ジンの種類で味が様変わり?4種類のジンとそれぞれの代表銘柄

2019.04.09

ジントニックにドライマティーニなど、カクテルのベースとして世界中で飲まれているジンですが、実はジンと一口に言っても沢山の種類があるのをご存知でしたか?今回はジンの種類について、そして種類別のおすすめ銘柄についてご紹介します。

ジンの種類によって変わる味わい

ジンと一口で言っても実は大きく分けて4種類のジンがあり、香りも味わいも種類によって様々。ひとつひとつに特徴があり、それぞれ異なる歴史や文化的な背景があります。

ジンの種類ごとに現れる個性的な香り

4種類のジンに共通しているのはジュニパーベリー(西洋ねずの実)を使用しているという点と、アルコール度数が37.5%以上であるという2点です。

ジュニパーベリーの他の原料はボタニカルと呼ばれる植物由来の成分で、主に香り付けに使われています。ボタニカルには果物の皮やハーブ、木の皮などがあり、ジンの種類や銘柄によって使い分けられているのです。

ジンはボタニカルの選別や配合によって、味や香りが大きく変化していきます。職人達はその香りの付け方に、なによりこだわってジンの完成度を高めているのです。

ジンの種類ごとに違う深みとコク

ジンの種類ごとに深みとコクにも違いがあります。ジンにはいくつもの作り方があり、特に蒸留方法と蒸留回数の違いによって、クリアーなものから深みのあるものまで様々な味わいが作り出されています。

4種類のジンとそれぞれの特徴

ジンには大きくわけてドライジン、オールド・トム・ジン、ジュネヴァ、シュタインヘイガーの4種類があります。ひとつひとつの特徴を見てみましょう。

現代の主流と言われる ドライジン

ドライジンは現代の主流と言われるジンで、バーなどで良く目にする『ビーフィーター』などの、日本でも馴染みのあるジンです。

19世紀に連続式蒸留という手法がイギリスで開発されたことをきっかけにして製造が始まったドライジン。それまでの雑味が多く飲みにくかったジンが、この蒸留方式の開発によって非常に飲みやすくなりました。

連続式蒸留器がイギリスのロンドンで開発されたことから、ドライジンは別名『ロンドン・ジン』とも呼ばれます。

クリアでスッキリした飲み口にボタニカルの風味が漂う、ジンの中で最もポピュラーなドライジンは、味の主張が少なくクセがないためカクテルのベースとして世界中で愛飲されています。

砂糖で味が変化 オールド・トム・ジン

先述しました通り、連続式蒸留が開発される前のジンは雑味が多く飲みにくいお酒でした。そこでジンに2%ほどの砂糖を加えて(またはサトウキビ由来のスピリッツを添加して)飲まれるようになったのが『オールド・トム・ジン』です。

甘くすることで雑味を抑える効果があり、労働者の間で広く飲まれていたのですが、ドライジンの登場によりその人気は少しずつ衰退していきました。

しかしオールド・トム・ジンを使った代表的なカクテル、トムコリンズ用のジンとして、現在でも飲まれ続けています。

昔ながらの製法 ジュネヴァ

ジンはもともとオランダの医学者によって、熱病に効く薬用酒として開発されました。当時は「ジュニエーブル」という名前で呼ばれていましたが、それが少しずつ省略されて「ジュネヴァ」と呼ばれるようになったそうです。

当時ヨーロッパで流行していたマラリアなどの熱病に対し、解熱効果や利尿作用がある医薬品(日本でいう養命酒のような感じでしょうか?)として売り出されました。しかしあまりのおいしさに、お酒としての人気が高まっていったのです。

基本工程はドライジンと同じで、ベーススピリッツに大麦麦芽などの穀物を発酵させて蒸留していきます。この時昔ながらの単式蒸留という蒸留方法で行っているのがジュネヴァの特徴です。

単式蒸留法の特徴はアルコールを高めながらも、素材の風味をしっかりと残すことができるという点にあります。大麦麦芽などの穀物から抽出された芳醇な香りが、消える事なくしっかりと感じられることが最大の魅力です。

ジュネヴァは慣れない人にとっては「クセ」と感じられるような、はたまた好きな人にとっては「風味」と感じられるような濃厚で独特な味わいを持っています。

昔ながらの伝統的な手法で作られた歴史ある風味と深いコクを存分に味わうために、ストレートでじっくり楽しんでいただきたいです。

甘みがポイント シュタインヘイガー

ドイツのシュタインヘイガーという町で主に生産されることからこの名が付けられました。ドライ・ジンでは乾燥させたジュニパーベリーを使用しているのに対して、シュタインヘイガーは生のジュニバーベリーを使用しています。

乾燥したジュニパーベリーに比べて香りが抑えられ、まろやかな風味と自然な甘みを感じることができます。まろやかでありながらも濃厚過ぎない程よい飲みやすさは、ドライ・ジンとジュネヴァの中間と言ってもよいかもしれません。

ジンの種類別代表銘柄

それでは4種類のジンから代表的な銘柄をご紹介します。バーなどでよく見かける馴染みのあるジンから、見たことも無いようなマニアックな一本まで、ご自分に合いそうなジンを探してみてはどうでしょうか?

ドライジン/タンカレー

ドライジンの定番とも言える代表格「タンカレー」。蒸留回数を4回にまで増やし、雑味を極限まで消しながらもボタニカルの華やかな香りはしっかりと漂う、高級感のあるジンです。

タンカレーは爽やかでキレのある飲みやすさで多くのジンファンを魅了してきました。あまりの高級感漂う味わいに「ジンのロールスロイス」とも呼ばれています。

オールド・トム・ジン/ヘイマンズ

1800年代には主流だったオールド・トム・ジンも、ロンドン・ジンの登場でその人気は衰退していきました。

そんなオールド・トム・ジンをビフィーター創業者の子孫であるクリストファー・ヘイマンが再現したのが『ヘイマンズ・オールド・トム・ジン』です。

十種類のボタニカルによる香りのバランスとまろやかな甘み。砂糖を使用していながらジンそのものの甘みも感じさせてくれる、甘味のコントロールが絶妙です。トムコリンズはもちろんのこと、ストレートやロックでも充分に楽しめそうな一本。

ジュネヴァ/ボルス

伝統的な手法で作られるジュネヴァの中でも、1575年創業のボルスは最も歴史ある蒸留所を持つ老舗メーカーです。伝統的な単式蒸留器で三回蒸留し、ジンの風味をしっかりと残したままジンでは珍しく、オーク樽で2年以上熟成させています。

熟成されたジュネヴァは、ウィスキーのようなまろやかさを持つ複雑で味わい深い仕上がりを見せてくれます。少し値段は高めですが、それでも人気が高いジンです。

シュタインヘーガー/シュリヒテ

『シュリヒテ』はシュタインヘイガーを産んだドイツの老舗メーカーです。イタリアのトスカーナ産の生のジュニパーベリーを使って作られた風味と甘みの自然さは、その他のドライなジンのキレとは一線を画します。

ドイツではこのシュリヒテを、ビールを飲む前にショットグラスで飲むそうです。シュリヒテには胃の活動を活発にする効果が期待できるので、悪酔いや二日酔いの予防としても重宝されてます。

お酒をおいしく飲むためにお酒を飲むというのが、いかにもドイツ人らしいですね。

ジンの種類を知って飲み比べ

ジンは種類によってそれぞれ別の風味とコクを感じることができます。無数にあるジンの中から自分好みの1品を見つけるのは至難の技ですが、自分が好きなジンはどのような種類なのかを知ることで、自分の好みの系統がわかってきます。好きなお酒の特徴を知ることで、一生の晩酌のお供に出会えるかもしれませんよ。

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