日本酒に賞味期限がない理由。未開封と開封後で変わる目安と見極め方

2019.05.03

日本ならではのお酒として海外からの人気も高い日本酒。愛飲している人も多いのではないでしょうか。日本の食品には賞味期限が存在しますが、日本酒にはありません。今回は、日本酒に賞味期限がない理由や、未開封と開封後で変わる目安の見極め方について紹介。見極め方を知っておけば、日本酒の美味しい目安も分かります。興味のある方はぜひ、ご覧ください。

日本酒に賞味期限がない理由

日本酒のラベルをじっくりと見てみたことはありますか?注意深く観察すると、普通の食品になら必ず書いてあるはずの「賞味期限」が書いていないことに気づくはずです。これはなぜなのでしょうか。

記載がされていない理由は2つ。一つ目の理由は、日本酒は開封していない限り腐ってしまうことがないからです。皆さんもご存知の通り、日本酒のほとんどは、アルコール度数は15度以上のものばかり。アルコールは殺菌作用もあるため、開封していなければ腐ることもありません。

二つ目は、日本酒に賞味期限の記載が義務付けられていないことです。この2つの理由から「日本酒には賞味期限がない」ということが分かります。

製造年月とは?

日本酒には賞味期限自体が存在しないため、その製造年月は非常に大切。何故ならその製造年月によって、日本酒を美味しく飲める期間というのが決まってくるからです。

製造年月は、賞味期限とは異なり、日本酒のラベルに記載する義務があります。製造年月の示す意味は、日本酒の場合、日本酒が搾り上がった日を指すのではなく、瓶に詰められた日を指します。

日本酒の種類別、美味しさの目安

日本酒には賞味期限はない、ということを上記で説明しました。とはいえ、何年経っても変わらない味が味わえるというわけではありません。

ここでは、日本酒を種類別に分け、美味しさの目安となる期間を紹介します。それぞれの美味しく飲める期間を知ることで、日本酒をよりもっと美味しく楽しめるようになります。ぜひ、覚えておきましょう。

本醸造酒、普通酒

まず最初は、「本醸造酒」と「普通酒」からです。本醸造酒や普通酒は、作られた直後と出荷する直前に「火入れ」という作業を行います。これは加熱殺菌処理として行うもので、きちんと殺菌する工程があることで飲むことのできる期間は長めになります。

そのため、これらの日本酒の場合、美味しく飲める目安の期間は、製造年月から1年ほどです。期間を過ぎても飲むことはできますが、体に不具合が生じないか心配な方は、料理に利用するという手もあります。

吟醸酒、純米酒

続いては、「吟醸酒」と「純米酒」の美味しく飲める期間の目安です。これらの日本酒の美味しく飲める期間は、製造年月日から10ヶ月ほど。上記の普通酒などに比べると少し短いのがポイントです。

生酒

続いては、「生酒」です。生酒は、普通酒などで行われる「火入れ」を行いません。その分、当然保存期間も短くなってしまいます。では一体どのくらい短くなるのかというと、製造年月日から8ヶ月ほどとなります。生酒は普通酒などに比べて短いということだけでも覚えておきましょう。

変化の見極め方と正しい保管方法

美味しく飲める期間が分かっていても、一度開封してしまった場合はどうなるのでしょうか。目視でわかる状態別に解説していきます。

黄色〜茶色に変色している

まずは、黄色~茶色に変色をしている状態です。このようになるのにはいくつかの原因が考えられますが、一番の原因は、日光の当たる場所に長時間保存をしてしまったため。

日光の当たる場所に置いておくと、日本酒はメイラード反応によって、変色をしてしまいます。メイラード反応とは、還元糖とアミノ化合物を化合した際に起きる褐色物質を生み出す反応のこと。日本酒にもこの反応が表れることから、黄色~茶色に変色をしてしまうのです。

変色をしてしまうと、もちろん美味しさの鮮度も落ちてしまいます。日本酒に限らず酒類を保存するときの鉄則ですが、日光の当たらない冷暗所で保管するのがポイントです。

白く濁っている

続いては、白く濁っている場合です。白く濁る原因として考えられるのは、火落ちやタンパク混濁。火落ちとは、日本酒が酒蔵での貯蔵中に急激に腐造してしまうことで、火落ちしている場合、日本酒の香りが全く違いますので分かりやすいです。このような場合、品質は大幅に劣化しています。飲むことができないわけではありませんが、味には期待できません。

ただし後者のタンパク混濁の場合は、見た目は濁っているように見えますが、品質的には何の問題もありません。

古酒として楽しむ

日本酒は、長期間熟成させた場合、古酒として楽しむ方法もあります。古酒とは、満3年以上蔵元で熟成させた糖類添加酒を除く清酒のことを言います。では、古酒は熟成年数によってどのように香りや味が変化するのでしょう。年数によって異なる「変化」についてここでご紹介します。

長期熟成酒(古酒)とは?

長期熟成酒とは、その名の通り、長期に熟成させた醸造酒のこと。別名「古酒」とも言われています。日本酒が美味しく飲める期間は、上記でもお話しした通り1年ほどではありますが、それ以上の期間が過ぎた日本酒でも飲むことは可能なのです。

そのため、たとえば市販の日本酒を自宅で長期間保存し、熟成させることで自家製古酒を作ることも可能というわけです。ただしもちろん、品質の劣化を避けるため、必ず未開封の物を使い、保管する環境にも気をつけるなど注意が必要です。

自分なりの賞味期限を探すのがポイント

日本酒に賞味期限はありませんが、それを劣化ととるか熟成ととるかは人それぞれです。時間が経ってしまった日本酒があったら、捨てずにぜひ古酒に挑戦して日本酒の新たな楽しみ方を体験してみてください。

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