バイクのレギュレーターの役割とは?故障の原因や対応方法など

2019.05.02

バイクには、『レギュレーター』と呼ばれるパーツがあります。これが故障すると、バイクの走行性能にも影響が出る恐れがあるため、レギュレーターの基本的知識とともに、故障の原因や対応方法を覚えておきましょう。

まずは知っておきたいレギュレーターの基本

レギュレーターは、バイクで使われる重要なパーツの1つです。最初に、このパーツが持つ役割と仕組みを押さえておきましょう。

レギュレーターの主な役割

レギュレーターは、小さめであまり目立たないパーツですが、バイクにとって必要不可欠なパーツです。

正式名称を『レギュレート・レクチファイヤ』をいうレギュレーターは、もともとはレギュレーターとレクチファイヤが別々のパーツでした。

レギュレーターは電圧制御、レクチファイヤは発電された電気を整流する役割を持っています。現在はこの2つが一体化され、まとめて『レギュレーター』と呼ばれています。

つまり、一般的にレギュレーターは、電気を整流する機能と電圧を一定に制御する機能を併せ持つパーツなのです。

電気がレギュレーターを通る流れ

では、どのような流れで電気がレギュレーターを通るのでしょうか。その流れを見ていきましょう。

バイクには、バイクの動きで発電できる『ジェネレーター』という発電機が搭載されており、ここからバッテリーへ電気が供給されます。

しかし、ジェネレーターにより発電された電気は『交流』であるため、そのままで使用するとバッテリーが故障してしまいます。

そこで、ジェネレーターとバッテリーの間にあるレギュレーターが、交流の電気をバイクで使える『直流』に変換する『整流』を行います。

ジェネレーターで発電された電気は、まずレギュレーターのレクチファイヤに当たる部分で整流します。その後レギュレーター部分が電圧制御を行った電気が、バッテリーへ送られるという流れです。

ところが、整流後の電気もそのままでは使えません。

ジェネレーターが発電した電気の電圧はエンジン回転数に依存するため、回転数により電圧が変動する不安定な状態です。

整流しただけでは電圧が不安定なままなので、安定した電気を送るためにレギュレーターが電圧を制御してから、電気をバッテリーへ送り込みます。

このようなレギュレーターの仕組みにより、バイクが搭載するバッテリーに最適な、安定した電気を供給できるというわけです。

レギュレーター故障による症状

レギュレーターの故障は、『パンク』とも呼ばれます。レギュレーターがパンクすると、電圧制御ができなくなり、バイクに200vを超える高電圧が流れてしまいます。

このような異常が起こると、バッテリーや電気系統などに以下のような症状が現れます。

バッテリーの液漏れや充電不可

バッテリーの液漏れが見られる他、正常に充電ができなくなることがあります。液漏れが起きるとバッテリーは満充電できなくなるため、通常よりも劣化が速くなります。

また、セルは回るがエンジンがかからないなどの症状も、レギュレーターの故障により起こったものと考えられるでしょう。

ヘッドライトが切れやすくなる

レギュレーターがパンクすると、電圧がうまく制御されずに必要以上に高い電圧が流れたり、電力不足になります。これにより、すぐにヘッドライトが切れてしまう、電球の明るさが不安定になるなどの症状が出るでしょう。

ヘッドライトに限らず、他のランプ類がつきにくくなったときも、レギュレーターの異常が原因の場合があります。

故障の前兆として電気系統のトラブルが現れることもあるため、ランプの暗さが気になったときなどは、レギュレーターのチェックも忘れず行いましょう。

頻繁にバッテリー上がりが起こる

必要以上に高い電圧が流れることにより、バッテリーの性能の劣化スピードが速くなり、バッテリー上がりが頻繁に起こる可能性があります。この状態を放置していると、バッテリーの寿命が通常よりも速く尽きてしまいます。

バッテリーには、蓋が密閉されていない『開放型バッテリー』と蓋が密閉された『密閉型バッテリー』の2種類があります。バッテリーには液体が入っていますが、開放型バッテリーは充電時の電気分解により、減りやすい構造です。

開放型バッテリーは、レギュレーター故障が原因で電圧が急激に変化したときなどは内部のガスを逃がせるため、バッテリーが膨らむことを防げる一方、内部の液体の減りが速くなり劣化が進みやすくなります。

信号待ちのときに異臭がする、バッテリーの電源で動くセルモーターに故障が見られる場合は、開放型バッテリーを使用しているバイクで起こることがある、レギュレーター故障によるトラブルの可能性があります。

レギュレーターが故障する原因は何?

故障するとバイクの運転性能に大きな影響をおよぼすレギュレーターですが、では故障する原因は具体的にどんなことなのでしょうか。

故障の主な原因は熱

レギュレーターの故障で最も多い原因が、熱によるものです。電気を扱うレギュレーターは、熱を持ちやすいパーツです。レギュレーターはフィンで冷却を行いますが、設置場所によっては十分に熱を逃がすことができません。

さらに、レギュレーターは電圧を安定させるために、バッテリーに必要以上の電力は熱として放出しています。これらの熱がレギュレーターに溜まっていくのが、故障の大きな原因です。

裏を返せば、レギュレーターの熱対策を行っておけば、故障をある程度予防できるということにもなります。

環境によって徐々に劣化する

熱を上手に逃がすことができていたとしても、レギュレーターは発熱を繰り返していくうちに少しずつ劣化していきます。劣化が続いていけば、当然ながら故障につながってしまいます。

レギュレーターの寿命は?

バイクの走行距離や使用頻度、使用環境など、個々の環境や使用状況によりレギュレーターの寿命は大きく異なります。

レギュレーターはすぐに壊れるものとは限りませんが、場合によってはある日突然壊れるケース、半年で複数回壊れるケースもあります。

車種や環境により壊れる原因が異なるため、寿命は一概には言えものです。それだけに、可能であれば定期的にレギュレーターの点検をすることをおすすめします。

レギュレーターが故障しないための対策

レギュレーターの故障の原因は、熱によるものが多いです。そのため、熱対策が主な故障対策となります。具体的なレギュレーターの熱対策として、以下の方法があります。

ヒートシンクで放熱面積を広げる

レギュレーターは、換気しづらいシートカウルに設置されていることも多いので、できるだけ放熱できるようにすることが大事です。

そのため、レギュレーターに『ヒートシンク』というパーツを付けるのが、1つの方法です。これを取り付けると放熱面積を広げられるので、放熱効率をアップさせられます。

車種によっては、ヒートシンクがすでに装着されている場合もあります。

強制冷却ファンで放熱する

自然冷却だけでは足りないという場合には、強制冷却ファンを取り付けてみましょう。強制冷却ファンは文字通り、強制的にレギュレーターへ空気を送り込んで冷却をします。

ただし、強制冷却ファンの取り付けは簡単とはいえず、取り付けるためのスペース確保と電装系の加工が必要です。

ダクトで外気を取り入れる

上記の方法で冷却対策を行っても、レギュレーターが設置されているシートカウル内に熱がこもっていては効果が減ってしまいます。そこで、シートカウル内に外気を取り込むため、ダクトを取り付ける方法もあります。

ダクトから常に新鮮な空気を送り込めるので、冷却効果が高い方法で、ヒートシンクと併用するとさらに高い冷却効果が望めます。

熱対策を行うのも大事ですが、レギュレーターの故障をできるだけ防ぐためには、あらかじめ期間を決めておき、定期的にレギュレーターの点検を行うのがベストでしょう。

故障かな?と思ったときの修理方法

バッテリー上がりが頻繁に起きる、ヘッドライトが切れやすいなど、バイクに先述の症状が見られレギュレーターの故障が疑われる場合は、以下の手順でチェック・修理をしてみましょう。

まずはテスターを使って電圧測定

レギュレーターの故障をチェックするには、『テスター』を用いてバッテリーの電圧を測定します。

テスターのレンジを直流(DC)100Vに設定し、バッテリーのプラス・マイナスをつなげ、電圧が安定しているかどうかを確認します。このとき、13.5~15Vであれば正常です。

この範囲より数値が低い場合はバッテリーの不充電、高い場合は過充電が考えられます。

汎用レギュレーターなどで自力交換も可能

レギュレーターの交換は、周辺パーツやコネクタを取り外し、新しいレギュレーターを取り付けるだけです。

レギュレーターの設置場所は車種によって異なりますが、取り外し・取り付けが比較的容易なので、自力で交換も可能なパーツです。

修理が難しい場合はバイクショップへ

車種によっては内部が複雑で、レギュレーターの交換が難しいことがあります。故障のチェック時はテスターが必要であるため、初心者にとってはハードルが高いと感じることもあります。

自分で故障のチェックや交換が難しいのであれば、バイクショップに依頼をしましょう。工賃はかかりますが、確実に修理ができます。ショップなら同時に電装パーツの点検も依頼可能なので、よりバイクの安心度が高くなるはずです。

バッテリー不具合はレギュレーターも要確認

バイクを動かす上で大事な電気を扱うパーツであるレギュレーターは、故障するとバイクの走行にも悪影響が出る場合があります。

また、使用していると徐々に劣化していくので、定期的なチェックを行いましょう。もしバッテリーに不具合が出た場合は、レギュレーターが原因の場合もあるため、レギュレーターの状態を確認し、必要であれば交換することをおすすめします。

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