卓球のラケットは、グリップの形状や重さなどのバリエーションがとても豊富です。表面に貼るラバーにもいろいろな種類があり、上手に組み合わせることがラケット選びの基本と言えます。初心者向けのラケットやラバーの選び方と、おすすめ商品を紹介します。
初心者向けラケットの選び方
卓球を本格的に始めるなら、ぜひこだわりの『マイラケット』を手に入れたいものです。しかし数あるラケットの中から自分にぴったりのものを探すのは、初心者にとって容易なことではありません。
まずはラケット探しの手がかりになる、選び方の基本をみていきましょう。
おすすめはシェイクハンド
卓球のラケットには、『シェイクハンド』と『ペンホルダー』の2種類があります。両者の違いは、グリップの握り方です。
シェイクハンドは握手するようにがっちりとグリップを掴みますが、ペンホルダーはペンや箸を持つような感覚で掴みます。
どちらが持ちやすいかは、個人の好みにもよるので一概には言えませんが、シェイクハンドはラケットの両面を使って打てるので、主に片面だけを使うペンホルダーよりも扱いやすいのが特徴です。
また、利用者の割合もシェイクハンドのほうが圧倒的に高く、ラケットの種類もたくさんあります。このため、初めてラケットを買うならシェイクハンドがおすすめです。
コントロールがしやすいもの
ラケットの種類が決まったら、『ブレード(板面)の構造』に注目してみましょう。ブレードには主に単板、合板、特殊素材板の3種類があります。
合板は薄く加工した板を5枚または7枚重ねたもので、枚数が多いほうがボールが弾みやすくなります。
また、特殊素材板は、合板の一部にグラスファイバーやカーボンなど、木材以外の素材を使った板のことです。素材の組み合わせによってボールのスピードや反発力を変えられるので、主に上級者向けラケットに多く使われています。
ボールが弾みやすいラケットは、スピードのあるボールが打てる代わりにコントロールが難しくなります。コントロールが定まっていない初心者のうちから弾みやすいラケットを使ってしまうと、上手くラリーを続けられず、上達の妨げとなるでしょう。
このため初心者には、コントロールがしやすい単板や、5枚合板のラケットがおすすめです。
小学生・中学生は軽量タイプ
卓球ではラケットを振るたびに、肩に「ラケットの重さの何倍も負担がかかる」と言われています。
このため、体力や筋力が充分についていない子どもが大人と同じ重さのラケットを使うと、腕や肩に疲労がたまって痛めてしまうこともあります。
成長期の子どもが関節を痛めるのはよくないので、できるだけ負担を軽くすることが重要です。
家族で卓球を楽しむなら、子どもにはできるだけ『キッズ専用ラケット』や、女性プレーヤー向けの軽いラケットを選んであげましょう。
手軽に楽しむなら安い初心者セット
親子や夫婦、あるいは友人と2人で手軽に卓球を楽しむなら、価格の安い『初心者向けセット』がおすすめです。
以下に紹介するように、ラケット2本とボール3個、収納ケースがセットになって、2000円以内と非常にリーズナブルな商品もあります。
こちらのラケットはコントロールがしやすい5枚合板なので、初心者の練習用としても最適です。
- 商品名:卓球 ラケット(2本) ピンポン球3個 収納袋付き
- 価格:1560円(税込)
- Amazon:商品ページ
初心者のラバー選び
卓球ラケットには、「あらかじめラバーが貼られているもの」がありますが、このようなラケットは基本的にはレジャー用です。
卓球は、ラケット本体はもちろん、貼るラバーの種類によって打球の質を大きく変えられます。大会への出場を目指すなど、本格的に卓球に取り組むなら、ラバー別売のラケットを買って、ラバー選びにもこだわりましょう。
初心者におすすめのラバーの選び方を紹介します。
コントロールしやすい高弾性ラバー
ラバーには、『裏ソフトラバー』『表ソフトラバー』『粒高ラバー』『アンチスピンラバー』の4種類があります。
現在主流となっているのは裏ソフトラバーで、表面に凹凸がなく、スピンをかけやすいのが特徴です。
裏ソフトラバーの中にも『テンション系』『高弾性』『粘着性』などさまざまなタイプがありますが、初心者には高弾性ラバーがおすすめです。
高弾性ラバーはほどよい反発力でボールをコントロールしやすく、他のラバーに比べて軽量なので、長時間安定してプレーできます。
まずは高弾性ラバーでしっかりと基本テクニックを習得し、慣れてきたらほかのタイプにチャレンジしてみるとよいでしょう。
ラバーは厚すぎず薄すぎず
ラバーのスポンジの厚さにも、『極薄(ゴクウス)』から『MAX』まで、さまざまな種類があります。薄いほどボールをコントロールしやすく、厚いほどよく弾むようになると覚えておくとよいでしょう。
初心者にはコントロール性が高い薄めのラバーのほうが扱いやすいのですが、薄すぎるとボールの威力が小さくなり、上手く飛ばせません。このため厚すぎず薄すぎない、中くらいの厚さがもっとも適しています。
厚さの表記はメーカーによって異なりますが、『中』や『中厚』、または1.6~1.8mmなどと書かれたものを選んでおけば間違いありません。
柔らかいものがおすすめ
ラバーには硬さのバリエーションも豊富にあります。基本的には「柔らかいほどコントロール性が高い」ので、初心者はできるだけ柔らかいラバーを使うのがおすすめです。
レベルが上がりボールコントロールが定まってきたら、テンション系や厚いラバーなど、いろいろなパターンを試してみるとよいでしょう。
初心者におすすめのメーカー
卓球のラケットは、国内外のさまざまなメーカーによって製造・販売されています。ここでは、初心者が初めてラケットを購入するときにおすすめの、国内メーカー3社を紹介します。
ニッタク
ニッタク(Nittaku)は、『日本卓球株式会社』が製造・販売している卓球用品のブランド名です。とくにボールの品質に定評があり、オリンピックや世界選手権など、世界的な大会の公式ボールとしてよく使われています。
『石川佳純選手』や『伊藤美誠選手』など、人気のプロ選手が多く在籍していることでも有名です。
ラケットについても、シェイクハンドはもちろんラバー貼り上げタイプからペンホルダーまで、豊富に揃っています。
ニッタクは、初心者からトッププレーヤーまで、レベルに合うラケットをもっとも見つけやすいメーカーと言えるでしょう。
VICTAS
株式会社VICTAS(ビクタス)は、2017年にヤマト卓球株式会社から社名を変更した、老舗の卓球用品メーカーです。
プロ選手向けの高級ライン『VICTAS』と、高品質で低価格な一般プレーヤー向けの『TSP(ティーエスピー)』の2ブランドを展開しています。
とくにTSPには初心者向けの製品が充実しており、キッズ用の軽量タイプもあります。
バタフライ
バタフライ(Butterfly)は、株式会社タマスが展開している卓球用品のブランドです。『水谷隼選手』や『張本智和選手』といった、男子の有名プロ選手が在籍しています。
もともとラケットやラバーをメインに製造していたことから、新製品の開発に熱心に取り組んでおり、カーボンなどの特殊素材板を使った高性能なラケットも多く発売しています。
もちろん初心者向けのラインナップも豊富にあり、特にラケットを買うならおすすめのメーカーと言ってもよいでしょう。
おすすめのラケットを紹介
卓球ラケットやラバーを選ぶ際は、初心者にとっては「手軽に購入できて」、「ボールのコントロールがしやすい」タイプがよいでしょう。
この条件をもとに、おすすめのラケットを2点紹介します。
バタフライ ステイヤー1200
バタフライの『ステイヤー1200』は、あらかじめラバーが貼ってあるレジャー用のラケットです。1000円を切る価格でありながら、本格的な5枚合板のシェイクハンドタイプで、試合でも充分使えます、
ボールが2個付属しており、買ってすぐに卓球を始められるのがメリットです。
- 商品名:バタフライ ステイヤー1200
- 価格:925円(税込)
- Amazon:商品ページ
TSP スワット
『TSPのスワット』は、軽くて振りやすいことから、初心者用として評判の高いラケットです。7枚合板のシェイクハンドタイプで、5枚合板からグレードアップしたい初級レベルのプレーヤーにもおすすめできます。
- 商品名:TSP スワット
- 価格:3928円(税込)
- Amazon:商品ページ
メーカーの選び方サイトを活用しよう
ニッタクやバタフライなどの卓球用品メーカーでは、自分にぴったりのラケットやラバーの種類が分かるサイトを公開しています。
こうしたサイトを活用することで、買うべきラケットをある程度絞り込めるようになります。最後に、選び方サイトの特徴と活用方法についてみていきましょう。
打ち方やプレースタイルで選べる
選び方サイトでは、卓球のレベルや予算、プレースタイルによって、そのメーカーのラインナップの中で、もっともおすすめの商品を紹介してくれます。
スピード、打球感、コントロール、重量、希望の価格帯など、さまざまな条件で絞り込めるので、ラケット選びが楽になるでしょう。
バタフライとニッタクの選び方サイト
『バタフライ』では、目指すプレースタイルによって、初心者向けのラケットとラバーの組み合わせを3パターン紹介しています。それぞれについておすすめする理由が明記されているので、納得して選べるのが特徴です。
初級者向け/シェークのおすすめ組み合わせ | ラケット&ラバーおすすめ組み合わせ|知る・学ぶ|バタフライ卓球用品
『ニッタク』のサイトでは、簡単な条件を指定していくだけで最適なラケットが分かる、『ラケット&ラバーサーチ』が便利です。打球感やコントロール性はもちろん、価格帯も指定できるので、予算に合わせて選べます。
ラケット&ラバー サーチ | 卓球の総合メーカーNittaku(ニッタク)日本卓球
初心者向けにも豊富なラインナップが存在
卓球のラケットには、初心者用だけをとっても非常に豊富なラインナップが存在します。ラバーとの組み合わせを考えると、バリエーションは無限にあると言ってもよいでしょう。
初心者の間はコントロールを重視して選ぶのが基本ですが、上達したらさまざまなラケットやラバーを試してみるのもよいでしょう。
この記事を参考に、自分だけのこだわりラケットを手に入れてください。