オリンピック競技に選出!今大注目される空手の型とは何か?

2019.04.03

東京オリンピックまで間もなくです。今回の東京オリンピックでは空手が含まれているため、この機会に空手の基礎知識を身に着けておきたい方も多いと思います。空手といえば、型が重要という話をよく聞きますが、具体的に型とはどういうものなのでしょうか?今回は空手初心者でも分かる、型の意味や有名な流派、代表的な型の種類を解説します。

空手の型の基本と意味、歴史とは?

まずは空手における型の基本的なトピックについて触れてみましょう。

型の基本と意味

型とは昔から伝えられている攻防の技を、1つの決まった流れで固定化したもので、現代では演武の1種として採用されています。

型の長さは人により異なり、数十秒程度のものから数十分程度のものまであります。

型を習う意味は、なんといっても空手における基本的な技を会得するのに繋がるからです。空手選手なら誰しもが型を練習しますし、型専門の選手も決して珍しくありません。

型の歴史

空手の型の演武が初めて公開されたのは1922年。開催された第1回体育展覧会で、富名腰義珍(ふなこしぎちん)という沖縄人が披露しました。これをきっかけに、大学などに空手部ができ始め、空手は急速に広まっていきました。

富名腰義珍が沖縄人のため、空手の源流は沖縄にあるといわれていますが、発祥は中国とされています。

1922年時点では、空手は「唐手(からて)」と呼ばれており、中国を表す言葉である「唐」を用いていたことからもその名残が見て取れます。

型で審査されるポイント

大会などでは、審査員にとって、選手が繰り出す型の判定が行われます。評価されるポイントは主に以下3つです。

  • 演武に型の意味や定義が現れているか
  • 正確に技を出せているか
  • 迫力やキレ、強弱がある動きか

さらに演武には個人戦と団体戦の2つがあります。

個人で演武を行う際は、型の正確性や知識などが評価対象になりますが、団体戦では演武の一体感もプラスで見られるため、個人戦よりも団体戦の方がシビアです。

知っておきたい!空手の型の4大流派

演武などを見るなら、やはり型の流派は抑えておきたいです。今回は空手の四大流派と呼ばれる、空手の中でも特に有名な流派を紹介します。

剛柔流

剛柔流(ごうじゅうりゅう)は四大流派の1つであり、同時に沖縄三大流派(剛柔流、上地流、小林流)の1つでもあります。空手の流派として有名な、あの極真会館も剛柔流の流れをくんでいます。

中国拳法が琉球に伝えられた際、剛柔流の開祖である宮城長順(みやぎ ちょうじゅん)は、那覇で「那覇手」と呼ばれる拳法を学びました。

那覇手に宮城長順独自の要素を多数加えて剛柔流が誕生したため、剛柔流は那覇手の流れを引き継いだ流派といえます。

流派としては、攻撃よりも守りに重点をおいており、突きや蹴りよりは、受けや払いの練習を積極的に行います。また攻撃する時は、相手に接近して戦うのが一般的です。

代表的な型は5つあり、サンチン、サイファ、セイユンチン、セイサン、スーパーリンペイ。この他にもさまざまな型があり、流派の中ではかなり多い部類です。

和道流

和道流(わどうりゅう)は、後述する松濤館流から枝分かれした流派です。開祖は大塚博紀(おおつか ひろのり)という昭和の空手家です。

大塚博紀は元々柔術を習っており、自分が会得した空手に柔術の要素を加えられないかと考案。その結果和道流では投げ技や足技などの柔術の要素が多く取り入られました。

柔術としての面影があるため、和道流のポイントはなんといっても相手の攻撃を効率よく受け流したり、上手く攻撃に転ずるなどの防御型の戦法です。

また各動きにも無駄が少なく、合理的に戦うのが得意ともいえます。

松濤館流

松濤館流(しょうとうかんりゅう)も剛柔流同様、沖縄で発展した流派が元となっています。沖縄の地名である首里で誕生した「首里手」の流れをくんで、今の松濤館流があります。

先に紹介した和道流は、松濤館流から枝分かれした流派といわれており、韓国などで有名な格闘技「テコンドー」もまた松濤館流がルーツといわれています。

松濤館流の実質的な開祖は、冒頭で紹介した富名腰義珍といわれておいることからも、松濤館流は空手における非常に重要な流派です。

多くの人がこの流派を学んでおり、警察や自衛隊が学んでいる空手も、この松濤館流といわれています。

動きに関しては非常にダイナミックで、遠くから一気に飛び込んで距離をつめたり、素早さを活かした足技が多かったりと、流派の中でも見栄えが良い部類です。

糸東流

糸東流(しとうりゅう)は、多種多様な格闘技の要素を取り入れた流派です。

糸東流の開祖である摩文仁賢和は、那覇手と首里手という沖縄の2大流派を学び、さらには沖縄の松村派、新垣派などの有名な流派を会得。

さらには琉球古武術の棒術、釵術など、空手以外でもさまざまな武術を学び、自分がこれまでつちかってきた武術を1つに束ねた結果生まれたのが糸東流です。

その結果、糸東流では蹴りや突きだけでなく、投げ技や関節技も採用しており、総合格闘技のように攻撃手段が充実しています。また型の数が非常に多く、4大流派の中では糸東流が最も型の数が充実しています。

かっこいい!空手の型の中でも代表的な型

さまざまな流派がある空手ですが、型もまた多種多様。古くから伝えられてきた空手の型には、その流派を代表する技や教えが含まれています。

今回は型の中でも特に有名な型を3種類紹介します。

サイファ

剛柔流の有名な型で、剛柔流から派生した流派でもこの型を採用されています。

演武の時間は1分ほどと型の中でもかなり短いですが、サイファの中には剛柔流の基本を表したさまざまな動きが備わっています。

サイファの動作は非常に力強く、各技を繰り出す際は丁寧かつ、正確に一つ一つの動きを行う必要があります。

また正拳突きを放つ際に、拳を前に引く「引き手」の動きが特殊で、短い型ですが、会得するのは簡単ではありません。

抜塞大

抜賽大(バッサイダイ)もまた剛柔流に伝わる型の1つです。

抜賽大とはその名の通り、城塞を抜けるという意味で、城塞を攻撃するかのような迫力と力強さが求められる型です。

型の中でも特に力を込めて行う必要があり、腕の動きや足の踏み込みなどに目を向けると参考になると思います。

しかし全ての動作を全力で行えば良いというわけではなく、適材適所で力を抜いて緩急をつける必要があります。

抜賽大は攻撃と防御の2つが絶妙に合わさっており、相手の攻撃を想定した動きをすることで、様になるといわれています。

チントウ

和道流に伝わる型の1つで、松濤館流では岩鶴(がんかく)と呼ばれており、彼の有名な少林寺でも採用されています。

チントウは突きと受けが絶妙に合わさった型です。演武の途中で回転したり、高難易度の歩行動作もあったりと、いかに体をブレずに動けるかが求められます。

また流れるように素早い動きを求められるため、極めれば迫力が非常にありますが、会得難易度は型の中でも高い部類です。

空手は自分自身との戦い

ボクシングやプロレスといった格闘技に部類されがちな空手。しかし格闘技は相手と対立するための戦いであり、空手の型はまさに自分自身との戦いといえます。

形の美しさやスピードなど自分自身の技術をひたすら極める競技です。自分自身と向き合い、集中力を高めることができるスポーツなので、一度体験してみるもの良いでしょう。よりオリンピックの空手の競技を楽しんで見ることができるかもしれません。

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