小説を書こう、と思い立った方に共通する疑問として「ネタ帳」の存在があります。ネタ帳とは、小説を執筆する上で必要な情報や構想を書き留めておくノートのようなものです。ネタ帳を用意する作家さんもいれば、用意しない作家さんも存在します。どの意見を参考にすれば良いのか迷ってしまいますよね。そんな悩みに答えるべく、ネタ帳の使い方や必要性の有無についてまとめてみました。
小説を書くとき、ネタ帳って必要?
小説を書くときに、ネタ帳は必要なのでしょうか。そもそも、ネタ帳を持っているとどんな利点があるのでしょう。
「自分は何を書きたいか」がわかる
ネタ帳に小説の構想などを書いておくことで、ブレずに「書きたかったこと」を意識し続けることができます。
書きたかったことがブレてしまうと、途中でストーリーの辻褄が合わなくなったり、予想とは違う展開になってしまう可能性があります。
こうした状況を防ぐためにも、ちょくちょくテーマを見返せるネタ帳の存在は創作の助けになります。
ネタに困ったときの素材になる
ネタ帳の存在は次に書く小説の構想を練るときなど、ネタ切れ時の助けになります。
小説のネタは自然と降ってくるもので、意識したからといって良いネタを毎回思いつけるものでもありませんよね。
そんな時に、ネタの宝庫となるのがネタ帳です。過去の自分が残した遺産を有効活用するためにも、ネタ帳を持ち歩くことをおすすめします。
情報を受信するアンテナが鋭くなる
ネタ帳を持っていると、つねに意識を研ぎ澄ますことができます。
「これはネタになるのか否か」を判断しながら物事を眺めることになるので、アンテナが研ぎ澄まされ、創作家としての視点に切り替わります。
その視点を作ってくれるアイテムがネタ帳です、ぜひ普段から持ち歩くようにして、創作家としての視点を保つようにしましょう。
ネタ帳には何を書き込む?創作への手順
ネタ帳に書き込むのはどんな情報なのでしょうか。創作につなげるための手順をご紹介します。
まず自分が「面白い!」と思ったことを書いていく
「こんな展開は胸アツだ!」
「こんなセリフ言われたら泣くでしょ…」
という自分の中の「これだ!」という面白いことをどんどん書いていきます。
頭のなかにある「これだ!」を出し尽くしたら、今度はまだ頭のなかにない「これだ!」を作る作業に入ります。
アイデアを生み出すための思考法についてはこちらでまとめてありますので、みんなをアッと言わせるアイデアを思いつきたい方はぜひ参考にしてください。
ストーリーとキャラクターを膨らませる
先述した「これだ!」を書いた後に、その状況に至ったストーリーやキャラクターの存在を深掘っていきます。
どんな流れであれば自然なのか、どんなキャラクターがそのセリフを言ったから素敵なのか、あなたの中にある妄想に肉をつけていきます。
この段階ではまだ決めきらずに、思いついたことをなんでも記載していきましょう。
わからないことは資料を調べて書き込む
わからないことが出てきた場合は、資料やデータを元に正確な情報を書き込みましょう。
例えば〇〇駅から列車に乗って△△駅へ行った、というストーリーがあったとして、〇〇駅から△△駅までにかかる時間などが分かっていないと、車中での出来事や移動する意味合いを掴みづらくなってしまいます。
こうした細かなリアリティを追求するためにも、資料やデータにもとづいてネタ帳に記載していくと、執筆時に困らずに済みます。
ネタ帳の書き方を工夫しよう
ネタ帳を書く時には書き方を工夫するとより効率的に作業が進みます。
最終的には自分の好みにカスタマイズして使えば良いですが、まずはおすすめする方法でネタ帳を作成してみるとよいでしょう。
1ページにつき1アイデア
1ページにいくつもネタを書き込んでしまうと、情報の質が薄くなったり、あとで整理がつかなくなってしまいます。
読み返した時にわかりやすいように、1ページに記載するアイデアは1つに絞りましょう。
数字やタグ・タイトルで整理
記載したアイデアは数字、タグ、タイトルなどで整理すると執筆時に楽になります。
雑多な情報にふせんを貼り付けるイメージです。執筆作業に移ったあと、スムーズに求めていたネタや情報にたどり着けるよう、ネタ帳を作成する時点で情報にふせんを貼っておくとよいでしょう。
ネタ帳の選び方と便利なアプリ
ネタ帳を選ぶ際には自分の使い方にあった媒体を選ぶようにしましょう。主流となっているのは紙媒体ではなく、アプリなど携帯端末で使える媒体です。
場所を選ばず手軽に使えるので、ネタ帳として使用できるアプリがおすすめです。
紙媒体ならA5サイズ以下がおすすめ
紙に記入するメリットとしては、絵や記号などの視覚的な情報も含めてネタ帳をカスタマイズできることが挙げられます。
記載する情報によっては言葉ではなく、絵などを用いたほうがイメージしやすい場合もあります。
こうした時にも自由に対応できる紙媒体のネタ帳は、一冊は用意しておくべきでしょう。
紙媒体でネタ帳を用意する場合、サイズはA5以下に抑えることをおすすめします。大きすぎると持ち運びが不便になり、自由度が下がってしまいます。
ソムノート
「ソムノート」は200万人以上に選ばれている、ネタ帳アプリのなかでも人気が高いアプリです。フォントの変更や写真の挿入といったカスタマイズが可能なので、自由にイメージを具現化できます。
アプリで作成したノートは自動でバックアップが作成されますので万が一のときにもデータを守ることができます。
ノートの内容はアプリ内で同期され、スマホだけでなくパソコンやタブレットからも閲覧、編集が可能です。
出先でスマホからネタ帳を作成し、帰宅してからネタ帳をパソコンで開き執筆に移る、という効率的な使い方もできます。
ソムノートがここまで受け入れられている理由としては、こうしたユーザビリティの高さが挙げられます。
Simplenote
「Simplenote」はAndroid、Mac、WindowsなどのOSに対応できる自由度の高いメモ帳です。もちろんスマホにも対応しています。
複数のデバイスから同一のノートを編集、閲覧することができます。
Simplenoteの魅力はそれだけではありません。編集履歴が時間ごとに残るので、「ひとつ前に戻る」という感覚で〇〇分に編集した地点へ戻る、という使い方ができるのです。
ネタ帳は書き直したり、書き加えたりする作業が多く発生します。
そうしたときにいちいち文字を削除して書き直すのは面倒ですが、Simplenoteであれば時間を基準に戻ることができますので手間が省けます。
ネタ帳は脳内のイメージを即座に書き込むことが多いので、作業が簡略できれば効率や内容の質も高まります。
整理も簡単ですので、ネタ帳として使用しやすいアプリだといえるでしょう。
小説を書くなら、まず自分にあったネタ帳を見つけよう
ネタ帳は、小説を執筆するうえで重要なアイデアや知識を書きとめるだけでなく、自分の書きたいことをはっきりとさせてくれます。
そこからさらに構想を広げたり、いらない情報を削ったり、小説の骨子を作ることができる便利な道具です。
小説を書く際には欠かせないツールであるネタ帳。この記事を参考にして、まずはいろいろなアプリや方法を試して、自分に合ったネタ帳をみつけてください。