コーヒーの味を決める要素の1つが、粉の量です。コーヒーの粉の量を正確に測る『メジャースプーン』を利用すれば、毎回同じ量の粉でコーヒーを淹れられます。好みのコーヒーに適したメジャースプーンを選ぶために、特徴や選び方を知っておきましょう。
メジャースプーンの特徴
メジャースプーンとは、コーヒー粉の分量を計測するための専用のツールです。このツールの特徴には、以下の2点があります。
おいしいコーヒーには必要不可欠
コーヒー粉の量は、コーヒーの味を左右すると言われています。分量が1g違うだけで、2~3割も味が変わるといわれているほどです。そのため、きちんと正確な粉の量を計測することが、好みに合ったおいしいコーヒーを淹れるポイントになります。
粉状のコーヒーの量を正確に測るために、キッチンスケールを使用するのは少々面倒に感じる人も多いでしょう。そこで便利なのが、メジャースプーンです。一般的なものの場合、粉をすくうだけでコーヒー1杯分の10gを簡単に計測できます。
正確性で言えば、キッチンスケールにはかないませんが、メジャースプーンは粉をすくうだけで最適な量をすぐに測れるメリットがあります。
豆と粉では重さが違う点に注意
コーヒーを淹れるときは、豆から挽く場合とあらかじめ挽かれたコーヒー粉から淹れる場合の2種類があります。
どちらの場合も抽出前に計量が必要ですが、その際は豆と粉の重量の違いに注意しましょう。なぜなら、メジャースプーンで測る豆と粉の実際の量は異なるからです。
細かく砕かれた状態の粉は、メジャースプーンで比較的正確な分量を計れます。しかし、豆の場合はスプーンの中で豆と豆の間に空洞ができやすく、正確な量をすくい取れないからです。
豆と粉の1杯分を比較すると、空洞ができる分だけ豆の方が軽くなってしまいます。このことからも、メジャースプーンは基本的に粉の状態のコーヒーを測るときのみに使いましょう。
メジャースプーンの種類
メジャースプーンは、コーヒー粉やコーヒー抽出のために使うドリッパーに付属しているプラスチック製のものを使用することも多いでしょう。これらとは別に、市販のメジャースプーンはさまざまな素材を使用されたものが揃っています。
使いやすさが人気 ステンレス製
使いやすさで選ぶなら、錆びにくく耐久性が高いステンレス製がおすすめです。コンパクトなサイズのものが多く、食洗機に対応しているのでお手入れも簡単です。
他の素材より多少価格が高めになりますが、使い勝手の良さと長く愛用できることを考えると、ステンレスはコストパフォーマンスに優れた素材と言えます。
温かみあるデザイン 木製
木製スプーンも、メジャースプーンとして多く販売されています。かわいらしく温かみがある上、使っていくうちにだんだんと味が出る点や木目により個々のデザインが微妙に異なる点も魅力です。
ただし天然素材なので、他の素材よりも微妙に正確性に劣ることもあること、洗った後に乾きにくいデメリットがあります。
その他銅製、陶器など
メジャースプーンには、その他の素材が使用されていることがあります。最もよく見るのは、付属品となることが多いプラスチック製ではないでしょうか。プラスチック製の製品は100円均一ショップでも多く販売されており、気軽に使えます。
喫茶店などで見る機会も多いものとして、銅製スプーンがあります。アンティークな雰囲気が特徴的で、長く使っていると経年変化により味わい深い色合いに変わるのも魅力です。
軽くて使いやすい素材のスプーンとして、メラミン樹脂製のメジャースプーンも販売されています。金属製とはまた違う、ポップでかわいいデザインのものも揃っています。
また、陶器製のスプーンもあります。食器と同じような感覚で簡単に洗いやすいですが、衝撃に弱く割れたり欠けたりしやすいので、取り扱いに注意が必要でしょう。
メジャースプーンの使い方
ただ粉をすくうだけ、という簡単な計測ツールであるメジャースプーンですが、コーヒーを淹れるときはドリッパーやコーヒーの量を考えて使いましょう。以下で、詳しい使い方を解説します。
ドリッパーに合わせて分量を測る
メジャースプーンでの計量では、まず使うドリッパーに合わせた分量を測るのが基本です。ドリッパーのサイズや好みのコーヒーの味により、使う粉の量は変動します。
スプーンすりきり1杯でカップ1杯分の量が平均的ですが、ドリッパーごとの最適な量は、付属するメジャースプーンの1杯分の量を参考にするといいでしょう。
使用するドリッパーと同じメーカーのメジャースプーンなら、ドリッパーに最適な量を測れるものもあるので、セットで使うのもおすすめです。
2人分以上を作るときは何杯必要?
一般的なコーヒー1杯分に必要な粉の量は、10gです。この量を基準として2人分を淹れる場合は、単純に10gに人数分を掛けるのではなく、1人分を少し少なめの8~9gで計算するのがポイントです。
人数分を掛けた粉の量にしてしまうと、ドリッパーに注いだお湯が落ちる時間や抽出時間が長くなるため、味が濃く雑味も増えてしまうからです。使用するドリッパーにもよりますが、お湯の落ちる速さも考慮して粉の量を調整しましょう。
100均スプーン等での代用は大さじ2杯が目安
専用のメジャースプーンがない場合は、料理で使う大さじでも代用できます。コーヒー1杯分の目安量は、大さじ2杯でほぼ同じ量の10gになります。
100円均一ショップなどで販売されている大さじでも測れるので、メジャースプーンが壊れてしまったなどの応急処置として、覚えておくと便利です。
メジャースプーン選びのポイント
素材やタイプによりたくさんの種類のメジャースプーンが販売されていますが、用途や淹れるコーヒーの量により、以下のポイントを参考にして選ぶと最適な製品が見つかるでしょう。
1本で何g測れるのかを確認
先述のように、一般的なメジャースプーン1杯の量は10gですが、すべての1杯分の量が統一されているわけではありません。製品によって、1杯分の量は8~12gと幅があります。
そのため、最初にチェックしておきたいのはスプーン1杯分で何gを測れるか、という点です。
10gよりも多め、少なめでいつも淹れているという好みの量が決まっている人は別として、特にこだわりがない場合は、平均的な量である1杯10gを基準として選ぶといいでしょう。
好みの味や粉の量を調整したい場合は、計測できる量に加えて、スプーンの内側に目盛りが刻まれているタイプがおすすめです。
用途に合わせて柄の長さを選ぶ
メジャースプーンは、柄が短めのものは収納に便利、長めのものは深い容器の底にも届きやすいという利点があります。
コーヒー粉は、キャニスターなどの容器に入れて保存することが多いため、メジャースプーンも浅めの容器なら柄が短め、深めの容器なら長い柄の物を選ぶなど、使用中の保存容器の大きさに合わせて選ぶと使いやすくなります。
中には、コーヒーの粉を保存容器に入れ替えず、袋のまま使用している人もいるでしょう。そんなときは、クリップ状の柄が付いたメジャースプーンを使うと、クリップ部分で袋に封ができ、スプーンの保管場所にも困りません。
お手入れのしやすさやデザインで選ぶ
よく使うものだからこそ、お手入れのしやすさは重要項目です。素材の違いにより、お手入れ方法も異なります。
少々面倒なお手入れでもデザインにこだわりたいなら木製、お手入れを簡単にしたいならステンレス製を選ぶなど、日頃の使い方でメジャースプーンを選んでみましょう。
また、粉やドリッパーに付属のベーシックなデザインだけではなく、市販のメジャースプーンにはオシャレなデザインのものも豊富に揃っているので、デザインにこだわって選んでもいいでしょう。
おすすめのメジャースプーン
使い勝手が良いおすすめ製品を、素材ごとに3種類ピックアップしています。以下の情報を元に、メジャースプーン選びの参考にしてみてください。
ハリオ V60 計量スプーン
さまざまなコーヒー機器を製造する日本の耐熱ガラスメーカー『ハリオ』のメジャースプーンは、一般的なコーヒー1杯分より多めの1杯12gという容量で、同社のドリッパー『V60』で1杯を淹れるのに最適な量です。
シンプルでコンパクトなスプーンの柄の部分はループ状になっており、壁などに引っ掛けて保管できます。ステンレス製のほか、木製や銅製、磁器など素材のバリエーションが幅広く、好みの素材で選べるのも魅力でしょう。
- 商品名:ハリオ V60 計量スプーン
- 価格:507円(税込)
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カリタ コーヒーメジャー 銅 10g
業務用としても使用されている日本のメーカー『カリタ』の銅製メジャースプーンは、すりきり1杯で10gの標準的な量を計測できます。長めの柄なので、キャニスターに淹れたコーヒー粉にも使いやすい1本です。
粉を計測する以外にもコーヒー豆をミルに入れるときにも豆をすくいやすく、便利に使えます。
使い込むにつれて味わいが出る銅製のリーズナブルなスプーンは、本格的なコーヒーを楽しむための演出に一役買ってくれそうです。
- 商品名:カリタ コーヒーメジャー 銅 10g
- 価格:848円(税込)
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キントー コーヒーメジャースプーン
ちょっと大きめのメジャースプーンが欲しい、または木製にこだわりたいという人にピッタリなのが、こちらの製品です。1杯で一般的なスプーンより大きめの14gの量を測れるので、2人分のコーヒーを淹れるときに便利です。
優しいぬくもりを感じる天然木を使用したスプーンは、使うたびにコーヒー豆の油が染み込み、味わい深い色合いに変化していくのも楽しみの1つになるでしょう。
- 商品名:キントー コーヒーメジャースプーン
- 価格:1944円(税込)
- Amazon商品ページ
メジャースプーンを使いこなそう
適当に粉の量を測って淹れるよりも、きちんとメジャースプーンを使いこなして正確な量を測って淹れる方が、いつも味が安定したおいしいコーヒーを味わえます。
自分の好みの量をピッタリ測れるメジャースプーンを活用し、おいしいコーヒーを飲みましょう。