タトゥーファッションは日々進化を遂げ、さまざまなデザインや入れ方が登場しています。タトゥーを入れるときの注意点や、デザインの種類などについて詳しく解説します。気軽にお洒落を楽しみたい人に最適な『消えるタトゥー』についても紹介しています。
海外を中心に人気のタトゥーファッション
海外は、日本よりもタトゥーに対し寛容で、ファッションとして気軽に取り入れる人々が多くいます。
また、単なるお洒落のためだけではなく、その人なりの信念や意味などが込められていることも少なくありません。
ベッカムはタトゥーで人生を刻む
元サッカー選手のデイヴィッド・ベッカムは、全身にさまざまな模様や文字のタトゥーがあることで有名です。
たとえば、右手首から肩にかけては、妻・ヴィクトリアに捧げるメッセージがあり、後ろの首元には息子たちの名前が刻まれています。
その他に、現役時代の背番号や、チームの優勝と自身の結婚という人生の一大イベントがあった年なども彫られており、ベッカムはタトゥーによって人生を刻んでいるといえるでしょう。
このように、タトゥーは単なるファッションではなく、最愛の人への『想い』や自分の『信念』など、さまざまな意味を込めることができるのです。
タトゥーを入れるまでの流れ
一般的なタトゥーは、皮膚の真皮層よりも深いところに針を入れ、染料で着色していくという方法をとります。一度入れたら消すことは難しいため、しっかりとした下準備や覚悟が必要です。
タトゥーを入れるまでの流れを解説します。
デザインや入れる部位を決める
まずは、デザイン(図柄)や入れる部位、大きさなどを決めましょう。「なぜタトゥーを入れたいのか」という動機づけは、デザインを考える上で大切な要素になります。
絵柄に必ずしも意味を込める必要はありませんが、一度入れたら消すことができないので、後悔しないようにじっくりと考えて下さい。
日本では、タトゥーに対する世間の目はまだまだ厳しいという現実があります。目立つ場所に大きく入れると、社会生活に支障をきたすことも考えられるので、部位や大きさは慎重に決めましょう。
タトゥースタジオを探す
おおよそのデザインや大きさが決まれば、次はタトゥースタジオや彫師を探します。ポイントは以下になります。
- 衛生環境が整っているか
- 彫師が得意とするデザインは何か
- アフターケアは万全か
- 予算内の料金であるか
タトゥースタジオなどの公式サイトに、料金や施術の流れ、アフターケア、注意点などが記載されていれば、信頼度は高いといえるでしょう。
和彫り、洋彫りなど、彫師には『得意とするスタイル』があります。仕上がりの良さを求めるなら、自分のデザインにあった彫師を探すことが重要です。サイトやお店で公開されている作品を確認するようにしましょう。
また、彫師の経験や技術、模様の複雑さによって、料金はかなり違ってきますので、あらかじめおおまかな料金を把握しておくことが大切です。
痛み対策とアフターケア
タトゥーの『痛み』に不安を持つ人も多いでしょう。針が刺さる深さは、皮膚の1mm~2mmといわれていて、痛みの程度は部位やタトゥーの入れ方(スジ彫り・ぼかし・つぶしなど)によって異なります。
『麻酔』は医師免許を所持する者しか扱えないので、タトゥーの痛みを直接和らげる方法はないといえるでしょう。
タトゥーの中でも、ラインを入れる『スジ彫り』が最も痛みが大きいので、彫師と相談して、できるだけスジ彫りの工程を行わないデザインにするなどの方法もあります。
施術中はかなりの体力を消耗するので、前日は飲酒を控え、十分な睡眠をとりましょう。
施術後は、部位を消毒し、抗菌軟膏を塗布、最後に包帯を巻きます。最初のアフターケアやクリーニングについては、彫師から指示がありますので、それに従うようにして下さい。
タトゥーの入れ方の種類
タトゥーの入れ方と種類について解説します。入れ方は『全身』か『部分』のどちらかになります。
全身に入れるボディスーツタトゥー
まるで服を着ているように、全身にタトゥーを入れるやり方を『ボディスーツタトゥー』といいます。
幾何学模様や民族調の『ジオメトリック』や、黒とグレーで立体感や陰影をつける『ブラックアンドグレイ』、龍などの『和彫り』などが人気です。
全体を1つの絵のように見立てるボディスーツタトゥーは、彫師の技量が問われるともいえるでしょう。施術にかなりの時間と労力を必要とするので、料金も高めです。
お洒落なワンポイントタトゥー
海外でも日本でも最も人気があるのが『ワンポイントタトゥー』です。『ミニマルタトゥー』ともよばれ、海外のセレブの間では特に流行しています。
線や円、ハートや星などのシンプルなものから、動物や花などのちょっと複雑なものまで、デザインはさまざまです。
ファッションで入れてみたい人、痛みが苦手な人は、ワンポイントタトゥーがおすすめです。500円玉前後の大きさであれば、料金の相場は1万円~で、1時間前後で完成することがほとんどです。
タトゥーデザインの主な種類
タトゥーには実にさまざまなデザインがあり、一種のアートともいえるほどです。彫師によっても得意な分野が異なりますので、彫師やスタジオを探す際にも、基本的なデザインの知識を知っておくことは必要です。
今回は代表的な3つのタトゥーについて紹介します。
アメリカン・トラディショナル
『アメリカン・トラディショナル』とは、19世紀頃のアメリカではじまった伝統的なタトゥーデザインのことで、『オールドスクールタトゥー』ともいわれます。
アメリカの水夫などが入れていたタトゥーが原型となっており、羅針盤、錨、星などの航海にまつわるものから、薔薇や獰猛な動物、ピンナップガールまで、いくつかのデザインがあります。
アウトラインはシンプル且つはっきりしており、黒、赤、緑、黄、青などの色を用いる傾向があります。
花デザインの中でも人気。薔薇の意味とは
アメリカン・トラディショナルの定番デザインで、男女問わず人気なのが『赤い薔薇』です。『情熱』や『真実の愛』などの意味があり、蛇や鷲などの動物や、どくろなどと一緒に描かれていることもあります。
花びらの縁に少し余白を残して、立体的に見せるのがアメリカン・トラディショナル流です。
リアルなポートレートタトゥー
肖像画や人物画をリアルに描いたものを『ポートレートタトゥー』といいます。
最愛の人や、いつまでも心に残しておきたい亡き人、尊敬している偉人、宗教上の人物などがモチーフになることが多いです。最近では、愛犬などのペットを入れる人も増えています。
数あるタトゥーデザインの中では、ポートレートタトゥーは難易度が非常に高く、彫師には精巧な描写力が求められます。
男らしいトライバルタトゥー
『トライバルタトゥー』は、民族・部族の風習として約2000年前から存在していたといわれています。太陽、火など自然をかたどったデザインや幾何学模様、部族の独自のモチーフが多く、原始的な要素や強さを感じさせるのが特徴です。
黒の線や、黒の塗りつぶしを主体としていることが多く、より男らしさが強調できるといえるでしょう。
珍しいタトゥーの種類
タトゥーは常に進化を遂げています。「人と違ったものがいい」という人におすすめの珍しいタトゥーを紹介します。
まるで芸術?水彩画タトゥー
タトゥーは、アウトラインをしっかりと描いたり、塗りつぶしたりする、はっきりとしたものが多いですが、『水彩画タトゥー』は、アウトラインをとらず、絵の具でにじませたような絶妙な色使いが特徴です。
ふんわりとぼかしたような水彩画タトゥーは、どことなく優しさや芸術性が感じられ、女性にも人気があります。
目立ちにくいホワイトタトゥー
『ホワイトタトゥー』は、発色のよい白インクが開発されたことによって可能となった最新のタトゥースタイルです。
白のインクは、明暗をつけるのが難しく、彫師の経験と技術が試されるといえるでしょう。レースのような華麗なデザインもあり、従来のタトゥーが苦手な人にも支持されています。
施術直後は綺麗な白色ですが、時間が経つにつれ肌色に馴染み、絵柄が見えにくくなってしまうという特徴があります。
消えるタトゥーの種類
タトゥーの中には、肌を傷つけず、時間が経てば消えるものもあるのをご存じですか?ファッションとして最適な『消えるタトゥー』を2種類紹介します。
ヘナで肌を染めるヘナタトゥー
植物の『ヘナ』を使って肌を染める『ヘナタトゥー』は、インドや中東、アフリカなどの諸国でよく用いられる伝統的な技法です。
ペーストしたヘナをチューブに入れ、少しずつ絞りだしながら絵を描いていきます。肌に色を乗せるだけなので、痛みは全く感じません。染めた直後はオレンジ色ですが、次第に茶色になり、2、3日後が最も濃く色づきます。
個人差がありますが、およそ1~2週間ほどで色はなくなります。
植物由来成分で染めるジャグアタトゥー
『ジャグアタトゥー』は、植物由来のエキスを使い、肌の表皮を一時的に染色します。痛みはなく、およそ1~3週間で徐々に消えていきます。危険性は少ないですが、植物性のため、肌の弱い人はかぶれやかゆみに注意する必要があります。
ジャグアタトゥーは、色のバリエーションがなく、『紺色のみ』となります。施術後は、薄いグレーのようで目立ちませんが、48時間かけて徐々に濃さを増していきます。
個性やメッセージをタトゥーに込められる
タトゥーを入れる動機も、そこに込めるメッセージも人それぞれです。一度入れたら一生肌に残るものなので、後悔しないような選択をしたいものですね。
温泉やジムの利用禁止など、日本ではタトゥーをしている人への目が厳しいことも覚えておいて下さい。
ファッションとして気軽に楽しみたいという人は、ヘナタトゥーやジャグアタトゥーがよいでしょう。