東京でも有数の商業都市として知られている六本木。ですが、実は六本木やその周辺には美術館が多く、芸術の街としても六本木は有名です。今回はそんな六本木の美術館の中から、最高峰として知られるおすすめの場所を紹介していきます。
六本木駅からすぐ!徒歩5分以内の美術館
まず紹介するのは、六本木の中心となる、六本木駅のすぐ傍にある美術館です、駅から徒歩でも5分ほどで行ける美術館は、芸術都市としての六本木を満喫するためにまず訪れたい場所ですね。一つひとつ見ていきましょう。
国立新美術館
2007年に日本5番目の国立美術館として開館した「国立新美術館」は、日本を代表する美術館のひとつです。
見どころは国内最大規模の展示スペースで、これまでにジャンルも時代も問わず、様々な企画展が開催されてきました。また、「森の中の美術館」というコンセプトがあり、広々とした敷地や開放感あふれる館内で、日常から離れた気分を味わえるのも魅力です。
特定のコレクションを持たず、広い展示スペースを活かしてさまざまな美術を普及・発展させる「アートセンター」としての特色が強いユニークな美術館で、今の日本の美術の中心地とも言える場所です。
館内にはショップやレストラン、カフェなどもあるので、穏やかにゆっくりと一日を過ごすにもぴったりでしょう。
サントリー美術館
その名の通り食品会社のサントリーによって運営されている「サントリー美術館」は、主に日本の古美術を中心に扱う美術館です。収蔵品には絵巻などの図画が多く、日本ならではの「美」の空気を体感できます。
大都市の真ん中に立ち、テーマに「生活の中の美」を掲げていて、本格的な古典美術に身近に触れることができる美術館として人気を集めてきました。
どちらかというとコンパクトな施設なので、街に買い物などで出てきたときに気軽に足を運んで、サクッと回れるのも魅力のひとつです。日常の中の散策スポットに加えて、美術と接する機会を増やしてみてはいかがでしょうか。
21_21 DESIGN SIGHT
「21_21 DESIGN SIGHT」は、国内でも珍しく「デザイン」に焦点をあてた美術館です。デザインについて広く世間に発信・提案し、デザインへの理解と関心を深めていくことをコンセプトに持っています。
館内では「日常」をテーマとした展覧会が多く開かれ、さらにはトークショーやワークショップも合わさって、世間的にはあまり知られていない「デザイン」というものに親しみやすく触れることができます。企画にはプロのデザイナーが関わるので、より本質的なデザインを知ることができます。
建物は日本のデザイン界の巨匠・建築家の安藤忠雄が設計していて、美術館の空間全体でも「デザイン」の真髄を感じることができるのも魅力です。現代的で洗練された雰囲気が楽しめます。
美術館ならここ!六本木の訪れたい美術館
六本木駅の近くだけでなく、六本木全体で見ると、さらに多くの美術館があります。「六本木の美術館といえばここ!」と言えるような、おすすめの美術館を解説していきます。
森アーツセンターギャラリー
「森アーツセンターギャラリー」は、六本木ヒルズの森タワー内、展望台のある52階に位置するアートギャラリーです。大都会の中心でさまざまな美術展に触れることができる場として、年代を問わず幅広い層から支持を集めてきました。
美術系の施設としては珍しく、20時までと開館時間が長いのが特徴で、仕事や学校の後でも足を運びやすいギャラリーとしても知られています。
展示会のテーマも個展美術から現代のポップカルチャー・サブカルチャーまで幅広く、美術やデザインなど広い意味での「アート」と接することができる施設です。
森美術館
森ビルの53階にある「森美術館」は、52階のギャラリーと合わせて「森アートセンター」を構成する施設です。六本木ヒルズのコンセプトのひとつ「文化都心」の要として、都心で本格的な美術と触れられる場を作ってきました。
展示会の内容は絵画や彫刻などからファッションや現代アートまで幅広く、歴史的な美術から、前衛的なテーマまでを独自の切り口で紹介してきました。時には、センセーショナルな展示内容が議論を呼んだこともあります。
歴史的な美術ファンはもちろん、現代カルチャーに興味のある方、気軽にアートの世界に触れてみたい方にとっては、必見のスポットでしょう。
ちなみに、この森美術館と先述の国立新美術館、サントリー美術館の3つは「六本木アート・トライアングル」を構成しています。
WAKO WORKS OF ART
「WAKO WORKS OF ART(ワコウ・ワークス・オブ・アート)」は、六本木のピラミデビルにあるアートスペースです。主にヨーロッパのアーティストを中心に、現代アート・コンテンポラリーアートの発信・展示の場として活動してきました。
日本ではあまり知られていないアーティストを積極的にピックアップしているのが特徴で、現代アートの最前線を知ることができる場として、多くのアートファンの注目を集めています。
洗練された空間に先進的な作品が並ぶ施設内では、新感覚の刺激を受けられること間違いなしです。
六本木から行きやすい有名な美術館
最後に紹介するのは、六本木から行きやすいところにある有名な美術館の数々です。東京の中心部に位置する六本木からは、都内で人気の美術館へのアクセスもとても良くなっています。どんな美術館があるのか、見ていきましょう。
根津美術館
港区の青山にある「根津美術館」は、実業家や政治家として知られる初代根津嘉一郎のコレクションを中心に展示する美術館です。開館は1941年と、日本でも特に歴史の長い美術館として知られています。
コレクションには日本を中心とした東洋の古美術品が揃っていて、中には尾形光琳の「燕子花図屏風」といった国宝も数多くあります。さらに、根津嘉一郎の邸宅の庭園をそのまま用いた日本庭園も見どころで、眺めているだけで心が落ち着くような荘厳な雰囲気を感じさせてくれます。
日本的で落ち着いた「美」の空気を味わいながら、本格的な東洋古美術の世界にじっくり浸ることができる美術館です。
三菱一号館美術館
「三菱一号館美術館」は、東京駅のほど近く、千代田区丸の内にある美術館です。
見どころは明治時代の洋風建築をそのまま再現した建物で、館自体が日本初のオフィスビルとして建てられた「三菱一号館」の忠実なレプリカとなっています。
当時の空気がそのまま流れるような風情ある館内では近代美術を中心とした企画展が開催され、まるで近代にタイムスリップしたような光景の中で美術作品を見て回ることができます。
さらに、旧銀行営業室の施設を使ったカフェやミュージアムショップなどもあり、明治洋風建築の雰囲気をどこまでも楽しめる美術館です。
東京国立近代美術館
皇居の近く、北の丸公園の中にある「東京国立近代美術館」は、日本発の国立美術館として知られています。開館は1952年で、歴史の長さも美術館としての規模も、日本最大級となっています。
収蔵品は20世紀初頭から現代までの絵画や彫刻、写真、映像などが幅広く集まっていて、近代以降の日本美術の流れをたどることができるのが見どころです。
さらに、北の丸公演の中にあるということもあって、自然に囲まれて落ち着いた空間は、日常から離れた癒しのスポットとしても魅力的になっています。
同じ公園内には博物館の「科学技術館」や大規模会場として有名な「日本武道館」などもあり、東京観光で巡るのにもぴったりの美術館と言えるでしょう。
上野の森美術館
台東区の上野公園内にある「上野の森美術館」は、日本最古の美術団体「日本美術協会」が運営する美術館です。
独自の視点をもとに国内外の作品を借り入れたさまざまな企画展が開かれているのが特徴で、その内容は古美術から現代アート、アマチュア向けの公募展まで幅広く「美術」の世界を見せてくれます。
さらに、ギャラリーの設置やアートスクールの開設などもあって、より親しみやすく美術に触れられるスポットとして注目されてきました。
「バガボンド」で知られる漫画家の井上雄彦をテーマにした企画展を開催して一大ムーブメントを呼んだり、時には賛否両論を呼ぶ企画展が開催されたりと、世間的・社会的にも話題を集めてきた美術館です。
東京の美術館を知る上で欠かせない、ユニークなスポットと言えるでしょう。
芸術アートの最高峰
文化的にも日本の中心になってきた六本木。そんな六本木やその周辺にある美術館は、それぞれが特色を持ち、日本美術界で存在感を放っています。
また、商業施設や観光地も多い中に美術館が並んでいるので、買い物やデート、観光と合わせて展示や企画を見に行くことができるのも魅力です。
国内外の美術の歴史、そして最先端のアートやデザインに触れてみたい方は、ぜひ六本木の美術館を巡ってみてください。