ジンの原料は杜松(ねず)の実?いま大注目のジンの基礎知識を押さえよう!

2019.04.06

ジントニックやジンライムなど、ジンを使ったカクテルはバーや居酒屋で大人気ですが、そのベースとなるジンについてはあまり知られていません。実はジンはストレートやロックでも十分楽しめる酒なのです。今回はジンの原料についてまとめてみました。

ジンというお酒を深く知ろう

ジンと言えばジントニックやマティーニなどのカクテルベースとして知られています。ワインやウィスキーなどに比べると脇役的なお酒のようにも見えますが、実はそのポテンシャルの高さと深い歴史は他のお酒に全く引けを取りません。

ジンの定義とされる2つの条件

ジンと定義される条件として

  1. ジュニパーベリーをメインフレーバーとして使用している。
  2. アルコール度数が37.5%以上である。

という二点があげられます。

ジュニパーベリーとは、西洋杜松(せいようねず)と呼ばれる針葉樹の実です。ベリーという名前が付いているので、イチゴやブルーベリーのような甘酸っぱい味をイメージされるかもしれませんが、どちらかと言えば胡椒の様なスパイシーさとウッディーな苦味のある風味が特徴の果実です。

このジュニパーベリーを使って香り付けをし、アルコール度数が37,5%以上であれば、ジンという名前を付けることが出来ます。逆に言えばジュニパーベリーさえ使っていれば、他はどのような原料を使ってもジンと呼ぶことができるのです。

ジンはどのように作られている?

ジンはベーススピリッツにボタニカルで風味付けをして仕上げられます。ベーススピリッツとは大麦やトウモロコシ、小麦、ジャガイモなどの穀物を発酵させてできた度数の低いお酒です。そこにジュニパーベリーを含む数種類のボタニカルを抽出して風味をつけながら蒸留していきます。

ボタニカルとは最近化粧品やシャンプーなどの材料としてよく耳にしますね。植物由来成分などと表現されていますが、ジンにおいては特に果物の皮や木の皮、草根、その他ハーブ類などの香りの強いものが主に使われています。

ジンの主要生産3カ国

日本酒といえば日本、ウイスキーといえばスコットランド、ワインといえばフランス。ではジンといえばどの国が有名なのでしょうか?

ジン発祥の地・オランダ

ジンの主要生産国としてまずあげたいのがオランダです。ジンはもともとオランダの医学博士が当時流行していた熱病に効く薬用酒として開発したという歴史があります。オランダ人にとってジンは自国のお酒として今でも大事に飲まれているのです。

当時オランダでジンは『ジュニエーヴル』という名前で呼ばれていました。それが17世紀頃イギリスに渡り、少しずつ呼び名が省略されてジンと呼ばれるようになっていったのです。

現在オランダ産のジンの多くは「ジュネヴァ」と呼ばれ、独自の規定を設けドライ・ジンとははっきりと区別されています。ジュネヴァは昔ながらの蒸留方式で作られる深い味わいが特徴的なジンです。

ロンドンジンでおなじみ、イギリス

次に紹介したい生産国はドライ・ジンを生み出した国イギリスです。ジュニエーヴルがオランダからイギリス・ロンドンに渡り、連続式蒸留という技術が開発されました。

これによってジュニエーヴルの強い雑味を取り除くことができるようになり、ドライでキレのある現在のドライジンが完成します。

別名ロンドンジンとも呼ばれ、飲みやすくなり価格も安かったことから労働者に愛飲されました。しかしアルコール中毒の患者が激増したことによって、ジンは悪影響を及ぼすお酒というレッテルが貼られてしまったこともありました。

ビールだけじゃない!ドイツ

ジンの主要生産国3カ国目はドイツ。ビールの国というイメージの強いドイツですが、意外にもジンの生産地でもあるのです。ドイツ産のジンと言えば『シュタインヘイガー』オランダ産のジュネヴァをドイツ産にアレンジしたのが始まりとも言われています。

ドライ・ジンやジュネヴァが乾燥させたジュパーベリーを使っているのに対して、シュタインヘイガーは生のジュニパーベリーを使用しています。生のジュニパーベリーを使うことによって、香りがマイルドになり自然な甘みを感じられるジンに仕上がります。

ドイツではビールを飲む前に胃を活性化させて悪酔いを防ぐ目的で、シュタインヘイガーをショットグラスで1杯飲む習慣があるそうです。

もともとはオランダで生まれたジンですが、世界中に広まるにつれて風味の付け方や飲み方も少しずつ変化していったのですね。

日本で人気を集めるジンの原料となる成分とは?

先述したとおりジンのメインとなるフレーバーはジュニパーベリーですが、その他味の決め手となる原料はメーカーによって様々です。次に日本で人気がある銘柄の原料についてまとめてみました。

ジンファンを魅了する『タンカレー』の原料

ドライジンの定番タンカレーは、日本に限らず世界中で愛されているドライジンの代表格。蒸留回数を4回まで増やし雑味を極限まで抑えながら、高品質なボタニカルの華やかな香りがしっかりと漂う高級感が人気です。

原料にも特別なこだわりを持って作られています。ジュニパーベリー、アンゼリカ、コリアンダーなどのボタニカルに加え、オレンジ、ライム、グレープフルーツなどの柑橘系は、生の果実を使って香り付けされています。

生の果実を使用することによって、華やかさに加えて自然な柑橘類の爽やかさが生み出されているのですね。華やかで高級感ある味わいは「ジンのロールスロイス」とまで呼ばれています。

  • 商品名:タンカレー ロンドン ドライジン
  • 価格:1,728円
  • 商品ページ

200年以上の歴史を持つ『ゴードン』の原料

1769年に開発された歴史あるゴードンのジン。開発年の1769年にちなんだレシピは「1769のレシピ」として200年以上大事に守られ続け、現在もそのレシピを知る人は世界で12人しかいないそうです。

そのため細かい原料はわかっていませんが、ジュニパーベリーの香りが非常に豊かであることから、ジュニパーベリーを多く使用しているということが推測できます。使われている原料を想像しながら飲んでみるのも、楽しい飲み方かもしれません。

  • 商品名:ゴードン ロンドン ドライジン
  • 価格:1,342円
  • 商品ページ

上質な香り『ビーフィーター 』の原料

バーや居酒屋などに行けば必ずと言ってよいほど目にするのがビーフィーターのジンです。レモンピール、オレンジピールの柑橘系に加えてアーモンド、コリアンダー、リコリス、アンジェリカの根などのスパイシー系とウッディー系のボタニカルを多く使っているのが特徴的です。

このスパイシー系のボタニカルの豊富さが、キレのあるスッキリした飲み口を生み出しているのでしょう。ビーフィーターのジンはこのクセのない飲み易さで日本だけでなく、世界中で高いシェアを誇っています。

  • 商品名:ビーフィーター ジン
  • 価格:1,070円
  • 商品ページ

爽やかさが特徴『ボンベイサファイア』の原料

1987年発売の比較的新しいジン、ボンベイサファイア。レモンピール、コリアンダーのような柑橘系とアーモンド、アンジェリカ、クペパのようなナッツ系の香ばしさがバランスよく配合されています。

そこに、グレインズオブパラダイスという耳なじみの無い素材が使用されています。グレインズオブパラダイスはギニアショウガの種を乾燥させたものです。

ボンベイサファイアの独特でスパイシーな香りのアクセントとして重要な位置をしめています。ボンベイサファイアはアルコール度数が47%と一般的なジンより高めですので、注意してから飲みましょう。

  • 商品名:ボンベイ・サファイア
  • 価格:1,780円
  • 商品ページ

圧倒的高品質『ヘンドリックス』の原料

今世界中で巻き起こっているクラフトジンブームの先駆けとも言われる高級ジン『ヘンドリックス』。

ヘンドリックスは11種類の厳選されたボタニカルを使用しています。カモミールや、オレンジピール、コリアンダー、レモンピールなど柑橘系や酸味のあるボタニカルを多く盛り込んでいるのが特徴的です。

その上に、バラやキュウリという珍しいフレーバーを入れることで、非常に深みのある香りに作り上げています。少しお値段は高めですが一度は試していたいジンです。

  • 商品名:ヘンドリックス ジン
  • 価格:3,238円
  • 商品ページ

ジンの原料を感じる3つ飲み方

ジンの原料の豊富さがわかった所でその原料の味わいを感じるための3つの飲み方を紹介します。

飲む前に香りを楽しむ

ジンに限らず言えることですが、飲む前にまずは香りを楽しむことで味のイメージをしてみましょう。特にジンはここまで述べてきましたとおり、香り付けを何より大事にしているお酒です。

柑橘系や木の実、ハーブがもたらす香りは森の中に居るかのような、自然な心地よさを感じさせてくれます。

ストレートで飲んでみる

好みは分かれますが、ジン本来の香りと味わいを感じられる飲み方はやはりストレート。初心者の方には抵抗があるかもしれませんが、そんな方は冷蔵庫で冷やしてから飲む飲み方をおすすめします。

冷やすことで独特の香りが少し弱まりながらも、ドライさは増してくれますので格段に飲みやすくなりますよ。

トワイスアップで飲んでみる

トワイスアップとはジンと水を1:1で割る飲み方です。ジンの味が1番わかる飲み方として、プロのテイスティングもこの飲み方が主流になっています。

アルコール度数の強いお酒は水を入れると香りが開き味わいが変化しますので、トワイスアップで上質なジンをじっくり楽しんでみると新しい発見があるかもしれません。

無数の味わいを愉しめるジン

ジンはお酒の中でも数多くの種類と銘柄が存在するお酒です。存在する数だけ無数の個性や味わいがありますので、その中で自分好みの1品を探すのも1つの醍醐味かもしれません。

原料から自分好みの風味や味わいを見つけていくのも楽しそうです。好みのジンが見つかった際には是非原料も気にしてみましょう。

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