ワインの健康効果は嘘?ポリフェノールだけじゃないワインの効果とは

2019.04.16

「ワインには健康効果がある」という話をよく聞きますが、本当のところはどうなのでしょう?アルコールなのだから健康に対する悪影響も少なからずあるはずですが、どのくらいが適切な量なのでしょうか?そこでこの記事では「ワインと健康」をテーマにお話を進めていきたいと思います。

ワインの健康効果とは

一般に言われている、ワインがもたらす健康効果についてご紹介します。

フレンチパラドックス

1人当たりのお肉の消費量が世界一だと言われているフランス。そしてフランスといえば食事中にワインを飲むことがメジャーとなっており、その消費量は1人あたり年間約67リットルにものぼるのだとか。

とても身体に良さそうな食生活とは言い難いのですが、なぜかフランス人は近隣国と比べると心臓病による死亡率が低いというデータが出ています。なぜフランス人は心臓病にかかりにくいのでしょうか?この疑問は「フレンチ・パラドックス」と呼ばれています。

これには、ワインに含まれるぶどうのポリフェノールの「活性酸素除去作用(抗酸化作用)」が関連しているという説があります。

活性酸素は、老化などの生理現象のみならず動脈硬化などといった疾患を引き起こす可能性があるものとされています。これを除去するといわれている代表的な物質がポリフェノールで、フランス人はワインに含まれるポリフェノールを大量に摂取することで心臓病の予防・改善にも役立っているのでは?と考えられるようになりました。

ポリフェノールの効果

ポリフェノールとひと口に言っても様々な種類があり、派生型も含めれば5000種類を超えるポリフェノールが存在するとされています。有名なものなら、「カテキン」「ルチン」「イソフラボン」などがありますね。

ポリフェノールには、植物の細胞の生成・活性化・分裂をサポートし、外部の悪い刺激をシャットアウトするなどの働きがあるとされています。

ヒトがポリフェノールを摂取する場合は先ほど述べたように「アンチエイジング効果」や、体内の酸化を予防・軽減する働きが期待され、美容および健康改善目的に利用されることが多いです。

白より赤がおすすめの理由

ポリフェノールは白ワインより赤ワインの方が含有量が多いとされていて、だいたいの比較ですとこのようになります。

  • 赤ワイン…200ml中に160〜600mgのポリフェノール
  • 白ワイン…200ml中に50〜160mgのポリフェノール
  • ロゼワイン…200ml中に約100mgのポリフェノール

ワインは熟成すると、アントシアニンとカテキンなどのポリフェノール同士がより強く結び付いていきます。それに伴い色調も変化し、紫色→赤→レンガ色の順にポリフェノールの含有量は増え、味の方もマイルドになっていきます。

適切な量と頻度

ワインの健康効果を期待するなら、飲む量にも気をつけなくてはなりません。身体に良いからといって毎日のようにたくさん飲んでいると、アルコールの過剰摂取に繋がり、逆に健康被害をもたらしてしまいます。

約200mlが適量とする説もあれば、400mlが適量という説もありますが、おおよそ1日1〜2杯におさえるのが妥当といったところでしょう。ワインを1日300~400ml飲むことで、心臓病や認知症を発症しにくくなるという報告もあります。

また、週に2日は飲酒をお休みする「休肝日」を設けるのが良いとされています。2〜3日飲んで1日休むというサイクルがベストです。

ワインの健康効果は嘘なのか

さて、ここまでワインの健康効果をたっぷりご紹介してきましたが、実はこれに対する反論となる学説も発表されています。ワインの健康効果は本当のところどうなのでしょうか?

論文で発表されたフレンチパラドックスの嘘

先ほど説明した「フレンチ・パラドックス」についてですが、健康長寿との関連性はないと述べている医学会も存在するようです。

有名なのが2014年5月12日に某米国医師会内科学雑誌に掲載された、米ジョンズホプキンス大学医学部のリチャード氏率いる研究チームの発表した論文ですね。

具体的な主張内容は以下の通りです。

  • 高脂肪の食事による健康被害を赤ワインである程度予防できると言われる「フレンチ・パラドックス」には問題がある
  • 欧米式の食事やワインに含まれるポリフェノールの一つ「レスベラトロール」は、炎症・心臓血管疾患・がんなどへの緩和・改善効果を持たない

当研究は、イタリアに住む65歳以上約800人を対象に行われました。被験者が食事やワインを摂取して得たレスベラトロール値を測定し、それが実際に健康の促進に効果を発揮できたかどうかについて観測しています。

結果としては、研究開始から9年間で被験者の34%が死亡。レスベラトロールが長寿に関連しているという確かな証拠を得ることはできませんでした。

こうした研究から、「ポリフェノールの効果はあくまでも気休め」という説も出てくるようになりました。しかし、「バランスの良い食生活を守ってこそポリフェノールの効果を得られる」という考え方も示されており、さらなる研究が待たれます。

ポリフェノール以外のワインの健康効果

ポリフェノール以外にも、ワインには健康効果が期待できる物質が多く含まれています。

たとえば、ミネラルやビタミンB群などが挙げられます。野菜が不足しがちといわれている現代の食生活で、ミネラルやビタミンを豊富に含むワインは単純な栄養源としても優秀なものなのです。

たとえワインに含まれるポリフェノールが健康や長寿に関係がなかったとしても、ワインを適量飲むことは体にいい影響が期待できるといえそうです。

ワインの健康被害?

市販のワインの多くには、酸化防止剤が含まれています。

酸化防止剤は物質名を「亜硫酸塩」といい、ワインを酸化から守る働きを担っています。しかしこの亜硫酸塩は、人体に有害な影響を与える可能性があることが指摘されています。

酸化防止剤が必要な理由

一般的にワインとは、新鮮なぶどうを絞ったものを時間をかけて発酵させることで作られます。「発酵」がポイントとなるので、基本的に水や熱は加えません。

よって普通の果物と同じく、そのまま放置していると酸化してしまうのです。これを防ぐために必要なものが「酸化防止剤」になります。

また、酸化防止剤には雑菌の繁殖を防ぐ効果や、ワインの香りや味を美味しく新鮮なままキープさせておいてくれる効果もあります。

しかし酸化防止剤には多少なりとも健康被害も指摘されていて、特によく言われるのが「頭痛」です。ワインに含まれる亜硫酸塩とアミンという成分が、人の脳や神経に悪影響を及ぼし、頭痛を引き起こすケースがあると考えられています。

気になる場合は無添加ワインを

ワインに含まれる酸化防止剤に、頭痛を引き起こすリスクがあるという説が出回るようになったからか、最近では無添加ワインも多く販売されるようになりました。

「酸化防止剤が入っていないのに、品質は大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、その分ワインの衛生面や湿度などは徹底して管理されています。

加熱処理をきっちり施し、本来なら発酵により生まれる甘味も、他の甘味料などを使って追加しているので、品質面については特に問題ありません。

また、有機栽培で栽培したぶどうを使った自然派ワインと言われる「オーガニックワイン」というものがありますが、こちらは比較的喉越しが良く、頭痛になりにくいなどの声も多いです。

「ワインを飲むと頭痛が起きるから嫌!」という人は、こちらのオーガニックワインか、無添加ワインをチョイスすることをオススメします。

ワインは適量を楽しむのがおすすめ

ポリフェノールの一種であるレスベラトロールは、論文によって長寿との直接的な関連性が否定されました。しかしワインにはポリフェノール以外の効能もあります。飲みすぎには気をつけながらワインを楽しんでくださいね。

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