万年筆初心者のための書き方講座。綺麗な字を書くために大切なポイントは?

2019.04.23

万年筆は古くから漫画家や小説家たちに支持されてきた文房具です。慣れないうちは書きにくいものですが、使い込んでいくうちにその人だけの書き心地に成長する多彩な可能性を秘めています。しかし、初めて万年筆を持つという人は普段とは異なった感触からうまく字をかけない可能性があります。当記事ではそんな人のために万年筆で綺麗な字を書く秘訣を紹介します。

万年筆とボールペンの違い

いつの時代も大人にとって憧れの対象である『万年筆』。実際に使ってみると、普段使っているボールペンとの機構や書き心地の違いに驚くことでしょう。この「違い」は初めて万年筆を買おうという人であれば必ず知っておくべきことでしょう。ここからはそんな『万年筆とボールペンの違い』について解説します。

ボールペンの仕組みと特徴

1940年代に誕生してから現在に至るまでもっともポピュラーな文房具であり続けるボールペン。その機構は『ボール』と名の付くとおり、ペン先に極小の鉄球をはめ込んでおり、ボールが回転することによってカードリッジからインクが供給され、ボールに付着して線を書くという仕組みです。

基本的に粘度の高いインクが使用されているためインク漏れや極度の色移りなどが起きないようになっているほか、生産しやすく安価であるため数多くのメーカーが販売を行なっています。

万年筆の仕組みと特徴

ボールペンに比べて長い歴史を持つ万年筆。その機構は、タオルなどが水を吸い上げる際に見られる「毛細管現象」を応用して、ペン先にインクを供給するという仕組みです。一見シンプルなものに見えますが、実際は繊細な作りをしているのです。

黄金のペン先を始めとした洗練されたディティールもさることながら、大切に使えば文字通り『万年』使うことのできる堅牢さと持久力を兼ね備えています。

万年筆の持ち方

前述したとおり万年筆はボールペンとは全く異なった機構を持っています。ボールペンであれば誰でも最初から簡単に使うことができますが、万年筆に至っては書く際の所作に決まりがあり、これに準じていなければうまく線を書くことができません。

少々面倒に感じるかと思いますが、覚えてしまえばそこまで難しくはありません。ここからはそんな万年筆の正しい持ち方について紹介します。

ペン先のハート穴を上に持つ

万年筆の見た目においてもっとも印象的であるペン先の丸い穴。これは『ハート穴』と呼称されており、原則として万年筆を持つ際はこの穴を上にします。

こうすることで2つに割れているペン先の頂点が均等に紙に設置するため、正しくインクが供給されます。ペン先を常に上に向けておくには、指ではなく手を使ってペンを動かすことが大切です。指だけで書いてしまうと万年筆が回転してしまい、うまく書くことができなくなってしまいます。

力を抜いて軽くもつ

2つ目の持ち方の決まりは『力を抜く』ことです。インクの出が悪いと思わず力を入れて書きたくなりますが、万年筆の場合はその機構上、力を入れずともインクが供給されます。

力を入れすぎると、デリケートなペン先部分に余計なダメージを与え、逆にインクが出なくなってしまいます。初めて万年筆を持つ人はしっかりと’’脱力’’することを心がけましょう。

万年筆の書き方で大切なコツ

万年筆の持ち方をマスターしたら、次に書き方のコツをマスターしましょう。

書くコツに関しては、メーカーや規格によって多少の違いはあれど、1度マスターして癖にしてしまえば特に使いにくさを感じることはないでしょう。大切なのは最初につける癖が正しいものであることです。面倒ではありますが、ここから紹介するコツをしっかり覚えましょう。

寝かせて書く

万年筆はペン先の形状などから他種類のペンに比べて角度をきつめに寝かせて使う必要があります。インクの出が悪いと感じる際の原因のうち、大半がこの『角度』がしっかりと維持できていないことに起因しています。

一般的な万年筆の黄金比とされる角度が直角の半分、つまり「斜め45度」です。この角度を保つことが万年筆ユーザーの必須条件の1つです。これを維持するコツは前述した「ハート穴の向き」同様、手を使って書くことを意識することです。

ひねりに気を付ける

前述で紹介した『脱力』における中で気をつけたいのが「ひねり」です。これは無意識のうちにペンを捻ってしまうことで、万年筆を使い始めの人にありがちな失敗です。

しっかりとペン先を上に向けているつもりでも、インクの出が少しでも悪いと感じたら時折ペンを捻っていないかハート穴の向きを見て確認するようにしましょう。

筆圧に気を付ける

前述の『力を抜いてもつ』で軽く触れた通り、万年筆は力を入れなくてもインクが供給される機構を持っています。仮に力を入れないとインクが出ないようであれば故障の疑いがあるため、一度修理店などで見てもらった方が良いでしょう。ペン先は以上にデリケートなため過度の筆圧は厳禁です。

キャップを後ろ側に装着して書く

万年筆についているキャップは、基本的に装着した方が安定するように設計されています。キャップを装着することで万年筆全体のバランスが保たれ、重心が安定するのです。

もっともこの感じ方には個人差があるため、1番は自分の好みで選択するのが良いでしょう。種類によってはキャップが重めのモデルもあるため、その場合は外した状態の方が安定しやすくなるかもしれません。

あなたは右利き?左利き?

万年筆に限らず筆記用具において重要な要素である利き腕。特に左利きの人は文字を書く際には右利きと大きな違いが出ることから、使用にコツがいる万年筆は非常に厄介なイメージがあるかと思います。ここからは何かと不便な左利きにおける万年筆使用のポイントを紹介します。

左利きの人が右利き用を使うときのポイント

左利きの人が書き物をする際はどうしても自分の手で書いている文字が隠れがちになってしまいます。このことが原因で手を横向きにペンを持つことがクセになってしまうのです。

しかし万年筆の場合はペン先を上に向けて使う必要があります。そのため左利きの人が右利きの用の万年筆を使う際は、手の甲を起こして右起動用にペンを右に倒した状態にすることで違和感なく文字を書くことができます。練習が必要になりますが気になる人は試してみてください。

おすすめの左利き用万年筆

当然ではありますが、やはり左利きの人がコツを知っても、右利き用の万年筆を使うのは難しいでしょう。最初から左利き用に設計されたものを購入することをおすすめします。

あまり知られていませんが、世界的に有名な万年筆メーカーである『セーラー』が左利き用に特殊な設計をされた商品を開発・販売しています。気になる人は是非チェックしてみてください。

コツを掴んで万年筆の書き方をマスターしよう

万年筆を使いなれていない人は、どうしても普通のペンと同じ感覚で書いてしまいがちです。万年筆の基本を押さえて書くことに慣れれば綺麗な字を書けるようになり、万年筆を使って文字を書くことが楽しくなります。

是非本稿を参考にコツを掴んで腕を磨き、万年筆にしかない最高の書き心地を楽しんでください。

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