バイクエンジンをオーバーホールする目的は?作業内容や費用を紹介

2019.04.03

バイクを安全に乗るためには、日頃のメンテナンスが大切です。メンテナンスを怠ると、エンジントラブルを招く可能性が高くなります。また、長期的に乗っている人はオーバーホールも必要です。バイクエンジンのオーバーホールについて解説します。

オーバーホールの目的と手順

『バイクエンジン』は、バイクの心臓ともいえる部分です。エンジンのメンテナンスを定期的に行わないと、エンジントラブルが起きて走行不能や事故の原因となるため、注意しなくてはなりません。

バイクのメンテナンスはいくつかの種類があります。なかでも『オーバーホール』については、よく知らない人が多いのではないでしょうか?

長期的にバイクに乗っている人にとっては必要なメンテナンスなので、きちんと理解しておきましょう。ここでは、バイクエンジンのオーバーホールの目的と手順についてそれぞれ解説します。

パーツ単位に分解して整備、点検、修理する

オーバーホールとは、『パーツを分解して整備』することです。エンジンのほかキャブレターやサスペンションなどに行われます。バイクの場合、分解して整備することはすべてオーバーホールと呼ばれます。

高度な知識と技術が必要

オーバーホールは、部品を分解するため、専門知識と高度な技術が必要とされます。また、専用の工具も必要となるため、素人は自分で行わないようにしましょう。

完了後には慣らし運転を行う

オーバーホールが完了したら、『慣らし運転』を行いましょう。バイクの慣らし運転とは、ネジのゆるみの確認や、エンジン内部の部品同士を馴染ませるなどの目的もあり、慣らし運転をせずにそのままエンジンを高速回転させてしまうと故障することもあります。

エンジンを掛けたら、1~2分ほどエンジンが止まらない程度にアイドリングをさせましょう。これにより、エンジンを温めます。それから、制限内での回転(低~中回転)でゆっくりと走って、慣らし運転をしましょう。

オーバーホールでシリンダーやピストンを交換した場合、慣らし運転でピストンとシリンダーをゆっくりと動かしながら変形させて、馴染ませることができます。

オーバーホールの効果

バイクエンジンのオーバーホールで、どのような効果が得られるのでしょうか?

ここでは、オーバーホールの主な効果を2点紹介します。

エンジン由来のトラブルを防ぐ

バイクエンジンは、通常10万km以上乗っていても、定期的なメンテナンスをしていれば問題ないとも言われている丈夫なパーツです。

しかし、メンテナンスを怠ると、アイドリングが不安定になったり、オイル漏れを起こしたりなどトラブルの原因にもなってしまうので注意しましょう。

このような『エンジン由来のトラブルを防ぐ』ためにも、オーバーホールが必要なのです。

バイクの寿命を延ばすことができる

オーバーホールとは、簡単に言ってしまえば『エンジンを新品に近い状態にすること』です。

エンジンは、走行によってピストンリング・クラッチ・バルブステムシールが劣化していきます。これらのパーツをメンテナンスすることで、大事な愛車の寿命を延ばすことができるのです。

オーバーホールの費用

バイクを長く乗り続けるためには、オーバーホールが大切ということを説明しましたが、費用はどれくらいなのでしょうか?

ここでは、オーバーホールにかかる費用について紹介します。

エンジンの種類により料金に大きな幅がある

オーバーホールは、バイクに搭載されている『エンジンの種類』によっても異なります。

オーバーホールは、腰上(ピストン部分など)と腰下(ピストン下のシャフト部分など)の2つに分けて行われますが、原付クラスの小さい単気筒エンジンでは腰上のみのオーバーホールで5~10万円程度、腰下のみのオーバーホールで20~30万円程度が目安です。

また、大きなサイズの400ccクラスの場合では、腰上のみのオーバーホールで10~15万円程度、腰下のみのオーバーホールで30~50万円程度が目安です。

このように、エンジンの種類によっても、料金に大きな幅があります。

サイクル数や気筒数で変わる

『サイクル数』や『気筒数』の違いによっても部品数が異なるため、費用は変わります。サイクルとは、いくつの工程で爆発を発生させているのかということです。

たとえば、4サイクルエンジンであれば、吸気・圧縮・燃焼・排気の4工程で1回の爆発を発生させます。この爆発が動力となってクランクシャフトを回すための動力が生み出されているのです。

2サイクルエンジンでは、吸気と圧縮・燃焼と排気の2工程で1回の爆発を発生させる仕組みになっています。

エンジンには、金属でできたピストンとシリンダーが配置されています。このピストンが、シリンダーのなかを上下に動くことでエンジンとしての役割を果たしているのです。気筒数とは、エンジン内部のシリンダーの数のことです。

不具合が多ければコストがかさむ

オーバーホールは、不具合の部分を修正もしくは交換するなどをして整備するため、不具合が多ければコストもかさみます。

通常の走行ではあまり不具合を感じていない場合でも、メンテンナンスでエンジンを開けてみたら、交換が必要な部分が見つかることも少なくありません。普段からメンテナンスを心がけましょう。

不具合があまりにも多い場合には、車両価格を超えてしまうことも珍しくありません。まずは、専門店で見積もりを出してもらうことも大切です。

オーバーホールの時期

オーバーホールの『タイミング』は、どれくらいが目安なのでしょうか?

一般的には走行距離10万kmが目安と言われていますが、エンジンのメンテンナンスを頻繁にしている場合には、15万kmでも問題ないとも言われています。

しかし、古いバイクのレストア(老朽化からの復活)はもちろん、エンジンの調子がよくないと感じるときなど、オーバーホールのタイミングは一概に距離だけでは判断できません。

また、走行パターンなどによってもエンジンの劣化の速さは異なります。そのため、旧車などの中古バイクを購入した人は、オーバーホールを行った方がよいでしょう。

ここでは、オーバーホールの時期について解説します。

音や排気に異常が出たら検討

エンジンの寿命のサインは、『音や排気』で気づくことが可能です。サインには下記のようなものが挙げられます。

  • エンジンからカチカチと音がする
  • オイルが上がる頻度が高くなる
  • 出力の低下
  • 燃費が悪くなる
  • エンストが頻繁に起きる
  • メカノイズや異音がする

異音を感じたり、マフラーからの色が付いた排気が出てきたら、エンジンのオーバーホールのタイミングです。日頃から、自分のバイクの状態をチェックしておきましょう。

専門店への依頼がオススメ

バイクエンジンのオーバーホールは、エンジンの種類によっても難易度が大きく異なります。もちろん、自分でできないことはありませんが、どんな車種であっても専用工具と専門知識が必要です。

また、細かい作業なので、『専門店への依頼』をオススメします。

新車へ乗り換えるケースも多い

オーバーホールはパーツごとに分解して整備・点検・修理を行うため、通常のメンテナンスよりも大がかりになることが多く、費用もかかります。

そのため、オーバーホールにかかる費用によっては、そのタイミングで新しいバイクの購入を検討するのも手でしょう。

日頃のセルフメンテナンスも大切

バイクを安全に長く乗るためには、日頃の『セルフメンテナンス』も大切です。セルフメンテナンスを行っていれば、エンジンの劣化を防いで、寿命を長くすることも可能です。

ここでは、バイクのセルフメンテナンスの重要性について解説します。

メンテナンスでエンジンの寿命は変わる

バイクは、『丁寧な走り方』と『定期的なメンテナンス』によって、エンジンの寿命を大幅に伸ばすことが可能です。

また、走行頻度もバイクのセルフメンテナンスの1つです。1年に数回しか乗らないバイクよりも、日頃から乗っているバイクの方が寿命は長くなります。つまり、使用しないのもバイクにとっては良くないのです。

ただし、短距離の繰り返しはエンジンに負担をかけるため、エンジンの寿命はその分縮んでしまいます。1回の走行距離を20km以上を目安に走って、メンテナンスを行いましょう。

エンジンオイルの交換は必須

エンジン内部にある『エンジンオイル』は消耗品なので、適切なタイミングで交換する必要があります。エンジンオイルとは、エンジン内の血液のようなものです。

ピストン・シリンダー・クランクシャフトなど内部の金属製パーツが高速運動する際に、油膜を作って金属同士の摩擦を低減し、潤滑を良くする役目があります。また、エンジン内部の汚れを取り込むことでエンジンの寿命を長くする働きなどもあるのです。

エンジンオイルが少なくなると、エンジンオイルの作用が正常に働かなくなるため、注意しましょう。走行距離3000~5000km、もしくは半年に1度の交換がおすすめです。

エンジン以外も定期的に点検しよう

エンジンのパーツのメンテナンスも定期的に行うことで、より安全性を高められるでしょう。主に以下のようなものが挙げられます。

  • チェーンのメンテナンス
  • タイヤのメンテナンス
  • 電装品・バッテリーのメンテナンス

チェーンはエンジンのパワーを後輪に伝える重要なパーツです。そのため、汚れているとパワーロスの原因となるので磨いておきましょう。

タイヤは、経年劣化以外にも、後輪が真ん中部分だけがすり減ってしまったり、前輪の表面が波打ったようにすり減っていくことがよくあります。このような状態になったら、安全のために新しいタイヤと交換しましょう。

ライトやウインカーなどの電飾パーツも、切れたら交換が必要です。また、ライトなどが切れたり暗くなったりする原因として、電飾パーツの寿命以外にもバッテリー不良による電圧低下の可能性もあります。ケースに合わせて対応しましょう。

エンジンを管理し安全なバイクライフを楽しもう

安全なバイクライフを楽しむためには、エンジンのメンテナンスが大切です。また、メンテナンスすることで大幅に寿命を延ばせるので、愛車に長く乗り続けられるでしょう。

日頃からセルフチェックを行い、音や排気などに異常を感じたら専門店でオーバーホールをしてください。

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