バイクで移動し、観光やグルメなどを楽しめるバイクツーリングは自由度が高い反面、事前にしっかり準備をしておく必要もあります。そこでここでは、バイクツーリング入門者必見の基本情報やおすすめツーリングスポットをまとめました。
バイクツーリングの魅力
気の赴くまま、好きな場所へ行けるのが、バイクツーリングの魅力であり醍醐味です。1人旅はもちろん、グループでのツーリングで、新たな旅の魅力を再発見してみましょう。
景色や食べ物など楽しみ方は無限大
バイクツーリングは自由度が高い旅ができるので、行く先々で、これまで見たことがない景色や味わったことのない食べ物に出会えるチャンスも広がります。
行き当たりばったりで出会いの楽しさを感じることができたり、あらかじめ目的を決めて計画的に旅先へ向かうなど、さまざまな経験を求めてバイクを走らせることができるツーリングは、楽しみ方がまさに無限大と言えるでしょう。
みんなでワイワイ マスツーリング
1人で走行するツーリングは、同じようにバイク乗りの仲間がいれば、複数名で楽しむこともできます。
複数名でのツーリングのことを『マスツーリング』と言い、仲間と一緒にバイクを走らせて、旅先でさまざまな光景やグルメをともに楽しむことができます。
また、バイク用のインカムを装着していれば、運転中に仲間とのコミュニケーションを取ることもでき、マスツーリングがさらに充実するでしょう。
自由気ままに非日常体験 ソロツーリング
基本的に、ツーリングは1人で行う『ソロツーリング』となることも多いものです。仲間とのマスツーリングも楽しいものですが、ソロツーリングは自分の行きたいところに向かって走れる自由度の高さが何よりの魅力です。
また、ソロツーリングは、時間が空いたとき、気が向いたときにすぐ旅を始められます。これこそ1人旅における自由度の高さがあってこそでしょう。
バイクツーリングのための装備
ツーリングは、バイク1つでできるものではありません。前もって必要な装備をしっかり準備しておけば、安心してツーリングを楽しめるでしょう。
ヘルメットや手袋などの必需品
言うまでもなく、バイクに乗るときはヘルメットの装着が必要です。走行中の転倒などの事故により頭部を強打することも考えられますから、安全のためにヘルメットは必ず用意しておきましょう。
身につけるものとしては、手袋も用意しておくべきです。こちらも素手で運転していると、万一事故を起こしたときのダメージが大きいからです。
メッシュ生地やゴアテックス、防水性の高いものなど、時期やコンディションによって手袋を使い分けると、快適な走行ができるでしょう。
シートバッグやウエストバッグ
宿泊を伴うツーリングのときには、それなりに荷物が多くなるでしょう。しかし、バイクそのものには収納性はほとんどないので、荷物を収納するためのバッグを準備しておくことをおすすめします。
バイクのリアシートなどに固定する『シートバッグ』は、サイズや容量が異なる多くの製品が市販されています。荷物の量に応じて容量を変えられるタイプのシートバッグもあります。
携帯電話や財布などの貴重品を持ち歩くには、身につけられるウエストバッグがおすすめです。少し大きめの容量であれば、日帰りのツーリングで使うのにも十分でしょう。
レインウェアや修理キットなど常備品
バイクに乗っているときの天候は、当然常に晴れているわけではありません。雨予報が出ていなかったとしても、走行する場所によっては突然雨に降られることも考えられます。
天気予報をチェックしていたとしても、その精度は100%ではありません。たとえ雨予報が出ていないとしても、レインウェアやレインジャケットは最低限持ち歩いておきましょう。
レインウェアのおすすめは、裾部分がバタつかないタイプやジャケットとパンツに分かれたツーピースタイプで、シフトが引っかからない足元が絞れるものがおすすめです。
雨と同じくらい予想していないときに起こり得るのが、故障です。バイクそのものの故障以外に、タイヤのパンクもツーリングで想定されるトラブルです。
このような場合に備えて、工具やパンク修理用具、予備パーツなどの修理用具を常備しておきましょう。
その他あると便利なアイテム
上記のアイテムは、ツーリングのときに持参しておきたい必須アイテムですが、その他にも持っていれば便利なアイテムがあります。
GPSなどのナビやETC
GPSやGPSを使用したナビは、現在置を示してくれるアイテムです。行ったことがない場所や道に迷ったときなど、目的地を検索すると現在地からのルートを示してくれるので、便利でしょう。
最近ではナビ機能が利用できるスマホアプリも多いので、ナビ代わりとして活用できます。
また、ETC車載器とETCカードは、高速道路を走るのであればぜひ持っておきたいアイテムです。ETC限定割引なども受けられるため、高速道路料金もお得になります。
ナックルガードやスロットルアシスト
全身で風を受けながら爽快に走れるバイクですが、冬や悪天候時は寒さも倍増し、強風のときには風で障害物が飛んでくる可能性もあります。そんな状況から守ってくれるのが、ナックルガードです。
『ハンドガード』とも呼ばれることからも分かるように、ナックルガードはハンドルを握る手や指先をガードしてくれるものです。雨天時にも濡れを防げるので、長距離ツーリング時には重宝するでしょう。
さらにスロットルアシストは、常時ハンドルを握っていなくてもアクセルを回せ、一定速度をキープしやすくするアイテムです。
長時間のツーリングでは、アクセルを握りっぱなしで疲れを感じやすいものですが、スロットルアシストがあれば、手の疲れを軽減できます。
USBソケットやスマホホルダー
もはや生活必需品の1つであるスマホは、ツーリング時にも携帯している人が大半ではないでしょうか。しかし、充電が切れてしまっては持ち歩く意味がありません。
そんなスマホやナビなどを充電できるUSBソケットは、ツーリング中のスマホの充電切れ問題を解消でき、ナビの充電も可能です。持っていると便利でしょう。
スマホをツーリング中に使うためには、スマホホルダーを使用するのもおすすめです。ナビ代わりに使う場合は特に、スマホホルダーがあるとルートの確認がしやすくなるでしょう。
キャンプツーリングにはテントなども装備
バイクで行く先々でキャンプをする『キャンプツーリング』のときは、キャンプ用品が必須となります。テントをはじめとして、マットやシュラフ、コンロなど寝泊まりができる一式を持っておくといいでしょう。
バイクツーリングの服装
長時間の走行を行うことも多いバイクツーリングをする際は、服装にも気を遣いましょう。普段着で走行していると、思わぬ体への負担を感じ、ツーリングを続行できなくなることもあります。
ツーリングで着用するのに最適な、おすすめの服装を紹介します。
風が吹いてもバタつかない長袖タイプ
トップスには、バイクに乗るときを考慮してライディング中に受ける風にバタつかないように設計されている長袖のライディングジャケットが適しています。
走行中の服のバタつきは疲労にもつながるため、ツーリング中はライディング用のトップスがおすすめといえます。夏場の気温が高いときは長袖を着るのがためらわれますが、転倒時に体を守ってくれるので、できれば長袖を着用しておきましょう。
長ズボンで耐摩擦が強いもの
トップス同様に、ボトムスも風でバタつかない服が基本です。ライディング専用のパンツの他、バイク用のジーンズもバタつきを抑えた作りになっているのでおすすめです。
また、バイクに乗るとボトムスとの間に摩擦が生じ、破れやすくなることがあるので、耐摩擦性が高いパンツを履いていれば安心です。
ボトムスも長ズボンが基本で、ハーフパンツなどの足を露出するものは転倒時のケガのリスクを考えても避けるべきです。暑い時期は、メッシュ素材など通気性の良い素材の長ズボンを履くといいでしょう。
ツーリングには靴選びも重要
靴選びも、ツーリングでの服装のポイントのひとつです。スニーカーのような紐靴は、靴紐がほどけてバイクに絡まり、事故につながる危険があるのでおすすめできません。
では、どのような靴がツーリングに適しているかというと、やはりバイクに乗るために作られたライディングブーツやライディングシューズです。
ライディング専用の靴は、足首を保護するプロテクターを装備し、透湿防水性が高い素材を採用しているなど、どんなコンディションのライディングでも快適な足元をキープできます。
冬のツーリングの注意ポイント
オールシーズン楽しむことができるツーリングですが、冬は路面状況や天候などの理由から、他の季節よりもツーリングの難易度が上がる季節です。
冬にツーリングをするときには、以下のポイントを注意しておきましょう。
事前にバッテリーやタイヤの空気圧を確認
気温が下がる冬は、バッテリー性能が低くなりがちです。さらにバイクに乗る機会も減りがちなので、ツーリングへ出る前に必ずバッテリーを確認しましょう。
ウィンカーの点滅が早い、ヘッドライトの光が弱いなどの症状を感じているのであれば、バッテリーが弱まっている可能性があるため、バッテリーの充電または交換が必要です。
そして、気温が低い時期は空気の密度が薄くなることから、タイヤの空気圧に影響する場合があります。バイクに乗る頻度が減ることからも、空気圧がいつの間にか既定値より低くなっていた、ということもありがちです。
ツーリングに出る前には、既定値までタイヤにしっかり空気が入っているかどうかをチェックしておきましょう。
道路の路面状況に注意する
当然ながら、気温が下がる冬の路面は凍結のリスクがあります。特に山間部は標高が高くなるにつれて気温も下がるため、路面が凍結する危険は高まります。
これに対し、海沿いは日差しが十分に当たるところが多いことから、山間部よりも路面凍結の危険が低いものです。このことからも、冬場のツーリングは山間部よりも海沿いを走るのがおすすめです。
冬は、日の出・日の入り時刻も注意しておきましょう。他の季節よりも冬は太陽が出てくる時間が遅く、沈む時間が早くなります。
その分、気温が下がる時間も早く、路面が凍結しやすくなるので、出発時間や帰宅時間、走行する時間帯にも気を配りましょう。
防寒対策が超重要
冬場のツーリングでは、何をおいても防寒対策が最重要項目です。
バイクでの走行中は、速度が10km上がるにつれて1度体感気温が下がると言われています。つまり、時速60kmで走行中は、実際の気温より体感気温は6度低いということになります。それだけに、普段着よりもしっかりとした防寒対策が必須です。
トップスには冬用ジャケットに保温インナー、そして首周りから外気が入らないよう、ネックウォーマーを着用するのもおすすめです。ボトムスは、防風ジーンズのインナーにタイツを重ね着すると、より高い防寒効果が望めます。
手元は冬用グローブを着用した方がいいですが、それでも暖かさが足りないという場合は、電気の力で暖める電熱グローブを着用してもいいでしょう。
ツーリング用バイクの選び方
ツーリングで乗るバイクは、快適に長時間走行できることが第一です。走行する距離や目的によって、適したバイクの種類も異なってくるので、以下のポイントを参考にして、自分に最適なバイクを選びましょう。
バイク選びで意識したいポイント
ツーリングは長時間走行するものなので、乗り心地の良さが大事です。例えば、以下のようなポイントを押さえているバイクなら、快適にツーリングができるでしょう。
- ストレスないハンドリングができる
- 癖やストレスないアクセルワーク
- シートがしっかりしている
快適性を重視したツーリング向きのバイクなら、これらの条件を満たしているはずです。その他にも、燃費の良さや荷台の有無なども、快適なツーリングのためのポイントとなります。
短距離なら250ccクラス
長距離走行が多いツーリングですが、そこまで長距離ではなく、短距離でツーリングを楽しみたいという人には、軽量な250ccクラスのバイクが適しています。
車体が軽いので扱いやすく、高速道路や林道での走行にも問題ありません。
快適に楽しむなら400cc以上
250ccクラスよりもっとパワーがほしい、もっと長距離を走りたいのであれば、400cc以上のバイクを選ぶといいでしょう。
このクラスになるとさすがに重量はアップするものの、ロングツーリングも可能で、長距離でも安定した走りができます。
関東のおすすめツーリングスポット
ツーリングは、気の向くまま行きたいところに行くのが楽しいものです。ですがたまには、ツーリングスポットとしておすすめの場所へ行ってみるのも楽しいはずです。
そこで、関東地方でツーリングするのにおすすめのスポットを3カ所紹介します。
一番身近なツーリングスポット 奥多摩湖
東京都内でツーリングに出かけるなら、奥多摩湖周辺が最も身近なスポットではないでしょうか。都内から十分日帰りできる距離なので、手軽にツーリングが楽しめます。
奥多摩湖の周囲を走れる奥多摩周遊道路は、『バイク乗りの聖地』と呼ばれることもあるタイトなコーナーが多い道なので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、多摩川の上流に位置する奥多摩湖は、四季折々の美しい景観を望める場所です。キャンプ場などのレジャースポットも豊富なのも魅力です。
最適なツーリングコース 神奈川の三浦半島
関東地方の南端に当たる神奈川県の三浦半島は快走路が整備されていることから、多くのライダーがツーリングを楽しむスポットです。
海風を感じながら三浦半島を1周するコースは、ツーリングの定番です。特に夕方は、美しい夕日の中を走り抜けることができます。
三浦半島には、東京湾と太平洋を望む定番スポット『観音崎灯台』のほか、三浦半島最南端に位置する城ヶ島にある洞穴『馬の背洞門』などもあり、海の幸が豊富な土地柄なので、観光とグルメも十分楽しめます。
美しい景観が自慢 群馬県の渋峠
横手山と白根山の間に位置する『渋峠』は、群馬県と長野県の県境近くにあります。日本の国道最高地点があり、標高は2172mと真夏でも冷涼な場所です。
標高が高い場所なので冬場のツーリングは厳しいですが、特筆すべきは秋の紅葉シーズンです。日本国道最高地点から眺める絶景は、『死ぬまでに一度見たい』と言われるほどです。
バイクツーリングで日本中を駆け回ろう
関東地方に限らず、日本各地にはツーリングを楽しめるスポットは数多くあり、その先々でさまざまな観光スポットやグルメなどを楽しめます。
バイクで日本中を走行して、それぞれの土地で新しい魅力を発見できるのは、バイクツーリングの大きな魅力でしょう。
自分だけの目的をもって、出かけてみてはいかがでしょうか。