万年筆のボトルインクの個性を比較。にじみ、色、耐水性の違いとは

2019.04.17

万年筆を使い始める時や使いやすさを求めるならカードリッジタイプが便利ですが、やはり伝統的な吸入式やコンバーター式も使ってみたいところ。お気に入りの万年筆とおしゃれなボトルインクを部屋に並べるのも素敵ですよね。ところで、ボトルインクは同じ色でもブランドによって細やかな違いがあることをご存知でしょうか?

本稿ではそんなボトルインクの個性や魅力を比較して紹介します。

万年筆のインクに個性がある理由

万年筆のインクは主に万年筆のメーカーブランドが製造販売しており、用途やシチュエーションに合わせて様々な存在しています。

ここで重要になってくるのがインクそれぞれが持つ個性です。書き心地や書き味など万年筆においても重要になってくる部分をつかさどっているため妥協はできません。

もちろん用途にあったものを選択するのが一番ですが、インク選びには知識が必要になるのでここからはボトルインクの初歩的な知識をご紹介します。

色やメーカーによって成分が違う

万年筆の書き心地がメーカーによって違うように、インクもまたメーカーによって成分の配合が異なり、色味もかなり変わってきます。たとえ同じ色として販売されていても、いざ使ってみると書き心地から文字の雰囲気まで全く違うこともあるのです。

また、基本的には万年筆のインクは万年筆のメーカーと統一するとよいでしょう。異なるメーカーのインクを使った際に万年筆に違和感や不調が出たりすることがあるの注意が必要です。多くのインクを試したい場合は複数の万年筆を取り揃えるか、同じブランドの中で試すようにしましょう。

万年筆のインクを耐水性で比較する

万年筆のインクを決める際の重要な基準の1つが『耐水性の有無』です。何か重要なことを書いた紙にうっかり水をこぼしてしまった時などに、耐水性があるかないかで結果は大きく変わってきます。

またこの耐水性は万年筆のインクの種類によっても違いがあるため、購入する時には確認が必要です。ここからはそんな万年筆インクの種類とそれにまつわる耐水性の比較に加えて、メーカー別の耐水性の違いについて紹介します。

インクの種類によって耐水性は変わる

万年筆のインクは基本的には水に溶けやすい『染料インク』と水に溶けにくい『顔料インク』に分類されます。耐水性に関しては当然のことながら水に溶けにくい顔料に軍配が上がりますが、一方で扱いが難しく、定期的なお手入れが必要になるというデメリットもあります。

また、近年では耐水性の高い染料インクも発売されており、デメリットがカバーされつつあります。

メーカー別による耐水性の違い

基本的に顔料インクならば一定の耐水性を持っていますが、メーカーごとに多少の違いがあります。

とはいえやはりインクにおける耐水性はどのメーカーにおいてもその成分に依存するところがあるため、ブランドだけでインクを選ぶことはあまりおすすめできません。しっかりと1つ1つ自分のニーズと噛み合っているかを確認することが大切です。

万年筆のインクをにじみ具合で比較する

万年筆の悩みの中で特に多いのがインクの『滲み』でしょう。

ボールペンなどの他の筆記用具に比べてインクの粘度が低いため仕方のないことですが、大事な書類でインクを滲ませて文字が読めなくなってしまうようなことはなるべく避けたいところです。ここからはそんな万年筆のインクの滲みに関する比較や豆知識を紹介します。

紙によってもにじみ具合が変わる

インクの滲みの原因が紙にある場合があります。紙の素材によってはインクの浸透率が悪く、乾きにくく滲んでしまうというものです。

特にコピー用紙や安いルーズリーフなどにあるツルツルとした感触のものはインクの浸透率が悪いため万年筆との相性が悪いとされています。万年筆を使う場合は『上質紙』を使ったノートや、少し厚めのフールス紙などがおすすめです。

メーカー別によるにじみ具合の比較

万年筆のインク滲みに関してはどのメーカーもあまり大差はなく、後述にあるような書き手の問題が多く挙げられます。仮にインクに不満がある場合はドイツの名門『ペリカン』のインクがおすすめです。

比較的インクの粘度が高いとされているため、他メーカーほどインク滲みが起きにくい傾向にあります。気になる人はチェックしてみてください。

にじみを防ぐ方法

インクの滲みを防ぐ方法は様々ありますが、インクを変えることやタッチを変えて少し力を抜いて書いてみることが挙げられます。思い当たる全ての方法を試しても滲んでしまうようであれば万年筆の不調が考えられるので、違う万年筆を使ってみることをおすすめします。

万年筆の人気色をメーカー別に比較する

万年筆には普段使いの黒やブルーブラックの他にも様々な色が存在します。気分を変えたくて変わった色のインクを探しているけど、どのメーカーが良いか悩んでしまうという人もいることでしょう。

ここからは万年筆のインクの中でも人気の色をピックアップしてメーカーごとに比較していきます。普段使いの色と違う色を探している人はぜひ参考にしてください。

黒色のインク

まず基本となる黒色のインクで人気なのがセーラーの「極黒」です。かなり立体的な黒色で濃さにおいても極というだけあって非常に濃いものです。

また海外メーカーでは濃く光る黒色が特徴的なペリカンの「オニキスブラック」がおすすめです。

赤色のインク

黒と対をなす赤色のインク。国産メーカーの中でも人気なのが、プラチナ万年筆の「ローズレッド」です。際立った赤色が目を引く王道の赤色インクです。

海外メーカーで赤インクを探す場合はペリカンの「レッドカラー」がおすすめです。前述のローズレットに比べ少し暗く、上品な印象を受ける赤色です。

紫色のインク

国内において紫色のインクで不動の人気を誇っているのが、パイロットが販売する「月夜」です。黒と紫のちょうど中間のような絶妙な色であり、書面などにも使える落ち着いた色です。

海外メーカーで購入する場合はペリカンの「バイオレットカラー」がおすすめです。月夜に比べて紫感が増して妖艶な雰囲気のある色味が特徴となっています。

緑色のインク

紫に次いで使用品頻度が高い緑色のインク。国内メーカーが販売している中でも特に人気なのがセーラーの「ストーリア」です。緑と聞いて想像するには薄めの色ですが、その分軽めな印象で普段使いにはぴったりです。

海外ブランドではペリカンの「ダークグリーンカラー」が人気です。はっきりとして黒に近い緑は大事な文章などにも使いやすい色として重宝するでしょう。

自分好みのインクを見つけて万年筆を育ててみよう

万年筆のインクにはメーカーによって個性があります。同じメーカーでも色が違えば書き心地や耐水性、滲み具合に違いがでます。その違いを楽しむのも万年筆の醍醐味と言えるでしょう。ぜひインクの個性を楽しみながら自分だけの万年筆を育ててみてください。

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