機械式時計の自動巻きの仕組みは?精密な高級時計の構造を知る

2019.04.28

時計の種類の一つである『自動巻き式』は、高級ブランドの時計に採用されることも多い、精密な構造を持つタイプの時計です。自動巻き式がどのように動くか、仕組みや構造を知り、正しい使い方で長く愛用しましょう。

基本的な機械式時計の仕組み

機械式時計には、『手巻き式』と『自動巻き式』の2種類があります。それぞれどのような仕組みで動くのかを説明します。

機械式時計はゼンマイの駆動で動く

機械式時計がどのように動くのかというと、時計を動かすためにはまずゼンマイを巻きます。巻き上げた『ゼンマイがほどけるときに起こる動力』が歯車に伝わり、針を動かすという仕組みです。

手巻き式の機械式時計は、手動でゼンマイを巻くタイプで、ゼンマイを巻いていれば、機械が壊れない限り『半永久的』に使用できます。

自動巻きの仕組み

自動巻き式時計も、ゼンマイがほどける力を動力とする点は手巻き式と同様です。異なるのは、ゼンマイを巻き上げるための『方法』です。

自動巻きは手でゼンマイを巻く必要なく、自動的に巻き上げられる『自動巻き機構』が搭載されています。

内部に重りの役割を持つ『ローター』が内蔵しており、時計を装着した腕の動きでローターが重力により回転する力を利用し、ゼンマイを巻き上げる仕組みです。

クオーツとの違い

時計には、機械式の他に『クオーツ式時計』があります。機械式時計がクオーツ式と異なる点は、『動力源』です。

機械式は上記のようにゼンマイを巻き上げて動力を得ますが、クオーツ式は電池からの電圧を動力としています。そのため、電池が切れたら新しい電池に交換しない限り、時計を動かすことはできません。

また、クオーツ式時計には高い精度を持つ『水晶振動子』が内蔵されており、時間の誤差は機械式時計に勝ると言われています。

自動巻きの構造

自動的にゼンマイを巻くための構造には複数の種類があり、独自の方式を開発したメーカーもあります。

自動巻きには主に4種類の方式がある

自動巻き式の時計は、構造別に以下の4種類があります。

  • 切り替え車方式 3種類の歯車で動力を伝えるタイプで、ローターからの動力を『切り替え車』、『減速車』、『角穴駆動車』の順で送ってゼンマイを巻き上げる。現在最も機械式時計で多く採用されている方式で、巻き上げ効率の他、メンテナンス性や生産コストの面で優れている
  • ラチェット方式 『一番伝え車』『二番伝え車』の2種類の歯車を、引き爪と送り爪でつないでいる方式で、ローターからの動力によって二番伝え車が回転すると、2種類の爪から一番伝え車に動力が送られる仕組み。ローターからの動力がより確実にゼンマイの回転に結びつきやすいので、巻き上げの効率性と確実性が高い方式になっている
  • マイクロローター方式 機械式時計は複雑な内部構造のため、時計の本体が厚くなりがちですが、『マイクロローター方式』が採用された時計は、機械式でも薄さを実現している。この方式では、ムーブメントの一部をくり抜き、一般的な機械式時計に用いられているものよりも小さめのローターを内蔵している。これにより時計を薄く小型化もでき、さらに複雑な機構を収納するためのスペースを確保しやすい
  • 遊動車方式 『遊動車』というパーツを採用し、ローターの動力がまず遊動車に伝わる。右回り、左回りでそれぞれ動力が『巻き上げ車』と『伝え車』に伝わることで、ゼンマイを巻き上げる

日本独自のマジックレバー方式の開発も

日本の時計ブランド『セイコー』では、独自の『マジックレバー方式』を開発しています。

この方式では、ローターの動きを両方向の回転に変換した動力を、マジックレバーという特殊な形状の爪が付いたレバーでゼンマイ巻き上げに必要な伝達車へ伝えます。

このとき、マジックレバーと伝達車で一方向の回転に変換する仕組みとなっています。

自動巻きの取り扱い方

自動巻き式時計は、日頃の取り扱いに注意が必要です。できるだけ長く使うためにも、正しい取り扱い方を押さえておきましょう。

精密なため取り扱いに注意が必要

自動的にゼンマイを巻き上げる機構が内蔵されている自動巻き式時計は、とても精密な機械と言えます。

機械式時計は外部からの衝撃に弱く、得に自動巻き式は衝撃により内部の歯車に狂いが生じたり、ローターが回りすぎたりして時刻の誤差や故障の原因になることがあります。

自動巻き式は腕の動きでゼンマイを巻き上げる仕組みですが、腕の振りすぎにも要注意です。過剰な振動も、衝撃を受けたときと同様のトラブルを起こす可能性があるので、気をつけましょう。

オメガなどの時計も定期的なメンテが必要

『オメガ』をはじめとする人気高級時計ブランドでも、多くの自動巻き式時計を販売していますが、これらの時計は『すぐ壊れる』という声が聞かれることがあります。しかし、故障したと考える前に使用方法を確認しましょう。

時計が動かない理由は、身につける時間が少ないことが考えられます。自動巻き式時計は『装着しなければ動力を得られない』ということを知らない人は意外に多く、放置していても巻き上がると考えているケースも少なくありません。

時計を放置しているという意味では、あまり使わない時計を「いざ使おうとしたら動かない」というケースもあります。機械式時計は、日常的に使っていると内部のオイルと部品が馴染みやすくなるため、『寿命が長い』と言われています。

大事な時計をあまり使わずに保管しているだけの状態では、オイルが乾きやすくなり、メンテナンスが必要な状態になってしまいます。そのため、ただ保管しっぱなしではなく、日常的に身につけましょう。

もし自動巻き式時計が止まった場合は、いきなり動力を与えるよりも、まずはリューズでゼンマイを回して動かし、その後時刻調整を行いましょう。

機械式時計を大事に使うためには、時計を分解・点検修理と掃除を行う『オーバーホール』を定期的に受けるのをおすすめします。

自動巻きの仕組みを理解しよう

機械式時計には、ゼンマイを巻くための方式が複数あり、手巻き式と自動巻き式に大別されます。中でも自動巻き式は、多くのブランドから様々なデザインが発表されています。

お気に入りの自動巻き式時計をできるだけ長期間使うためには、きちんと正しい使い方を守るのが大事でしょう。

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