ウイスキーにはさまざまな種類があり、味わいや香りも異なります。「ウイスキーの違いがよくわからない」という人でも違いを楽しめる方法があります。 特徴や魅力に加え、グラスの種類と選び方について紹介していきます。
ウイスキーの魅力
原産国や蒸留所によって味が異なるウイスキーには、どのような魅力があるのでしょうか?
こだわりの詰まったウイスキーは、基本知識を知っていると味わい方も変わってきます。まずは、ウイスキーの魅力についてまとめていきます。
味と香りの豊富さ
ウイスキーの魅力は『味と香りの豊富さ』です。さまざまな種類があるウイスキーは、特徴も風味も異なります。
種類は、使用されている原料や蒸留方法によって、大きく二つに分けられます。麦芽のみを原料にしたウイスキーは『モルトウイスキー』と呼ばれ、トウモロコシなどの穀物を原料にして作られたものが『グレーンウイスキー』です。
さらに、一カ所の蒸留所で作られたものは『シングルモルトウイスキー』と呼ばれ、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたものを『ブレンデットウイスキー』と呼びます。
それぞれに味の特徴が異なり、蒸留の仕方によって風味も変わってきます。こうしたバリエーションの豊かさは、ウイスキー最大の魅力といえるでしょう。
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さまざまな飲み方
『さまざまな飲み方が楽しめる』というのもウイスキーの魅力です。定番とされる飲み方が二つあります。
一つ目は『ストレート』です。ウイスキーをそのままグラスに注いで味わうため、本来の味を堪能できる飲み方です。ウイスキーの味に慣れた通向けの飲み方だと言えます。
二つ目が『ロック』です。グラスに大きめの氷を入れて飲む方法で、冷たさと徐々に溶けた氷水との相性がストレートのときとはまた違った風味を醸し出してくれます。
定番の飲み方以外にも、炭酸水で割って『ハイボール』にし、飲みやすくする方法もあります。ストレートやロックに比べると飲みやすくなるので、ウイスキー独特の香りを楽しみながらすっきり飲めるのが魅力です。
このように、好みに合わせてさまざまな飲み方が楽しめるのも、ウイスキーの魅力といえるでしょう。
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ウイスキーグラスで味が変わる仕組み
種類も豊富で、飲み方によっても楽しみ方が変わるウイスキーですが、使うグラスによっても味が変わります。ウイスキーグラスで味が変わるのは、どうしてなのでしょうか?
グラスによって味が変わるのには、いくつかの理由があります。ウイスキーの特徴も踏まえつつ、その仕組みについて見ていきましょう。
香りの広がり方が変わる
ウイスキーの味が変わる最大のポイントは『香り』です。人間の味覚の95%は鼻で感じるといわれているほど、香りは味を決める上で重要な要素です。
グラスの形状によって味が変わるのは、香りの広がり方や溜まり方が異なるからだといえます。形によって香りが鼻に届くまでの過程が異なるので、それに伴い味も変わってくるという仕組みです。
ウイスキーによって香りの立ち方も異なるため、本格的に楽しみたい場合はグラスにまでこだわると、より味の持つ深みを堪能することができます。
飲み口の違いで味が変わる
人間の舌は、部分によって味覚を感じわけています。甘味・苦味・旨味・塩味・酸味などに分かれている箇所の、どこがはじめに刺激されるかによって感じる味も変わってきます。
そのため、グラスの飲み口は、味を決める上で非常に重要です。飲み口の形状によってどの部分に最初に当たるかが変わるため、それが原因で風味も変化してきます。
ウイスキーグラスの部位と名称
ウイスキーグラスには、部位ごとに名称と特徴があります。部位ごとの形状によって香りの引き立ち方が変わり、それに伴い味も変化します。
グラスの特徴を知ることは、ウイスキーを楽しむことにもつながります。各部位の詳細をまとめていくので、チェックしていきましょう。
飲み口となるリム
唇が触れる飲み口となる部位が『リム』です。この部位は、ウイスキーの口当たりが決まる部分なので、味に直接関わる重要な部位だといえます。
リムが薄く設計されていれば、ウイスキーがスムーズに舌の上に流れ込んできます。直径が小さいと、その分ウイスキーの香りがグラス内部に溜まるため、香りを楽しみたいときに最適です。
また、リムの反り具合によって、ウイスキーが一度に口に流れ込む量が変わってきます。反り部分の長さと角度で口内のどの位置にウイスキーが運ばれるか決まるため、直径や薄さと合わせてこだわりたいポイントです。
香りを溜めるボウル
ウイスキーの香りを溜め込む役割を果たす部分が『ボウル』です。グラスの膨らんでいる部位のことを指します。
グラスの膨らみが大きいと、その分、角度をつけなければウイスキーが流れてきません。そのため、流れ込んでくる際に勢いが加わり、のど越しがよくなるのがこのタイプの特徴といえます。
逆に、膨らみが小さいタイプでは、ゆっくり口の中で広がるようにウイスキーが流れてきます。香りや味を深く楽しみたいときは、膨らみが小さいものが適しているとされています。
持つ部分となるステム
持ち手の部分を『ステム』と呼びます。ステムには、長いものや短いものが存在し、グラスによってはついていないものもあります。
ステムが長いと、それだけウイスキーに温度が伝わりにくく、一定の温度を保ちやすいという特徴があります。さらに、長い方がウイスキーをグラスの中で回転させやすく、香りを引き立てたいときに便利です。
グラスを支えるプレート
グラスを支え、土台となる部分が『プレート』です。ウイスキーをテイスティングするときは、この部分を握って香りを嗅ぐことがあります。
プレートのサイズもいろいろですが、グラス全体を支えなければいけないため、ボウルの直系よりも広く設計されているものが多いです。
テーブルに直接触れるカ所なので、強く置きすぎて割ってしまわないように注意しましょう。
ウイスキーグラスの種類
ウイスキーグラスには、目的や用途に合わせたさまざまな種類のグラスがあります。通向けのタイプやカジュアルに飲みたいときにぴったりのものなど、ウイスキーグラスの種類をまとめていきます。
ストレートで飲むショットグラス
グラスの中で、最もサイズの小さいものが『ショットグラス』です。ウイスキーだけでなく、テキーラやリキュールを飲む際にも使われます。
ショットグラスは、一口の量のお酒を一気に飲み干すために設計されているグラスです。香りや味がストレートに伝わるため、お酒本来の味を堪能できます。
少量とは言えど、ストレートの状態で一気に飲み干すため、飲み過ぎには注意が必要です。
ロックで飲むロックグラス
口が広めに設計されていて背が低いグラスを『ロックグラス』と呼びます。材質にも、陶器や金属、ガラスなど、さまざまな種類のものがあります。
氷と一緒に使用されることが多く、少しずつ溶けていく氷による味の変化を楽しみながらウイスキーを堪能できます。容量は300ml程度が主流とされています。
デザイン性が高く、見た目が美しいものも多いです。そこがしっかりしていて重厚感のあるグラスは、手に取ると気分を盛り上げてくれます。
カジュアルに飲むタンブラーグラス
カジュアルにウイスキーを楽しみたいときに使われるのが『タンブラーグラス』です。このグラスは、ウイスキーを炭酸で割ったハイボールや水割りなどを味わうときに使われます。
6オンス(180ml)・8オンス(240ml)・10オンス(300ml)とさまざまなサイズ展開がされていますが、ウイスキーを飲む際に使われるものは8オンスが一般的だとされています。
通向けのテイスティンググラス
ウイスキーを楽しみ慣れた通向けのグラスが『テイスティンググラス』です。その名の通り、テイスティングする際に使用されるグラスなので、香りが引き立ちやすく、ウイスキー本来の風味を味わうのに適しています。
サイズも小ぶりなものが多いため、ストレートで楽しむときに使われることが多いですが、水割りで味わうことも可能なので、一つ持っておくと便利なグラスです。
ウイスキーグラスの選び方
ウイスキーグラスの種類や、各部位の役割についてまとめてきましたが、実際にグラスを選ぶときにはどのような点に注目すればよいのでしょうか?
ウイスキーグラスを選ぶときにおさえておきたいポイントには、いくつかの着眼点があります。飲み方や気になる価格など、判断するときに参考にしたい要項をまとめていきます。
飲み方と容量
まず、明確にしておきたいのが『飲み方と容量』です。先ほど紹介したように、ウイスキーグラスは飲み方によって形状や容量が異なります。
例えば、ロックやハイボールにして飲みたいのに、テイスティンググラスやショットグラスを選んでしまっては楽しめません。
自分がどのような飲み方でウイスキーを楽しみたいのかを明確にしてから、グラスの種類を決めましょう。
飲み口の薄さ
飲み方が決まり、グラスのタイプに目星をつけたら、次にこだわりたいのが『飲み口の薄さ』です。飲み口の薄さによって、口内に流れてくるウイスキーの量や広がり方が変わります。
一般的にウイスキーを楽しむときに適しているのは、飲み口が薄いグラスです。リムが薄いと口当たりがよくなり、旨味が広がりやすいという魅力があります。
飲み口が薄いグラスは製造するのに手間がかかります。そのぶん、価格も上がっていくという傾向にあります。これらの特徴も踏まえつつ、グラスを選ぶとよいでしょう。
素材と価格
『素材』や『価格』もグラス選びの際に注目したいポイントです。ウイスキーグラスには、さまざまな素材のものがあります。ガラス製のみならず、陶器や金属など種類も豊富です。
例えば、ホットウイスキーを飲みたいとき、耐熱性のものでないとグラスが破損してしまうこともあります。多くの飲み方に適応できるものを選ぶか、飲み方によって素材も変えるとよいでしょう。
価格に関しては、かなり幅広く設定されています。高級な材質が使われているグラスはそれだけ値段も上がりますが、飲み心地もよくなって、よりおいしくウイスキーを味わえます。
それに比べ、手頃な価格帯のものも販売されているため、自分のニーズに合わせて選ぶとよいでしょう。
ウイスキーグラスのおすすめブランド
ウイスキーグラスは、さまざまなブランドから販売されていて、ブランドごとに特徴が異なります。
中でも人気を集めるブランドについてまとめていくので、自分にぴったりのグラスを見つけるためにチェックしてみましょう。
数々の賞を受賞するカガミクリスタル
日本初のクリスタルガラス専門店として創業されたのが『カガミクリスタル』です。
ヨーロッパで数々の賞を受賞し、国内でも皇室の調度品や迎賓館で使用されるグラスとして採用されています。
日本独自の江戸切子で表現されたグラスは、独特の美しさが魅力的です。和の空気感を備えたグラスで飲むウイスキーには、特別な深みと味わいがあります。
フランスで生まれたバカラ
フランスで誕生したガラス食器ブランドが『バカラ』です。フランス国内で最優秀職人の称号を獲得した職人が多く在籍しており、そのデザインと気品のある佇まいからは、世界中で高級ブランドとして賞賛されています。
バカラのグラスは、単体としての芸術性も高いですが、ウイスキーを注いだときにその真価が発揮されます。
ウイスキーとグラスの装飾によって生まれる独特の輝きには神秘的な雰囲気が漂い、リラックスしたひと時を過ごすことができます。
ワイングラスで有名なリーデル
ワイングラスを中心に展開している『リーデル』からも、ウイスキーグラスが販売されています。オーストラリアで誕生したガラス製品のブランドで、世界中のワイン専門家から支持を集めています。
リーデルのウイスキーグラスには、軽量さに特化したものもあります。鉛が含まれていないノンレッドクリスタルというガラスが使われているため、女性でも扱いやすいロックグラスです。
手触りや口当たりのよいグラスが展開されているため、ウイスキーの味を思う存分堪能できます。
プレゼントにも使えるおしゃれなグラス
ウイスキーグラスは、結婚式や誕生日のプレゼントにぴったりのアイテムです。ウイスキーグラスを展開している人気のブランドについて紹介してきましたが、より具体的に、各ブランドの商品についてまとめていきます。
それぞれのブランドごとにこだわりが違うため、どのような特徴があるのかチェックしていきましょう。
カガミクリスタル 校倉
日本のメーカーであるカガミクリスタルから展開されているのが『カガミクリスタル 校倉』です。このグラスには、校倉(あぜくら)と呼ばれる日本の建築様式のデザインが落とし込まれています。
シンプルでありながらも人を惹きつける魅力があるグラスは、長く愛用できる飽きのこない逸品です。主にオン・ザ・ロックでウイスキーを楽しむのに適しています。
山崎や響など、日本のウイスキーと合わせて使いたいアイテムです。クリスタルガラスは急激な温度変化に弱いため、食洗機などで洗わないようにん慎重に扱いましょう。
- 商品名:カガミクリスタル 校倉
- 参考価格:8,100円(税込)
- Amazon:商品ページ
バカラ ベルーガ タンブラー ペアセット
フランスの高級ガラスブランドから展開されているのが『バカラ ベルーガ タンブラー ペアセット』です。
このグラスの特徴は、表面に装飾されている水玉模様です。クリスタルグラスの中でも珍しいこちらのデザインは、ガラスカットの中でも非常に高度な装飾の一つで、バカラの職人の高い技量がわかるグラスに仕上がっています。
バカラの中でも比較的手を出しやすい価格帯なので、恋人とウイスキーを楽しみたい人や、結婚式の引き出物にぴったりのアイテムです。
- 商品名:バカラ ベルーガ タンブラー ペアセット
- 価格:12,000円(税込)
- Amazon:商品ページ
リーデル ヴィノム シングル・モルト・ウイスキー
その名の通り、シングルモルトウイスキーを堪能するために設計されているグラスが『リーデル ヴィノム シングル・モルト・ウイスキー』です。
このグラスの特徴は、外側に沿っているリム部分にあります。香りも味も個性が強いシングルモルトの魅力を口部の広がりによって発散させ、クセだけでなく、深みも堪能できるようになっています。
味わいが深いウイスキーや、クセの強いものを楽しみたいときにぴったりのグラスです。
- 商品名:リーデル ヴィノム シングル・モルト・ウイスキー
- 参考価格:7,344円(税込)
- Amazon:商品ページ
ウイスキーグラスで味と香りをより楽しもう
ウイスキーは、紳士的な大人の嗜みにもなるくらいに奥深く、こだわりを持つことができる趣向品です。さまざまな種類で展開されているウイスキーには、生産者の意志とこだわりが詰まっています。
そんなウイスキーを味わうときには、個性に合ったグラスで思う存分その香りに浸るのがおすすめです。自分の楽しみたいポイントに合わせてグラスを選び、ウイスキーの味と香りを堪能しましょう。
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