相撲部屋の基礎知識・2019年版。一門別の部屋や所属力士について

2019.04.26

「相撲」と聞いてまず何を想像するでしょう。土俵でしょうか?ちょんまげでしょうか?ちゃんこ鍋でしょうか?それらの要素が全て詰まっているのが力士たちの養成機関にしてホームグラウンドである「相撲部屋」です。日本全国に様々な相撲部屋が存在し、力士たちはそこで切磋琢磨し、技術を磨いているのです。本稿ではそんな相撲部屋の勢力図について一門別にその特徴を解説します。

相撲部屋とは?一門とは?まずはおさらい

江戸時代からの長い歴史を持つ相撲はそれに伴って多くの『一門』を産み、その根を広げてきました。一門はそれぞれが特徴をもち、その違いが今日まで相撲ファンを楽しませる材料の1つとなってきたのです。相撲を知るためにはまず一門とそれに所属する『相撲部屋』についての知識が必要となってきます。

一門や相撲部屋については相撲ファンにとってもはや常識となっていますが、これから相撲のことを知っていきたい人からすれば、少し難しい話題でしょう。そこでここからはそんな相撲ファンビギナーのために、相撲部屋や一門について詳しく解説します。

力士になるには部屋入りから

相撲は個人で練習して大会に出るような競技ではありません。本格的に力士を目指すならば、いずれかの相撲部屋に入門する必要があります。

そこには師匠となる親方や先輩力士、世話をしてくれるおかみさんがおり、力士は力をつけるべく日夜稽古に望み共同生活を送っています。相撲部屋に籍を置いていなければ、相撲の大舞台である『本場所』に出場することはできません。

相撲部屋への入門=『部屋入り』をするには、まずは身体検査である「新弟子検査」を受ける必要があります。合格基準は明確に設定されており、中学卒業以上でなおかつ基準値以上の身長・体重がなければ部屋入りを許可されません。力士になるには体格においてもある程度の才能が必要なのです。

一門とはもともと巡業グループだった

協会によってまとめられている現代の相撲においての『一門』は、その源流における派閥違いによる区別として存在しています。

古くは一門を相撲の中の一団体として『組合』と呼び、それぞれが個々に巡業を行なっていました。現代とは違い助成金などがないため、一門の経営は支援者たちからの祝儀が大半であり、巡業も同様に営利目的で行われるものでした。この一門の隔たりは非常にはっきりしており、一門同士の試合はおろか交流をすることもなく、それぞれが独立した形態で相撲興行を運営していたのです。

しかし戦後の日本においてこの制度は大きく見直され、当時の相撲協会の指導のもと、まとまりを持って巡業を行うようになりました。これによってある程度力士たちの収入が安定し、相撲業界全体が潤うこととなったのです。

部屋も一門も不変ではない

現代における『一門』や『相撲部屋』は、必ずしも全てが古くから受け継がれてきたものではありません。相撲部屋であれば不祥事などによって解散を余儀なくされたり、一門であれば理事会の決定などで無くなってしまったりと様々です。

一門に関していえば、明治時代以降に閉鎖されたものが8つも存在しています。部屋についても、現在の取り決めで相撲部屋はいずれかの一門に属さなければならないため、一門に所属を断られて廃業する相撲部屋なども存在しています。

一門別の相撲部屋とおもな関取2019年版

2019年現在に存在している一門は以下の5つです。

  • 二所ノ関(にしょのせき)一門
  • 出羽海(でわのうみ)一門
  • 時津風(ときつかぜ)一門
  • 高砂(たかさご)一門
  • 伊勢ヶ濱(いせがはま)一門

これらそれぞれの一門に、多くの相撲部屋が所属しています。大相撲を見に行くならば一門それぞれに所属する相撲部屋や関取を把握していきたいところです。

しかしただでさえ多い力士たちと相撲部屋を覚えるのは骨が折れるでしょう。そこでここからは一門別の相撲部屋と主な関取の紹介をしていきます。相撲ファンビギナーの人は必見です。

二所ノ関一門

戦後の日本において発展した二所ノ関一門。所属部屋数で15部屋と、相撲の一門の中でも最大規模の一門になっており、数々の優れた横綱を排出してきました。

主な所属部屋と力士は、田子ノ浦部屋の大関『高安』や、2019年5月場所より新大関となる千賀ノ浦部屋の『貴景勝』などがいます。また、2019年に引退した元横綱『稀勢の里』も、田子ノ浦部屋の所属力士でした。

出羽海一門

出羽海一門は、明治時代から現在に至るまで脈々と続く、伝統ある一門です。主な所属部屋と力士に、春日野部屋に所属するジョージア出身の大関『栃ノ心』や、境川部屋に所属する同じく大関の『豪栄道』、出羽海部屋に所属する小結の『御嶽海』などがいます。

時津風一門

時津風一門は、相撲の神様と称される明治生まれの名横綱『双葉山定次』によって開かれました。

主な所属部屋と主要な関取としては、井筒部屋に所属する横綱『鶴竜』や、追手風部屋に所属する甘いマスクで人気の前頭筆頭『遠藤』などがいます。

高砂一門

高砂一門は明治初期から続く、現存する一門の中でも最も長い歴史のある一門です。本家本元の「高砂系列」と、1967年に出羽海一門から転籍してきた「九重系列」との2系列からなっています。

主な所属部屋と主要な関取としては、八角部屋所属の小結『北勝富士』や、九重部屋所属の前頭5枚目『千代大龍』がいます。

伊勢ヶ濱一門

伊勢ヶ濱一門は主要な源流を持たず独立部屋の集合体として成長してきた一門であり、呼び名も安定しないことから他の一門に比べて形態が大きく違います。

現在所属している部屋と力士には、なんといっても宮城野部屋に所属する大横綱『白鵬』や、友綱部屋所属の前頭筆頭『魁聖』などがいます。

相撲部屋の収入や見学のしかた

相撲部屋のことがわかってきたところで気になるのが、部屋の収入でしょう。前述したように現代では主な運営を日本相撲協会が請け負っており、一門単体での巡業は行われていません。ではどのようにして運営を賄っているのでしょうか。

ここからはそんな相撲部屋の運営にまつわる知識と相撲部屋を見学する際の注意点を紹介します。

部屋の運営費は協会からの支給

気になる部屋の運営費は、主に日本相撲協会からの支給で賄われています。

若手力士育成のために助成金が支払われ、これを部屋の維持費・運営費に当てるのです。また幕下のうちの力士は部屋での共同生活を送るため、給与はこの運営費から力士たちへ支払われるようになっています。さらに所属力士が関取などになると部屋への支給金も多くなるようになっています。

稽古を見学する際の手順や注意点

一部の相撲部屋は一般人向けに朝稽古を公開しています。稽古を見学したい場合は、事前の予約が必要となってきます。見学に行く際は立派なスポーツ選手でもある力士たちのコンディションを崩さないようにしっかりと体調を整えて、稽古場では私語や飲食はしないように気をつけましょう。

また稽古見学後にちゃんこ鍋などの料理を提供してもらえる『相撲部屋見学ツアー』を開催している相撲部屋もあるため、気になる方はチェックしてみてください。

部屋と一門を知れば相撲がもっと面白くなる

気になる力士がどの部屋に所属しているか、また気になる部屋がどの一門に当たるのかは相撲ファンにとって非常に重要な情報です。

知れば相撲観戦や相撲のニュースもよりおもしろく興味深くなります。そして相撲部屋や本場所の宿舎がお近くの場合、どの部屋の稽古を見学に行くかの参考にもなるでしょう。

もちろん見学マナーを守ることは忘れないようにしましょう。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME