シェイクスピアとはどんな人物?代表作など知っておきたい大人の教養

2018.07.31

『シェイクスピア』の作品には、難しそうなイメージがある人も多いかもしれません。彼が残した作品のあらすじを見ると、惹きつけられるストーリー展開で、現代人でも楽しめる内容であることがわかります。代表作や名台詞などを紹介します。

シェイクスピアとは

『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』など、後世長く愛され続ける作品を残した作家シェイクスピアとは、どんな人物なのでしょうか。

ルネサンス期を代表する劇作家

『シェイクスピア』、本名『ウィリアム・シェイクスピア』は、16〜17世紀初めのルネサンス期を代表する劇作家です。

シェイクスピアが残した作品は、共通して愛情、嫉妬、裏切り、復讐など、人間の強い感情を描いています。

シェイクスピアの生い立ち

ウィリアム・シェイクスピアは、ロンドンのストラトフォードという自然豊かな街に生まれました。

ウィリアム・シェイクスピアの父親ジョン・シェイクスピアは商売に成功し、町長まで務めました。そのため、ウィリアムは文法学校で良い教育を受けられたと思われます。

18歳で結婚した後の記録はほとんど残っておらず、どのように劇作家となったのかは謎が多いです。1592年頃には、既にシェイクスピアは俳優兼劇作家として、演劇界で活躍していたことがわかっています。

その後、シェイクスピアは、人気劇作家として名声を高めていきます。

英語の勉強にも使われる

シェイクスピアの作品は、英語の勉強や研究のためにも使われています。

シェイクスピアの作品に使われている英語は、現代で使われることがなくなってしまっているものも多いですが、現代英語の成立に大きな影響を及ぼしたとされています。

現代英語で使われる多くの単語や熟語は、シェイクスピアが作品に使用したことで世に広まっています。例えば『Advertising』(広告)や『Assassination』(暗殺)などの英単語も彼が生み出したとされています。

そのため、シェイクスピア作品は、英語の成立を研究する上で、重要な題材になっています。

今なお世界中で出版、上演されている

シェイクスピアの作品は、今もなお世界中で出版され、舞台上演されています。欧米では、高校の授業で『ハムレット』や『マクベス』など、多くのシェイクスピア作品が課題図書として使用されています。

また、1996年の『ロミオとジュリエット』をはじめ、2000年には『ハムレット』、15年には『マクベス』とハリウッドで映画化もされています。

初期は史劇や喜劇が多かった

1590年頃に書かれたとされる『ヘンリー六世』から、1600年頃に書かれた『お気に召すまま』までの彼の作品は、歴史を題材にした史劇や、喜劇ものが多いです。代表的な史劇と喜劇作品を紹介します。

ヘンリー六世

『ヘンリー六世』は3部構成の大作で、中世の薔薇戦争がテーマです。

劇の始まりは百年戦争の最中、フランスでは、ジャンヌ・ダルクがフランス軍を率いてイングランド軍と攻防し、イングランドでは、ヘンリー五世の死により、若くしてヘンリー六世が王位の座につきます。

やがて、百年戦争が終わりますが、ランカスター家(赤薔薇)のヘンリー六世と、ヨーク家(白薔薇)とのそれぞれの支持者たちが対立していきます。

歴史上の薔薇戦争における勢力関係をよく知ったうえで読むと、より一層楽しめる内容です。

夏の夜の夢

『夏の夜の夢』は、妖精の使う惚れ薬によって若い男女4人の恋愛が右往左往するお話です。

親の決めた結婚相手に納得が行かず、駆け落ちをしたライサンダーとハーミア、そして、親の決めた結婚相手であるディミートリアス、そしてディミートリアスのことが好きなヘレナが主な登場人物です。

『目が覚めたて最初に見たものを好きになる』という惚れ薬によって、ライサンダーとディミートリアスが両方ともヘレナのことを好きになってしまいます。

貴族、職人、妖精の世界が繰り広げる恋の騒動が面白いファンタジー劇です。

お気に召すまま

『お気に召すまま』は、男装した娘ロザリンドと、オーランドーの恋愛を描いた喜劇です。

オーランドーとロザリンドの2人が恋に落ちますが、障壁が立ちはだかります。ロザリンドは父親に追放されて、アーデンの森に逃げ込み、男装をして偽名を名乗り、男として生活することになります。

オーランドーも、兄に命を狙われていることを知り、同じ森に逃げ込みます。

ロザリンドを忘れられないオーランドーは、彼女を思う詩を書いた紙を森の至る所に刻みつけ、それを見つけたロザリンドは大喜びしますが、その瞬間をオーランドーに目撃され、男装のまま名前を偽り話しかけてしまいます。

ロザリンドとオーランドーが様々な障壁を乗り越えて結ばれる物語です。

劇場閉鎖期には詩集も刊行

ロンドンで疫病が流行し、劇場が閉鎖され、劇を上演できなくなったシェイクスピアは、資金集めの為に多くの詩も書いています。

ソネット集

シェイクスピアの詩として、特に有名なのが『ソネット集』です。

『ソネット』とは、全14行で構成されているヨーロッパの詩で、日本でいう短歌のようなものです。

シェイクスピアの『ソネット集』は、154番まであり、全体は2つの構成に分けられます。若い青年に向けた1〜126番と、『黒い貴婦人』(The Dark Lady)について歌った127〜154番です。

ヴィーナスとアドーニス

『ヴィーナスとアドーニス』は、シェイクスピアの有名な長編詩のひとつで、ギリシャ神話を題材にしたオウィディウスの『変身物語』を元に作られました。

『変身物語』では、ヴィーナスが愛するアドーニスに危険な動物の狩りをやめるよう説得しますが、アドーニスはそれを無視し、イノシシに殺されてしまいます。

シェイクスピアの詩では、ヴィーナスの豊満な肉体を描写し、森林や渓谷などの美しい背景描写を加えるなど、細部をリアルに描いた内容になっています。

後期に生まれた4大悲劇

シェイクスピアの『4大悲劇』といえばハムレット、オセロー、リア王、そしてマクベスです。大人の教養として、あらすじだけでも知っておきましょう。

シェイクスピアの悲劇は、主人公が復讐劇や愛憎劇に巻き込まれ、悩みに葛藤し、最後に死を遂げる、重厚な作品です。

ハムレット

『ハムレット』の物語は、デンマーク王である父の死から始まります。

急な死を遂げた父と、早すぎる母の再婚に困惑していたハムレットは、父親の亡霊に会い、自分は弟クローディアスに毒を盛られたのだと聞き、復習を誓います。

ハムレットは、王妃である母にそのことを伝えますが、それを盗み聞きしていた愛するオフィーリアの父をクローディアスと間違えて刺し殺してしまい、それを知ったオリーフィアは、川で溺れて死んでしまいます。

オフィーリアの兄レアティーズが登場し、ハムレットに復讐しようと剣術試合が行われます。復讐と復讐が重なり合う物語です。

オセロー

『オセロー』は、黒人の将軍オセローと、オセローを憎む部下のイアーゴが織りなす物語です。

将軍オセローの部下イアーゴは、オセローが自分より先にキャシオを昇格させたことを恨み、キャシオとオセローの妻デズデモーナの不倫をでっちあげます。イアーゴの様々な計略に、徐々にオセローは妻の不倫を信じ始めていきます。

イアーゴの策略に陥っていくオセローの様子に目が離せなくなる作品です。

リア王

『リア王』は、引退を考えたリア王が、3人の娘たちに国の領土を譲ろうとするところから始まります。

長女と次女は、言葉巧みに父王を喜ばせようとしますが、末娘のコーディリアはうまく愛を言葉にできず、リア王を怒らせて勘当されてしまいます。

勘当されたコーディリアは、フランスの王妃として迎えられますが、その間に2人の姉たちがリア王を冷たくあしらっていることを知り、フランス軍を率いて父を助けます。

王位継承、家族愛、裏切りと信頼など、登場人物が複雑に絡み合う物語が展開していきます。

マクベス

『マクベス』は、血なまぐさいホラーミステリーのような物語です。

スコットランドの将軍マクベスは、荒野で出会った魔女に、『あなたはいずれは王になる』、『バンフォーの息子も王になる』と予言されます。

この予言を信じ、王の座を狙うマクベスは、ダンカン国王を暗殺し、マクベスは晴れて王の座に就き、バンフォーも暗殺します。

次々と人を殺し、王の座についたマクベスの味方は次々と減っていきます。マクベスが狂気に陥っていく様子を描いた傑作です。

晩期の作品はロマンス劇が多い

シェイクスピアの晩年である1610年頃に書いた作品は『ロマンス劇』に分類され、ストーリーの最後が幸福な結末の作品が多いです。

ペリクリーズ

『ペリクリーズ』は、主人公ペリクリーズの逃亡劇から始まる物語です。

シリアのアンティオックに、美しい王女と結婚しようと求婚者達が集まります。しかし求婚する者は、王女の父の課した難解な謎を解かなければ死刑されるという厳しい条件が付いていました。

ペリクリーズは、その謎のおぞましい事実、つまり王女とその父が肉体関係にあることを見抜きますが、そのせいで命を狙われることになります。

ペリクリーズは逃亡生活中に結婚し、子供をもうけますが、家族はバラバラになってしまいます。波乱万丈のペリクリーズの物語は、最後には家族が再会し、ハッピーエンドとなります。

シンベリン

イングランド王のシンベリンの娘イノジェンは、幼馴染のポステュマスと密かに結婚をしましたが、それに激怒したシンベリン王は、ポステュマスを追放します。

ポステュマスが追放された間に、イノジェンは他の男から誘惑され断りますが、戻ってきたポステュマスは、イノジェンを信用できず、部下に彼女を殺すよう命じます。それを知ったイノジェンは逃亡します。

離ればなれになったイノジェンとポステュマスは、最後に結ばれます。

冬物語

シチリア王のレオンティーズは、王妃ハーマイオニーがボヘミア王と不倫していると疑い、お腹に宿していた娘パーディタを不倫による子供と思い込んで荒野に捨てます。

捨てられた娘パーディタは、ボヘミアで羊飼いに拾われて成長します。成長したパーディタと、ボヘミア王の王子が出会い、身分違いの恋に落ちますが、ボヘミア王の怒りを買うことになります。

離ればなれになった家族が、最後には感動の再会をする美しい物語です。

テンペスト

ミラノ大公プロスペローは、弟とナポリ王の策略により地位を奪われます。

プロスペローは、自分の地位を奪った2人に復讐するため、妖精エアリエルの力を借りて嵐を起こし、弟とナポリ王、ナポリ王の息子ファーディナンドが乗った船を漂流させます。

ナポリ王の息子ファーディナンドは、父らとは別のところに漂流し、そこで出会ったプロスペローの娘ミランダと恋に落ちます。

最終的に、プロスペローは魔法を捨てて、復讐に終止符を打ち、ナポリ王と王子を再会させ、娘ミランダとの結婚を皆で祝福します。

上記以外でのおすすめ作品

上記以外でも、おすすめのシェイクスピア作品はまだまだあります。

レオナルド・ディカプリオ主演の映画が大ヒットを納めた『ロミオとジュリエット』や、シェイクスピア作品の中でも人気が高いラブストーリー『ヴェニスの商人』もおすすめです。

ロミオとジュリエット

キャピュレット家とモンタギュー家は、昔から対立していましたが、その両家の息子ロミオと娘ジュリエットが恋に落ちます。

2人は両家の仲直りを願いながら、密かに結婚し夫婦となりますが、ロミオは追放されてしまいます。ジュリエットは名門貴族との結婚を申し込まれますが、頑なに拒否します。

両親に追い詰められたジュリエットは、仮死状態になる薬を飲み、死んだと思わせて棺に入れられて脱出し、目覚めた時に迎えに来たロミオと2人で駆け落ちすることを決めます。

仮死状態のジュリエットを見つけたロミオは、ジュリエットが死んだものと思い、その場で毒を飲み死んでしまいます。目覚めたジュリエットは、ロミオが手にしていた短剣で胸を刺し、ロミオの後を追います。

ヴェニスの商人

遊び人の貴族バサーニオは、莫大な遺産を持つ令嬢ポーシャにプロポーズするため、友人のアントーニオに資金繰りを頼みますが、すぐには用意できません。

そこでアントーニオは、高利貸しのシャイロックに資金を頼みます。シャイロックは借金の担保にアントーニオの胸の肉1ポンドを要求します。

アントーニオは、自分が管理している船が帰還すればお金を得られて、借金を返済できるので、その条件を飲み、契約書に署名をします。

バサーニオは得た資金で指輪を用意し、ポーシャに結婚を申し込みますが、アントーニオの船が難破したという知らせが届き、借金返済ができなくなったことを知ります。借金を巡る様々な騒動を描いた傑作です。

名言や格言でも知られるシェイクスピア

シャイクスピアは、劇中に登場人物が使って多くの名言や格言を世に残しています。代表的な名台詞・名言を、いくつか紹介します。

悲劇中の名言や格言

多くの人を殺して王の座についた『マクベス』が、次第に味方がいなくなり、最後の頼みの綱だった妻の死を受け、『人生は歩く影、哀れな役者にすぎない』(Life’s but a walking shadow, a poor player)と言います。

人間は、実体のない影のような存在に過ぎず、台本通りの哀れな役を演じる劇に過ぎないというフレーズは、人間の無力さを表現しています。

また、シャイクスピアは『役者』というフレーズを使い、人間が生きる世界を劇場に例えています。シェイクスピアは、これに似た台詞を他の作品でも度々使用し、人間や人生を役者に例えています。

喜劇中の名言や格言

シェイクスピアが、人生を役者に例えた名言は喜劇にもあります。

男装している事を明かせないまま恋愛が深まっていく『お気に召すまま』では、登場人物ジェイクイズが『この世は舞台、人はみな役者だ』(All the world’s a stage, And all the men and women merely players)と言っています。

また、『ヴェニスの商人』でも、借金返済の担保に胸の肉を要求されているアントーニオが劇中に以下のような台詞を述べます。

『この世は1つの世界だよグラシアーノ、誰もが自分の役をこなさなきゃならない舞台なのさ。僕のは悲しい役だよ』(I hold the world but as a world, Gratiano, A stage where every man must play a part. And mine a sad one)。

人はそれぞれの役を持って、世界という舞台で演じているということを表現しています。

人生で一度は触れてみたいシェイクスピア

シェイクスピア作品は、400年以上たった今も世界中の人々に賞賛されています。難しいと思われがちですが、現代人でも楽しめる作品ばかりです。大人の教養として、ぜひ人生で一度はシェイクスピア作品に触れてみましょう。

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