卓球のボールはいつ変更された?大きさや素材の変遷について

2019.05.03

卓球ボールの仕様は、その歴史の中で何度も試行錯誤を繰り返して変更されてきました。大きさや素材の変遷について知れば、より卓球を奥深く楽しむことができるでしょう。球種ごとの特徴も一緒に紹介するので、ボール選びの参考にしてみてください。

ボールの素材の変更

卓球で使われているボールの素材は、長い歴史の中でさまざまな研究が行われてきました。まずは、ボールの素材に何が使われているのかと、その特徴をチェックしてみましょう。

セルロイドからプラスチックへ

卓球がスポーツとして徐々に広まりつつあった時代に使われていたボールの素材が、『セルロイド』でした。セルロイドは、とても軽い特徴を持っている天然素材で『ボールのスピード』を活かしたプレーが楽しめます。

しかし、天然素材という弱点を抱えていることで、供給が不安定で、低品質なものが多く流通しました。そこで考えられたのがプラスチックを使ったボールです。耐久性と安定した供給のできるプラスチックボールは、セルロイドボールに変わる新たなボールとして定着していきます。

セルロイドボールのデメリット

セルロイドボールからプラスチックボールに変わった背景には、セルロイドボールの持つデメリットも大きく影響しています。セルロイドボールが主流の中、2004年に開催されるアテネオリンピックのために空輸する予定のボールが、飛行機への積載を断られ輸送が遅れてしまったのがきっかけです。

セルロイドボールは、とても可燃性が高く『摩擦を受けると発火しやすい』特徴を持っています。オリンピックのために用意された数多くのセルロイドボールが、発火しないと言い切れない危険性から『飛行機による運送ができない』問題点が浮上したのです。

輸送の問題を解決し、オリンピック種目として勝ち残るためにも、安全性と実用性を考えたボールが考えられ2012年ロンドンオリンピック後に『プラスチックボールが採用』されたのです。

プラスチックボールの特徴

では、プラスチックボールはどのような特徴を持っているのでしょうか。

球離れがよく、重量があるため球威が出しやすい特徴があります。やや放物線を描いて飛んでいくプラスチックボールは、ラリーを長続きさせられる丁度よい速さで競技性を高めました。

セルロイドボールと比べると、確かにスピードはプラスチックに変更されやや遅くなりました。また、表面に微細な突起があったセルロイドボールに比べて、つるつるとした表面は摩擦力の低下を起こして、回転数が低下しています。

プラスチックボールで回転数やスピードを求めるためには、技術をより必要としますが、選手もさまざまな工夫を凝らしてプレーが楽しめるメリットもあります。一時期は材質変更への反発が強まりましたが、今では主流のボールとして多くの人に愛されているのです。

プラスチック製の使用感

プラスチック製のボールはセルロイドボールと比べて、安定した打球感と速度を求められるため、白熱したラリーが楽しめます。摩擦力が低下したことで、回転数が落ちたとはいえ『トップスピンをかけて打つテクニックのドライブ』が打ちやすいのも特徴です。

セルロイドに比べて簡単には回転やスピードが出せませんが、技術でカバーできればセルロイドと遜色のないプレーが楽しめます。

ボールの大きさの変遷

卓球に使われているボールの素材だけが変更されたのではなく、ボールの大きさの変更も行われています。詳しくチェックしてみましょう。

ボールは38mmから40mmへ

セルロイドボールが主流の時代には、直径38mmのボールが使われていました。スピードが出るため、ラリーが続きにくいデメリットはありますが、攻め手の楽しさもあって長く愛されます。

しかし、そのスピードが故にラリーが続かず競技性を低下させているとの見方が強まり、サイズ変更へと動き始めます。そこで採用されたのが40mmのボールで、スピード感はほとんど変わりませんが、視認性の向上と放物線をより描いて飛びやすくなりました。

40mmへの変更は反発などもありましたが、徐々に各国で導入され、公式試合での実施は2000年のシドニーオリンピック以降と決定されました。これにより、ラリーが続く攻防戦を楽しめるようになり現在に至ります。

現在でも38mmのボールは購入できますが、公式で使われるのは40mmのボールだけです。

ボールの色について

卓球で使われるボールには、白色とオレンジ色(橙色)の2種類があります。ユニフォームとの関係も一緒にチェックしてみましょう。

オレンジ色のメリット

卓球のボールは80年代ごろまで白が主流でした。現在では、白またはオレンジでなければいけないというルールが定められています。

これは、1988年に開催されたソウルオリンピックに正式種目として卓球が採用されたとき、観戦する人も目で追いやすいようにとカラーボールの導入が行われたのが始まりです。

オレンジ色のボールは、白いボールに比べて目でも追いやすく『目の錯覚でボールも大きく見える』メリットがあります。これによって、観戦する人だけではなく、プレーヤーにもメリットがあるので『競技性がより高まる』結果となったのです。

ユニフォームとの関係

ボールのカラーの変更に伴い、白いウェアでもボールの軌道がはっきりと見えるため『ウェアの色の制限が廃止』されました。ユニフォームの色の制限廃止によって斬新な色のウェアが販売されるなど、見る人・着る人の楽しみが広がっています。

ただし、ボールの色と違う色を着るという条件は守らなければなりません。白いボールなら白いウェア、オレンジボールならオレンジのウェアは着られないので注意が必要です。

プラスチックボールに慣れよう

セルロイドボールを経験した人からすれば、プラスチックボールは若干打ちやすいもののスピード感などに物足りないこともあると思います。しかし、工夫をすれば回転もしっかりとかかり、攻防を楽しめるのでまずは慣れることから始めてみましょう。

また違った新しい卓球の楽しさに気付くきっかけになるので、試してみてはいかがでしょうか。

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