。

このような本を大人が読めば、さぞ退屈なのでは?と思われるかもしれません。しかし実際には、その内容の深さ・濃さに魅了される大人が続出中です。

時代に流され、人生の目的や意義を忘れてしまった大人にとって、子どもの目線に立った哲学はとても新鮮に映ります。中・高校生とはまた違った、年齢や経験を重ねたからこそわかる人生のヒントを探しましょう。

『14歳からの哲学 考えるための教科書』

『知りたい』という好奇心からはじまり、考え・知るという哲学の基本に触れ、人生で1度は考えるべきことについて語っています。多感な思春期の子どもたちはもちろん、意欲に欠け、疑うことを忘れてしまった大人にもおすすめです。

読んで覚える哲学ではなく、フランクな口調で、有名人の名前を例に出すなど、気軽な実践タイプの哲学本といえるでしょう。

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『君たちはどう生きるか』

原作は日中戦争がはじまったころに発表されました。戦争下にあった子どもたちのために、人生の意味を説いた教養小説で、主人公とその叔父の対話で構成されています。

愛読書にしている人も多く、最近出版された漫画版では、通販サイトでもベストセラーになるほどの人気です。

子どもたちに説く考えることの大切さは、同時に大人への人生の目的や生き方の再発見につながるメッセージでもあります。

哲学本の品揃えが充実した東京の本屋

最後に、哲学本の品揃えにこだわりのある都内の書店を紹介します。

東京堂書店 神田神保町店

東京都千代田区にある神田神保町は、周辺に多くの大学が立ち並ぶ学生街です。また書店や古本店が立ち並び、ブックフェスティバルや古本祭りなどのイベントも多く開催されます。

そんな本の街にある『東京堂書店』の3階フロアに、哲学・思想のコーナーが設けられています。入手が困難な哲学本など品揃えが豊富で、興味深い催し物なども開催されます。

  • 店舗名:東京堂書店 神田神保町店
  • 住所:東京都千代田区神田神保町1-17
  • 電話番号:03-3291-5181
  • 営業時間:10:00~21:00(日・祝は10:00~20:00)
  • 定休日:年始
  • 公式サイト

ジュンク堂書店 池袋本店

『ジュンク堂書店 池袋本店』は、JR池袋駅から徒歩5分の距離にあります。こだわりの品揃えで、まるで図書館のような大型書店です。

催し物やトークイベントなどが店内で開催されます。

  • 店舗名:ジュンク堂書店 池袋本店
  • 住所:東京都豊島区南池袋2-15-5
  • 電話番号:03-5956-6111
  • 営業時間:10:00~22:00
  • 定休日:7~8月無休
  • 公式サイト

哲学本を読んで、人生を豊かに

哲学本は、人生に様々なヒントを与えてくれる、いわば人生の参考書です。古代ギリシア哲学時代から現在にいたるまで、人が追求するテーマはいつの時代にも存在するものです。

慌ただしい生活で忘れがちな人生の意味や目的、日々の生活で起こるさまざまな出来事や問題、哲学本からのメッセージに耳を傾け、人生を豊かに導きましょう。

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