大相撲の番付あれこれ。仕組みや決め方、文字から購入方法まで

2019.04.15

何かの順位を決める際に用いられる「〜番付」という言葉。これは本来相撲の強さ、階級を示す際に使われる言葉です。その中身は横綱はもちろんのこと、大関や関脇など少々ややこしい名前が軒を連ねます。近年広がりつつある相撲ブームですが、この機会に相撲を覚えようという人は、まずこの番付を覚える必要があるのです。本稿ではそんな大相撲における番付のあれこれを解説します。

番付の意味と見方

相撲の一大興行である大相撲。見に行くならば是非とも事前に気になる力士をチェックしておきたいところ。そんな時に役に立つのが「番付」です。

番付表自体は日本の柄としてもポピュラーなものとなっており、ちゃんこ屋などでものれんや湯のみに書き記されていることがあります。相撲ファンならばその意味を理解しておくべきでしょう。

少々複雑ではありますが、一度覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。ここからはそんな相撲の番付の意味と見方を解説します。

番付とは絶対的な順位表

角界において番付は絶対的な順位表として扱われます。全部で6つの階位で分けられ、階位が1つ違うだけで上下関係がはっきりしています。

詳しくは後述しますがこの階位で違いで服装や住居など細かい待遇の違いや、給与額まで変わってくるものなのです。戦績を上げれば上げるほどその順位も上がっていくため、過去にはデビューから連勝を続けて高い順位まで上り詰めた力士もいます。

力士たちは稽古を積み重ねて少しづつ番付を登っていくことがそのまま出世につながります。ちなみに番付が下の力士が上の力士に勝つことを示す『番狂わせ』という言葉は相撲が発祥であり、現代でも一般的に使われています。

番付一覧と待遇のちがい

前述した通り大相撲の番付は大きく分けて以下のように上から6つの階級に分けられます。

  • 幕内
  • 十両
  • 幕下
  • 三段目
  • 序二段
  • 序の口

なお力士として一人前として扱われるのは『十両』からであり、ここから力士は「関取」と呼称されます。それよりも下の力士とは待遇の良さが段違いであり、服装はもちろんのこと付き人をそばに置き、回しの飾りや髷の結い方までが華やかなものになります。

関取になる前の力士は「幕下」と呼称され、控えの席で座布団の上に座ることさえ許されません。そんな力士として一人前である関取であっても、幕内ではさらにそこから細かい呼び名に分岐します。

幕内力士の階位は以下の通りです。

  • 横綱(よこづな)
  • 大関(おおぜき)
  • 関脇(せきわけ)
  • 小結(こむすび)
  • 前頭、平幕(まえがしら、ひらまく)

なお『大関、関脇、小結』は「三役」と呼ばれ、前頭は番付に記載される際は「平幕」と呼称されます。番付けの頂点を飾る横綱は、1つ下の大関とは別格の階位であり、1度横綱になると引退まで降格することはありません。

枚数は若いほうが上、東西は東が上

相撲の番付では「西の幕下◯枚目」というように呼称する場合があります。これは同じ番付の中での順位を示すものであり、この枚数が少なければ少ないほど「上位」ということになります。

そのため番付表でも、同じ番付のなかで枚数順に力士の名前が並んでいます。また東西で分かれている相撲においては、枚数が同じでも東の方が半数上の順位ということになります。そのため枚数が同じ「東の幕下3枚目」と「西の幕下3枚目」と記載されている場合は東の方が0.5枚上という扱いになるのです。

番付の決め方と昇進ルール

ここまでは番付の種類や仕組みについて解説してきました。ある程度番付の見方がわかってきたと思います。

そこで次に気になってくるのが番付の決め方でしょう。一体誰が決めているのでしょうか?強ければ上位に行けることははっきりしていますが、他にも様々な基準が存在しています。

このような番付の決め方や昇進のルールを知ることで「次の場所で誰が上位に上がってくるか?」などの予想をつけることができます。ここからはそんな相撲の番付の決め方と昇進ルールについて解説します。

番付編成会議とは

本場所ごとに変わる番付の編成を行うのが『番付編成会議』です。大相撲の本場所が終わった3日後以内に開催され、相撲協会の『審判部委員会』によって力士たちの成績から次の本場所における番付の進退を審議する会議です。

番付編成会議の結果はすぐには公表されず、通常は本場所が始まる2週間前に番付表で発表されることになっていますが、出世に伴っての準備が必要な番付である『横綱、大関、十両』は会議終了すぐに結果が通達される「昇進伝達式」が行われます。

番付を決める基準は4つ

番付を決定する際の基準は大きく分けて4つあります。

1つ目は本場所の成績記録である『本割』を元に、勝ち越し(半分以上勝っているか)もしくは負け越し(半分以上負けているか)を調べて出す「勝ち星」です。勝ち越していればその数だけ星がつき、反対に負け越していれば減ります。その数だけ番付けの中の枚数にも関わってくるのです。

続いて2つ目の基準は「元々の番付の位置」です。勝ち星によって決まる枚数の進退は元々の番付から動きます。平幕の力士がどれだけ勝ち星を挙げたとしても、すぐに大関に昇進する、といったことは当然ながらありません。

3つ目の基準に、「他の力士の勝ち星との兼ね合い」があります。この兼ね合いは委員会の決定に委ねられています。

4つ目の基準がこの兼ね合いの際に判断材料となる「取り組みの内容」です。自分よりも番付が下の力士ばかりに勝った勝ち星よりも、度々番狂わせで勝利した力士の方が比較的評価が上になります。

以上のように番付の基準は入り組んでいるため、次の番付を予想するのは困難を極めます。

三役への昇進ルール

「三役」に昇進するルールは、番付編成の中では比較的シンプルなものです。具体的には、前頭の1枚目(または上位)の力士が、場所を勝ち越すことで繰り上がるという条件になります。

しかし、これは前述した「取り組みの内容」が深く関わってくる場面でもあり、なるべく番付が近い力士と多く勝ち越す必要があります。近い番付の中で勝ち越すことができれば、それは前頭以下の番付よりも頭一つ出て強いということになるのです。

横綱への昇進ルール

大関から横綱への昇進は、直前3場所で合計36勝して2連続優勝しなければいけません。さらに強さだけではなく立ち振る舞いや品格なども『横綱審議委員会』によって厳しくチェックされます。そして前述したように横綱に昇進した力士は引退するまで降格することなくその番付に君臨することになります。

番付表の文字や購入方法について

ここまでの解説で番付について理解を深めた人は番付表を実際に見たり、手に取ったりしたくなるでしょう。そんな人のためにここからは番付表の特徴や購入方法を紹介します。

番付表は行司が手書きで書く

相撲において欠かせない役割を担っている『行司』。あまり知られていませんが、番付表は行司のなかでもっとも達筆の人が手書きで書いているものなのです。文字の隙間なく書かれた番付表はもはや芸術作品といっても過言ではありません。

番付表のフォントは「江戸文字」

現代とは少し違う番付表の文字のフォントは「江戸文字」または「相撲字」と呼ばれるものです。数ある江戸文字の中の「根岸流」と呼ばれる肉厚なものであり、それによって番付表に隙間なく文字を書くことができるのです。

番付表の購入方法

番付表を実際に購入する場合は通信販売ではなく現地販売所に出向く必要があります。その際は1部55円で販売されているため購入すること自体は困難ではありません。

発売日は番付発表の当日からとなっており、相撲ファンは当日に両国国技館に列を作ります。それだけ番付は大事なものなのです。

番付を知れば相撲がもっと面白くなる

本稿では番付についてのいろんな事柄を1記事でまとめました。番付を知れば同部屋力士の中でもどちらが格上かを知ることができ、人気のあの力士が来場所に昇進するかどうかを予想することもできます。そうすることでより大相撲は楽しめるものになっていくでしょう。

 

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