バイクのシートカバーは丈夫な素材で作られているとはいえ、雨や紫外線で劣化しやすく、破れることがよくあります。破れた箇所を放置すると、シート本体が傷んで使えなくなるので、早めに補修しましょう。補修のコツと、おすすめアイテムを紹介します。
バイクシートの補修方法
バイクシートの補修方法は、シートの傷み具合によって変わります。カバーが少し破れている程度なら、それ以上広がらないように、応急処置をしておきましょう。
大きく破れているときや、表面全体が劣化しているようなときは、カバーの張り替えを検討します。それぞれのやり方について、詳しくみていきましょう。
補修シールやシートカバーを用いる
小さな破れを直すには、シールタイプの補修シートが便利です。ハサミで適当な大きさにカットして、破れた箇所に貼るだけなので、誰でも簡単に補修できます。
ただし耐久性は低く、半年から1年程度で剥がれてしまうため、繰り返し補修する必要があります。
傷が大きいときや、シールを貼りにくい場所が破れているときは、上からシートカバーを被せるのもおすすめです。防水素材やメッシュ素材などいろいろな種類があり、傷の補修だけでなくシートの保護にも役立ちます。
また、シールで補修した上からカバーを被せておけば、補修箇所がすぐに剥がれることもなくなり大変便利です。
張り替える
シールやシートカバーでは対応できないほど傷んでしまった場合は、カバーを張り替えることになります。シールやシートカバーに比べると大掛かりになりますが、タッカーなどの工具を揃えれば、自分で張り替えることも可能です。
ただしシワができないように、きれいに張り替えるのは容易ではありません。見た目を重視するなら、バイクショップに依頼することをおすすめします。
料金はバイクの車種やカバーの素材などによりますが、最低でも数千円はかかります。事前に相談して、見積もりを出してもらうと良いでしょう。
補修剤の種類を知ろう
シートの補修には粘着テープやシート、接着剤がよく使われます。バイクシート専用の補修剤もたくさんありますが、家庭にあるものや、安価なものでも代用できます。
補修剤の種類と特徴、選ぶポイントを紹介します。
安くて手軽な補修テープ・シート
バイクシートの平らな部分が破れたときは、補修用の粘着テープやシートが便利です。薄いため貼っても段差ができにくく、座り心地に影響しません。
切って貼るだけなので、補修してすぐにバイクに乗れるのもメリットです。テープとシートは、傷の形状や大きさに合わせて使い分けると良いでしょう。
また、できるだけシートの材質や色に近いものを選んでおくと、補修箇所が目立ちません。
ただし炎天下の駐輪場に長時間停めておいたり、激しい雨に当たったりすると、糊が剥がれてしまうことがあります。あくまでも応急処置と考えておき、剥がれたらすぐに貼り直すようにしましょう。
接着剤やコーキング剤で固める
縫い目の近くなど、補修テープを上手く貼れない部分の傷は、接着剤やコーキング剤を使って塗り固めます。
コーキング剤とは、主に防水を目的に建造物などの小さな隙間に注入するものです。用途に応じてさまざまなタイプのコーキング剤があり、仕上がりや耐久性などが変わります。
バイクシートの補修には、乾いたあとも柔らかい状態をキープできる、シリコンタイプを使うと良いでしょう。
ただしこの方法は、乾くまでに時間がかかるのが難点です。バイクに乗る予定がない日を選んで作業する必要があります。
また、乾いた接着剤が盛り上がって見た目が悪くなったり、お尻に当たったりする可能性が高くなります。シートの横や裏側など、目立たない場所の補修に使うのがおすすめです。
100均のものでも応急処置は可能
補修シートや接着剤は、100円均一ショップでも購入できます。『自転車・バイクのサドル用』と書かれたシートや、家具用の補修シート、防水テープなど、さまざまな種類があります。
バイク専用の商品に比べて接着力が弱かったり、安っぽく見えたりすることもありますが、応急処置には充分です。接着剤も、容量こそ少なめですが性能は変わりません。小さな傷の補修程度なら、問題なく使えるでしょう。
シートの補修は早めに行った方がダメージを軽減できるため、100円均一ショップが近くにある場合には試してみてもよいでしょう。
補修方法を紹介
次に、粘着シートを使った補修方法と、スポンジ部分を補修するコツを紹介します。シートの破れを放置して中のスポンジが傷んでしまっても、少し凹んでいる程度なら自分で補修できます。
シートを交換するよりも少ない予算で済むので、スポンジの傷みが気になるときは試してみてはいかがでしょうか。
補修シートの使い方
粘着タイプの補修シートは、破れた部分が完全に隠れるように、大きさを合わせてからハサミでカットして使います。四角形だと貼ったあとに角の部分が剥がれやすいので、楕円形にしておくのがコツです。
また、バイクシートに汚れや水分が残っていると、粘着力が弱くなります。貼る前に中性洗剤などでしっかりと汚れを落とし、乾いた布で水分を拭き取っておきましょう。
粘着部分に手や指が触れないように、ゆっくり裏の紙を剥がして傷の上に置き、上から押さえて貼り付ければ完了です。
スポンジ部分の補修方法
スポンジの表面が荒れて小さな凹みが見られる場合は、シートカバーを外してスポンジを平らに補修します。下記のアイテムを使うので、事前に用意しておきましょう。
- サンドペーパー(120~240番程度のもの)
- キルト芯
キルト芯とは手芸に使うシート状の綿のことです。手芸専門店で、1mにつき800円程度で入手できます。いろいろな厚さがありますが、スポンジの補修なら厚さ1.5cmのものを30cm程度用意しておけば充分でしょう。
スポンジをしっかり乾燥させたら、サンドペーパーを使って凹みの周りをなめらかにします。綿を適当な大きさにちぎり、ほぐしてからスポンジの凹んでいる部分に軽く詰めます。
次に綿を薄く広げるようにほぐし、凹みを覆うように被せて表面を平らにしていきます。新しいシートカバーを被せてみて凸凹がなければ、本張りして完成です。
おすすめの補修剤をピックアップ
バイクのシートは劣化が早く、いつ破れてもおかしくありません。バイクカバーで覆うことが難しい場合は、悪戯されて傷が付く可能性もあります。
補修剤をあらかじめ用意しておけば、破れてもすぐに応急処置ができ、ダメージを最小限に抑えられるでしょう。
バイクシートの補修に最適な、おすすめの商品を紹介します。
デイトナ シート補修シール
こちらはバイク用品メーカーのデイトナが販売している、バイクシート専用の補修シールです。黒、茶、ベージュの3色とツヤの有無、皮目の細かさによって全部で7種類から選べます。
雨水が侵入しないよう、耐水性の高い素材を使っているのも特徴です。11cm×17cmとややサイズが小さめなので、傷の大きさを確かめてから購入しましょう。
- 商品名:デイトナ シート補修シール
- 価格:539円(税込)
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セプトゥー 粘着合皮シートS
セプトゥーの粘着合皮シートは、伸縮性があり粘着力も強いので、シートの角や曲線部分の補修に向いています。裏面が方眼紙になっていて、カットしやすいのが特徴です。
サイズは3種類あり、一番小さなSサイズでも18cm×28cmと大きいので、バイクシートの補修だけなら数回は利用できます。
- 商品名:セプトゥー 粘着合皮シートS
- 価格:840円(税込)
- Amazon商品ページ
セメダイン スーパーX ブラック
セメダインのスーパーXブラックは、耐熱・耐水性に優れた多目的な接着剤です。接着剤には珍しいブラックカラーで、補修の跡が目立ちません。
また、乾いたあとに硬くならず、ゴムのような弾力が出るので、柔らかい革やビニールの補修に適しています。
破れた箇所に垂らして付属のヘラで伸ばすだけと、使い方も簡単です。バイクブーツの靴底補修や、革スーツの破れ補修にも使えるので、1本あると重宝するでしょう。
- 商品名:セメダイン スーパーX ブラック
- 価格:313円(税込)
- Amazon商品ページ
ai-NET シート補修用低反発スポンジ
こちらはシートスポンジの補修に最適な、低反発タイプのスポンジです。経年劣化などで固くなったシートでも、このスポンジを中に入れれば座り心地が良くなります。
厚さは10mmと20mmの2種類から選べます。好きな大きさにカットして組み合わせることで、シートを好みの硬さに調整できるでしょう。
長時間運転する方や、シートが硬くお尻が痛いと感じている方におすすめの商品です。
- 商品名:ai-NET シート補修用低反発スポンジ 20mm
- 価格:1825円(税込)
- Amazon商品ページ
シートカバーを紹介
シートカバーは、シートの傷や破れを一瞬で隠せる便利なアイテムです。補修剤を使う暇がなくても、とりあえずカバーを被せておけば、傷が広がるのを防げます。
暑い時期や梅雨時などに使うと、シートが熱くなったり濡れたりするのを予防でき、快適に運転できるでしょう。
防水性があり簡単に脱着できる、おすすめのシートカバーを2点紹介します。
セプトゥー シートカバー サイズM
セプトゥーのシートカバーは、生地を引っ張るように伸ばしながら装着するため、シートによくフィットします。
撥水加工されており、駐輪中に雨が降っても中のシートを濡らしません。SからLLまで4種類のサイズがあり、バイクの大きさに合わせて選べます。
- 商品名:セプトゥー シートカバー サイズM
- 価格:1494円(税込)
- Amazon商品ページ
コミネ モーターサイクルバイクシートカバー
こちらは口ゴムを広げて被せるだけの、手軽なシートカバーです。防水性能が高く、紫外線や低温にも強い素材で、シートを劣化から守ります。
コンパクトに収納できるので、走行時に外しても邪魔になりません。もちろん、装着したまま走っても大丈夫です。
- 商品名:コミネ モーターサイクルバイクシートカバーL
- 価格:972円(税込)
- Amazon商品ページ
シートの傷はDIYで補修してみよう
放置すると広がってしまう可能性のあるバイクシートの傷は、早めの対策が肝心です。傷から雨が入らないように、補修剤で処置しておきましょう。
本格的な張り替えやスポンジの補修も、コツさえわかれば自分でできます。この記事で紹介したアイテムを使って、愛車のシート補修にチャレンジしてはいかがでしょうか。