俳句の作り方の基本を学ぼう。奥深き俳句の世界の入口へ

2019.04.10

俳句ブームの到来で俳句を作ってみたいという人が増えてきました。俳句は敷居が高いかと思うかもしれませんが、自分でも作ってみたり、コンテストに応募してみたりすることはできます。まずは俳句の基本を覚えて、奥深き俳句の世界に一歩足を踏み入れてみましょう。

俳句の作り方は簡単。守ることは2つ

日本の俳句は、定型詩としては世界で一番短いともいわれる詩です。たった十七音の短い文の中に、様々な情景・情感がこめられています。

有名な俳句を見ていると高度な技術が必要に思えますが、作るだけなら簡単です。俳句を作るのに重要なことは2つ。俳句作りで守るべき基本的なルールは『五七五のリズム』と『季語を入れる』ことです。

五七五のリズムを守る

まず、俳句の定型は『五七五の音』であることです。このリズムは日本人が非常に心地よく感じるリズムであり、俳句はその音数自体が日本人の心にマッチしているといえるでしょう。例として1つあげますので、詠んでみましょう。

古池や 蛙飛び込む 水の音(ふるいけや かわずとびこむ みずのおと)

松尾芭蕉

リズムの心地よさが感じられたでしょうか。この『五七五の十七音』は俳句の基本的な形ですが、十七音を超える「字余り」や十七音に満たない「字足らず」の形もあります。

俳句初心者が作るには少し難しめですが、あえて心地よく感じないリズムを作ることによって、違和感や強調など様々な効果を生むことができます。また、字余りでありながらもリズムよく詠める俳句を1つあげてみます。

雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る(すずめのこ そこのけそこのけ おうまがとおる)

小林一茶

さらには『自由律俳句』といって、五七五に全くとらわれずに詠む俳句も存在します。ただしこれは、俳句の基本を知ったうえで「あえてルールを崩す」という試みであり、初心者が手を出すべきではありません。

まずは定型の五七五で俳句を作ってみましょう。

季語を入れる

俳句には「季語」を入れることが重要です。たとえば、「雪」なら冬、「桜」なら春が思い浮かびます。このように言葉で季節を表現することができるのが季語です。季語には誰もが連想できるような単語から、調べてみないとわからないものまであります。

先ほどあげた雪や桜は日本の四季において揺るがないことから『事実の季語』として分類されます。

つぎに『指示の季語』というものがあり、これは「冬の海」や「秋の山」のように直接的に季節を指している単語です。

最後に、複数の季節に感じられたり見られるものであっても伝統的な観点から季節が決まっている『約束の季語』があります。この約束の季語は初心者には少し難しく、「月」(秋)や「金魚」(夏)というようにすぐに連想できるもの、「芋虫」(秋)や「兎」(冬)など覚えておかないとわからないものもあります。

俳句は作るときのポイントは?

俳句のルールを確認したら、次は作るときのポイントをおさえます。初心者が俳句を作るときには、難しく考えないことが大事です。感じたこと・言いたいことをそのままに表現しましょう。

感じたことをそのまま俳句に

まずは難しく考えず、感じたままを率直に詠んでみましょう。例えば、今日食べた物が美味しかったこと、旅先で綺麗な風景を見たこと、人生の節目を迎えたことなど。

ささいなことから大きな出来事までなんでも感じたことを俳句にすることができます。まずは感じたことを中心にしてテーマを決めましょう。

ひらめいた言葉を書き出そう

テーマが決まり、「さあ詠むぞ」となっても、すぐに文章にするのは難しいことです。まずは五感で感じたことやひらめいた言葉を書きだしてみましょう。

たとえば、「秋の夜にふと水たまりを見たら満月が映し出されていて、綺麗だなあと思って夜空を見上げたら、映し出された月よりも何倍も綺麗な満月が浮かんでいた」というシチュエーションがあったとします。

この場合、「秋の夜・涼しい・水たまり・歩きにくい・雨上がり・じめじめ・水たまりに映った満月・本物の満月の方が綺麗」などたくさんの言葉が出てきます。

情景が浮かぶような言葉をたくさん書きだすと、いろいろな構想が広がり、思いもかけない良い展開が生まれるかもしれません。

季語はどこに入れてもOK

季語はどこにいれても大丈夫です。まずは書き出した言葉の中から季語を見つけ出しましょう。

注意しておかなければならないのが、季語は旧暦で分けられています。ざっくりと分類すると春は1月~3月、夏は4月~6月、秋は7月~9月、冬は10月~12月です。また、「七夕」は今の8月7日に行われていたので秋の季語になるというイレギュラーなものもあります。

初めのうちは使いたい季語が自分の想像している季節かどうか、確認してから使うといいでしょう。

春夏秋冬の代表的な季語

春夏秋冬、さまざまな季語があります。覚えることも大事ですが、いまではインターネットで簡単に調べることができます。まずは代表的な季語を知って、俳句に入れてみましょう。

  • 春・・・蝶 蛙 花 ひな祭り 入学式 しじみ 春眠 修二会 受験 桃の節句 立春 わらび など
  • 夏・・・朝顔 鮎 鵜飼 蚊 祇園祭り かき氷 花火 風鈴 茄子 鱧 向日葵 氷菓 夜光虫 など
  • 秋・・・赤とんぼ 秋風 荻 きのこ 金柑 銀杏 月 葉鶏頭 文月 松茸 キンモクセイ 紅葉 など
  • 冬・・・北風 クリスマス 氷 炬燵 雪 年の暮 焚き火 木枯らし 神無月 牡蠣 など

また、季語を一覧で調べたいときは、『歳時記』が便利です。シンプルなものから、活用事例を添えた初心者向けのものまで、様々な種類が発売されているので、俳句を詠むならばぜひ手元に置いておきたい一冊です。

季語は一句に一つ

季語は基本的には一句につき一つまでにします。一句に季語が二つ以上入ったものを「季重ね」や「季重なり」と言い、お互いの季語が持ち味を打ち消してしまいます。知らず知らずのうちに季語が重ならないよう注意しましょう。

最後にリズムを整える

最後に書き出した言葉の中から作り出したいストーリーを表す単語を選び、五七五に組み立てていきます。

まずは五七五にあてはめてみて、声に出して詠んでみてリズムが悪くないかをチェックしてみましょう。いまいちしっくりこなければ最初の五音と最後の五音を入れ替えてみたり他の言葉に置き換えてみたりして整えていきます。

組み立てが難しければ、有名な俳句を見て参考にしてみるのも良いでしょう。

子どももできる俳句作り

先にあげたルールさえ守れば、俳句は子どもでも作ることができます。子どもならではの発想でできる俳句には、大人を驚かせる素晴らしいものもあるかもしれません。

また、俳句を作ることによって感受性や言語感覚が豊かになるというメリットもあります。ぜひ、お子様と一緒に俳句作りにチャレンジしてみましょう。

まずはわかりやすく実感の持てる季語で

俳句の題材には、「作者の実感」や「実体験」が向いているといわれています。作者がその時見た・感じたありのままを表現することで、その俳句を鑑賞した人々の心象にも同じ光景・情感を再現することができるのです。

そのため、小学生くらいのお子さんが俳句を作る場合は、本人が実感をもてるようなわかりやすい季語を使い、シンプルな句を作るほうが良いでしょう。難解な季語をつかうのは作者の実感を損ねてしまう可能性もあり、おすすめできません。

ちなみに伊藤園の「お~いお茶」では毎年俳句大賞が開催されています。小学生部門(幼児含む)もありますので、素敵な作品を作ることができたら入賞のチャンスです。この他にも小学生の部がある俳句コンテストは多数あります。

高校生には俳句の甲子園もある?

「俳句甲子園」は高校生だけが出場できる俳句のコンクールです。毎年8月に愛媛県松山市で開催されています。

1998年に初めての開催されましたが、当時はまだ松山市と近隣の高校のみのコンクールでした。近年の俳句ブームとともに開催を重ねるごとに参加校が増え、いまでは全国各地のたくさんの高校が参加しています。

俳句甲子園については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

俳句甲子園ってなに?高校生たちの熱いバトルは見逃せない

俳句作りはとても楽しい

俳句を作ることそれ自体は決して難しいことではありません。最低限の知識さえあれば初心者でも素敵な作品ができることもありますし、子どもだって俳句を詠むことができます。

とはいえ、俳句の世界とは奥深きもの。この記事で紹介したとおりに書けば傑作ができるというわけでは無論ありません。先人たちが築き上げた俳句の世界に足を踏み込む第一歩として、この記事がその一助になれば幸いです。

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