コーヒーの酸味の原因は?抽出方法を調整しておいしいコーヒーを淹れよう

2019.04.19

コーヒー豆はコーヒーチェリーという果物の種で、酸味があります。うまみを形成する酸味を程よく調整すると、おいしいコーヒーになるのです。この記事ではコーヒーを淹れる際の酸味の調整方法を紹介します。自分好みのコーヒーを楽しむ参考にして下さい。

コーヒーの酸味が苦手?その本当の理由

酸味のないコーヒーが好き、という人は多くいます。しかし、酸味はうまみを支える大切な要素です。にもかかわらず苦手な人が多いのはなぜでしょうか?酸味が苦手に感じる理由を解説します。

コーヒーの酸味には2種類ある

酸味と言っても、コーヒーの場合には2種類あります。『フルーティな酸味』と『えぐみを感じる酸っぱさ』です。

コーヒー豆はコーヒーチェリーという果実の種のため、フルーティな酸味は、おいしいコーヒーに欠かせない要素となり、爽やかな酸味や甘味があるのは、自然なことでしょう。

果物の酸味や甘味が嫌いという場合には苦手に感じるかもしれませんが、決してまずいと感じる味ではありません。

一方で、えぐみのある酸っぱさは、刺激を感じるのが特徴です。酸っぱいコーヒーが苦手と感じている人の多くは、こちらの酸っぱさを感じている可能性が高いでしょう。

独特のえぐみは、未熟であったり、形が悪かったりする欠点豆が混ざっていることで発生することがあります。

劣化した豆は酸っぱくなる

コーヒーの酸っぱさを感じる原因は、豆の劣化かもしれません。豆は生鮮食品ではありませんが、時間が経過することで酸化し、酸っぱくなってしまうのです。

特に家庭で飲むコーヒーを酸っぱく感じる原因は、ほとんどの場合、劣化によるものでしょう。劣化の原因として考えられるのは、『熱』『光』『酸化』です。

例えば、直射日光の当たる窓辺にガラス瓶にいれて置いている、ガスコンロが近く熱くなる場所に置いている、空気に触れやすい状態で保管している、という場合、劣化しやすくなります。

通常、常温で1カ月保存していると、味は劣化します。粉にしてしまうとさらに劣化しやすいので、『飲む直前に必要な分だけ挽く』ことも大切です。

本来の酸味はフルーティな香り

コーヒーのうまみを増す酸味は、フルーツの香りに例えられます。オレンジやレモンのような甘酸っぱい爽やかな香りや、マスカットやベリーのようなみずみずしく華やかな香りです。

こうした酸味は、決してコーヒーの味を邪魔するものではありません。むしろ、苦味や甘味などさまざまな味を引き立てるのです。

特に、スペシャリティコーヒーでは、上質な酸味が堪能できることは高評価の条件になります。本来の酸味を味わうことで、コーヒーの酸味が好きになる、という人も多いのです。

『本当においしいコーヒーに出会っていない』ことが、酸味が苦手な原因ということも考えられるでしょう。

コーヒー豆の酸味と苦味の関係

酸味と苦味が程よいバランスで調和していると、おいしいコーヒーと感じます。程よいバランスは人それぞれのため、味わいの関係について知り、自分にとってのベストバランスを見つけましょう。

コーヒーの酸味の主な成分

酸味が感じられるということは、コーヒー豆には酸が含まれているということです。含まれている主な酸には、『キナ酸』『クエン酸』『酢酸』があります。

この中で最も多いのは『キナ酸』で、生豆のときから含まれている酸です。『クエン酸』も生豆の状態で含まれているものですが、豆の水分が減るに従い増加し、その後焙煎すると熱分解され減少します。

『酢酸』は焙煎によって小糖類から作られます。ただし、焙煎し過ぎると熱分解で減少する成分です。これらの酸が組み合わさることで、絶妙な酸味が生まれます。

焙煎の度合いによって、酸の生成や分解の具合が変わり、奥深い味わいになるのです。

茶色の豆の方が酸味が強い

酸味があるかどうかは、豆の色を見るとある程度判断できます。多くの豆は、茶色の方が酸味を強く感じます。

そして、茶色の豆は『焙煎時間が短い』ことを意味します。なぜならば、酸は焙煎による熱で分解されるので、短い方が酸味を強く感じるからです。苦味は少なく、酸味と香ばしさが口いっぱいに感じられるので、コクは少なくさっぱりした印象です。

そのため、本来の酸味を感じたいという人は、茶色い豆を選びましょう。

黒色に近いほど酸味が少ない

焙煎が進み、豆が黒に近くなると、酸味はどんどん少なくなります。熱で酸が分解され、逆に苦味が増えていくのです。そのため『黒色が深いほど酸味は弱く、苦味が強く』なり、深いコクと苦味のあるコーヒーに仕上がります。

フルーツのような酸味が苦手という人は、できるだけ黒い豆を選びましょう。コクのあるコーヒーが好きな人や、ミルクとの組み合わせが好きな人にもおすすめです。

コーヒーの抽出方法で酸味は変わる

抽出の仕方によっても、酸味の出方は変わります。そのため、自分にとってのベストな酸味を目指して、抽出方法を工夫しましょう。そのために必要な淹れ方のポイントを解説します。

粗い挽き方は酸味が出やすい

『酸味が出やすいのは、粗い挽き方』です。逆に『苦味が出やすいのは、細かな粉』です。理由は、酸味の方が先に抽出され、苦味が抽出されるまでは時間がかかるからです。

粗い粉だと、お湯が接する面積が少なく、お湯がさっと通りやすくなります。そのため、酸味が多く出て、苦味は少なめになるのです。

細かな粉だと、お湯が接する面積が大きく、しっかり苦味が抽出されるので、酸味が目立たなくなり、苦味を感じやすくなるのです。

温度が低くても酸味が出やすい

お湯の温度も酸味の出方に関係します。『適温は95℃』と言われていますが、これより低い温度になると、苦味がうまく出ず酸味が目立ってしまうのです。

苦味の成分は高温になるほど多く出るので、苦味を味わうためには、できるだけ高温のお湯を使いましょう。

逆にさっぱりと軽い飲み口で酸味を楽しみたいときには、湯温を意識的に低くするとよいでしょう。

抽出する時間も影響する

抽出や蒸らす時間によっても、酸味と苦味のバランスは変わってきます。苦味を引き立たせるためには、できるだけ長く粉とお湯が接しているようにしましょう。

そのためには、『ゆっくり淹れることが大切』です。

蒸らし時間を20秒ほど取り、ドリップするときには、3回に分けて「の」の字をイメージしてお湯を注ぎます。

蒸らし時間が短すぎたり、お湯の流れていくスピードが速すぎたりすると、十分な抽出時間になりません。すると、酸味だけが目立つ味になってしまいます。

コーヒーの酸味を抑えるには?

酸味を抑えてコーヒーを淹れるには、豆の選び方と抽出の仕方がポイントです。酸味を抑えるために、具体的にすべきことについて解説するので、酸味を抑えたコーヒーを淹れる参考にしましょう。

中〜深煎りのコーヒー豆を選ぶ

コーヒーの酸味を抑えるには、豆の選び方が大切です。焙煎の度合いによって酸味に違いが出るので、『中~深煎りの豆』を選びましょう。

同じ豆を使っていても、浅煎りだと酸味を感じやすくなります。酸が程よく熱分解される頃合いの中~深煎りなら、酸味は弱く苦味が強くなるので、コクの感じられる味わいとなるでしょう。

酸味が少ないコーヒー豆を選ぶ

種類によってもコーヒーの酸味には違いがあります。そのため、もともとの酸味が少ないコーヒーを選ぶのもポイントです。

『マンデリン』『コロンビア』『ブラジル』などは酸味が少なく、酸味を抑えたコーヒーが飲みたい人によいでしょう。

逆に、『キリマンジャロ』や『モカ』などは、酸味が強めです。また、スペシャリティコーヒーも、個性的な酸味が特徴なので、酸味を抑えたい場合には避けた方が無難でしょう。

苦味が出るように抽出する

抽出の仕方を工夫すると、苦味を強調した仕上がりにもできます。

まず、『豆は細かく挽いたもの』を『多め』に使いましょう。そして先述したように『お湯の温度はできるだけ高温』にします。苦味の成分は高温で抽出されやすくなるので、しっかりコクを感じられるコーヒーになるのです。

また、蒸らし時間を取り、お湯を注ぐときにはゆっくり淹れてみましょう。コーヒーポットからできるだけ細くお湯を出し、3回に分けてドリップします。

ポイントを押さえたドリップをすれば、酸味を抑えたコーヒーが楽しめるのです。

酸味が苦手な人にもおすすめのコーヒー豆

豆の種類によって、酸味の程度はさまざまです。そのため、酸味が苦手な人は、コクがあり酸味が控えめなものを選びましょう。具体的におすすめの豆を紹介します。

ブルーマウンテン

バランスがよく多くの人に愛されているのが『ブルーマウンテン』です。日本人には特に馴染みの深い種類で、缶コーヒーでも楽しめます。程よい苦味とコク・香りが調和した味わいです。

ジャマイカで作られているブルーマウンテンですが、すべてのコーヒー豆がブルーマウンテンになるわけではありません。「ブルーマウンテン地域」と言われるごく一部の限られた産地のもののみです。

そのため厳選された豆だからこその、香りと喉越しが味わえます。

ブラジルサントス

生産量がとても多い『ブラジルサントス』も、味のバランスがよい種類です。ブルーマウンテンと比較すると、コクが強く、後味に程よく爽やかな香りと甘味を感じます。

特徴的な酸味や香りはなく、誰でも飲みやすい味わいです。そのため、ブレンドに使われていることの多い種類でもあります。

コクがありながらも、癖がないのであっさりと飲めるコーヒーです。

酸味を調整して自分好みの味に

酸味はコーヒーのうまみの一部ですが、強すぎると飲みにくくなる可能性があります。全体が程よいバランスになるよう調整して、好みの味わいを楽しみましょう。

焙煎は、軽いほど酸味が強く、深いほど苦味やコクが増します。挽き具合は、粗いほど酸味が強く、細かくなるほど苦味が増していくのです。

また、お湯の通るスピードによっても味わいは変わります。酸味を味わうならスピーディーに、苦味とコクを味わうならゆっくりお湯を注ぎましょう。これらを参考に、自分のベストな味を見つけてください。

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