焼酎は安いと美味しくないって本当?安くても美味しい銘柄を紹介

2019.04.27

何かと家計を圧迫する酒代。安く美味しいものが望ましいのは当然のことでしょう。ビールは発泡酒などがあり、出費を抑えることができますが、焼酎はどうなのでしょうか?美味しさはそのままで価格をリーズナブルに維持している銘柄にはどんなものがあるのでしょう。本稿ではそんな安くて美味しい焼酎を解説します。

甲類焼酎と乙類焼酎

焼酎を語るのであれば必ず知っておかなければならないのが『甲類』と『乙類』の違いです。同じ焼酎でも工程や価格帯が違い、用途もそれぞれ違ったものです。安くて美味しい焼酎を探すために、ここでは焼酎の初歩的な知識である2つの焼酎の違い、用途について詳しく紹介します。

比較的に安いのは甲類焼酎

結論から言うと2つの種類のうち、比較的価格が低いのは『甲類』になります。理由は2種類の焼酎の工程と原材料の違いにあります。

工程において、乙類は『単式蒸留』と呼ばれる蒸留方法を使用するのに対し、甲類は『連続式蒸留』と呼ばれる蒸溜方法を使用します。この2つの蒸留方法の違いは、焼酎が仕上がった際の風味や味わいに直結してきます。

単式はその名の通り1つの蒸留機の中で蒸留を行うため、原料の風味が強く残るのに対し、連続式は蒸留機を複数個並べて順番に蒸留を行うため原材料の風味や味わいが残りにくいのです。そのため、乙類のような香りや味わいが強い原材料を使ってもあまり仕上がりに影響がなく、その分原料のコストを安く抑えられるというわけです。

原材料について具体的に説明すると、乙類は主に芋・麦・米を原料としているのに対し、甲類はサトウキビなどの食物から採取されるモラセスと呼ばれるものなどを主原料としています。モラセスはもともと砂糖を作る際に必要となる『糖蜜』を採取した後に残る絞りカスのようなもので、かつては廃棄物として捨てられていたものです。よって原価が限りなく低く、この時点で大幅にコストを抑えることができるのです。

以上の点から工程においても原材料においてもコストを抑えることができるために甲類焼酎の方が値段が安く、購入しやすい傾向にあります。

安い焼酎によくある話は本当?

安い焼酎は「二日酔いになりやすく」「体にも悪い」という噂を耳にしたことがあると思いますが、本当にそうなのでしょうか?甲類焼酎であれば4000mlで2000円ほどあれば購入でき、確かに「こんなに安いなんて大丈夫?」と心配になってしまうのもわかる気がします。

しかし詳しく調べてみると、どうやらこの噂そのものに信憑性はないようです。では実際はどうなのか、ここからはそんな安い焼酎の定説について詳しく解説します。

安い焼酎は悪酔いする?

値段が比較的に安い甲類焼酎ですが、実際に悪酔いしやすいのでしょうか。答えは『焼酎自体が悪酔いの原因になっているのではなく、飲み方によっては悪酔いする』ということです。

そもそも焼酎は、甲乙問わず含有物質のほとんどが純度の高いアルコールです。そのため他のお酒よりも肝臓での分解がスムーズであり、よほどの悪い飲み方(がぶ飲みなど)をしない限りは悪酔いしにくいのです。

さらに甲類に至っては乙類以上に含有されるアルコール物質自体もエチルアルコールの1種類のみのため、乙類よりも肝臓での分解が早く悪酔いしにくいといえます。ではなぜ『悪酔いしやすい』という噂が流れているのでしょう?

それはおそらく、甲類はストレートではなくチューハイなどのベースに使われることが多く、他のお酒と混ぜて飲まれることが多いので、その状態で飲みすぎて悪酔いしてしまった人々が「安い焼酎だったから」と錯覚してしまうからでしょう。

安い理由は体に悪いから?

安い理由については、さきほどご説明した通り、本来廃棄されるような原料を上手く活用してコストダウンしていることが挙げられます。さらに、乙類に使用される芋、麦、米は1年を通じて大量栽培することが難しいのに対し、甲類の原料は比較的通年で手に入りやすく、大量生産できるので安価にすることができるのです。

健康面においては、むしろお酒の中では肝臓での分解がしやすい部類に入るので、決して体に悪いからという理由で安く売られてるわけではないのです。

世間の噂は鵜呑みにせず、しっかりと調べてから事実を見極めるようにしたいものですね。

人気の安い市販の焼酎を紹介

ここまでで、焼酎を選ぶ際に必要な基礎情報をご説明しました。選ぶ際の基準がわかったきたのではないでしょうか。

つづいては、安い焼酎の中でも特に人気の銘柄を、2019年現在の焼酎市場を参考にタイプ別にご紹介していきます。

ボトル瓶

まずはスタンダードなボトル瓶の人気銘柄『キンミヤ焼酎』です。戦後から現在に至るまでに長い間愛されてきた銘柄で、甲類焼酎の中では屈指の口当たりの優しさを誇り、アルコール感のキレも良い万能焼酎です。同じく戦後から現在まで人気を博しているホッピーのベースとしても知られており、ホッピーを置いている居酒屋ならば必ずキンミヤ焼酎も置いてあるでしょう。

続いて紹介するのは、乙類の芋焼酎『天孫降臨』です。芋焼酎としてはかなりリーズナブルながらも、味のクオリティは維持しています。しっかりとした芋の風味が特徴で、口当たりはほんのり辛口でキレが良い印象です。いわば、芋焼酎の「王道」的な位置づけでしょう。辛口な味わいなので水割りで飲む時には、一般的な軟水ではなく、硬水を使用する人も多いようです。

紙パックでリーズナブル『極上 宝焼酎』

続いては紙パック(チューパック)入り焼酎の紹介です。パックタイプは同じ容量のボトルに比べ多少値段が落ちるため、少しでも節約したい人におすすめです。そんなパック焼酎のおすすめ銘柄が大きな宝マークでおなじみの甲類焼酎「極上 宝焼酎」です。

この銘柄の1番の特徴は、甲類としては珍しい樽熟成酒を含有していることでしょう。3%とといえど樽特有の豊かな香りが感じられながら、甲類の持つすっきりとした味わいも兼ね備えた至れり尽くせり銘柄です。

4Lペットボトル『純』

近年、4Lペットボトルの焼酎を常備するご家庭は減少傾向にあるようです。ペットボトルパッケージを販売している銘柄は「安かろう・悪かろう」のイメージが強く、見た目の大きさからも購入を敬遠してしまっている焼酎初心者も多くいることでしょう。しかしこのペットボトルパッケージは銘柄によっては味わいとコスパ、両方を兼ね備えたものが存在しているのです。

その代表格的銘柄が、宝酒造が製造販売している甲類焼酎『純』です。原料はサトウキビに加えて、大麦などの穀物系のものを使用したうえで11種類の樽熟成酒を13%使用した、甲類としては異例の銘柄といえます。ベースとしてだけではなく、ロックや水割りなどで味わってほしい甲類焼酎のカリスマ的銘柄です。

ワンカップ芋焼酎『小鶴』

続いてはコンビニでおなじみのワンカップタイプです。ワンカップタイプは日本酒が主流で、近年ではワインなどもラインナップされており、若い方にも馴染みのあるものになりつつあるのではないでしょうか。そんなワンカップタイプタイプの中でも人気を集めている焼酎が芋焼酎『小鶴』です。

スタンダードな芋の味わいと、水の前割り(事前に水で割っておくことで水が馴染んでマイルドになる飲み方)タイプであるため、冷蔵庫でキンキンに冷やして飲むことで非常に甘く抜けのいい芋感が適度に楽しめるようになります。

おすすめの安い焼酎は?

タイプ別に人気の焼酎をご紹介してきましたが、次はその中でも特におすすめの焼酎を紹介します。メジャーな焼酎は比較的高単価ですが、よくよく探してみると安くて美味しい焼酎に巡り会うことができます。ここからはそんな焼酎に巡りあっていただくために乙類焼酎の決定版的銘柄を紹介します。

安くてうまい麦焼酎はこれ

麦焼酎といえば言わずと知れた「下町のナポレオン」こと『いいちこ』は、価格・味わいともにおすすめできる銘柄です。麦の旨味と風味は、王者の味わいと言えるでしょう。是非一度は試してほしい銘柄です。

安くてうまい芋焼酎はこれ

芋焼酎でおすすめする銘柄は、芋と言わず乙類焼酎の決定版といっても過言ではない焼酎界のエース「黒霧島」です。芋の風味を残しながらクセがなく口当たりが優しいのが特徴です。

まさに芋焼酎のいいとこ取りで、その飲みやすさから毎日飲むならこの銘柄と言われるほどに根強いファンを獲得しています。芋焼酎を飲むなら誰でも一度は飲んだことがある定番銘柄といえるでしょう。

安くてうまい米焼酎はこれ

リーズナブルな米焼酎でおすすめなのが「天草」です。近年流行中のフルーティーな風味というよりは、米焼酎特有のコクがある甘みがしっかり感じられ、食事と一緒に飲むならこれがいいというファンもいるようです。米焼酎の純粋な味わいが楽しみたい人におすすめです。

安くて美味しいお気に入りの焼酎を見つけよう

焼酎には、高級なものから安価なものまで幅広い銘柄がありますが、価格が美味しさを決定しているわけではなく、安い焼酎の中でも美味しい焼酎は沢山存在し、飲み方も工夫することでとても上質な味わいを楽しむことができます。

ぜひ、今回ご紹介した焼酎をはじめ、複数の銘柄の飲み比べをしてお気に入りの焼酎をさがしてみてはいかがでしょか。

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